本剤500mg 1日2回投与群 355 94
(191) 嘔気(24)、下痢(22)、頭痛(19)、発疹(14)、腹痛(11)、嘔吐(8)
プラセボ対照二重盲検比較試験(6ヵ月間投与)
年間4回以上性器ヘルペスの再発を繰り返す患者 本剤500mg 1日2回投与群 194 23
(-) 頭痛(9)、下痢(5)、嘔気(4)
表13
安全性解析対象症例数 発現症例数(件) 主な種類(例数)
519 63(118) 頭痛(30)、下痢(11)
表14 バラシクロビル試験
投与後日数 0 1 2 3 4 5 6
n 41 41 41 41 41 41 40
平均値 30.7 54.6 57.0 49.4 40.9 35.1 26.4
表15 アシクロビル試験
投与後日数 0 1 2 3 4 5 6
n 51 22 28 38 27 25 19
平均値 45.5 38.1 48.1 51.5 36.7 25.3 18.2
表16
安全性解析対象症例数 発現症例数(件) 種類(件)
43 2(3) ALT増加(1)、AST増加(1)、便秘(1)
薬効薬理
本剤はアシクロビルのプロドラッグであり、投与後速やかにアシクロビルに変換されて抗ウイルス作用を発現する。
(1) 抗ウイルス作用
1) 単純ヘルペスウイルスに対する作用
バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、単純ヘルペスウイルス1型及び2型のin vitroにおける増殖を抑制し、IC50はそれぞれ0.01~1.25μg/mL及び0.01~3.20μg/mLであった23),24)。また、単純ヘルペスウイルス1型を鼻面に接種したマウスに、バラシクロビル1mg/mLを飲水に溶解し4日間投与すると、皮膚の病巣の悪化が抑制された。
2) 水痘・帯状疱疹ウイルスに対する作用
バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、水痘・帯状疱疹ウイルスのin vitroにおける増殖を抑制し、IC50は0.17~7.76μg/mLであった25)~27)。また、サル水痘ウイルスを気道に接種したサルにバラシクロビル200及び400mg/kg/日を1日3回に分割し連続10日間経口投与したところ、皮疹の発現が抑制され、血中ウイルス価が減少した。
(2) 作用機序26),28)~32)
バラシクロビルは投与後、速やかにアシクロビルに変換される。アシクロビルは、単純ヘルペスウイルスあるいは水痘・帯状疱疹ウイルスが感染した細胞内に入ると、ウイルス性チミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼによりリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV-TP)となる。ACV-TPは正常基質であるdGTPと競合してウイルスDNAポリメラーゼによりウイルスDNAの3'末端に取り込まれると、ウイルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスDNAの複製を阻害する。
アシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス性チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する障害性は低いものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
バラシクロビル塩酸塩(Valaciclovir Hydrochloride)
化学名
2-[(2-Amino-1,6-dihydro-6-oxo-9H-purin-9-yl)methoxy]ethyl L-valinate monohydrochloride
分子式
C13H20N6O4・HCl
分子量
360.80
構造式
性状
白色~微黄白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
包装
42錠(6錠×7)PTP
主要文献及び文献請求先
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