査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
根治切除不能な悪性黒色腫
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.
化学療法未治療患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
2.
本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
3.
「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
用法及び用量
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
注射液の調製法及び点滴時間(「適用上の注意」の項参照)
(1)
本剤の投与時には1回投与量として2mg/kgとなるように必要量を抜き取る。
(2)
本剤は、1時間以上かけて点滴静注すること。
2.
本剤の投与にあたっては、インラインフィルター(0.2又は0.22μm)を使用すること。
3.
他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者〔自己免疫疾患が増悪するおそれがある。〕
2.
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者〔間質性肺疾患が増悪するおそれがある。(「警告」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)〕
重要な基本的注意
1.
Infusion reactionとして、発熱、悪寒、そう痒症、発疹、高血圧、低血圧、呼吸困難等があらわれることがあるので、本剤の投与は重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。また、2回目以降の本剤投与時にInfusion reactionがあらわれることもあるので、本剤投与中及び本剤投与終了後はバイタルサインを測定するなど、患者の状態を十分に観察すること。なお、Infusion reactionを発現した場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者を十分観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
2.
間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。(「警告」、「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照)
3.
甲状腺機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4等の測定)を実施すること。本剤投与中に甲状腺機能障害が認められた場合は、適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
生ワクチン
弱毒生ワクチン
不活化ワクチン
臨床症状・措置方法
接種したワクチンに対する過度な免疫応答に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤のT細胞活性化作用による過度の免疫反応が起こるおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内第II相試験の安全性評価対象35例中、30例(85.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用(10%以上)はそう痒症11例(31.4%)、遊離トリヨードチロニン減少8例(22.9%)、血中TSH増加7例(20.0%)、白斑6例(17.1%)、白血球数減少6例(17.1%)、遊離サイロキシン減少6例(17.1%)、甲状腺機能低下症5例(14.3%)、疲労5例(14.3%)、AST(GOT)増加5例(14.3%)、血中Al-P増加5例(14.3%)、血中CK(CPK)増加5例(14.3%)、血中LDH増加5例(14.3%)、CRP増加5例(14.3%)、リンパ球数減少5例(14.3%)、下痢4例(11.4%)、ALT(GPT)増加4例(11.4%)、γ-GTP増加4例(11.4%)、好酸球数増加4例(11.4%)、サーファクタントプロテイン増加4例(11.4%)及び皮膚色素減少4例(11.4%)であった。(承認時)
重大な副作用
1. 間質性肺疾患
間質性肺疾患(2.9%)があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。(「警告」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照)
2. 肝機能障害、肝炎
AST(GOT)増加(14.3%)、ALT(GPT)増加(11.4%)、γ-GTP増加(11.4%)、Al-P増加(14.3%)等を伴う肝機能障害(5.7%)、肝炎(頻度不明※)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3. 甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(14.3%)等の甲状腺機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
4. Infusion reaction
発熱、悪寒、そう痒症、発疹、高血圧、低血圧、呼吸困難等を含むInfusion reaction(頻度不明※)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、重度のInfusion reactionがあらわれた場合には直ちに投与を中止して適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
その他の副作用
以下の副作用が認められた場合には、症状にあわせて適切な処置を行うこと。
1. 血液及びリンパ系障害
10%以上
リンパ球減少症、白血球減少症
2. 血液及びリンパ系障害
1~10%未満
好中球減少症
3. 血液及びリンパ系障害
頻度不明※
貧血
4. 心臓障害