Prograf Capsules(Tacrolimus Hydrate)他克莫司水合物プログラフカプセル0.5mg/ プログラフカプセル1mg
作成又は改訂年月
**2017年8月改訂(第38版)
*2016年10月改訂(日局第17改正対応版
日本標準商品分類番号
873999
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
**2017年3月
-
効能又は効果追加承認年月(最新)
-
2013年6月
-
国際誕生年月
-
1993年4月
薬効分類名
免疫抑制剤
承認等
販売名
-
プログラフカプセル0.5mg
販売名コード
-
YJ(医情研)コード
-
3999014M2029
承認・許可番号
承認番号
-
20800AMZ00693
-
商標名
-
Prograf Capsules 0.5mg
薬価基準収載年月
1996年6月
販売開始年月
1996年8月
貯法・使用期限等
貯法
-
室温保存〔開封後は湿気を避けて保存すること。〕
-
使用期限
-
ケース等に表示(製造後3年)〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕
-
注意
-
【取扱い上の注意】の項参照
基準名
*日本薬局方
-
タクロリムスカプセル
規制区分
劇薬
-
処方箋医薬品
-
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分(1カプセル中)
-
日局 タクロリムス水和物 0.51mg(タクロリムスとして0.5mg)
-
添加物
-
乳糖水和物、ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム
性状
剤形
-
硬カプセル剤
-
色
-
淡黄色
-
外形
-

-
号数
-
5号
-
重量
-
約93mg
-
識別コード
-
607
販売名
プログラフカプセル1mg
販売名コード
-
YJ(医情研)コード
-
3999014M1022
承認・許可番号
承認番号
-
20500AMZ00157
-
商標名
-
Prograf Capsules 1mg
薬価基準収載年月
1993年5月
販売開始年月
1993年6月
貯法・使用期限等
貯法
-
室温保存〔開封後は湿気を避けて保存すること。〕
-
使用期限
-
ケース等に表示(製造後3年)〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕
-
注意
-
【取扱い上の注意】の項参照
基準名
*日本薬局方
-
タクロリムスカプセル
規制区分
劇薬
-
処方箋医薬品
-
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分(1カプセル中)
-
日局 タクロリムス水和物 1.02mg(タクロリムスとして1mg)
-
添加物
-
乳糖水和物、ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム
性状
剤形
-
硬カプセル剤
-
色
-
白色
-
外形
-

-
号数
-
5号
-
重量
-
約93mg
-
識別コード
-
617
一般的名称
タクロリムス水和物
Tacrolimus Hydrate
警告
本剤の投与において、重篤な副作用(腎不全、心不全、感染症、全身痙攣、意識障害、脳梗塞、血栓性微小血管障害、汎血球減少症等)により、致死的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と経験を有する医師が使用すること。
-
1.
-
臓器移植における本剤の投与は、免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと。
-
2.
-
関節リウマチ患者に投与する場合には、関節リウマチ治療に精通している医師のみが使用するとともに、患者に対して本剤の危険性や本剤の投与が長期にわたることなどを予め十分説明し、患者が理解したことを確認した上で投与すること。また、何らかの異常が認められた場合には、服用を中止するとともに、直ちに医師に連絡し、指示を仰ぐよう注意を与えること。
-
3.
-
ループス腎炎における本剤の投与は、ループス腎炎の治療に十分精通している医師のもとで行うこと。
-
4.
-
多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎における本剤の投与は、その治療法に十分精通している医師のもとで行うこと。
-
5.
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていないので、切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。(「薬物動態」の項参照)
-
6.
|
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
1.
-
シクロスポリン又はボセンタン投与中の患者(「相互作用」の項参照)
-
2.
-
カリウム保持性利尿剤投与中の患者(「重要な基本的注意」及び「相互作用」の項参照)
-
3.
-
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
-
4.
|
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
-
腎移植
通常、移植2日前よりタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。術後初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。維持量は1回0.06mg/kg、1日2回経口投与を標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
-
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
-
4.
-
肝移植、腎移植及び骨髄移植では、市販後の調査において、承認された用量に比べ低用量を投与した成績が得られているので、投与量設定の際に考慮すること。(「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
-
5.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
6.
下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
肝移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量し、維持量は1日量0.10mg/kgを標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
-
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
-
4.
-
肝移植、腎移植及び骨髄移植では、市販後の調査において、承認された用量に比べ低用量を投与した成績が得られているので、投与量設定の際に考慮すること。(「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
-
5.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
6.
下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
心移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.03~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。また、拒絶反応発現後に本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.075~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
-
4.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
5.
下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
肺移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.05~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
-
4.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
5.
下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
膵移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
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1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
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カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
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(2)
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高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
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3.
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他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
-
4.
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肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
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5.
