はいずれもヘテロ接合体(UGT1A1*6/*28 ) としてもつ患者では、UGT1A1のグルクロン酸抱合能が低下し、SN-38の代謝が遅延することにより、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなることが報告されているため、十分注意すること。(「薬物動態」、「臨床成績」の項参照)
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
アタザナビル硫酸塩
(レイアタッツ)
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。UGT阻害作用のあるアタザナビル硫酸塩との併用により、本剤の代謝が遅延することが考えられる。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等他の抗悪性腫瘍剤
放射線照射
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。
患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。
機序・危険因子
併用により殺細胞作用が増強される。
薬剤名等末梢性筋弛緩剤
臨床症状・措置方法
末梢性筋弛緩剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤は、動物実験で筋収縮増強作用が認められている。
薬剤名等CYP3A4阻害剤
アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール等)
マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)
リトナビル
ジルチアゼム塩酸塩
ニフェジピン
モザバプタン塩酸塩等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。
機序・危険因子
本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化される。CYP3A4を阻害する上記薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が阻害されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN-38の生成がその分増加し、SN-38の全身曝露量が増加することが考えられる。
薬剤名等CYP3A4誘導剤
フェニトイン
カルバマゼピン
リファンピシン
フェノバルビタール等
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort: セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
本剤の活性代謝物(SN-38)の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
本剤投与期間中は上記薬剤・食品との併用を避けることが望ましい。
機序・危険因子
本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化される。CYP3A4を誘導する上記薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が促進されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN-38の生成がその分減少し、SN-38の全身曝露量が減少することが考えられる。
薬剤名等ソラフェニブトシル酸塩
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。
患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。
機序・危険因子
本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。UGT1A1阻害作用のあるソラフェニブトシル酸塩との併用により、本剤及び本剤の活性代謝物(SN-38)の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等※ラパチニブトシル酸塩水和物
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれがある。
患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する。
機序・危険因子
機序は不明だが、ラパチニブトシル酸塩水和物との併用により、本剤の活性代謝物 (SN-38)のAUCが約40%増加したとの報告がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. 骨髄機能抑制
(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血等があらわれるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
また、高度な骨髄機能抑制の持続により、次のような疾患を併発し、死亡した例も報告されているので、頻回に血液検査を実施し、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
・ 重症感染症(敗血症、肺炎等)
重篤な白血球・好中球減少に伴い、敗血症、肺炎等の重症感染症があらわれることがある。
・ 播種性血管内凝固症候群(DIC)
重篤な感染症、血小板減少に伴い、播種性血管内凝固症候群があらわれることがある。
2. 高度な下痢、腸炎
(頻度不明)
下痢、大腸炎、小腸炎、腸炎があらわれるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
なお、高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常、ショック(循環不全)を併発し、死亡した例も報告されているので、十分に注意すること。
3. 腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞
(頻度不明)
腸管穿孔、消化管出血(下血、血便を含む)、腸管麻痺、腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、腸管麻痺・腸閉塞に引き続き腸管穿孔を併発し、死亡した例が報告されている。これらの症例の中には、腸管蠕動を抑制する薬剤(ロペラミド塩酸塩、モルヒネ硫酸塩水和物等)の併用例があるので、腸管蠕動を抑制する薬剤を併用する場合には、特に注意すること。
4. 間質性肺炎
(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. ショック、アナフィラキシー様症状
(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察