切迫感回数
(変化率:%) プラセボ群 5.42±3.57 -20.83±46.24 -35.63±53.71
1日あたりの平均尿意切迫感回数
(変化率:%) イミダフェナシン群 4.87±2.90 -34.58±43.83## -53.39±41.35###
平均値±標準偏差 #:p<0.05、##:p<0.01、###:p<0.001 [ vs プラセボ ]
注):投与前は各評価項目とも実測値(回)
表7
評価項目 投与前注) 12週間後 28週間後 52週間後又は中止時
症例数 364 355 355 363
1週間あたりの合計尿失禁回数
(変化率:%) 14.53±14.47 -55.92±72.52# -70.83±50.56# -83.51±35.48#
1日あたりの平均排尿回数
(変化量:回) 11.56±2.81 -1.65±2.12# -2.05±2.26# -2.35±2.14#
1日あたりの平均尿意切迫感回数
(変化率:%) 4.84±3.18 -45.81±53.37# -55.67±48.65# -70.53±38.37#
平均値±標準偏差 #:p<0.05 [ vs 投与前値 ]
注):投与前は各評価項目とも実測値(回)
表8 〔増量長期投与試験 0.4mg/日(増量例)での成績〕
評価項目 投与前注) 12週間後 24週間後(増量12週間後) 64週間後(増量52週間後)又は中止時
症例数 159 159 158 159
1週間あたりの合計尿失禁回数
(変化率:%) 14.01±13.29 -22.92±75.22### -69.97±42.93### -79.30±41.01###
1日あたりの平均排尿回数
(変化量:回) 11.86±2.44 -0.82±1.70### -2.03±2.01### -2.11±2.06###
1日あたりの平均尿意切迫感回数
(変化率:%) 4.96±2.99 -23.67±43.29### -58.58±40.25### -65.62±38.69###
平均値±標準偏差 ###:p<0.001 [ vs 投与前値 ]
注):投与前は各評価項目とも実測値(回)
薬効薬理
1. 作用機序
膀胱収縮は、アセチルコリンにより誘発され、膀胱平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプM3を介していることが知られている。また、膀胱の神経終末からのアセチルコリン遊離はムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプM1刺激により促進されると考えられている。
イミダフェナシンはin vitroにおいて受容体サブタイプM3及びM1に対して拮抗作用を示し、膀胱においてはM1拮抗によるアセチルコリン遊離抑制とM3拮抗による膀胱平滑筋収縮抑制作用を示す。唾液腺の分泌抑制作用に比べ膀胱の収縮抑制作用が相対的に強く、臨床における本剤の有効性と安全性に寄与していることが推察される。15)
2. 薬理作用
(1) ムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプに対する作用(in vitro)
1)
ウサギ及びモルモットの摘出組織標本を用いて精管(M1)、心房(M2)及び回腸(M3)におけるムスカリン性アゴニストの反応に対する拮抗作用を検討した結果、心房(M2)に比べ回腸(M3)及び精管(M1)に強い拮抗作用を示した(in vitro)。ヒト主代謝物は、ムスカリン性アセチルコリン受容体に対する拮抗作用を示さなかった。16)
2)
受容体結合試験において、組み換えヒトムスカリン受容体サブタイプM1、M2及びM3に対する拮抗作用を検討した結果、M3及びM1受容体に高親和性を示した。16)
3)
ラット摘出膀胱のM3及びM1受容体に拮抗しアセチルコリン遊離及び膀胱収縮に対して抑制効果を示した。16,17)
(2) 膀胱に対する作用(in vivo)
1)
律動的膀胱収縮を用量依存的に低下させた(ラット)。18)
2)
カルバコールにより誘発した膀胱容量の減少を、用量依存的に抑制した(ラット)。18)
(3) 膀胱選択性
1)
ラットを用いた検討において、律動的膀胱収縮抑制作用とカルバコール刺激唾液分泌抑制作用との作用比は、プロピベリン塩酸塩に比べ約10倍大きく、イミダフェナシンは高い膀胱選択性を示した。18)
2)
ラットのモリス水迷路を用いた空間認知機能の評価において、イミダフェナシンのM1受容体拮抗作用により空間認知機能が障害される可能性は低いと推測された。18)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
イミダフェナシン(Imidafenacin)
化学名
4-(2-Methyl-1H-imidazol-1-yl)-2,2-diphenylbutanamide
構造式
分子式
C20H21N3O
分子量
319.40
性状
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は酢酸(100)に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
192~196℃
分配係数
0.0664(pH4.03、1-オクタノール/緩衝液)
4.47(pH6.08、1-オクタノール/緩衝液)
240(pH8.07、1-オクタノール/緩衝液)
取扱い上の注意
【ステーブラOD錠0.1mg】
アルミピロー開封後は、湿気を避けて保存すること。