下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
小腸移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
-
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
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カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
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カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
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高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
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3.
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他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
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4.
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肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
5.
骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
通常、移植1日前よりタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与する。移植初期にはタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。また、移植片対宿主病発現後に本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
-
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
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カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
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(2)
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高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。なお、骨髄移植ではクレアチニン値が投与前の25%以上上昇した場合には、本剤の25%以上の減量又は休薬等の適切な処置を考慮すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。特に、臓器移植において3剤あるいは4剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
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4.
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肝移植、腎移植及び骨髄移植では、市販後の調査において、承認された用量に比べ低用量を投与した成績が得られているので、投与量設定の際に考慮すること。(「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
-
5.
-
骨髄移植では血中濃度が低い場合に移植片対宿主病が認められているので、移植片対宿主病好発時期には血中濃度をできるだけ10~20ng/mLとすること。
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6.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
7.
重症筋無力症
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。
-
4.
-
重症筋無力症では、副作用の発現を防ぐため、投与開始3カ月間は1カ月に1回、以後は定期的におよそ投与12時間後の血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。また、本剤により十分な効果が得られた場合には、その効果が維持できる用量まで減量することが望ましい。
-
5.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
6.
関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、高齢者には1.5mgを1日1回夕食後経口投与から開始し、症状により1日1回3mgまで増量できる。
-
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
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3.
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他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。
-
4.
-
関節リウマチでは、高齢者には、投与開始4週後まで1日1.5mg投与として安全性を確認した上で、効果不十分例には、1日3mgに増量することが望ましい。また、増量する場合には、副作用の発現を防ぐため、およそ投与12時間後の血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
5.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
6.
ループス腎炎(ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)
-
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
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カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
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(1)
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カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
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(2)
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高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
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3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。
-
4.
-
ループス腎炎では、副作用の発現を防ぐため、投与開始3カ月間は1カ月に1回、以後は定期的におよそ投与12時間後の血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。また、本剤を2カ月以上継続投与しても、尿蛋白などの腎炎臨床所見及び免疫学的所見で効果があらわれない場合には、投与を中止するか、他の治療法に変更することが望ましい。一方、本剤により十分な効果が得られた場合には、その効果が維持できる用量まで減量することが望ましい。
-
5.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
6.
難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)
通常、成人には、初期にはタクロリムスとして1回0.025mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口投与する。以後2週間、目標血中トラフ濃度を10~15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を調節する。投与開始後2週以降は、目標血中トラフ濃度を5~10ng/mLとし投与量を調節する。
-
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。
-
顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。
-
4.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
5.
-
潰瘍性大腸炎では、治療初期は頻回に血中トラフ濃度を測定し投与量を調節するため、入院又はそれに準じた管理の下で投与することが望ましい。
-
6.
-
**潰瘍性大腸炎では、原則、1日あたりの投与量の上限を0.3mg/kgとし、特に次の点に注意して用量を調節すること。(「臨床成績」の項(第III相試験での用量調節法)参照)
-
・初回投与後12時間及び24時間の血中トラフ濃度に基づき、1回目の用量調節を実施する。
・1回目の用量調節後少なくとも2日以上経過後に測定された2点の血中トラフ濃度に基づき、2回目の用量調節を実施する。
・2回目の用量調節から1.5日以上経過後に測定された1点の血中トラフ濃度に基づき、2週時(3回目)の用量調節を実施する。
-
(1) 初回投与から2週間まで
-
・投与開始後2週時(3回目)の用量調節から1週間程度後に血中トラフ濃度を測定し、用量調節を実施する。また、投与開始4週以降は4週間に1回を目安とし、定期的に血中トラフ濃度を測定することが望ましい。
-
(2) 2週以降
-
(3) 用量調節にあたっては服薬時の食事条件(食後投与/空腹時投与)が同じ血中トラフ濃度を用いる。
-
潰瘍性大腸炎への投与にあたってはカプセル剤のみを用い、0.5mg刻みの投与量を決定すること。
-
8.
-
潰瘍性大腸炎では、2週間投与しても臨床症状の改善が認められない場合は、投与を中止すること。
-
9.
-
潰瘍性大腸炎では、通常、3カ月までの投与とすること。
-
10.
多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺
通常、成人には、初期にはタクロリムスとして1回0.0375mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口投与する。以後、目標血中トラフ濃度を5~10ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を調節する。
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
-
1.
-
カプセルを使用するに当たっては、次の点に留意すること。顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。(顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08;「薬物動態」の項参照)
-
(1)
-
カプセルと顆粒の切り換え及び併用に際しては、血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること。なお、切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には、必要に応じて投与量を調節すること。
-
(2)
-
高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与12時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
-
3.
-
他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること。
-
4.
