,本剤のAUC及びCmaxともに1.3倍に上昇した.
(4) リファンピシン(外国人における成績)
健康成人男子18例にリファンピシン(開始用量150mgより600mgまで漸増)と本剤20mgを併用投与した際,本剤のAUCが約50%低下し,それに伴い抗凝固作用も減弱した.
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.
(5) エノキサパリン(外国人における成績)
健康成人男子10例にエノキサパリン4,000IUと本剤10mgを併用投与した際,本剤の薬物動態に影響はなかった.抗第Xa因子活性は相加的に増加したが,PT及びaPTTには影響は認められなかった.
(6) アスピリン(外国人における成績)
健康成人男子13例にアスピリン500mgを投与した翌日にアスピリン100mgと本剤15mgを併用投与した際,本剤の薬物動態及び抗凝固作用に影響は認められなかった.
(7) クロピドグレル(外国人における成績)
健康成人男子11例にクロピドグレル300mgを投与した翌日にクロピドグレル75mgと本剤15mgを併用投与した際,本剤の薬物動態に影響は認められなかった.別の試験において一部の被験者に出血時間の延長が認められたとの報告がある.
(8) ナプロキセン(外国人における成績)
健康成人男子11例にナプロキセン500mg1日1回反復投与時に本剤15mgを併用投与した際,出血時間の延長は認められなかったが,一部の被験者において抗凝固作用の増強が認められた.
(9) ワルファリン
日本人健康成人男子12例(VKORC1遺伝子1639位のAアレルがホモ接合体を有している被験者)にワルファリンを反復投与し,PT-INRが2.0~3.0に到達した後に,本剤15mg1日1回反復投与に切り替えた際,aPTT,第Xa因子活性阻害及び内在性トロンビン産生能(ETP)への影響は相加的であったが,PT及びPT-INRのピーク値は本剤単独投与時と比較しそれぞれ2.3倍及び2.9倍になった.本剤投与開始後3日目には,ワルファリンの影響は消失した.なお,薬物動態に相互作用は認められなかった.
このほか,ミダゾラム,ジゴキシン及びアトルバスタチンと本剤の併用による薬物相互作用試験を実施したが,薬物動態学的相互作用は認められず,制酸剤(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤),ラニチジン及びオメプラゾールは,本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった.
表1
投与量 AUC
(μg・h/L) Cmax
(μg/L) tmax※
(h) t1/2
(h)
5mg 815.5(13.2) 141.3(14.5) 1.4(0.5~2.5) 5.7(19.8)
10mg 1,564(24.5) 226.9(18.7) 1.4(0.5~4.0) 7.1(35.3)
20mg 2,777(26.9) 341.7(29.6) 3.3(0.5~4.0) 8.9(50.1)
40mg 3,051(21.3) 329.4(26.1) 1.4(0.5~2.0) 12.6(40.0)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%)),n=8
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.
表2
投与量 測定日 AUC0-24
(μg・h/L) Cmax
(μg/L) tmax※
(h) t1/2
(h)
10mg 1日目 1,443(21.0) 232.6(18.7) 3.0(1.0~4.0) 5.7(18.2)
10mg 7日目 1,533(14.9) 246.9(10.6) 3.0(1.5~4.0) 7.7(41.2)
15mg 1日目 2,080(26.7) 347.6(23.0) 4.0(1.0~4.0) 6.3(35.1)
15mg 7日目 2,243(21.1) 330.6(20.8) 3.5(0.5~4.0) 8.7(26.9)
20mg 1日目 2,419(24.6) 391.2(21.2) 2.5(2.0~4.0) 6.1(20.8)
20mg 7日目 2,839(20.9) 398.5(24.8) 3.0(1.5~4.0) 7.7(23.6)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%)),n=12
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.
臨床成績
1. 国内第III相二重盲検並行群間比較試験(J-ROCKET AF試験)5)
非弁膜症性心房細動患者1,278例(安全性解析対象例数)に対して本剤15mg(CLcr:30~49mL/minの患者には10mg)1日1回又はワルファリンカリウム(目標PT-INR:70歳未満は2.0~3.0,70歳以上は1.6~2.6)が夕食後に投与された.平均投与期間は本剤群498.9日,ワルファリン群481.1日であった.
有効性主要評価項目(脳卒中又は非中枢神経系塞栓症の複合エンドポイント)は,per protocol解析対象集団の本剤群637例中11例,ワルファリン群637例中22例に認められ,年間イベント発現率はそれぞれ1.26及び2.61/100患者年であった(ハザード比:0.49,95%信頼区間:0.24~1.00,治験薬投与下).このほか,以下の有効性に関する成績が得られた.
(表3参照)
安全性主要評価項目である「重大な出血」又は「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合エンドポイントは,本剤群639例中138例,ワルファリン群639例中124例に認められ,年間イベント発現率はそれぞれ18.04及び16.42(/100患者年)であり,本剤のワルファリンに対する非劣性が検証された(ハザード比:1.11,95%信頼区間:0.87~1.42,非劣性の許容限界値:ハザード比2.0).「重大な出血」の発現率はそれぞれ3.00及び3.59/100患者年であった(ハザード比:0.85,95%信頼区間:0.50~1.43).
(表4参照)
2. 国外第III相二重盲検並行群間比較試験(ROCKET AF試験)6