及びオルメサルタン メドキソミル10mg/アゼルニジピン8mg投与(低用量群:OLM10mg/AZ8mg)は、オルメサルタン メドキソミル20mg投与(OLM単独群:OLM20mg)又はアゼルニジピン16mg投与(AZ単独群:AZ16mg)よりも有意に優れた降圧効果が認められた(P <0.001)。投与12週時におけるトラフ時座位血圧の血圧下降度(投与終了時血圧と観察期基準血圧の差:ΔBP)は下図のとおりであった。
また、高用量群及び低用量群の副作用発現率は、OLM単独群及びAZ単独群と同程度であった。
調整済み平均値(95%信頼区間)
OLM:オルメサルタン メドキソミル
AZ:アゼルニジピン
# P <0.001 vs OLM20mg、† P <0.001 vs AZ16mg:収縮期血圧及び拡張期血圧それぞれのΔBP(調整済み平均値)の群間差について、観察期の血圧値、性別、体重を共変量とした共分散分析を実施
2. 長期投与試験
オルメサルタン メドキソミル又はアゼルニジピン投与にて血圧コントロール不十分な本態性高血圧症患者を対象に、オルメサルタン メドキソミル20mg/アゼルニジピン16mg又はオルメサルタン メドキソミル10mg/アゼルニジピン8mgを52週間投与した結果、安定した長期の降圧効果が得られた。
3. 血圧日内変動
軽症・中等症本態性高血圧症を対象に、オルメサルタン メドキソミル20mg/アゼルニジピン16mg又はオルメサルタン メドキソミル10mg/アゼルニジピン8mgを12週間投与し、自由行動下血圧測定による24時間血圧日内変動を検討した結果、オルメサルタン メドキソミルとアゼルニジピンの併用は1日1回投与において、血圧日内変動に影響を及ぼすことなく、また昼間・夜間・早朝の時間帯にかかわらず24時間持続した降圧効果を示すことが確認された。
薬効薬理
オルメサルタン メドキソミルは、プロドラッグであり、経口投与後、主に小腸上皮においてエステラーゼにより加水分解を受け、活性代謝物であるオルメサルタンに変換される。血漿中にはほとんどオルメサルタンとして存在し、アンジオテンシンII(AII)タイプ1(AT1)受容体に選択的に作用してAIIの結合を競合的に阻害し、昇圧系であるAIIの薬理作用を強力に抑制することにより、持続的な降圧作用を示す。オルメサルタン メドキソミルは、レニン・アンジオテンシン系(RAS)が活性化されている高レニン性高血圧モデルにおいて著明な降圧作用を示し、逆に、RASの関与が少ない低レニン性高血圧モデルにおける降圧作用は弱いことが知られている2)。アゼルニジピンはL型Caチャネル拮抗作用に基づき、血管を拡張させることにより降圧作用を発現する。アゼルニジピンは、肝初回通過効果の影響を受けにくく、降圧作用は緩徐で持続的である。アゼルニジピンは、オルメサルタン メドキソミルとは異なり、高レニン性高血圧モデルよりも低レニン性高血圧モデルにおいて強い降圧作用を示す3)。
本剤は高レニン性の高血圧で著明な降圧作用を示すオルメサルタン メドキソミルと低レニン性の高血圧に強い降圧作用を示すアゼルニジピンとの配合剤であるため、高血圧の成因にかかわらず安定した降圧作用を示すと考えられる。
降圧作用4)
高血圧自然発症ラットにオルメサルタン メドキソミルとアゼルニジピンを併用経口投与することにより、単独投与に比較して降圧作用の増強が認められた。また、オルメサルタン メドキソミルあるいはアゼルニジピンの単独投与で十分な降圧作用が得られなかった高血圧モデル(腎性高血圧ラット・DOCA食塩高血圧ラット)においても、オルメサルタン メドキソミルとアゼルニジピンの併用投与により有意な降圧作用を示した。
有効成分に関する理化学的知見
1. オルメサルタン メドキソミル
(1) 一般名
オルメサルタン メドキソミル(Olmesartan Medoxomil)
(2) 化学名
(5-methyl-2-oxo-1,3-dioxolen-4-yl)methyl 4-(1-hydroxy-1-methylethyl)-2-propyl-1-{[2'-(1H -tetrazol-5-yl)-1,1'-biphenyl-4-yl]methyl}-1H -imidazole-5-carboxylate
(3) 分子式
C29H30N6O6
(4) 分子量
558.59
(5) 構造式
(6) 性状
白色~微黄白色の粉末である。わずかに特異なにおい又は特異なにおいがある。
ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノール又はアセトンにやや溶けにくく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
(7) 分配係数
log Pow=1.0(pH7)
Pow=(オクタノール相のオルメサルタン メドキソミル濃度/水相のオルメサルタン メドキソミル濃度)
2. アゼルニジピン
(1) 一般名
アゼルニジピン(Azelnidipine)
(2) *化学名
3-[1-(Diphenylmethyl)azetidin-3-yl]5-(1-methylethyl)(4RS )-2-amino-6-methyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
(3) 分子式
C33H34N4O6
(4) 分子量
582.65
(5) *構造式
(6) *性状
淡黄色~黄色の結晶性の粉末又は塊を含む粉末である。
エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。エタノール(99.5)溶液(1→100)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
(7) 分配係数
(分配係数の表参照)
表 アゼルニジピンの分配係数(HPLC法)
pH 9 10
分配係数(log P) 4.43 4.42
取扱い上の注意
本剤(オルメサルタン メドキソミル含有製剤)をメトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等が変色することがあるので、一包化は避けること。
包装
レザルタス配合錠LD
(PTP) 100錠 140錠(14錠×10) 500錠 700錠(14錠×50)
(瓶) 500錠
レザルタス配合錠HD
(PTP) 100錠 140錠(14錠×10) 500錠 700錠(14錠×50)