,類似の作用を持つ薬剤と併用することにより作用が増強する可能性がある.
薬剤名等
サリチル酸系製剤
アスピリン等
臨床症状・措置方法ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において,サリチル酸により本剤の非結合型分率が1.3~1.9倍上昇することがある.
機序・危険因子本剤がサリチル酸と血漿蛋白結合部位で置換し,遊離型血中濃度が上昇すると考えられる.
薬剤名等
テオフィリン
臨床症状・措置方法テオフィリンとの併用により,本剤の血中濃度が上昇することがある.
機序・危険因子機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
**総症例1,240例中86例(6.9%)に副作用が認められ,発現件数は110件であった.主な副作用の発現件数(発現率)は腹痛15件(1.2%),頭痛・頭重14件(1.1%),眠気12件(1.0%),発疹8件(0.6%),嘔気8件(0.6%),下痢7件(0.6%)等であった.
臨床検査値では,評価例1,057例中63例(6.0%)に肝機能検査値の異常変動が認められた.検査項目別の異常変動発現件数/検査例数(発現率)は,AST(GOT)上昇38件/1,041例(3.7%),ALT(GPT)上昇43件/1,042例(4.1%),γ-GTP上昇35件/961例(3.6%),Al-P上昇19件/1,024例(1.9%),LDH上昇17件/1,000例(1.7%)及びビリルビン上昇8件/1,005例(0.8%)であった.(承認時)
市販後使用成績調査での調査症例3,205例中70例(2.2%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ,主な副作用は眠気13件(0.4%),頭痛・頭重8件(0.2%),下痢5件(0.2%),動悸,嘔気,胃不快感各4件(0.1%)等であった.(再審査終了時)
重大な副作用
肝炎,肝機能障害,黄疸 (0.1%未満) 肝炎,AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP,LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
その他の副作用
過敏症注1) 0.1~5%未満 発疹,そう痒
肝臓注1) 0.1~5%未満 AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,γ-GTP上昇,Al-P上昇,LDH上昇,ビリルビン上昇
出血傾向注2) 0.1~5%未満 APTT延長,尿潜血
出血傾向注2) 0.1%未満 歯肉出血,鼻出血,皮下出血,紫斑,月経延長,プロトロンビン時間延長
腎臓0.1%未満 クレアチニン上昇,BUN上昇
循環器0.1~5%未満 動悸
循環器0.1%未満 浮腫
**消化器0.1~5%未満 嘔気,下痢,腹痛,便秘,胃不快感
消化器0.1%未満 嘔吐,消化不良,食欲不振,口内炎
血液0.1~5%未満 好酸球増多
血液0.1%未満 赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット値減少,白血球減少
精神神経系0.1~5%未満 眠気,頭痛・頭重,めまい
精神神経系0.1%未満 舌しびれ,手足のこわばり
その他0.1%未満 鼻乾燥,関節痛,ほてり,胸部圧迫感,胸部異常感,味覚異常,けん怠感
注1)このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
注2)観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
高齢者への投与
**高齢者には,低用量(100mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.[薬物動態スクリーニングによる検討結果より,高齢者(65歳以上)では本剤の血中濃度が非高齢者に比し高くなることが推定されている.また,国内で実施された臨床試験において,副作用は高齢者では192例中22例(11.5%)に,非高齢者では1,048例中64例(6.1%)に認められた.]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]
2. 授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与する場合は,授乳を避けさせること1).[動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている.]
小児等への投与
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない.[使用経験が少ない.]
適用上の注意
薬剤交付時 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]
その他の注意
変異原性については,培養細胞を用いた染色体異常試験の非代謝活性化法で陽性の結果が得られた.しかし,同試験の代謝活性化法で陰性であり,また別の培養細胞を用いた染色体異常試験及び他の変異原性試験(細菌を用いる復帰突然変異試験,マウスを用いた小核試験,哺乳類の培養細胞を用いた前進突然変異試験,ラット初代培養肝細胞を用いた不定期DNA試験)のいずれにおいても陰性であり,生体内で変異原性が発現する可能性は低い.
薬物動態
血中濃度 健康成人に1回75mgを空腹時単回経口投与した際の,血中未変化体濃度推移及び薬物動態学的パラメータは下図・表のとおりである2).
健康成人に1回50mgを空腹時又は食後に単回投与した場合,食後投与によりAUCが空腹時投与時の88.8%(90%信頼区間:81.4~96.9%)と低下したが,臨床的には問題とならない程度であると考えられる3).薬物動態スクリーニングにより検討した結果,高齢者の全身クリアランスは非高齢者の78.9%(95%信頼区間:56.4~101.4%)と,非高齢者に比し低い傾向がみられた4).
代謝 健康成人に経口投与した場合の主代謝経路はグルクロン酸抱合化であった.血中の主代謝物は未変化体のアシル型グルクロン酸抱合体であり,尿中にはその他にテトラヒドロカ