であることから、卵胞ホルモン含有製剤の投与により本剤の治療効果が減弱する可能性がある。
薬剤名等
黄体ホルモン含有製剤(プロゲステロン製剤、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル製剤、ノルエチステロン製剤、ジドロゲステロン製剤等)
臨床症状・措置方法
プロゲステロン作用が増強する可能性がある。
機序・危険因子
ともにプロゲステロン受容体に対するアゴニスト活性を示すことから、プロゲステロン作用が相加的に増強する可能性がある。
**,*副作用
子宮内膜症患者を対象とした国内臨床試験(5試験)において、総症例528例中、409例(77.5%)に副作用が認められている。その主なものは不正出血(60.6%)、ほてり(16.3%)、頭痛(13.6%)、悪心(6.6%)等であった。(承認時)
製造販売後調査において、総症例2,870例中、1,242例(43.3%)に副作用が認められている。その主なものは不正出血(34.6%)、ほてり(2.6%)、頭痛(2.1%)、悪心(1.4%)等であった。(第7回安全性定期報告時)
重大な副作用
1. 不正出血(1%未満)、貧血(1%未満)
本剤投与後に不正出血があらわれ、重度の貧血に至ることがある。出血量が多く持続日数が長い場合や一度に大量の出血が認められた場合には、必要に応じて血液検査を実施し、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には、鉄剤の投与又は本剤の投与中止、輸血等の適切な処置を行うこと。
2. アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(呼吸困難、血管浮腫、蕁麻疹、そう痒感等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
低エストロゲン症状
1%以上
ほてり、頭痛、めまい、抑うつ
低エストロゲン症状
1%未満
動悸、不安、不眠、発汗
子宮
1%以上
不正出血
子宮
頻度不明
腹痛
乳房
1%未満
乳房緊満感、乳房痛、乳汁分泌
皮膚
1%未満
ざ瘡、外陰部かぶれ・かゆみ注1)、皮膚乾燥、脱毛
精神神経系
1%未満
傾眠、いらいら感、しびれ感、片頭痛
過敏症注2)
1%未満
発疹、そう痒感等
肝臓
1%未満
AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP ・ビリルビン上昇等の肝機能検査値異常
消化器
1%以上
悪心、腹痛
消化器
1%未満
嘔吐、胃部不快感、便秘、下痢、腹部膨満感、口内炎
血液
1%以上
貧血
血液
1%未満
白血球減少
筋骨格系
1%未満
背部痛、肩こり、骨塩量低下、関節痛
その他
1%以上
倦怠感、体重増加
その他
1%未満
疲労、浮腫、コレステロール上昇、発熱、血糖値上昇、耳鳴
注1)不正出血の持続により、このような症状があらわれることがある。
注2)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット、ウサギ)において、受胎阻害、胚死亡率の増加及び流産等が認められている。]
2.
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。
[動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
薬物動態
1. 吸収
(1) 単回投与
健康成人女性に本剤0.5mg、1mg、2mgを単回経口投与*したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、血漿中濃度は、投与後0.9~1.3時間で最高血漿中濃度に達した。Cmax及びAUC0-∞は用量に依存して増大し、半減期は6.65~7.66時間であった1)。(薬物動態の表参照)
(2) 反復投与
健康成人女性に本剤0.5mg、1mg、2mgを1日2回12時間毎に11回(6日間)反復経口投与*したところ、血漿中濃度は投与回数に従い徐々に上昇し、いずれの用量においても投与回数6回でほぼ定常状態に達した2,3)。本剤1mgを1日2回反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりである2)。(薬物動態の表参照)
また、子宮内膜症患者134例に本剤1日2mgを2回に分け16週間又は24週間経口投与したときのCmax及びAUC0-∞の推定値はそれぞれ42.3ng/mL、393.9ng・hr/mLであった4)。
*:本剤の承認された用法・用量は「1日2mgを2回に分け経口投与」である。
2. 代謝・排泄
(1)
健康成人女性に本剤2mgを単回経口投与*した場合、尿中に未変化体は検出されず、尿中の代謝物として主に水酸化体及びグルクロン酸抱合体が排泄された1)。
(2)
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験の結果より、本剤の代謝には、主にCYP3A4が関与すると考えられた5,6)。また、健康成人女性に本剤2mgを1日2回、計11回(6日間)反復経口投与*したときの定常状態におけるCmaxの368倍の濃度(100μmol/L)においても、本剤はCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4活性をほとんど阻害しなかった7,8)。
*:本剤の承認された用法・用量は「1日2mgを2回に分け経口投与」である。
3. 相互作用
健康成人女性10例にクラリスロマイシン200mgを1日2回、3日間経口投与し、翌日、本剤1mgとクラリスロマイシン200mgを1回併用したとき、本剤のCmax及びAUC0-∞は本剤1mg単独