十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意(8)」の項参照)
その他の副作用
1. 感染症
1~5%未満
性器感染(腟カンジダ症等)、尿路感染(膀胱炎等)
2. 血液
1%未満
ヘマトクリット増加
3. 消化器
1~5%未満
便秘、口渇
4. 消化器
1%未満
下痢
5. 筋・骨格系
1%未満
背部痛
6. 皮膚
1~5%未満
発疹
7. 腎臓
1~5%未満
頻尿
8. 腎臓
1%未満
腎機能障害、排尿困難、尿量増加
9. 精神神経系
1%未満
頭痛、振戦、めまい
10. 眼
1%未満
眼乾燥
11. 生殖器
1~5%未満
陰部そう痒症
12. 循環器
1%未満
高血圧
13. その他
1%未満
倦怠感、体重減少
高齢者への投与
1.
一般に高齢者では、生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(「重要な基本的注意(3)」の項参照)
2.
高齢者では脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがあるので、注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。動物実験(ラット)において、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる期間の曝露及び生後21日~90日の曝露により、出生児及び幼若動物に腎盂及び尿細管の拡張が認められたとの報告がある。また、本薬の動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。]
2.
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性及び有効性は確立していない(使用経験がない)。
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖及び血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
国内外の臨床試験の併合解析において、全ての悪性腫瘍の発現割合は本剤群と対照群で同様であったが、膀胱癌及び乳癌では本剤群で多い傾向が認められた。しかしながら、投与開始から膀胱癌及び乳癌の診断までが短期間であったことから、いずれの腫瘍においても本剤との因果関係は確立されておらず、非臨床試験においても発癌性あるいは変異原性は認められていない。
薬物動態
1. 血漿中濃度
(1) 単回投与1)
健康成人男性6例に本剤2.5注)及び10mgを空腹時に単回経口投与したとき、ダパグリフロジンの血漿中濃度は投与約1時間後に最高値に達し、消失半減期は約8~12時間であった。
図 健康成人男性に本剤単回経口投与時の血漿中ダパグリフロジン濃度推移(平均±標準偏差、n=6)
表 単回経口投与時のダパグリフロジンの薬物動態パラメータ参照
注)本剤の承認用量は5~10mg/日である。
(2) 反復投与1)
2型糖尿病患者9例に本剤2.5注)及び10mgを1日1回14日間反復経口投与したとき、空腹時投与後のCmaxは48及び191ng/mL、AUCτは157及び727ng・h/mL、累積係数は1.28及び1.21であった。
注)本剤の承認用量は5~10mg/日である。
2. 食事の影響(外国人データ)2)
健康成人29例に本剤10mgを空腹時又は高脂肪高カロリー食摂取後(食後)に投与したとき、空腹時投与に対する食後投与のダパグリフロジンのCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は、それぞれ0.550(0.499, 0.606)及び0.973(0.943, 1.004)であった。食後投与のtmaxの中央値は、空腹時投与と比べ1.25時間遅延した。
3. 吸収(外国人データ)3)
健康成人男性7例に本剤10mgを空腹時に経口投与し、その1時間後に[14C]ダパグリフロジン80μgを1分間かけて静脈内投与したとき、バイオアベイラビリティは78%であった。
4. 分布(外国人データ)4),5),6)
In vitroにおけるダパグリフロジン(0.5及び5μg/mL)の血漿蛋白結合率(平衡透析法)は約91%であった。健康被験者、腎機能正常患者及び腎機能障害患者に本剤50mgを投与、健康被験者及び肝機能障害者に本剤10mgを投与したとき、血漿蛋白結合率(平衡透析法)は健康被験者では約92%、腎機能正常患者、腎機能障害患者及び肝機能障害者では約91%~95%であった。
5. 代謝(外国人データ)
本剤の主代謝物は3-O-グルクロン酸抱合体であり、肝臓及び腎臓でUGT1A9により代謝を受ける7)。外国人健康成人男性に[14C]ダパグリフロジン50mgを単回経口投与したとき、血漿中には3-O-グルクロン酸抱合体(血漿中総放射能の約42%)、未変化体(約39%)、2-O-グルクロン酸抱合体(約5%)及びベンジル水酸化体(約4%)が検出され、尿中には主に3-O-グルクロン酸抱合体(投与量の約61%)が認められた8)。
注)本剤の承認用量は5~10mg/日である。
In vitroにおいて、ダパグリフロジンはCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4を阻害せず、CYP1A2、CYP2B6及びCYP3A4/5を誘導しなかった。ダパグリフロジンはUGT1A1に対して弱い阻害作用を示した(IC50>50μM)9)。
6. 排泄(外国人データを含む)
外国人健康成人男性に50mgの[14C]ダパグリフロジンを投与したとき、総放射能の75%が尿中に、21%が糞中に排泄された。糞中からは投与量の約15%が未変化体として排泄された10)。健康成人男性6例に本剤2.5注)及び10mgを空腹時に