らわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1. アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、血管浮腫等)
(いずれも頻度不明注1))
2. **汎血球減少(0.02%)、無顆粒球症(0.06%)、血小板減少(0.05%)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明注1))
3. **急性腎不全
(0.03%)
4. **精神神経症状
(0.24%)
意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等
5. **中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(いずれも頻度不明注1))
6. 呼吸抑制、無呼吸
(いずれも頻度不明注1))
7. 間質性肺炎
(頻度不明注1))
8. **肝炎(頻度不明注1))、肝機能障害(0.03%)、黄疸(頻度不明注1))
9. 急性膵炎
(頻度不明注1))
その他の副作用
次のような症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1. 過敏症注2)
0.5%未満
発疹、蕁麻疹、そう痒
2. 過敏症注2)
頻度不明注1)
光線過敏症
3. 肝臓
0.5%以上
肝機能検査値の上昇
4. 肝臓
0.5%未満
肝炎
5. 消化器
0.5%未満
嘔気、嘔吐、腹部不快感、下痢、腹痛
6. 精神神経系
0.5%未満
めまい、頭痛、意識低下
7. 腎臓
0.5%未満
腎障害
注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
注2)このような場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
本剤は、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高いアシクロビルの血中濃度が持続するおそれがあるので、投与間隔を調節し、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。また、本剤の投与中は適切な水分補給を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[活性代謝物のアシクロビルにおいて、動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎児に頭部及び尾の異常が認められたと報告されている2)。]
2.
本剤による性器ヘルペス再発抑制療法中に妊娠し、その後も本療法を続けた場合の安全性は確立していない。
3.
授乳婦への投与は慎重に行うこと。[本剤投与後、活性代謝物のアシクロビルがヒト乳汁中へ移行することが報告されている(「薬物動態」の項参照)。]
小児等への投与
**低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児に対しては使用経験がなく、乳児に対しては使用経験が少ない)。[動物実験(ラット)でバラシクロビルを経口投与したときの活性代謝物であるアシクロビルの曝露量は、成熟動物に比べて幼若動物で大きいことが報告されている。]
過量投与
徴候、症状
本剤の過量投与により、急性腎不全、精神神経症状(錯乱、幻覚、激越、意識低下、昏睡等)が報告されており、嘔気・嘔吐が発現する可能性も考えられる。
なお、これら報告例には、適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった腎障害患者又は高齢者における例が多く含まれていた。
処置
毒性の発現を注意深く観察すること。血液透析により、アシクロビルを血中より除去することができるので、過量投与により症状が発現した場合は、処置の一つとして血液透析を考慮すること(「薬物動態」の項参照)。
適用上の注意
1. 服用時
(1)
本剤は主薬の苦みを防ぐため、コーティングを施しているので、錠剤をつぶすことなく服用させること。
(2)
本剤を飲みにくい場合には多めの水で1錠ずつ、服用させること。
2. 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
1.
海外において、本剤の高用量(8g/日)を用い、重度の免疫不全患者(特に進行性HIV感染症患者)におけるCMV感染症予防に対する臨床試験が実施されている。この試験において、本剤が長期間にわたり投与された患者で、腎不全、微小血管溶血性貧血及び血小板減少(ときに併発)の発現が認められている。また、これらの症状は本剤の投与を受けていない同じ基礎疾患、合併症等を有する患者においても発現が認められている。
2.
Ames試験及びラット骨髄細胞染色体異常試験では陰性であったが、マウス骨髄小核試験では、高用量(経口投与、500mg/kg、アシクロビルのヒト血漿中濃度の26~51倍相当)において小核出現頻度の軽度増加を認めた。また、マウスリンフォーマ細胞を用いた遺伝子突然変異試験では、代謝活性化系の存在下で1000μg/mL以上の濃度において弱い遺伝毒性(変異コロニー頻度の増加)を示した。
薬物動態
バラシクロビルはアシクロビルのL-バリルエステルであり、経口投与後、主に肝初回通過効果によりアシクロビルに加水分解され、アシクロビルとして抗ウイルス作用を発現する。プロドラッグ化により経口吸収性が改善され、アシクロビル経口製剤より高いAUCが得られる。なお、バラシクロビルの消化管吸収にはペプチドトランスポ-ター(PEPT1)の関与が示唆されている。
(1) 吸収
1) 血漿中濃度3)
6例の健康成人にバラシクロビル500mg又は1000mgを単回経口投与した場合、その活性代謝物であるアシクロビルに主に肝臓において速やかに代謝され、血漿中アシクロビル濃度推移及び薬物動態パラメータは下記の通りであった。また、バラシクロビル500mgを1日2回(12時間毎)又は1000mgを1日3回(8時間毎)6日間反復経口投与した場合、数回の投与で血漿中アシクロビル濃度は定常状態に達し、トラフ濃度の平均はそれぞれ0.22~0.29μg/mL及び0.94~1.18μg/mLで