-
肝障害あるいは腎障害のある患者では、副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
-
5.
-
多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎では、1日あたりの投与量の上限を0.3mg/kgとし、血中トラフ濃度に基づき投与量を調節すること。
-
6.
-
多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎への投与にあたってはカプセル剤のみを用い、0.5mg刻みの投与量を決定すること。
-
7.
-
本剤を多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎に投与する場合、投与開始時は原則としてステロイド剤を併用すること。また、症状が安定した後にはステロイド剤の漸減を考慮すること。(「臨床成績」の項参照)
-
8.
効能又は効果に関連する使用上の注意
骨髄移植時の使用に際し、HLA適合同胞間移植では本剤を第一選択薬とはしないこと。
-
1.
-
重症筋無力症では、本剤を単独で使用した場合及びステロイド剤未治療例に使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。[本剤の単独使用及びステロイド剤未治療例における使用の経験は少ない。]
-
2.
-
関節リウマチでは、過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。
-
3.
-
ループス腎炎では、急性期で疾患活動性の高い時期に使用した際の本剤の有効性及び安全性は確立されていない。
-
4.
-
潰瘍性大腸炎では、治療指針等を参考に、難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)であることを確認すること。
-
5.
-
潰瘍性大腸炎では、本剤による維持療法の有効性及び安全性は確立していない。
-
6.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
肝障害のある患者[薬物代謝能が低下し、本剤血中濃度が上昇する可能性がある。]
-
1.
-
腎障害のある患者[腎障害が悪化する可能性がある。]
-
2.
-
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
-
3.
-
感染症のある患者[感染症が悪化する可能性がある。]
-
4.
-
関節リウマチに間質性肺炎を合併している患者[間質性肺炎が悪化する可能性がある。(「副作用」の項参照)]
-
5.
重要な基本的注意
腎障害の発現頻度が高い(「副作用」の項参照)ので、頻回に臨床検査(クレアチニン、BUN、クレアチニンクリアランス、尿中NAG、尿中β2ミクログロブリン等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。特に投与初期にはその発現に十分注意すること。なお、関節リウマチ患者では、少数例ながら非ステロイド性抗炎症剤を2剤以上併用した症例でクレアチニン上昇発現率が高かったので注意すること。また、ループス腎炎患者では病態の進行による腎障害の悪化もみられるので特に注意すること。
-
1.
-
高カリウム血症が発現することがあるので、頻回に血清カリウムの測定を行うこと。なお、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、トリアムテレン)の併用あるいはカリウムの過剰摂取を行わないこと。
-
2.
-
高血糖、尿糖等の膵機能障害の発現頻度が高い(「副作用」の項参照)ので、頻回に臨床検査(血液検査、空腹時血糖、アミラーゼ、尿糖等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。特に投与初期にはその発現に十分注意すること。
-
3.
-
本剤投与中に心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、心筋障害(心機能低下、壁肥厚を含む)等が認められている(「副作用」の項参照)ので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど患者の状態をよく観察すること。なお、ループス腎炎患者では、その基礎疾患である全身性エリテマトーデスにおいて冠動脈疾患の危険因子とされている高脂血症、高血圧症等の疾患を合併する場合が多いことから、それらの疾患の適切な治療を進めながら本剤を投与すること。
-
4.
-
高血圧が発現することがあるので、定期的に血圧測定を行い、血圧上昇があらわれた場合には、降圧剤治療を行うなど適切な処置を行うこと。
-
5.
-
感染症の発現又は増悪に十分注意すること。
-
6.
-
過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇、リンパ腫等の悪性腫瘍発生の可能性があるので、十分注意すること。
-
7.
-
免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
-
8.
-
重症筋無力症では、胸腺非摘除例に使用する場合、本剤の投与開始前及び投与開始後において、定期的に胸腺腫の有無を確認すること。胸腺腫が確認された場合には、胸腺摘除等の胸腺腫の治療を適切に実施するとともに、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。(本剤の胸腺腫への影響は明らかになっていない。)
-
9.
-
本剤の投与により副腎皮質ホルモン剤維持量の減量が可能であるが、副腎皮質ホルモン剤の副作用の発現についても引き続き観察を十分行うこと。
-
10.
-
移植片対宿主病が発症した場合は速やかに治療を開始することが望ましく、また、シクロスポリンが既に投与されている症例では継続治療が可能かどうかを早期に見極め、困難と判断されれば速やかにシクロスポリンを中止し、本剤に切り換えること。
-
11.
-
潰瘍性大腸炎における本剤の投与は、潰瘍性大腸炎の治療法に十分精通している医師のもとで行うこと。
-
12.
-
多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎患者においては、本剤によりニューモシスティス肺炎発現のおそれがあるので、適切な予防措置を考慮すること。
-
13.
