によって出血のリスクが高まる可能性があることを十分考慮すること。
2.
冠動脈造影前に初回負荷投与を行う場合は、本剤の血小板凝集抑制作用による出血のリスクが高まるので、穿刺部位等からの出血に十分注意すること。 [非ST上昇心筋梗塞患者を対象とした海外臨床試験(ACCOAST試験1))において、初回負荷用量60mgをPCI施行時に単回投与した場合に比較し、冠動脈造影前(平均約4時間前)に30mg及びPCI施行時に30mgと分割投与した場合に、さらなる有効性は認められずPCI施行に関連した重大な出血リスクが増大したとの報告がある。]
注) 本剤の承認用量は初回負荷用量20mg、維持用量3.75mg/日である。
3.
本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい(「臨床成績」の項参照)。なお、十分な休薬期間を設けることができない場合は重大な出血のリスクが高まることが報告されているので十分に観察すること。また、投与中止期間中の血栓症や塞栓症のリスクの高い症例では、適切な発症抑制策を講じること。手術後に本剤の再投与が必要な場合には、手術部位の止血を確認してから再開すること。
4.
高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、本剤投与中は十分な血圧コントロールを行うこと。
5.
経口抗凝固剤、アスピリン及び本剤を併用する場合には、出血のリスクが高まる可能性があるので十分注意すること。
6.
出血を起こす危険性が高いと考えられる場合には、中止等を考慮すること。また、出血を示唆する臨床症状が疑われた場合には、直ちに血球算定等の適切な検査を実施すること(「副作用」の項参照)。
7.
患者には通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう指導すること。また、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用している旨を医師に必ず伝えるよう患者に指導すること。
8.
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)等の重大な副作用が発現することがあるので、投与開始後2ヵ月間は、2週間に1回程度の血液検査等の実施を考慮すること(「副作用」の項参照)。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
抗凝固剤
ワルファリン、ヘパリン、エドキサバン等
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
アスピリン等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。
併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
機序・危険因子
相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。
2. 薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤
ロキソプロフェン、ナプロキセン等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。
併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
機序・危険因子
相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内第III相臨床試験において、総症例1,055例中487例(46.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、皮下出血109例(10.3%)、鼻出血72例(6.8%)、血尿58例(5.5%)、血管穿刺部位血腫44例(4.2%)及び皮下血腫41例(3.9%)等であった。 〔承認時〕
重大な副作用
1. 出血
頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、消化管出血、心嚢内出血等の出血(1.2%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
頻度不明注)
TTP(初期症状:倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状、血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、発熱、腎機能障害等)が認められた場合には、直ちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の適切な処置を行うこと。
3. 過敏症
頻度不明注)
血管浮腫を含む過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外において認められている副作用のため頻度不明。
重大な副作用(類薬)
1. 肝機能障害、黄疸
2. 無顆粒球症、再生不良性貧血を含む汎血球減少症
他の抗血小板剤で以下の重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 血液
1%以上
貧血
2. 血液
0.1~1%未満
血小板数減少、好酸球数増加、白血球数減少
3. 出血傾向
1%以上
皮下出血(10.3%)、鼻出血、血尿、血管穿刺部位血腫、皮下血腫、穿刺部位出血、血腫、処置による出血、歯肉出血、便潜血、結膜出血、痔出血、創傷出血
4. 出血傾向
0.1~1%未満
喀血、胃腸出血、網膜出血、出血、上部消化管出血、口腔内出血、カテーテル留置部位出血、紫斑、硝子体出血、出血性腸憩室、下部消化管出血、点状出血、血管偽動脈瘤
5. 肝臓
1%以上
肝機能障害
6. 肝臓
0.1~1%未満
γ-GTP上昇、ALP上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇
7. 腎臓
0.1~1%未満
腎機能障害
8. 精神神経系
0.1~1%未満
浮動性めまい
9. 消化器
0.1~1%未満
下痢、便秘、悪心・嘔吐、胃食道逆流性疾患、腹痛、腹部不快感、胃炎
10. 過敏症
1%以上
発疹
11. 過敏症
0.1~1%未満
紅斑
12. その他
0.1~1%未満
尿酸上昇、末梢性浮腫、背部痛、血管穿刺部位腫脹、血中甲状腺刺激ホルモン増加、狭心症
上記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。
注)海外において認められている副作用のため頻度不明。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態