開始から3日間はベラパミル塩酸塩服用の2時間以上前に本剤を服用させること。
[「薬物動態」の項参照]
機序・危険因子
本剤による抗凝固作用が増強することがある。
薬剤名等
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)(アミオダロン塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、タクロリムス、シクロスポリン、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること。
機序・危険因子
本剤による抗凝固作用が増強することがある。
薬剤名等
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)(クラリスロマイシン)
臨床症状・措置方法
上記のP-糖蛋白阻害剤のような顕著な影響は受けないが、併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、併用時には患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
機序・危険因子
本剤による抗凝固作用が増強することがある。
薬剤名等
P-糖蛋白誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が低下することがある。このような場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
機序・危険因子
本剤による抗凝固作用が減弱することがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
非弁膜症性心房細動患者を対象とした第III相国際共同試験(日本人326例を含む総症例18,113例)において、12,043例に本剤が投与された。12,043例中、副作用が報告された症例は2,575例(21.4%)であった。主な副作用は、消化不良365例(3.0%)、下痢136例(1.1%)、上腹部痛134例(1.1%)、鼻出血133例(1.1%)、悪心131例(1.1%)であった。日本人324例中216例に本剤が投与され、副作用が報告された症例は86例(39.8%)であった。主な副作用は、消化不良12例(5.6%)、悪心8例(3.7%)、胸痛7例(3.2%)、上腹部痛6例(2.8%)であった。
非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第II相試験(総症例174例)では、104例に本剤が投与された。104例中、副作用が報告された症例は30例(28.8%)であった。主な副作用は、皮下出血7例(6.7%)、血尿3例(2.9%)、消化不良3例(2.9%)であった。(承認時)
重大な副作用
1.*出血(消化管出血、頭蓋内出血等)
消化管出血(1.6%)、頭蓋内出血(頻度不明注))等の出血があらわれることがあるので、観察を十分行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2.**間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
血液及びリンパ系障害
1%未満
貧血、凝血異常、好酸球増加症
血液及びリンパ系障害
頻度不明注)
血小板減少症
免疫系障害
頻度不明注)
薬物過敏症、そう痒、気管支痙攣
神経系障害
1%未満
浮動性めまい、傾眠
眼障害
1%未満
結膜出血、結膜ポリープ
心臓障害
1%未満
うっ血性心不全、動悸
血管障害
1%未満
高血圧、創傷出血
血管障害
頻度不明注)
血腫、出血
呼吸器障害
1%以上
鼻出血(1.3%)
**呼吸器障害
1%未満
口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、しゃっくり、胸水、咽喉絞扼感
呼吸器障害
頻度不明注)
喀血
胃腸障害
1%以上
消化不良(4.7%)、胃食道炎(3.1%)、悪心(2.8%)、腹部不快感(2.2%)、上腹部痛(1.9%)、心窩部不快感(1.6%)、嘔吐(1.3%)、消化管潰瘍(1.3%)
胃腸障害
1%未満
便秘、歯肉出血、腹部膨満、歯肉炎、痔出血、口腔内出血、嚥下障害、下痢、胃腸障害、胃食道逆流性疾患、吐血、血便排泄、痔核、胃酸過多、口の錯感覚
胃腸障害
頻度不明注)
腹痛
肝胆道系障害
1%未満
胆嚢ポリープ、肝障害
皮膚及び皮下組織障害
1%以上
皮下出血(3.1%)
皮膚及び皮下組織障害
1%未満
発疹、湿疹、蕁麻疹、皮膚乾燥、皮膚出血
筋骨格系及び結合組織障害
1%未満
背部痛、関節腫脹、筋痙縮
筋骨格系及び結合組織障害
頻度不明注)
出血性関節症
腎及び尿路障害
1%以上
血尿(1.3%)
腎及び尿路障害
1%未満
腎機能障害、腎不全、排尿困難
腎及び尿路障害
頻度不明注)
尿生殖器出血
生殖系及び乳房障害
1%未満
良性前立腺肥大症、女性化乳房
全身障害及び投与局所様態
1%以上
胸痛(2.2%)、浮腫(1.6%)
全身障害及び投与局所様態
1%未満
異常感、熱感、胸部不快感、疲労、歩行障害
全身障害及び投与局所様態
頻度不明注)
注射部位出血、カテーテル留置部位出血
臨床検査
1%未満
血中ビリルビン増加、便潜血陽性、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、ヘモグロビン減少、肝酵素上昇、血小板数減少
傷害、中毒及び処置合併症
1%未満
硬膜下血腫、創傷
傷害、中毒及び処置合併症
頻度不明注)
外傷性血腫、切開部位出血
以上のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注)海外において認められている副作用のため頻度不明
高齢者への投与
一般に高齢者では腎機能が低下しダビガトランの血中濃度が上昇する可能性があるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
[「慎重投与」、「薬物動態」の項参照]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で胎児に移行することが認められている。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に |