eline dyspnea indexとTransition dyspnea indexを用いて評価)の改善がみられたが、投与群間に有意差はなかった。
3)
慢性閉塞性肺疾患患者に対する52週間の二重盲検比較試験2試験において、アドエアディスカス(サルメテロール50μg/フルチカゾンプロピオン酸エステル250μg)はサルメテロールに比し中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患の増悪の回数を有意に減少させた(本剤のサルメテロールに対する中等度又は重度の増悪回数の減少率:30.4%、30.5%)。(表-5)
表-3 朝のピークフロー値の投与前値からの変化量(L/min)
変化量※ 群間差
[95%信頼区間]
アドエアディスカス(サルメテロール50μg/フルチカゾンプロピオン酸エステル250μg)(n=194) 29.8±2.80 13.4
[6.00,20.86]
フルチカゾンプロピオン酸エステル250μgとテオフィリン徐放製剤200mgの併用(n=188) 16.3±2.83 13.4
[6.00,20.86]
※:調整済み平均値±標準誤差
表-4 朝のピークフロー値の投与前値からの変化量(L/min)
変化量※ 群間差
[95%信頼区間]
アドエアエアゾール(サルメテロール25μg/フルチカゾンプロピオン酸エステル50μg)(n=48) 14.3±4.53 2.8
[-9.10,14.69]
サルメテロール25μgロタディスクとフルチカゾンプロピオン酸エステル50μgロタディスクの併用(n=48) 17.1±4.53 2.8
[-9.10,14.69]
※:調整済み平均値±標準誤差
表-5 慢性閉塞性肺疾患の増悪注1)に対する効果
海外臨床試験 薬剤 症例数 慢性閉塞性肺疾患の増悪
発現頻度
(回/年) 慢性閉塞性肺疾患の増悪
リスク比注2)
[95%信頼区間]
(p値)
試験1 アドエア250ディスカス 385 1.10 0.696
[0.583,0.831]
(p<0.001)
試験1 サルメテロール 393 1.59 0.696
[0.583,0.831]
(p<0.001)
試験2 アドエア250ディスカス 391 1.06 0.695
[0.582,0.830]
(p<0.001)
試験2 サルメテロール 385 1.53 0.695
[0.582,0.830]
(p<0.001)
注1)経口ステロイド剤又は抗菌剤を必要とした増悪あるいは入院を必要とした増悪を中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患の増悪と定義した。
注2)アドエア/サルメテロール比
薬効薬理
1. 抗喘息作用
(1)
サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用吸入投与により、モルモットにおける卵白アルブミン抗原誘発即時型喘息反応及び遅発型喘息反応を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好酸球増加に対して抑制作用を示した。
(2)
サルメテロールキシナホ酸塩の吸入投与により、モルモットにおけるヒスタミン誘発気道収縮を抑制し、その作用は6~10時間後に消失した。作用の持続時間は、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールより長かった。また、30日間連続吸入投与してもヒスタミン誘発気道収縮の抑制作用に耐性は認められなかった。15)
(3)
フルチカゾンプロピオン酸エステルの吸入投与及び気管内投与により、モルモットにおける卵白アルブミン抗原誘発遅発型喘息反応を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好酸球増加に対して抑制作用を示した。好酸球浸潤抑制作用はベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約7倍であった。
2. 慢性閉塞性肺疾患における抗炎症作用
(1)
サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用反復吸入投与により、モルモットにおけるタバコ煙誘発気道抵抗増加を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好中球及びマクロファージ増加に対して抑制作用を示した。
(2)
サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用反復鼻腔内投与により、マウスにおけるタバコ煙によって誘発される気管支肺胞洗浄液中の好中球、マクロファージ、好酸球、リンパ球及び上皮細胞増加に対して抑制作用を示した。
<サルメテロールキシナホ酸塩>
(1) 気管支拡張作用
1)
モルモット摘出気管平滑筋をイソプレナリン、サルブタモールとほぼ同等に弛緩した。摘出気管平滑筋のヒスタミン誘発収縮に対する抑制作用は、イソプレナリンの約2倍、サルブタモールの約4倍であった。また、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールに比べて作用の発現は遅いが、作用持続時間はこれら3剤より明らかに長く、60分以上であった。15)
2)
気管支喘息患者にサルメテロールキシナホ酸塩(サルメテロールとして50μg)を単回吸入投与した場合、投与後30分に肺機能検査値が有意に改善し、作用は12時間持続した。16)~18)
(2) β2-受容体選択性 -心脈管系に対する作用-15)
モルモットの摘出心房に対する作用は、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールより弱かった。また、吸入投与による心拍数増加はイソプレナリン、プロカテロールより弱く、サルブタモールとほぼ同等であり、β2-受容体に対する選択性が高かった。
(3) 気道クリアランスに対する作用19)
1)
麻酔ウズラの気管粘液繊毛輸送能は筋肉内投与により促進される。
2)
ラット肺胞II型上皮初代培養細胞からの肺表面活性物質の分泌を促進させる。
<フルチカゾンプロピオン酸エステル>
抗炎症作用
(1) ヒト血管収縮作用20)
フルチカゾンプロピオン酸エステルはMcKenzieらの方法による健康成人皮膚における血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)においてベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約1.9倍、ベタメタゾン吉草酸エステルの約2.6倍、フルオシノロンアセトニドの約9.5倍の局所抗炎症作