れた症例は9,088例中2,524例(27.8%)であった。主な副作用は、鼻出血456例(5.0%)、血尿234例(2.6%)、挫傷151例(1.7%)、血腫129例(1.4%)、貧血103例(1.1%)であった。
日本人335例中160例に本剤が投与され、副作用が報告された症例は45例(28.1%)であった。主な副作用は、鼻出血11例(6.9%)、皮下出血8例(5.0%)、結膜出血4例(2.5%)、挫傷3例(1.9%)、皮下血腫3例(1.9%)、便潜血3例(1.9%)、血尿3例(1.9%)であった。
非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第2相試験(総症例218例)では、143例に本剤が投与された。副作用が報告された症例は143例中34例(23.8%)であった。主な副作用は、鼻出血5例(3.5%)、尿中血陽性3例(2.1%)であった。(承認時)
重大な副作用
*出血:
頭蓋内出血(頻度不明注))、消化管出血(0.7%)、眼内出血(0.3%)等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
1. 免疫系障害
頻度不明注)
過敏症(皮疹等の薬物過敏症、アレルギー性浮腫等のアナフィラキシー反応等)
2. 神経系障害
1%未満
味覚異常、くも膜下出血、三叉神経痛
3. 神経系障害
頻度不明注)
脳出血、頭蓋内又は脊髄内出血(硬膜下血腫及び脊髄血腫等)
4. 眼障害
1%以上
眼出血
5. 眼障害
1%未満
眼充血
6. 血管障害
頻度不明注)
血腫、腹腔内出血
7. 呼吸器、胸郭及び縦隔障害
1%以上
鼻出血
8. 呼吸器、胸郭及び縦隔障害
1%未満
喀血、咳嗽
9. 呼吸器、胸郭及び縦隔障害
頻度不明注)
気道出血(肺胞出血、喉頭出血、及び咽頭出血等)
10. 胃腸障害
1%以上
歯肉出血、胃腸出血、消化不良、便潜血陽性
11. 胃腸障害
1%未満
口腔内出血、便秘、腹部不快感、上腹部痛、血便排泄、下痢、逆流性食道炎
12. 胃腸障害
頻度不明注)
直腸出血、痔出血、後腹膜出血
13. 肝胆道系障害
1%未満
血中ビリルビン増加、γ-GTP増加
14. 肝胆道系障害
頻度不明注)
肝機能異常
15. 腎及び尿路障害
1%以上
血尿、尿中血陽性
16. 腎及び尿路障害
1%未満
尿中蛋白陽性
17. 生殖系及び乳房障害
1%未満
前立腺炎、膣出血
18. 生殖系及び乳房障害
頻度不明注)
不正出血、尿生殖器出血
19. 傷害、中毒及び処置合併症
1%以上
挫傷
20. 傷害、中毒及び処置合併症
1%未満
処置後出血
21. 傷害、中毒及び処置合併症
頻度不明注)
外傷性出血、切開部位出血
22. 皮膚及び皮下組織障害
1%未満
円形脱毛症、そう痒症、紫斑、膿疱性乾癬、顔面腫脹
23. その他
1%未満
初期不眠症、疲労、血小板減少症、血中ブドウ糖変動、高尿酸血症、血中ブドウ糖増加、血中CK(CPK)増加
24. その他
頻度不明注)
適用部位出血
副作用発現頻度は、承認時までの国内臨床試験及び国際共同臨床試験の日本人被験者の成績に基づき算出した。
注)国際共同臨床試験において副作用として特定された事象のうち、海外においてのみ認められた副作用を頻度不明として記載した。
高齢者への投与
一般に高齢者では腎機能が低下し本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。特に80歳以上の患者に対しては、腎機能低下(血清クレアチニン1.5mg/dL以上)及び体重(60kg以下)に応じて本剤を減量すること。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(マウス1)、ラット2)、3)及びウサギ4))で胎児への移行が認められている。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている5)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性及び有効性は確立していない。[使用経験がない。]
過量投与
1. 症状:
本剤の過量投与により、出血リスクが増大する。
2. 処置:
本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はない。出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、活性炭による処置を考慮すること。[外国人健康成人において、本剤20mgを経口投与後2及び6時間に活性炭を経口投与したとき、アピキサバンのCmaxは変化しなかったが、AUCは約50%及び27%低下し、消失半減期は活性炭非投与時の13.4時間から5.3及び4.9時間に短縮した6)。]
出血した場合には、症状に応じて外科的止血や新鮮凍結血漿の輸注等も考慮すること。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
日本人を含む急性冠症候群の患者(承認外効能・効果)を対象とした国際共同臨床試験において、本剤5mg1日2回群とプラセボ群の比較が行われたが、本剤群で臨床的に重要な出血の増加が認められたこと等から、試験は早期に中止となった。この試験ではほとんどの患者でアスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬の2剤との併用が行われていた7)。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与8)
健康成人に、アピキサバン2.5及び10mg注)(各