(n=5)
Cmax(μg/mL):68.8±10.9
Tmax(hr):1.0(1.0-3.0)
AUC0-504(μg・hr/mL):12300±4500
T1/2(hr):320±170
CL(mL/hr/kg):0.210±0.152
Vss(mL/kg):69.7±10.2
投与量:10mg/kg(n=6)
Cmax(μg/mL):192±36
Tmax(hr):3.0(1.0-9.0)
AUC0-504(μg・hr/mL):43900±7200
T1/2(hr):520±270
CL(mL/hr/kg):0.126±0.027
Vss(mL/kg):83.6±27.4
投与量:20mg/kg(n=3)
Cmax(μg/mL):214±68
Tmax(hr):9.0(3.0-25)
AUC0-504(μg・hr/mL):67400±15500
T1/2(hr):410±230
CL(mL/hr/kg):0.206±0.143
Vss(mL/kg):96.8±12.1
平均±標準偏差、Tmax:中央値(範囲)
(2) 反復投与
日本人悪性黒色腫患者に本剤2mg/kgを3週間に1回反復静脈内持続投与したときの投与終了時の血清中濃度及びトラフ濃度の推移を以下に示す。投与終了時の血清中濃度及びトラフ濃度は投与18週以降概ね一定に推移し、投与18週目には定常状態に達した。2)
臨床成績
悪性黒色腫患者を対象とした国内第II相試験(ONO-4538-02試験)2)
ダカルバジンによる化学療法歴を有する根治切除不能なIII期/IV期又は再発の悪性黒色腫患者35例を対象に、本剤2mg/kgを3週間間隔で点滴静注した。主要評価項目である奏効率(RECIST ガイドライン1.1版に基づく中央判定によるCR又はPR)は22.9%(90%信頼区間:13.4~36.2%※)であった。なお、事前に設定した閾値は12.5%であった。
例数(%)
完全奏効(CR):1(2.9)
部分奏効(PR):7(20.0)
安定(SD):15(42.9)
進行(PD):11(31.4)
評価不能:1(2.9)
※:Wilsonのスコア法を用いた近似法により求めた信頼区間。一方、二項分布の確率計算に基づく正確法により求めた90%信頼区間は11.9~37.5%であった。
薬効薬理
作用機序
ニボルマブは、ヒトPD-1に対する抗体であり、PD-1とそのリガンドであるPD-L1及びPD-L2との結合を阻害し、がん抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増強等により、腫瘍増殖を抑制すると考えられる。3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ニボルマブ(遺伝子組換え)
Nivolumab(Genetical Recombination)
分子量
約145,000
本質
ヒトPD-1に対する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体であり、重鎖221番目のアミノ酸残基がProに置換されている。チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される440個のアミノ酸残基からなる重鎖2本及び214個のアミノ酸残基からなる軽鎖2本で構成される糖タンパク質である。
承認条件
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
包装
オプジーボ点滴静注20mg 2mL:1バイアル
オプジーボ点滴静注100mg 10mL:1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
小野薬品工業:国内第I相試験成績(社内資料)
2)
小野薬品工業:国内第II相試験成績(社内資料)
3)
小野薬品工業:in vitro抗腫瘍効果(社内資料)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
小野薬品工業株式会社 医薬情報部 くすり相談室
〒541-8564 大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
電話 0120-080-340(オプジーボ専用ダイヤル)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
小野薬品工業株式会社
大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
ダウンロード
新規治療薬の開発・承認が待たれていた悪性黒色腫
小野薬品工業株式会社は7月4日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「オプジーボ(R)点滴静注20mg、100mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))」について、根治切除不能な悪性黒色腫を適応とする製造販売承認を取得したと発表した。

画像はwikiメディアより引用
外科手術による切除が不能な悪性黒色腫患者の予後は極めて悪く、かつこれまでそれを有意に改善する薬剤療法が存在しなかったことから、新規治療薬の開発・承認が待たれていた。
PD-1標的薬として世界初の承認取得
オプジーボは、2005年5月に小野薬品と米メダレックス社が締結した共同研究契約に基づき創製されたヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体。メダレックス社はその後2009年にブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY社)に買収され、同抗体の北米における開発・商業化権はBMY社に継承されている。小野薬品は、2011年9月にBMY社と戦略的ライセンス契約を締結し、オプジーボについて北米以外の地域のうち、日本・韓国・台湾における開発・商業化権を留保し、それ以外の全世界における独占的開発・商業化権をBMY社に供与した。
リンパ球表面にある受容体の一種であるPD-1は、生体において活性化したリンパ球を抑制するシステムに関与していることが知られている