投与前値:平均値±標準偏差,変化量:調整平均±標準誤差
薬効薬理
1. 高血圧自然発症ラット(SHR)における降圧作用
雄性SHRに,イルベサルタン単独,トリクロルメチアジド単独,その両者併用又は媒体(0.5%メチルセルロース水溶液)を1日1回15日間反復経口投与した場合の降圧作用を検討した。その結果,イルベサルタン単独投与群は安定した降圧作用を示したが,トリクロルメチアジド単独投与群は媒体投与群と比較して有意な降圧作用を示さなかった。また,イルベサルタン及びトリクロルメチアジド併用投与群は,各単独投与群と比較して,有意な降圧作用を示した17)。
2. 高血圧自然発症ラット(SHR)における利尿作用
雄性SHRに,イルベサルタン単独,トリクロルメチアジド単独,その両者併用又は媒体(0.5%メチルセルロース水溶液)を1日1回15日間反復経口投与した場合の利尿作用を検討した。その結果,トリクロルメチアジド単独投与群では,尿量,尿中ナトリウム排泄量及び尿中カリウム排泄量が,媒体投与群と比較して増加したが,イルベサルタン単独投与群では変化しなかった。また,イルベサルタン及びトリクロルメチアジドを併用投与しても,イルベサルタンはトリクロルメチアジドによって増加した尿量,尿中ナトリウム排泄量及び尿中カリウム排泄量を低下させなかった17)。
有効成分に関する理化学的知見
1. 一般的名称:イルベサルタン(JAN)
Irbesartan
化学名:2-Butyl-3-{4-[2-(1H-tetrazol-5-yl)phenyl]benzyl}-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-one
分子式:C25H28N6O
分子量:428.53
化学構造式:
性状:白色の結晶性の粉末である。
ジメチルスルホキシドに溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(99.5)に溶けにくく,水にほとんど溶けない。
希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点:182.4~184.6℃
分配係数:約10.1[pH7.4,1-オクタノール/緩衝液]
2. 一般的名称:トリクロルメチアジド(JAN)[日局]
Trichlormethiazide
化学名:(3RS)-6-Chloro-3-dichloromethyl-3,4-dihydro-
2H-1,2,4-benzothiadiazine-7-sulfonamide 1,1-dioxide
分子式:C8H8Cl3N3O4S2
分子量:380.66
化学構造式:
性状:白色の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに溶けやすく,アセトニトリル又はエタノール(95)に溶けにくく,水にほとんど溶けない。
アセトン溶液(1→50)は旋光性を示さない。
融点:約270℃(分解)
分配係数:3.63[pH6.5,1-オクタノール/緩衝液]
包装
イルトラ配合錠LD:瓶500錠
PTP100錠(10錠×10),
PTP500錠(10錠×50),
PTP700錠(14錠×50)
イルトラ配合錠HD:瓶500錠
PTP100錠(10錠×10),
PTP500錠(10錠×50),
PTP700錠(14錠×50)
主要文献及び文献請求先
主要文献
〔文献請求番号〕
1)
Beaudry,C.et al.:Ann.Intern.Med.,1973,78(2),251
〔197300335〕
2)
Kaufman,A.et al.:Ann.Intern.Med.,1973,79(2),282
〔197300334〕
3)
Steinberg,A.D.:JAMA,1968,204(9),825〔196800091〕
4)
社内資料(高血圧症患者における薬物動態試験)〔201300378〕
5)
社内資料(食事による薬物動態への影響)〔201300381〕
6)
社内資料(イルベサルタンの腎機能障害患者における薬物動態試験)〔200800826〕
7)
社内資料(イルベサルタンの肝硬変患者における薬物動態試験)〔200800827〕
8)
社内資料(イルベサルタンのヒト肝ミクロソームを用いた酸化代謝におけるCYP2C9の関与)〔200800829〕
9)
社内資料(イルベサルタンのグルクロン酸抱合の種差)〔200800830〕
10)
社内資料(トリクロルメチアジドのヒトin vitro代謝及びヒトCYP阻害の検討)〔201300368〕
11)
社内資料(イルベサルタンのバイオアベイラビリティ試験)〔200800832〕
12)
社内資料(イルベサルタンとトリクロルメチアジドの薬物間相互作用)〔201300380〕
13)
社内資料(イルベサルタンのヒト肝ミクロソームを用いたCYP阻害の検討)〔200800831〕
14)
社内資料(イルベサルタン効果不十分例対象試験)〔201300382〕
15)
荻原俊男ほか:血圧,2013,20(6),598〔201300370〕
16)
荻原俊男ほか:血圧,2013,20(8),788〔201300371〕
17)
社内資料(SHRにおける降圧作用及び利尿作用)〔201300365〕
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
〒541-0045大阪市中央区道修町3丁目1番8号
電話0120-956-734
FAX 06-6202-1541
http://www.shionogi.co.jp/med/
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
提携 SANOFI
製造販売元
塩野義製薬株式会社
〒541-0045大阪市中央区道修町3丁目1番8号