ムの異なる降圧剤の併用により薬理作用が増強される。
7. 薬剤名等 ジゴキシン
臨床症状・措置方法
アゼルニジピンとの併用によりジゴキシンのCmaxが1.5倍、AUCが1.3倍に上昇することが報告されている。必要があればジゴキシンを減量すること。
機序・危険因子
ジゴキシンの腎排泄(尿細管分泌)及び腎外からの排泄を阻害するためと考えられる。
8. 薬剤名等 シメチジン
イマチニブメシル酸塩
デラビルジンメシル酸塩
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン、クラリスロマイシン等
臨床症状・措置方法
併用によりアゼルニジピンの作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤の成分であるアゼルニジピンを減量した処方に切り替えること、あるいはこれらの薬剤の投与を中止すること。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP3A4を阻害し、アゼルニジピンのクリアランスが低下すると考えられる。
9. 薬剤名等 シンバスタチン
臨床症状・措置方法
アゼルニジピンとの併用によりシンバスタチンのAUCが2.0倍に上昇することが報告されている。必要があれば本剤又はシンバスタチンの投与を中止すること。
機序・危険因子
アゼルニジピンとこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。
腎機能障害のある患者は特に注意すること。
10. 薬剤名等 シクロスポリン
臨床症状・措置方法
併用によりアゼルニジピン又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤の成分であるアゼルニジピンを減量した処方に切り替えること、又はこれらの薬剤を減量すること。
機序・危険因子
アゼルニジピンとこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。
腎機能障害のある患者は特に注意すること。
11. 薬剤名等 ベンゾジアゼピン系薬剤
ジアゼパム、ミダゾラム、トリアゾラム等
経口黄体・卵胞ホルモン
経口避妊薬等
臨床症状・措置方法
併用によりアゼルニジピン又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤の成分であるアゼルニジピンを減量した処方に切り替えること、又はこれらの薬剤を減量すること。
機序・危険因子
アゼルニジピンとこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。
12. 薬剤名等 タンドスピロンクエン酸塩
臨床症状・措置方法
併用によりアゼルニジピンの作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤の成分であるアゼルニジピンを減量した処方に切り替えること、あるいはタンドスピロンクエン酸塩の投与を中止すること。
機序・危険因子
セロトニン受容体を介した中枢性の血圧降下作用が降圧作用を増強する。
13. 薬剤名等 リファンピシン
フェニトイン
フェノバルビタール
臨床症状・措置方法
併用によりアゼルニジピンの作用が減弱されるおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により、アゼルニジピンのクリアランスが上昇すると考えられる。
14. 薬剤名等 グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
アゼルニジピンの血中濃度が上昇することが報告されている。降圧作用が増強されるおそれがあることから、本剤の服用中はグレープフルーツジュースを飲用しないよう注意すること。
機序・危険因子
グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3A4によるアゼルニジピンの代謝を阻害し、クリアランスを低下させるためと考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例998例中54例(5.4%)に自他覚症状の副作用が認められた。その主なものは、めまい(1.1%)、頭痛(0.6%)であった。臨床検査値異常変動の副作用は4.6%(46/994例)に認められ、その主なものはALT(GPT)上昇(1.3%)、γ-GTP上昇(0.9%)、CK(CPK)上昇(0.6%)、尿酸上昇(0.6%)であった。〔承認時〕
重大な副作用
1. 血管浮腫
頻度不明注1)
顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
2. 腎不全
頻度不明注1)
腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 高カリウム血症
頻度不明注1)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
4. ショック、失神、意識消失
頻度不明注1)
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
5. 肝機能障害、黄疸
頻度不明注1)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 血小板減少
頻度不明注1)
血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7. 低血糖
頻度不明注1)
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 房室ブロック、洞停止、徐脈
頻度不明注1)
房室ブロック、洞停止、徐脈があらわれることがあるので、めまい、ふらつき等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9. 横紋筋融解症
頻度不明注1)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。