#12539;措置方法
糖尿病用薬と本剤を併用する場合には、低血糖症状を発現するおそれがあるので、慎重に投与すること。特に、スルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。スルホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、スルホニルウレア剤の減量を検討すること。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照)
α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与すること。
機序・危険因子
糖尿病用薬との併用により血糖降下作用が増強され、低血糖症のリスクが増加するおそれがある。
2. 薬剤名等血糖降下作用を増強する薬剤(β-遮断薬、サリチル酸製剤、モノアミン酸化酵素阻害薬、フィブラート系薬剤等)
臨床症状・措置方法
上記薬剤と本剤を併用する場合には、血糖降下作用の増強によりさらに血糖が低下するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
上記薬剤との併用により血糖降下作用が増強されるおそれがある。
3. 薬剤名等血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等)
臨床症状・措置方法
上記薬剤と本剤を併用する場合には、血糖降下作用の減弱により血糖が上昇するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
上記薬剤との併用により血糖降下作用が減弱されるおそれがある。
4. 薬剤名等ジゴキシン
臨床症状・措置方法
本剤との併用によりジゴキシンの血漿中濃度がわずかに増加したとの報告があるので、適切な観察を行うこと。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
国内で実施された臨床試験において、996例中198例(19.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は便秘26例(2.6%)、低血糖症20例(2.0%)、便潜血陽性19例(1.9%)等であった。[承認時]
重大な副作用
低血糖症
本剤の投与により低血糖症があらわれることがある。他のDPP-4阻害剤で、スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されていることから、スルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア剤の減量を検討すること。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照)
重大な副作用(類薬)
腸閉塞
腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 消化器
0.1~5%未満
便秘、下痢、胃炎、腹部膨満、腹痛、腹部不快感、血中アミラーゼ上昇、悪心・嘔吐、腸炎、鼓腸、消化性潰瘍
2. 過敏症注2)
0.1~5%未満
発疹、そう痒
3. 肝臓
0.1~5%未満
ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇
4. 精神神経系
0.1~5%未満
めまい
5. 血液
0.1~5%未満
貧血、白血球数増加
6. その他
0.1~5%未満
便潜血陽性、鼻咽頭炎、浮腫、CK(CPK)上昇、尿中血陽性、血中尿酸上昇
その他の副作用の注意
注2)症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与を考慮すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。]
2.
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
雌雄ラットに本剤200、600、2000mg/kg/日(2000mg/kg/日群の雄は投与71週以降1000mg/kg/日に減量)を104週間反復経口投与したがん原性試験において、2000/1000mg/kg/日群の雄で肝臓の血管肉腫の発生頻度が増加し、2000mg/kg/日群の雌(60例中1例)で同様の血管肉腫が認められた。また、2000/1000mg/kg/日群の雄で膀胱の移行上皮乳頭腫の発生頻度に増加傾向が認められた。ラットに本剤2000又は1000mg/kg/日を反復経口投与したときの曝露量(AUC)は、臨床での最大投与量(1回200mg、1日2回)の200倍以上又は140倍以上であった。なお、マウスを用いたがん原性試験では、腫瘍の発生頻度増加は認められなかった。
薬物動態
1. 血漿中濃度
(1) 単回投与1)
健康成人男子(6例)に本剤100又は200mgを空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータを以下に示す。
(2) 反復投与2)
健康成人男子(6例)に本剤200mgを1日2回、食直前に7日間反復経口投与したとき、血漿中濃度は投与2日目には定常状態に達した。投与7日目におけるCmax及びAUC0-72hの累積係数はそれぞれ0.96及び1.03であり、蓄積性は認められなかった。
(3) 食事の影響3)
健康成人男子(11例)に本剤100mgを食後に単回経口投与したとき、Cmax及びAUC0-24hは空腹時投与と比較してそれぞれ15%及び12%減少した。
2. 吸収(外国人における成績)4)
健康成人男子(6例)に[14C]アナグリプチン100mgを単回経口投