2539;肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
イホスファミドとエトポシドとの併用療法において、カルボプラチンの投与量及び投与方法は、カルボプラチンとして635mg/m2(体表面積)を1日間点滴静注又は400mg/m2(体表面積)を2日間点滴静注し、少なくとも3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
また、1歳未満もしくは体重10kg未満の小児に対して、投与量には十分配慮すること。
(2) 網膜芽腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
ビンクリスチン硫酸塩とエトポシドとの併用療法において、カルボプラチンの投与量及び投与方法は、カルボプラチンとして560mg/m2(体表面積)を1日間点滴静注し、少なくとも3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
ただし、36ヵ月齢以下の患児にはカルボプラチンを18.6mg/kgとする。
なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
4.
本剤投与時、投与量に応じて250mL以上のブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和し、30分以上かけて点滴静注する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
乳癌患者に本剤を投与する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤の添付文書を熟読すること。
2.
小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法において、腎機能が低下している患者では、骨髄抑制、聴器障害、腎障害の発現に特に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、腎機能の指標としてGFR(Glomerular filtration rate:糸球体ろ過値)等を考慮して、投与量を選択することが望ましい。
3.
小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:カルボプラチン(小児)」等)及び併用薬剤の添付文書を熟読すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
骨髄抑制のある患者[骨髄抑制を増悪させることがある。]
2.
腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。]
3.
肝障害のある患者[代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。]
4.
感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある。]
5.
水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
6.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
7.
小児(「小児等への投与」の項参照)
8.
長期間使用している患者[骨髄抑制等が強くあらわれ、遷延性に推移することがある。]
重要な基本的注意
1.
骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、適宜臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。また、前治療、特にシスプラチンの投与を受け腎機能が低下している患者では骨髄抑制が強くあらわれることがあるので、これらの患者では初回投与量を適宜減量し、血液検査値に十分注意すること。使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
2.
骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射を併用する場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
3.
本剤の投与にあたってはG-CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮すること。
4.
悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状が起こることがあるので、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。
5.
感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
6.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
7.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射の併用により、肝中心静脈閉塞症(VOD)が発症したとの報告があるので、十分注意すること。1)
8.
乳癌に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:カルボプラチン(乳癌)」等)を熟読すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等放射線照射
臨床症状・措置方法
(1)骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
機序・危険因子
ともに骨髄抑制等の副作用を有する。
2. 薬剤名等放射線照射
臨床症状・措置方法
(2)胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現したとの報告がある。併用する場合には、患者の状態に注意し、食道炎や肺陰影等が出現した場合には、本剤の投与及び放射線照射を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
機序は不明であるが、動物試験(マウス)で本剤による放射線感受性増加が認められている。
3. 薬剤名等抗悪性腫瘍剤
臨床症状・措置方法
骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
機序・危険因子
ともに骨髄抑制等の副作用を有する。
4. 薬剤名等腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
アミノグリコシド系抗生物質等
臨床症状・措置方法
腎障害及び聴器障害が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、慎重に投与すること。
機序・危険因子
ともに腎障害及び聴器障害を有する。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. 汎血球減少等の骨髄抑制
頻度不明
汎血球減少、貧血(ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘマトクリット値減少)、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血等があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬、中止等適切な処置を行うこと。
2. ショック