0℃以下で保存し24時間以内に使用すること。
*その他の注意
1.
免疫抑制剤による治療を受けた腎移植患者では、腫瘍(特に悪性リンパ腫、皮膚癌)の発生率が高いとする報告がある。
2.
β2-刺激剤との併用により、低カリウム血症があらわれることがある。
3.
外国において、死菌ワクチン又は不活化ワクチンの効果を減弱させるとの報告がある。
4.
副腎皮質ホルモン剤の投与により、皮膚試験の反応が抑制されることがあるので、本剤投与中に皮膚試験を実施する場合は注意すること。
薬物動態
1. 血中濃度6)
健康成人(外国人)にメチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム製剤をメチルプレドニゾロンとして500mg/ヒトを静脈内投与した結果、定常状態において、血漿中メチルプレドニゾロンのAUCは11.3±1.2μg・hr/mL(平均値±標準偏差)、消失速度定数は0.33±0.02hr-1(半減期は2.1hr)であった。また、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム製剤をメチルプレドニゾロンとして10~3000mg/ヒトの投与量の範囲において血漿中メチルプレドニゾロンのAUCは投与量に比例して増加した。
(参考)
2. 分布7), 8)
ラットに3H-メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムをメチルプレドニゾロンとして30mg/kg静脈内投与したとき、5分後にはほとんどの組織に放射能の分布がみられ、臓器内濃度は肝、腸で最も高く、次いで、腎、副腎、血漿、心、膵、脳下垂体、肺、胃の順に高かった。
投与後24時間には、各組織内濃度は速やかに減少した。
3. 代謝9)
一般にステロイド骨格の6β水酸化反応はCYP3A4により触媒され、本薬の活性本体であるメチルプレドニゾロンにおいても6β水酸化体が主要代謝物であった。
4. 排泄7)
ラットに3H-メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムをメチルプレドニゾロンとして30mg/kg静脈内投与したとき、24時間後に尿中へ14.3%、糞中へ67.2%が排泄された。また、ラットにおいて乳汁移行が認められた。
臨床成績
気管支喘息に対する効果10)~14)
気管支喘息の急性増悪患者を対象とした海外における二重盲検比較試験の文献報告を検討した結果、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム製剤の有用性が認められた。
薬効薬理
1. 抗ショック作用15)~34)
ライソゾーム膜の安定化
膜透過性亢進の抑制
心筋抑制因子(MDF)の増加の抑制
2. 抗炎症作用15)~34)
3. 抗アレルギー作用、抗体産生の抑制15)~34)
4. 抗喘息作用15)~34)
炎症メディエーター産生抑制
血管透過性亢進抑制
炎症性サイトカイン・ケモカイン産生抑制
好酸球などの炎症細胞の気管・肺への浸潤抑制
アドレナリンβ受容体感受性低下抑制
気道における粘液分泌抑制
有効成分に関する理化学的知見
一般名
メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(methylprednisolone sodium succinate)
化学名
11β, 17, 21-trihydroxy-6α-methyl-1, 4-pregnadiene-3, 20-dione 21-sodium succinate
構造式

分子式
C26H33NaO8
分子量
496.53
性状
白色の粉末で、においはない。
水、メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、アセトンに極めて溶けにくく、クロロホルムにほとんど溶けない。
吸湿性である。
融点
約150℃(分解)
取扱い上の注意
[安定性試験]
最終包装品を用いた加速試験(40℃、6ヵ月)の結果、注射用プリドール(40、125、500、1000)は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。35)
包装
注射用プリドール40:40mg×5バイアル(溶解用液添付:1mL)
注射用プリドール125:125mg×5バイアル(溶解用液添付:2mL)
注射用プリドール500:500mg×5バイアル(溶解用液添付:8mL)
注射用プリドール1000:1000mg×5バイアル(溶解用液添付:16mL)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Bone,R.C.et al.:N.Eng.J.Med.,317,653(1987)
2)
**一般社団法人日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会 監修:喘息予防・管理ガイドライン2012「7 薬物によるコントロール 7-2 急性増悪(発作)への対応(成人)」140~154(2012)
3)
*濱崎 雄平ほか監修:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012 「第6章、第8章」
4)
*日本小児腎臓病学会学術委員会小委員会「小児ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン作成委員会」日本小児腎臓病学会雑誌 18, 170(2005)
(他2誌:日本腎臓学会誌 47, 790(2005),日本小児科学会雑誌 109, 1066(2005))
5)
*厚生労働省難治性疾患克服研究事業進行性腎障害に関する調査研究班 難治性ネフローゼ症候群分科会:日本腎臓学会誌 53, 78(2011)
6)
Ferry, J.J.et al.:J Clin Pharmacol 34, 1109(1994)
7)
北川 晴雄ほか:応用薬理 13, 235(1977)
8)
Braughler, J.M.et al.:J Neurosurg 58, 538(1983)
9)
Waxman, D.J.et al.:Arch Biochem Biophys 263, 424(1988)
10)
Haskell, R.J.et al.:Arch Intern Med 143, 1324(1983)
11)
Fiel, S.B.et al.:Am J Med 75, 259(1983)
12)
Littenberg, B.et al.:N Engl J Med 314, 150(1986)
13)
Younger, R.E.et al.:Pediatrics 80, 225(1987)
14)
Tal, A.et al.:Pediatrics 86, 350(1990)
15)