下記状態時のアミノ酸,電解質及び水分の補給
・経口摂取不十分で,軽度の低蛋白血症又は軽度の低栄養状態にある場合
・手術前後
用法及び用量
通常,成人には1回500mLを末梢静脈内に点滴静注する.
投与速度は通常,成人500mL当たり120分を基準とし,老人,重篤な患者にはさらに緩徐に注入する.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減するが,最大投与量は1日2500mLまでとする.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1. 高度のアシドーシスのある患者
[アシドーシスが悪化するおそれがある.]
2. うっ血性心不全のある患者
[心不全が悪化するおそれがある.]
3. 糖尿病の患者
[高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
4. 高カリウム血症を伴わない腎不全のある患者
[腎不全病態が悪化するおそれがある.]
5. 重篤な肝障害のある患者
[肝障害が悪化するおそれがある.]
6. 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者
[水,電解質及び窒素代謝物が蓄積するおそれがある.]
重要な基本的注意
1. 本剤は500mL当たりアミノ酸を13.75g(窒素として2.14g),非蛋白熱量として,150kcalを含んでいるが,本剤のみでは1日必要量のエネルギー補給は行えないので,本剤の使用は短期間にとどめること.
2. 経口摂取不十分で,本剤にて補助的栄養補給を行う場合には,栄養必要量及び経口摂取量等を総合的に判断して,本剤の投与を行うこと.
3. 手術後における本剤の単独投与はできるだけ短期間(3~5日間)とし,速やかに経口・経腸管栄養ないし他の栄養法に移行すること.
副作用
総症例2,030例中(臨床試験504例,使用成績調査1,526例),138例(6.8%)に副作用が認められた.主な副作用は,血管痛89件(4.4%),静脈炎27件(1.3%),局所痛8件(0.4%)であった.
過敏症
(0.1~5%未満)
発疹
湿疹(痒みを伴う)
消化器
(0.1%未満)
悪心・嘔吐
循環器
(頻度不明)
心悸亢進
循環器
(0.1~5%未満)
胸部不快感
肝臓
(0.1~5%未満)
肝機能障害
AST(GOT)上昇
ALT(GPT)上昇
腎臓
(0.1%未満)
BUN上昇
代謝異常
(0.1%未満)
高アミラーゼ血症
高トリグリセライド血症
電解質異常
(0.1%未満)
高カリウム血症
血管障害
(0.1~5%未満)
血管痛
静脈炎
局所痛
大量・急速投与による障害
(頻度不明)
アシドーシス
その他
(頻度不明)
悪寒
熱感
発熱
頭痛
その他
(0.1~5%未満)
留置針刺入部の浮腫
その他
(0.1%未満)
蜂窩織炎
副作用が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,投与速度を緩徐にし減量するなど注意すること (「用法及び用量」の項参照).
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること (妊娠中の投与に関する安全性は確立していない).
2.
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが,やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること (授乳中の投与に関する安全性は確立していない).
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない (使用経験が少ない).
適用上の注意
投与速度:
ゆっくり静脈内に投与すること.
臨床成績
消化器術後患者256例(うち対照薬126例)に対し対照薬剤を用い各種栄養指標について群間比較臨床試験を実施したところ,有用性が認められた.
また,外科領域において消化器術後患者を主とする234例を対象に,また内科領域において消化器系疾患を有する患者92例を対象に一般臨床試験を実施したところ,有用性が認められた.1), 2), 3), 4)
薬効薬理
開腹術施行ラット及び低栄養ラットに本剤を絶食下60mL/body/dayで5日間連続注入したところ,窒素出納,電解質出納,血漿中アミノ酸パターンについて,優れた栄養効果が認められた.5), 6)
取扱い上の注意
〈使用前の注意〉
●内容液が漏れている場合や,内容液に混濁・浮遊物等の異常が認められるときは使用しないこと.
●空気遮断性の高い個包装内に脱酸素剤を入れて安定性を保持しているので,個包装が破損しているときは使用しないこと.
●排出口をシールしているフィルムがはがれているときは使用しないこと.
〈調製時の注意〉
●使用時には排出口をシールしているフィルムをはがすこと.
●注射針は,無菌的操作により,ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通すること.斜めに刺すと,ゴム栓や排出口内壁の削り片が薬液中に混入したり,容器を刺通し液漏れの原因となったりすることがある.
*●薬剤を配合するときには,よく転倒混和し,配合変化に注意すること.
**〈投与時の注意〉
●本品に通気針(エア針)は不要である.
*●輸液セット等のびん針を接続する際は,ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通すること.
●連結管を用いた2バッグ以上の連続投与は原則として行わないこと.
●個包装を開封したまま保管すると,内容液が変質する可能性があるので,速やかに使用すること.
〈ソフトバッグの取扱い上の注意〉
●本品は軟らかいプラスチックのバッグなので,鋭利なもの等で傷つけないこと.液漏れの原因となる.
*●容器の目盛りは目安として使用すること.
包装
200mL×20袋
500mL×10袋
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
森 昌造ほか: JJPEN. 1990; 12: 330.
2)
森 昌造ほか: JJPEN. 1990; 12: 344.
3)
森 昌造ほか: JJPEN. 1990; 12: 370.
4)
細田四郎ほか: JJPEN. 1990; 12: 394.
5)
岩澤康郎ほか: 医薬品研究. 1990; 21: 187.
6)
岩澤康郎ほか: 医薬品研究. 1