YP3A4の阻害作用を有するグレープフルーツジュースにより服用した時、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ1.9倍及び1.6倍になった14)。
・健康成人において、CYP3A4の誘導作用を有するリファンピシン600mgと本剤240mgの併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ1/6及び1/8になった13)。
・健康成人において、CYP3A4の基質であるロバスタチン80mgと本剤90mgの併用により、ロバスタチンのCmax及びAUCは1.3倍及び1.4倍になった15)。ロバスタチン80mgと本剤60mgの併用により本剤のCmaxとAUCはいずれも1.2倍になった16)。
・不整脈患者において、CYP3A4の基質であるアミオダロン200mgと本剤90mgの併用によるアミオダロンの薬物動態の変化は5%未満であった17)。
・健康成人において、CYP2C9の基質であるワルファリン25mgと本剤60mgの併用により、R-ワルファリンとS-ワルファリンの薬物動態は影響を受けなかった18)。
・健康成人において、P糖蛋白の基質であるジゴキシン0.25mgと本剤60mgの併用により、ジゴキシンのCmax及びAUCは、それぞれ1.3倍及び1.2倍になった。本剤のCmaxとAUCは、いずれも1.1倍になった19)。
・健康成人において、本剤30mgとフロセミド80mgとの併用により、本剤のCmax及びAUCはいずれも1.2倍になった。ヒドロクロロチアジド100mgとの併用により、本剤のCmax及びAUCは変化しなかった。本剤はフロセミド及びヒドロクロロチアジドの薬物動態に影響を与えなかった20)。
6. その他
※、※※腎障害(外国人による成績):腎機能の程度の異なる被験者(Ccr<30mL/min、Ccr=30~60mL/min及びCcr>60mL/min)に本剤60mgを投与した時のAUCは、それぞれ7,360ng・h/mL、6,980ng・h/mL及び3,890ng・h/mLであった。また、血漿中遊離型分率は、それぞれ1.2%、0.6%及び1.0%であった。血漿中遊離型分率を用いて算出した血漿中遊離型濃度のAUCは、Ccr<30mL/min、Ccr=30~60mL/min及びCcr>60mL/minでそれぞれ71.8ng・h/mL、36.4ng・h/mL及び37.5ng・h/mLであった21)。
肝障害:肝性浮腫患者に本剤15mgを投与した時のAUCは、中等度肝障害患者(Child-Pugh分類AまたはB)で1,618ng・h/mL、重度肝障害患者(Child-Pugh分類C)で2,172ng・h/mLであった22)。
高齢者(65歳以上)、性別:トルバプタンの薬物動態には年齢及び性別による影響は認められなかった23)。
薬物動態の表
表1 トルバプタン単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量 tmax(h) Cmax(ng/mL) AUCt(ng・h/mL) t1/2(h)
15mg 2.0(1.0~4.0) 135±53 645±367 3.3±1.2
30mg 2.0(1.5~6.0) 213±76 1,302±553 3.9±1.7
45mg 2.5(1.0~3.0) 363±318 2,098±1,950 2.9±0.8
60mg 3.0(1.5~4.0) 315±105 2,321±634 4.6±0.8
90mg 2.0(1.0~3.0) 429±146 3,600±922 5.8±1.4
120mg 2.0(2.0~3.0) 661±276 5,908±2,091 9.3±3.2
表2 心性浮腫患者にトルバプタン15mgを7日間反復投与時の薬物動態パラメータ
tmax(h) Cmax(ng/mL) AUC24h(ng・h/mL) t1/2(h)
投与1日目 4.0(1.8~5.9) 258±95 2,057±795 6.6±2.1
投与7日目 3.9(2.0~6.0) 256±102 2,173±1,188 6.8±2.2
※表3 肝性浮腫患者にトルバプタン7.5mgを7日間反復投与時の薬物動態パラメータ
※tmax(h) ※Cmax(ng/mL) ※AUC24h(ng・h/mL) ※t1/2(h)
※投与1日目 ※4.2(3.8~11.8) ※100±54 ※1,061±732 ※9.1±5.4
※投与7日目 ※4.0(1.7~7.9) ※112±60 ※1,370±1,165 ※8.5±4.1
※※表4 常染色体優性多発性のう胞腎患者にトルバプタン1日120mgを7日間反復投与時の薬物動態パラメータ
※※tmax(h) ※※Cmax(ng/mL) ※※AUC24h(ng・h/mL)
※※投与7日目 ※※2.0(1.0~9.0) ※※716±344 ※※6570±3230
(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、6例、30mg群のみ12例)
(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、10例)
※(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、20例)
※※(中央値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、12例
臨床成績
1. ※心性浮腫
※※第III相二重盲検比較試験において、他の利尿薬を投与しても体液貯留が認められるうっ血性心不全患者を対象に、本剤15mg又はプラセボを1日1回7日間経口投与し有効性を検討した。主要評価項目である最終投与時の体重変化量は、本剤 |