オルメサルタン及びアゼルニジピンの血漿中濃度推移は本剤投与と併用投与で類似し、生物学的に同等であった。本剤投与時及び各単剤併用時のオルメサルタン及びアゼルニジピンの薬物動態パラメータは次表のとおりであった。
(表2参照)
(表3参照)
4. 血漿蛋白結合率(超遠心法)
ヒト血漿蛋白結合率はオルメサルタンが99%であり、アゼルニジピンが93%であった。
5. 代謝
オルメサルタン メドキソミルは、経口投与後、腸管及び肝臓あるいは血漿において加水分解され活性代謝物オルメサルタンに代謝される。
アゼルニジピンは、経口投与後、主に小腸及び肝臓で代謝され、CYP3A4によりジヒドロピリジン環が酸化される。
6. 排泄
健康な成人男子6例に14C-オルメサルタン メドキソミル20mgを単回経口投与したところ、総投与放射能排泄率は、尿中が12.6%(240時間後まで)、糞中が77.2%(312時間後まで)であった。(外国データ)
健康な成人男子4例に14C-アゼルニジピン4mgを単回経口投与したところ、総投与放射能排泄率は、尿中が26%、糞中が63%であった(投与後7日目まで)。(外国データ)
7. 高齢者における薬物動態
高齢高血圧症患者(75歳以上)18例にオルメサルタン メドキソミル10mgを1日1回14日間反復経口投与したところ、非高齢患者に比較しAUCが1.4倍高値を示したが、蓄積性はほとんど認められなかった1)。(外国データ)
高齢高血圧症患者(65~84歳)5例にアゼルニジピン8mgを1日1回朝食後7日間反復経口投与したところ、投与7日目のCmaxは25.7ng/mL、AUC0-24は242.8ng・hr/mLであり、投与1日目(Cmax:15.8ng/mL、AUC0-24:107.0ng・hr/mL)に比べ有意に高かった。
8. 腎機能障害患者における薬物動態
重症度別に8~9例ずつ3群に分けた腎機能障害患者26例に対し、オルメサルタン メドキソミル10mgを1日1回7日間反復経口投与したところ、7日目のオルメサルタンのAUCは、腎機能正常者と比較して、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者でそれぞれ1.6倍、1.8倍、2.8倍であった1)。(外国データ)
腎機能低下を伴う高血圧症患者6例(血清クレアチニン1.5~5.3mg/dL)にアゼルニジピン8mgを1日1回朝食後7日間反復経口投与したところ、投与7日目のCmaxは17.1ng/mL、AUC0-24は154.5ng・hr/mLであり、投与1日目(Cmax:8.6ng/mL、AUC0-24:67.3ng・hr/mL)に比べ有意に高かった。
9. 肝機能障害患者における薬物動態
軽度及び中等度の肝機能障害患者12例にオルメサルタン メドキソミル10mgを空腹時単回経口投与したところ、肝機能正常者と比較してオルメサルタンのAUCはそれぞれ1.1倍、1.7倍であった1)。(外国データ)
軽度及び中等度の肝機能障害患者及び健康人各8例にアゼルニジピン8mgを単回経口投与したところ、ほぼ同様の血漿中濃度推移を示した。(外国データ)
表1
パラメータ オルメサルタン アゼルニジピン
Cmax(ng/mL) 842(20) 26.8(42)
Tmax注)(hr) 3.5(2.0~6.0) 3.0(2.0~6.0)
t1/2(hr) 5.9(8.1) 11.2(11.7)
AUC0-tz(ng・hr/mL) 4258(16) 174(28)
n=12、幾何平均(幾何CV%)
注)中央値(最小値~最大値)
表2
パラメータ LD錠(n=24)
(OLM10mg/AZ8mg)
オルメサルタン LD錠(n=24)
(OLM10mg/AZ8mg)
アゼルニジピン 単剤併用(n=24)
(OLM10mg及びAZ8mg)
オルメサルタン 単剤併用(n=24)
(OLM10mg及びAZ8mg)
アゼルニジピン
Cmax(ng/mL) 339(15) 4.6(34) 324(13) 4.5(33)
Tmax注)(hr) 2.0(1.0~4.0) 2.5(2.0~4.0) 2.0(1.0~4.0) 3.0(2.0~6.0)
t1/2(hr) 6.3(12.1) 11.2(11.9) 6.4(12.4) 11.0(14.3)
AUC0-32(ng・hr/mL) 2109(24) 35(37) 1977(21) 36(37)
幾何平均(幾何CV%)
注)中央値(最小値~最大値)
OLM:オルメサルタン メドキソミル、AZ:アゼルニジピン
表3
パラメータ HD錠(n=23)
(OLM20mg/AZ16mg)
オルメサルタン HD錠(n=23)
(OLM20mg/AZ16mg)
アゼルニジピン 単剤併用(n=23)
(OLM20mg及びAZ16mg)
オルメサルタン 単剤併用(n=23)
(OLM20mg及びAZ16mg)
アゼルニジピン
Cmax(ng/mL) 622(20) 10.5(39) 581(23) 11.0(41)
Tmax注)(hr) 2.0(1.0~4.0) 3.0(2.0~6.0) 3.0(1.0~6.0) 3.0(2.0~10.0)
t1/2(hr) 6.6(11.5) 11.2(14.8) 6.3(12.6) 10.8(10.2)
AUC0-32(ng・hr/mL) 4282(20) 102(42) 4274(26) 102(44)
幾何平均(幾何CV%)
注)中央値(最小値~最大値)
OLM:オルメサルタン メドキソミル、AZ:アゼルニジピン
臨床成績
1. 二重盲検比較試験
軽症・中等症高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験において、オルメサルタン メドキソミル20mg/アゼルニジピン16mg投与(高用量群:OLM20mg/AZ16mg)