様症状に起因したと考えられる死亡例が認められている。
(全身性遅延型過敏性反応によると思われる副作用が認められた場合は本剤の投与を中止し、直ちに抗ヒスタミン剤又はステロイド剤の投与とともに抗結核剤による治療が必要である。)
4. 萎縮膀胱
本剤の投与中に、萎縮膀胱をきたした症例が認められている。
5. 腎不全
腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6. ライター症候群 (結膜炎、多発性関節炎等)
本剤の投与中に、ライター症候群をきたした症例が認められている。
その他の副作用
1. 泌尿器注1)
10%以上又は頻度不明
排尿痛 (32.9%)
頻尿 (29.2%)
肉眼的血尿 (15.7%)
尿蛋白 (22.9%)
尿沈渣〔赤血球〕 (28.6%)
尿潜血 (27.8%)
尿沈渣〔白血球〕 (55.4%)
2. 泌尿器注1)
10%未満
尿道痛、尿混濁、排尿困難
膀胱タンポナーデ (膀胱内血腫による)、尿道狭窄、残尿感、膀胱容量減少、切迫性尿失禁
尿糖
3. 生殖器注2)
10%未満
陰茎浮腫
4. 腎臓注3)
10%未満
血清クレアチニン上昇
血中尿素窒素量上昇
5. 肝臓注4)
10%以上又は頻度不明
肝機能検査値異常
[Al-P上昇 (14.6%)]
6. 肝臓注4)
10%未満
肝機能障害
肝機能検査値異常
[AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDHの上昇]
7. 血液
10%以上又は頻度不明
白血球数の増加又は減少 (14.1%)
ヘマトクリット減少 (12.5%)
赤血球沈降速度の異常 (14.1%)
8. 血液
10%未満
赤血球数の増加又は減少、血色素量減少、血小板数減少
血清総蛋白低下
血清電解質異常[Na、K、Cl]
9. 皮膚注5)
10%未満
発疹、皮疹
蕁麻疹
10. 精神神経系
10%未満
頭痛、頭重感
倦怠感
11. 呼吸器
10%未満
肺炎、咳嗽
12. 消化器
10%未満
悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎
ストレス性胃潰瘍による出血
13. 発熱注6)
10%以上又は頻度不明
発熱 (21.7%)
14. 発熱注6)
10%未満
悪寒戦慄、体熱感
15. その他注7)
10%未満
関節痛、腰痛、筋肉痛
下腹部痛、下腹部重圧感
鼠径部リンパ節腫脹
結膜炎、消耗、衰弱
注1) 排尿痛等の膀胱刺激症状に対しては、アセトアミノフェン、インドメタシン及びイブプロフェン等により対症的に処置できる。
注2) 陰茎浮腫については、カテーテル挿入時の陰茎損傷部に本剤が接触したものと考えられる。
注3) 腎機能異常に対しては、定期的検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められたときは、投与を中止し、抗結核剤療法及びその他適切な処置を行うこと。
注4) 肝機能障害に対しては、定期的検査を行い、異常が認められたときは、投与を中止し、抗結核剤療法を行うなどの適切な処置を行うこと。
注5) このような過敏性症状は重篤な副作用につながるおそれがあるので、本剤の投与を中止し、ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤のほか抗結核剤の投与も必要となる。
注6) 39℃以上の発熱、2日以上持続する38℃以上の発熱は、播種性BCG感染のおそれがあるので、本剤の投与を中止し、解熱剤の投与とともに抗結核剤療法を行うこと。また、過敏反応のあらわれと考えられる場合は抗ヒスタミン剤の投与も必要となる。
注7) 関節痛及び膀胱刺激症状に関連すると思われる下腹部痛、下腹部重圧感については鎮痛消炎剤で対処できるが、その他の症状については播種性BCG感染を示すことも考えられるので、本剤の投与を中止し、抗結核剤療法も必要となる。
高齢者への投与
表在性膀胱癌及び膀胱上皮内癌は高齢者に多く発生するが、副作用及び臨床検査値異常については高齢者に特に高率に発現する傾向はみられていない。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.
本剤の動物(ラット)における生殖・発生試験については、妊娠前及び妊娠初期投与試験のみ実施し、特に異常は認められていないが、妊婦に対する本剤の膀胱内注入は妊娠の維持にも問題があり好ましくないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある女性には本剤による治療中は避妊させること。
2.
本剤が母乳中に排泄されるかどうかは知られていないが、多くの薬剤が母乳へ排泄されており、授乳中の乳児が本剤により重篤な副作用を受ける可能性があるので、母体に対する本剤の重要性を考慮に入れて授乳を中止すべきか又は、本剤の投与を止めるかどうかを決定すべきである。
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない (使用経験がない)。
適用上の注意
1.
本剤は弱毒化したMycobacterium bovis であり、通常の取り扱いにより医療従事者が感染することは考えられないが、生菌製剤であるので、無菌的技法で使用すべきであり、本剤の取り扱い時にはゴム手袋及びマスクをつけること。
もし、誤って手指等の外傷部に本剤が接触したときは、外傷部を直ちにアルコール等で消毒すること。
2.
本剤と接触したすべての容器、器具等は煮沸消毒か、適切な消毒液等に浸し、消毒した後処分すること。
薬物動態
BCGは膀胱内注入の場合、正常な膀胱にはほとんど付着しないが、膀胱腫瘍により、あるいは、生検又はカテーテル挿入により損傷を受けた場合は、その損傷の場所に付着し、そこである程度増殖し、リンパ流を介して所属リンパ節に運ばれ、ある程度増殖し、さらに遠隔リンパ節や臓器に分布すると考えられるが、その間BCGはマクロファージに貪食され、その結果Tリンパ球のBCG抗原特異感作が成立し、リンフォカインを産生放出する。これによって活性化されたマクロファージがBCGを貪食・溶菌・分解するものと考えられる。1) 2)
臨床成績
1. 臨床成績3) 4)
国内で東京大学他計27施設で行われた臨床試験の概要は次のとおりである (表1参照)。
2. 臨床試験における副作用3)