投与量12例)を空腹時に単回経口投与した時、投与後3~3.5時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は6~8時間であった。
(下表参照)
(2) 反復投与9)
健康成人6例に、アピキサバン1回2.5及び5mg1日2回反復投与したとき、投与3日目に定常状態に到達し、累積係数は1.7~1.9であった。
(3) 食事の影響(外国人試験)10)
健康成人22例において、絶食時及び食後にアピキサバンを5mg単回経口投与したとき、食後投与におけるCmax及びAUCは、絶食時と比較してそれぞれ約15%及び約20%減少した。
2. 薬物動態
(1) 吸収(外国人試験)11), 12)
アピキサバンの投与量10mg注)までの絶対バイオアベイラビリティは約50%であった。
(2) 分布(外国人試験)12)~14)
健康成人6例を対象にアピキサバン0.5~5mgを静脈内注)単回投与した時の分布容積は、約21Lであった。アピキサバンは血球にも移行し、血漿中濃度に対する全血中濃度の比は、0.7~0.8であった。アピキサバンの血清蛋白結合率は、約87%であった。
(3) 代謝・排泄(外国人試験)12), 13), 15)~21)
アピキサバンは、複数の経路で消失する。アピキサバンの全身クリアランスは、約3.3L/hである。14C-アピキサバンを健康被験者に経口投与したとき、投与された放射能の約25%が代謝物として主として糞中に回収された。未変化体の尿中排泄は全身クリアランスの約27%を占め、胆汁中排泄及び腸での分泌の寄与も観察されている。3-オキソピペリジニル基のO-脱メチル化及び水酸化がアピキサバンの主な代謝部位である。未変化体が活性本体であり、その代謝物は薬理活性を持たない。アピキサバンは、主にCYP3A4/5によって代謝され、CYP1A2、2C8、2C9、2C19及び2J2の寄与は小さい。また、アピキサバンはP-糖蛋白及びBCRPの基質となる。
(4) 特殊集団における薬物動態
1) 腎機能障害者(外国人試験)22)
軽度(クレアチニンクリアランス(CLcr):51~80mL/min、10例)、中等度(CLcr:30~50mL/min、7例)及び重度(CLcr:15~29mL/min、7例)の腎機能障害を有する被験者への投与において、アピキサバンのAUCは、正常なCLcrの被験者と比較して、それぞれ16、29及び44%増加した(回帰モデルによる推定値)。
2) 肝機能障害者(外国人試験)23)
軽度(Child-Pugh A)及び中等度(Child-Pugh B)の肝機能障害被験者(各8例)及び健康成人(16例)にアピキサバン5mgを単回経口投与したとき、肝障害被験者及び健康成人の薬物動態は類似していた。
3) 年齢及び性差(外国人試験)24)
21~40歳の男女40例及び65~79歳の男女39例にアピキサバン20mg注)を単回投与したとき、Cmaxに年齢の影響は認められなかったが、AUCは高齢者でやや高い値(32%)を示した。
また、女性被験者のCmax及びAUCは男性被験者と比較して、約18%及び約15%高かった。
4) 体重(外国人試験)25)
体重50kg以下(18例)、65~85kg(18例)、及び120kg以上(19例)の被験者55例にアピキサバン10mg注)を単回投与したときのCmax及びAUCは、65~85kg群と比較して50kg以下群では約30%及び約20%高く、120kg以上群では約30%及び約20%低かった。
(5) 薬物相互作用
1) ケトコナゾール(外国人試験)26)
健康成人18例を対象に、CYP3A4及びP-糖蛋白の強力な阻害剤であるケトコナゾール(1回400mg1日1回経口投与)とアピキサバン(10mg注)単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ2及び1.6倍増加した。
2) ジルチアゼム(外国人試験)27)
健康成人18例を対象に、ジルチアゼム(1回360mg1日1回投与)とアピキサバン(10mg注)単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ1.4及び1.3倍増加した。
3) ナプロキセン(外国人試験)28)
健康成人21例を対象に、ナプロキセン(500mg単回投与)とアピキサバン(10mg注)単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ1.5及び1.6倍増加した。
4) リファンピシン(外国人試験)11)
健康成人20例を対象に、リファンピシン(1回600mg1日1回投与)とアピキサバン(10mg注)単回投与)を併用投与したとき、アピキサバンのAUC及びCmaxの平均値は、アピキサバン単独投与と比較して、それぞれ54%及び42%減少した。
5) エノキサパリン(外国人試験)29)
健康成人20例を対象に、エノキサパリン(40mg単回投与)とアピキサバン(5mg単回投与)を併用投与したとき、Xa因子の阻害は相加的であった。
(6) QT間隔に対する影響(外国人試験)30)
健康成人40例を対象に、アピキサバン1回50mg注)1日1回3日間投与したとき、プラセボで補正したQTc間隔は延長しなかった。
注:本剤の承認用量は1回2.5~5mg1日2回経口投与である。
投与量
(mg) Cmax
(ng/mL) AUC0-∞
(ng・h/mL) Tmax
(h) T1/2
(h)
2.5 52.5
(16) 466
(17)※ 3.50
(1.5, 6.0) 6.12
(1.21)※
10注) 175.7
(22) 1628
(18) 3.00
(1.0, 6.0) 8.11
(4.18)
各投与量12例、Cmax及びAUC0-∞は幾何平均値(変動係数%)、Tmaxは中央値(範囲)、※N=10
T1/2は算術平均値(標準偏差)
Cmax:最高血漿中濃度
AUC0-∞:無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積
Tmax:最高血漿中濃度到達時間
T1/2:消失半減期
臨床成績
1. 第3相試験
ワルファリンを対照とした国際共同第3相試験(ARISTOTLE試験)31)
非弁膜症性心房細動患者18,201例(日本人336例を含む)を対象に、アピキサバン5mg1日2回(以下、5mg BID)(ただし、血清クレアチニン1.5mg/dL以上、体重60kg以下、年齢80歳以上の3