態」の項参照)]
3.
感染症を合併している患者[免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
4.
*肝炎ウイルス、結核等の感染又は既往を有する患者[再活性化するおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
重要な基本的注意
1.
間質性肺疾患(致命的な転帰をたどることがある)があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は以下の点を注意すること。[「重大な副作用」の項参照]
(1)
本剤投与前に、胸部CT検査を実施し、呼吸困難、咳嗽、発熱等の臨床症状の有無を確認した上で、投与開始の可否を慎重に判断すること。
(2)
本剤投与開始後は、定期的な胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。呼吸困難、咳嗽、発熱等の臨床症状が認められた場合には、必要に応じて、肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]、動脈血酸素飽和度測定等)を実施し、観察を十分に行うこと。
(3)
患者に対しては、呼吸困難、咳嗽、発熱等の臨床症状があらわれた場合には、直ちに連絡するよう指導すること。
2.
infusion reactionとして、潮紅、胸痛、呼吸困難、低血圧、無呼吸、意識消失、アナフィラキシー等の症状があらわれることがあり、致命的な転帰をたどることがあるので、本剤の投与は重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。2回目以降の本剤投与時に初めて重度のinfusion reactionを発現することもあるので、本剤投与中は毎回患者の状態に十分注意すること。本剤投与開始後はバイタルサインのモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察すること。infusion reactionを発現した場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者を十分に観察すること。また、重度なinfusion reactionが認められた場合は、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「重大な副作用」の項参照]
3.
高血糖があらわれることがあるため、投与開始前及び投与開始後は、定期的に空腹時血糖値の測定を行うこと。[「重大な副作用」の項参照]
4.
脂質代謝異常があらわれることがあるため、本剤投与前及び投与中は、血清コレステロール、トリグリセリドの測定を行うこと。
5.
*本剤の免疫抑制作用により、細菌、真菌、ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化する可能性があり、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。本剤投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化する可能性があるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置をしておくこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。[「重大な副作用」の項参照]
6.
創傷治癒を遅らせる可能性があるため、手術時は投与を中断することが望ましい。手術後の投与再開は患者の状態に応じて判断すること。
7.
腎不全があらわれ、致命的な転帰をたどることがあるため、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン、血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査を行うこと。[「重大な副作用」の項参照]
8.
本剤は無水エタノールを含有するため、前投薬で投与される抗ヒスタミン剤とアルコールの相互作用による中枢神経抑制作用の増強の可能性があるので、本剤投与後の患者の経過を観察し、アルコール等の影響が疑われる場合には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
9.
低カリウム血症、低リン酸血症があらわれることがあるため、定期的に血中電解質検査を行うこと。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
臨床症状・措置方法
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
機序・危険因子
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等 CYP3A酵素誘導作用を有する薬剤
カルバマゼピン、フェニトイン、バルビツール酸系製剤、リファブチン、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 等
臨床症状・措置方法
テムシロリムス及びその代謝物であるシロリムスの血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱する可能性がある。
機序・危険因子
これらの薬剤は、CYP3A4/5を誘導することにより、本剤及びその代謝物であるシロリムスの血中濃度を低下させるおそれがある。
2. 薬剤名等 CYP3A酵素阻害作用を有する薬剤
プロテアーゼ阻害剤(ネルフィナビル、リトナビル等)、抗真菌剤(イトラコナゾール、ケトコナゾール、ボリコナゾール等)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(パロキセチン、フルボキサミン等)、グレープフルーツジュース、ベラパミル、アプレピタント 等
臨床症状・措置方法
テムシロリムス及びその代謝物であるシロリムスの血中濃度が上昇する可能性があるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
これらの薬剤は、CYP3A4を阻害することにより、本剤及びその代謝物であるシロリムスの血中濃度を上昇させるおそれがある。
3. 薬剤名等不活化ワクチン(不活化インフルエンザワクチン等)
臨床症状・措置方法
ワクチンの効果が得られないおそれがある。
機序・危険因子
免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
4. 薬剤名等 ACE阻害剤
エナラプリル、リシノプリル、キナプリル 等
臨床症状・措置方法
本剤とこの薬剤の併用により、血管神経性浮腫反応(投与開始2カ月後に発現した遅延性反応を含む)が報告されている。
機序・危険因子
機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤の承認時までの副作用等の発現状況は、以下のとおりである。
国際共同(アジア)第II相臨床試験
国内を含む第II相臨床試験において、本剤が投与された82例中81例(98.8%)に副作用が認められた。その主な副作用は、発疹48例(58.5%)、口内炎4