-12.3]
スルホニルウレア剤併用試験
スルホニルウレア剤単独投与 0.24±0.59
(n=45) 1.9±40.6
(n=45) 2.0±27.8
(n=45)
アナグリプチン併用投与 -0.53±0.48
(n=90) -0.79***
[-0.97~-0.59] -25.1±40.1
(n=90) -27.0***
[-41.6~-12.5] -10.3±29.2
(n=90) -12.4*
[-22.8~-2.0]
チアゾリジン系薬剤併用試験
チアゾリジン系薬剤単独投与 0.32±0.67
(n=31) 10.5±38.1
(n=31) 6.3±21.3
(n=31)
アナグリプチン併用投与 -0.52±0.68
(n=71) -0.84***
[-1.12~-0.54] -34.4±52.7
(n=69) -44.9***
[-65.8~-24.0] -15.9±34.9
(n=71) -22.2***
[-35.6~-8.7]
投与前からの変化量:平均値±標準偏差(症例数)、群間差:点推定[95%信頼区間]
*:p<0.05、**:p<0.01、***:p<0.001(2標本t検定)
薬効薬理
1. 作用機序
アナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である。インクレチンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)はグルコース依存的なインスリン分泌促進作用等を有するが21)、DPP-4により分解されて活性を失う22)。アナグリプチンはDPP-4の阻害によって内因性インクレチンの分解を抑制し、その作用を高めることで血糖コントロールを改善する。
2. 薬理作用
(1) DPP-4阻害作用23)
ヒトDPP-4(組換え体、血漿及びCaco-2細胞由来)の活性を選択的に阻害する(IC50 値:3.3、5.4及び3.5nmol/L)(in vitro)。
(2) インクレチンに対する作用12)
2型糖尿病患者において、アナグリプチン100mgを1日2回、3日間反復経口投与したところ、血漿中のDPP-4活性を阻害し、食後の活性型GLP-1及びGIP濃度を増加させた。
(3) 耐糖能及び糖代謝改善作用
1)
2型糖尿病患者において、アナグリプチン100mgを1日2回、12週間反復経口投与したところ、空腹時血糖値及び食後血糖値を低下させた10)。
2)
肥満・インスリン抵抗性動物(Zucker fatty ラット)24)及び非肥満・糖尿病動物(GK ラット)25)において、アナグリプチンは単回経口投与により糖負荷後の血漿インスリン濃度を増加させ、血糖値上昇を抑制した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
Anagliptin アナグリプチン
化学名
N-[2-({2-[(2S)-2-Cyanopyrrolidin-1-yl]-2-oxoethyl}amino)-2-methylpropyl]-2-methylpyrazolo[1,5-a]pyrimidine-6-carboxamide
分子式
C19H25N7O2
分子量
383.45
構造式
性状
アナグリプチンは白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、アセトニトリル又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、2-プロパノールに溶けにくく、ヘキサンに極めて溶けにくい。
融点
117~119℃
分配係数
0.46(1-オクタノール/水)
包装
100錠(PTP10錠×10)、140錠(PTP14錠×10)、500錠(PTP10錠×50、バラ)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における薬物動態:単回投与試験)
2)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における薬物動態:反復投与試験)
3)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人における薬物動態に及ぼす食事の影響及びプロベネシドとの薬物相互作用)
4)
(株)三和化学研究所 社内資料(健康成人におけるマスバランス)
5)
(株)三和化学研究所 社内資料(非臨床試験-薬物動態試験:分布)
6)
(株)三和化学研究所 社内資料(非臨床試験-薬物動態試験:代謝)
7)
(株)三和化学研究所 社内資料(非臨床試験-薬物動態試験:排泄)
8)
(株)三和化学研究所 社内資料(腎機能障害患者における薬物動態)
9)
(株)三和化学研究所 社内資料(肝機能障害患者における薬物動態)
10)
(株)三和化学研究所 社内資料(第II相試験)
11)
(株)三和化学研究所 社内資料(ミグリトールとの薬物相互作用)
12)
(株)三和化学研究所 社内資料(メトホルミンとの薬物相互作用)
13)
(株)三和化学研究所 社内資料(グリベンクラミドとの薬物相互作用)
14)
(株)三和化学研究所 社内資料(ピオグリタゾンとの薬物相互作用)
15)
(株)三和化学研究所 社内資料(ジゴキシンとの薬物相互作用)
16)
(株)三和化学研究所 社内資料(シクロスポリンとの薬物相互作用)