)上昇,Al-P上昇等
内分泌系
頻度不明
月経異常,クッシング症候群様症状等
消化器
頻度不明
嘔気等
精神神経系
頻度不明
多幸症,不眠,頭痛等
筋・骨格
頻度不明
筋肉痛,関節痛等
脂質・蛋白質代謝
頻度不明
満月様顔貌,窒素負平衡等
体液・電解質
頻度不明
浮腫,血圧上昇,低カリウム性アルカローシス等
眼
頻度不明
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害,眼球突出等
血液
頻度不明
白血球増多等
皮膚
頻度不明
ざ瘡,そう痒,脂肪織炎等
その他
頻度不明
発熱,疲労感,創傷治癒障害,しゃっくり
注1:異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者に長期投与した場合,感染症の誘発,糖尿病,骨粗鬆症,高血圧症,後嚢白内障,緑内障等の副作用があらわれやすいので,慎重に投与すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[新生児に副腎不全を起こすことがある。また,血圧上昇,心筋壁の肥厚を起こすとの報告がある。動物試験で催奇形作用(口蓋裂)が報告されている3)。]
小児等への投与
1. 低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児の発育抑制があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと。
2. 長期投与した場合,頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
適用上の注意
1. アンプルカット時:アンプルカット時に異物の混入を避けるため,アンプルの首部の周りをエタノール綿等で清拭しカットすること。
2. 静脈内注射時:静脈内注射により,血管痛,血栓,静脈炎を起こすことがあるので,これを予防するため,注射部位,注射方法等について十分注意し,その注射速度はできるだけ遅くすること。
薬物動態
1. 吸収
(1) 血漿中濃度
脳外科手術患者にベタメタゾン100mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注を静脈内注射したときのベタメタゾンリン酸エステルナトリウムは,投与直後に高い血漿中濃度を示したが,その後急速に減少し,1時間後には690±480ng/mL(mean±S.E.),2時間後には40±40ng/mLであった。一方,遊離型ベタメタゾンの血漿中濃度は極めて徐々に減少し,1時間後には1230±160ng/mL,2時間後には940±110ng/mL,3時間後には790±40ng/mLであった4)。(測定法:HPLC)
0.1% 眼耳鼻科用液
5mL×10/支,5mL×50/支
参照 URL
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2454404A3067_1_04/
(2) 薬物動態パラメータ
健康成人8例にベタメタゾン8mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注10.6mgを単回静脈内注射したとき,ベタメタゾンのT1/2は335±51min,AUC0-∞は46.3±8.6μg・min/mLであった5)。(測定法:HPLC)(mean±S.D.)(外国人によるデータ)
2. 代謝
ベタメタゾンの一部はC-6位が代謝され6β-水酸化体になる。その主な代謝酵素はCYP3A4である6),7)。
3. 排泄
脳外科手術患者にベタメタゾン100mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注を静脈内注射したとき,6時間までの尿中に遊離ベタメタゾン及びベタメタゾングルクロン酸抱合体はほぼ同量排泄され,両方を併せた累積尿中排泄率は約5%であった4)。(測定法:HPLC)
4. その他
血漿蛋白結合率:64±6.0%5)(測定法:HPLC)(mean±S.D.,10例)(外国人によるデータ)
臨床成績
承認時における有効性評価対象例は出血性ショック56例,術中ショック87例であり,有効率はそれぞれ78.6%(44例),78.2%(68例)であった1)。
薬効薬理
作用機序
ショックに対する本剤の作用機序として,ライソゾーム膜の安定化,循環動態の改善,心血管作動物質の産生阻止,代謝系の改善及びショック肺発生の予防等が報告されている8)~10)。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(JAN)
[日局]
Betamethasone Sodium Phosphate
化学名:9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 21-(disodium phosphate)
分子式:C22H28FNa2O8P
分子量:516.40
化学構造式:
性状:白色~微黄白色の結晶性の粉末又は塊で,においはない。
水に溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(95)に溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
吸湿性である。
融点:約213 ℃(分解)
包装
リンデロン注20mg(2%):1mL 5管
リンデロン注100mg(2%):5mL 5管
主要文献及び文献請求先
主要文献
〔文献請求番号〕
1)
塩野義製薬集計;山村秀夫ほか:救急医学,1983,7(7),855〔198302045〕を含む計5文献
2)
厚生省薬務局:新医薬品等の副作用のまとめ,1992,p.2,薬務公報社,東京
3)
長谷川靖彦ほか:応用薬理,1974,8(6),705〔197400194〕
4)
松木明知ほか:基礎と臨床,1984,18(3),1081〔198402367〕
5)
Petersen,M.C.et al.:Eur.J.Clin.Pharmacol.,1983,25(5),643〔198302347〕
6)
千葉寛:治療,1994,76(9),2214〔199401231〕
7)
宮崎達男:ステロイドホルモン(清水直容編),1988,pp.50-51,中外医学社