況の概要
承認時までの調査及び承認時以降の調査648例において、副作用は502例(77.5%)に認められた。主な副作用は食欲不振254件(39.2%)、白血球減少218件(33.6%)、嘔気200件(30.9%)等であった。(副作用調査終了時)
重大な副作用
痙攣発作(頻度不明)、間質性肺炎(0.1~5%)
痙攣発作、間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が発現した場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
1. 血液
10%以上又は頻度不明
白血球減少(33.6%)、血小板減少
2. 血液
1~10%未満
貧血
3. 血液
1%未満
出血
4. 肝臓
1%未満
肝障害
5. 腎臓
1%未満
BUN上昇
6. 消化器
10%以上又は頻度不明
食欲不振(39.2%)、悪心、嘔吐
7. 消化器
1~10%未満
下痢、口内炎
8. 消化器
1%未満
便秘、腹痛、口渇
9. 皮膚
10%以上又は頻度不明
脱毛
10. 皮膚
1~10%未満
発疹
11. 皮膚
1%未満
紅斑、色素沈着、そう痒、皮膚肥厚
12. 精神神経系
10%以上又は頻度不明
神経過敏※
13. 精神神経系
1~10%未満
感覚異常、倦怠感
14. 精神神経系
1%未満
腱反射の低下、嗜眠、振戦、頭痛、眩暈、多幸症
15. その他
10%以上又は頻度不明
筋肉痛※
16. その他
1~10%未満
発熱
17. その他
1%未満
心悸亢進、筋力低下
その他の副作用の注意
頻度不明は※
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[ラット、マウスにおいて、胎児の外形、骨格、内臓異常(20、60mg/kg/日)が、また、胎児致死の増加、発育抑制が報告されている。育成児においては、脳の発達異常(ラット20mg/kg/日、マウス6.5、20mg/kg/日)が報告されている。]
2.
授乳婦に投与する場合には、授乳を避けさせること。[安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
その他の注意
1.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群、肺癌等の二次性悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
2.
ラットに経口投与した実験で乳腺腫瘍が、マウスに経口、腹腔内投与した実験で肺腫瘍及び白血病が、サルに経口、皮下、腹腔内投与した実験で白血病が発生したとの報告がある。
3.
動物実験(マウス、腹腔内投与)で、精子形成の抑制を認めたとの報告がある。
薬物動態
<外国人における成績(参考)>
(1) 血中濃度
肝・腎機能正常な患者2例に14C-プロカルバジン30mgを絶食後単回経口投与したとき、血漿中総放射能濃度は60分後に最高値約0.6μg/mLに達した。また、腸管からほぼ完全に吸収されると示唆された。
(2) 代謝1)
患者5例に14C-プロカルバジン250mgを単回静脈内投与したとき、未変化体は急速に分解され(血中濃度半減期約7分)、酸化物であるアゾ誘導体の濃度が急上昇した。アゾ誘導体はさらにテレフタル酸イソプロピルアミドとなり、尿中に排泄された。
(3) 排泄2)
肝・腎機能正常な患者3例に14C-プロカルバジン25~30mgを単回静脈内投与したとき、24時間までの尿中排泄率は67.4~70.5%(平均68%)、3日目までの糞中排泄率は3.9~9.3%(平均7%)であった。
臨床成績
承認時迄に国内で実施された臨床試験における、ホジキン病、細網肉腫、リンパ肉腫の患者全132例の有効率(部分寛解以上)は表1、表2のとおりであった。3)
臨床成績の表
表1
疾患名 単独療法
症例数 単独療法
完全寛解 単独療法
部分寛解 単独療法
有効率(%)
ホジキン病 34 13 13 76.5
細網肉腫 13 4 4 61.5
リンパ肉腫 12 2 1 25.0
合計 59 19 18 62.7
表2
疾患名 併用療法
症例数 併用療法
完全寛解 併用療法
部分寛解 併用療法
有効率(%)
ホジキン病 25 10 10 80.0
細網肉腫 40 14 17 77.5
リンパ肉腫 8 1 6 87.5
合計 73 25 33 79.5
薬効薬理
1. 細胞学的又は染色体に対する作用4-6)
腹水癌移植ラットにおいて、染色体異常及び巨細胞出現等の細胞学的効果が認められた。
また、エールリッヒ腹水癌移植マウスにおいて、有糸分裂指数の低下、中間期延長、染色体切断率の上昇等、染色体に対する作用が認められた。
2. 核酸及び蛋白合成に及ぼす作用7-10)
組織培養された癌細胞において、各種標識アミノ酸(14C-glycine)の核酸及び蛋白への取り込み率を抑制した。
担癌マウスにおいては、核酸及び蛋白合成の抑制がみられ、transfer-RNAのメチル化に及ぼす影響が示唆された。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
プロカルバジン塩酸塩(Procarbazine Hydrochloride)(JAN)
化学名
N -(1-Methylethyl)-4-[(2-methy