作用
国内で実施された多発性硬化症を対象とした臨床試験において、本剤1日1回0.5又は1.25mgを投与された161例中140例(87.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は肝機能検査値異常50例(31.1%)、鼻咽頭炎45例(28.0%)、徐脈18例(11.2%)、白血球減少16例(9.9%)であった。
外国で実施された多発性硬化症を対象とした臨床試験において、本剤1日1回0.5又は1.25mgを投与された2,344例中1,514例(64.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用はリンパ球減少375例(16.0%)、ALT(GPT)増加180例(7.7%)、頭痛170例(7.3%)、鼻咽頭炎170例(7.3%)であった。
(本剤の用法及び用量は1日1回0.5mgである。【用法及び用量】の項参照)(承認時までの集計)
重大な副作用
1. 感染症注1)(45.3%)
細菌、真菌、ウイルス等による感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、重篤な感染症が認められた場合には本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。播種性帯状疱疹注2)、ヘルペス脳炎注2)の死亡例が報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)
2. **徐脈性不整脈注1)(徐脈:11.2%、房室ブロック(第I度から第II度:5.0%、第III度注2):0.04%)等)
心拍数低下、房室伝導の遅延等の徐脈性不整脈があらわれ、血圧低下、浮動性めまい、疲労、動悸等の症状を伴うこともあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
3. 黄斑浮腫注1),注2)(0.6%)
黄斑浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には眼科学的検査を実施し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
4. 悪性リンパ腫注1)(頻度不明)
悪性リンパ腫が認められたとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
5. **可逆性後白質脳症症候群注1),注2)(頻度不明)
可逆性後白質脳症症候群があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、頭痛、意識障害、痙攣、視力障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 虚血性及び出血性脳卒中注1),注2)(頻度不明)
虚血性及び出血性脳卒中があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、頭痛、嘔気、麻痺症状、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7. 末梢動脈閉塞性疾患注1),注2)(0.04%)
末梢動脈閉塞性疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、四肢の疼痛、しびれ等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 血液・リンパ注1)
(5%以上)
リンパ球減少、白血球減少
2. 精神系注1)
(1%未満)
うつ病
3. 神経系注1)
(5%以上)
頭痛
4. 神経系注1)
(1%~5%未満)
浮動性めまい、傾眠
5. 神経系注1)
(1%未満)
片頭痛、錯感覚
6. 眼注1)
(1%未満)
霧視注2)、眼痛注2)
7. 呼吸器注1)
(1%~5%未満)
上気道の炎症、呼吸困難注2)、咳嗽注2)、一酸化炭素拡散能減少注2)
8. 呼吸器注1)
(1%未満)
努力呼気量減少注2)
9. 消化器注1)
(5%以上)
下痢
10. 消化器注1)
(1%~5%未満)
悪心、胃炎、腹痛、アフタ性口内炎、便秘、歯周炎、胃腸炎
11. 肝胆道系注1)
(5%以上)
肝機能検査値異常
12. 肝胆道系注1)
(1%~5%未満)
γ-GTP増加、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、ビリルビン増加
13. 皮膚注1)
(1%~5%未満)
発疹、脱毛症注2)、湿疹
14. 皮膚注1)
(1%未満)
そう痒症注2)
15. 筋骨格系注1)
(1%未満)
背部痛注2)
16. 全身症状注1)
(1%~5%未満)
けん怠感、疲労、発熱
17. 全身症状注1)
(1%未満)
無力症注2)
18. その他注1)
(1%~5%未満)
高コレステロール血症、血中トリグリセリド増加、高血圧
19. その他注1)
(1%未満)
体重減少注2)
注1)承認時までの国内臨床試験の集計を優先して記載した。国内臨床試験で発現頻度が算出できなかった副作用は、承認用法・用量(1日1回0.5mg)を含む外国臨床試験で認められた副作用の発現頻度に基づき記載した。なお、承認時までの国内外臨床試験で発現頻度が算出できなかった副作用は、頻度不明とした。
注2)承認時までに外国臨床試験で発現した副作用
高齢者への投与
高齢者では、心機能、肝機能及び免疫機能等が低下していることが多いため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。〔本剤投与中に妊娠した患者において、奇形を有する児が認められたとの報告がある。動物実験において、胚・胎児死亡率の増加(ラット及びウサギ)、内臓異常(ラット:総動脈幹遺残及び心室中隔欠損等)及び骨格変異(ウサギ)を含む発生毒性が認められている。〕
2.
本剤投与中は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
本剤40mgを単回投与した場合、気管支収縮に関連すると考えられる胸部絞扼感、胸部不快感が報告された。過量投与の場合には、症状に応じた対症療法を行うこと。本剤は透析又は血漿交換によりほとんど除去されない。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更に