再投与又は増量すること。
2.
**副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において,B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど,B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には,本剤の減量を考慮し,抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお,投与開始前にHBs抗原陰性の患者において,B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
3.
本剤の長期あるいは大量投与中の患者,又は投与中止後6ヵ月以内の患者では,免疫機能が低下していることがあり,生ワクチンの接種により,ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので,これらの患者には生ワクチンを接種しないこと。
4.
特に,本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると,致命的な経過をたどることがあるので,次の注意が必要である。
(1)
本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
(2)
水痘又は麻疹の既往のない患者においては,水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には,直ちに受診するよう指導し,適切な処置を講ずること。
(3)
水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても,本剤投与中は,水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルビツール酸誘導体:
フェノバルビタール
フェニトイン
リファンピシン 本剤の作用が減弱することが報告されている。 これらの薬剤はチトクロームP450を誘導し,本剤の代謝が促進される。
サリチル酸誘導体:
アスピリン 併用時に本剤を減量すると,血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し,サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。 本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し,血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤:
ワルファリンカリウム 抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている。 本剤は血液凝固促進作用がある。
経口糖尿病用剤:
アセトヘキサミド
インスリン製剤 これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。 本剤は肝臓での糖新生を促進し,末梢組織での糖利用を阻害する。
利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く):
トリクロルメチアジド,
フロセミド 併用により,低カリウム血症があらわれることがある。 本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
シクロスポリン 副腎皮質ホルモン剤の大量投与により,併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある。 シクロスポリンの代謝を阻害する。
マクロライド系抗生物質:
エリスロマイシン 副腎皮質ホルモン剤の作用が増強されるとの報告がある。 本剤の代謝が阻害されるおそれがある。
エフェドリン 副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進され,血中濃度が低下するとの報告がある。 機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない(再審査対象外)。
重大な副作用
次のような副作用があらわれることがあるので,症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
(1) **誘発感染症,感染症の増悪(頻度不明)
誘発感染症,感染症の増悪があらわれることがある。また,B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(2) 続発性副腎皮質機能不全,糖尿病(頻度不明)
(3) 消化性潰瘍(頻度不明)
(4) 精神変調,うつ状態(頻度不明)
(5) 骨粗鬆症,大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死,ミオパシー(頻度不明)
(6) 緑内障,後嚢白内障(頻度不明)
連用により眼圧亢進,緑内障,後嚢白内障を来すことがあるので,定期的に検査をすることが望ましい。
(7) ショック(頻度不明)
アナフィラキシー様反応があらわれることがある。
その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明
内分泌 月経異常
消化器 悪心・嘔吐
精神神経系 多幸症,不眠,頭痛
筋・骨格 筋肉痛,関節痛
脂質・蛋白質代謝 満月様顔貌,窒素負平衡
体液・電解質 浮腫,血圧上昇,低カリウム性アルカローシス
眼 中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害,眼球突出
血液 白血球増多
皮膚 創傷治癒障害,ざ瘡,そう痒,刺激感,脂肪織炎
その他 発熱,疲労感
高齢者への投与
高齢者に長期投与した場合,感染症の誘発,糖尿病,骨粗鬆症,高血圧症,後嚢白内障,緑内障等の副作用があらわれやすいので,慎重に投与すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験で催奇形作用が報告されており,また,新生児に副腎不全を起こすことがある。]
(参考)
マウス,ラット及びウサギを用いて催奇形性試験を行った。胎児の主要器官形成期にあるそれぞれの妊娠動物に,本剤の200~500mg/kg/日,100~250mg/kg/日を腹腔内に,25~300mg/kg/日を静脈内に注射し,妊娠末期胎児の異常の有無を調べた結果,口蓋裂及び椎骨系奇形の出現,化骨の遅延並びに胎児死亡率の上昇が認められた。
小児等への投与
1.
小児等の発育抑制があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと。
2.
長期投与した場合,頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
適用上の注意
1. 静脈内投与時
静脈内注射により,血管痛,静脈炎,不整脈又は循環性虚脱があらわれることがあるので,これを予防するため,注射