相互作用
相互作用の概略
本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。(「薬物動態」の項参照)
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
-
生ワクチン
乾燥弱毒生麻しんワクチン、 乾燥弱毒生風しんワクチン、 経口生ポリオワクチン等
-
臨床症状・措置方法
-
類薬による免疫抑制下で、生ワクチン接種により発症したとの報告がある。
-
機序・危険因子
-
免疫抑制作用により発症の可能性が増加する。
-
薬剤名等
-
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
-
臨床症状・措置方法
シクロスポリンの血中濃度が上昇し、副作用が増強されたとの報告1)がある。なお、シクロスポリンより本剤に切り換える場合はシクロスポリンの最終投与から24時間以上経過後に本剤の投与を開始することが望ましい。
-
機序・危険因子
本剤とシクロスポリンは薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、併用した場合、競合的に拮抗しシクロスポリンの代謝が阻害される。
-
薬剤名等
-
ボセンタン(トラクリア)
-
臨床症状・措置方法
ボセンタンの血中濃度が上昇し、ボセンタンの副作用が発現する可能性がある。また、本剤の血中濃度が変動する可能性がある。
-
機序・危険因子
本剤とボセンタンは薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、併用によりボセンタンの血中濃度が上昇する可能性がある。また、ボセンタンはCYP3A4で代謝されるとともにCYP3A4誘導作用も有するため、併用により本剤の血中濃度が変動する可能性がある。
-
薬剤名等
-
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン(アルダクトンA)
カンレノ酸カリウム(ソルダクトン)
トリアムテレン(トリテレン)
-
臨床症状・措置方法
高カリウム血症が発現することがある。
-
機序・危険因子
本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。
|
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
抗生物質
エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマイシン
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール等
カルシウム拮抗剤
ニフェジピン、ニルバジピン※、ニカルジピン、ジルチアゼム等
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル
その他の薬剤
ブロモクリプチン、ダナゾール、エチニルエストラジオール、オメプラゾール、ランソプラゾール、トフィソパム、アミオダロン
飲食物
グレープフルーツジュース
-
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、腎障害等の副作用が発現することがある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。
-
**機序・危険因子
CYP3A4で代謝される薬剤又はCYP3A4の阻害作用を有する薬剤や飲食物との併用により、本剤の代謝が阻害される。
-
薬剤名等
テラプレビル
-
臨床症状・措置方法
テラプレビル750mg1日3回8日間服用後、本剤を併用したとき、本剤のAUCが70倍に上昇したとの報告2)がある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。
-
**機序・危険因子
CYP3A4で代謝される薬剤又はCYP3A4の阻害作用を有する薬剤や飲食物との併用により、本剤の代謝が阻害される。
-
**薬剤名等
グラゾプレビル
-
**臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、腎障害等の副作用が発現することがある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。
-
**機序・危険因子
グラゾプレビルのCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
-
薬剤名等
オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル
-
**臨床症状・措置方法
オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル(25mg・150mg・100mg)1日1回服用後、本剤を併用したとき、本剤のAUCが86倍に上昇したとの報告がある。やむを得ない場合を除き併用は避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の血中濃度のモニタリング及び投与量・投与間隔の調整を行うとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
-
**機序・危険因子
リトナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
-
薬剤名等
抗てんかん剤
カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン※※
抗生物質
リファンピシン、リファブチン
-
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下し、拒絶反応出現の可能性がある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ増量等の処置を行う。
-
機序・危険因子
薬物代謝酵素が誘導され、本剤の代謝が促進される。
-
薬剤名等
飲食物
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort 、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
-
臨床症状・措置方法
本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
-
機序・危険因子
薬物代謝酵素CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されるためと考えられている。
-
薬剤名等
腎毒性のある薬剤
アムホテリシンB、アミノ糖系抗生物質、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、非ステロイド性抗炎症剤等
-
臨床症状・措置方法
腎障害が発現することがある。
-
機序・危険因子
本剤と相手薬の腎毒性が相互に増強される。
-
薬剤名等
不活化ワクチン
インフルエンザHAワクチン等
-
臨床症状・措置方法
ワクチンの効果を減弱させることがある。
-
機序・危険因子
本剤の免疫抑制作用により、接種されたワクチンに対する抗体産生が抑制される。
-
薬剤名等
免疫抑制作用を有する薬剤
免疫抑制剤
副腎皮質ホルモン剤等
抗リウマチ薬(DMARD)
メトトレキサート等
-
臨床症状・措置方法
過度の免疫抑制が起こることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
-
機序・危険因子
ともに免疫抑制作用を有する。
-
薬剤名等
エプレレノン
-
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。
-
機序・危険因子
本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。
併用注意に関する注意
※併用により相互に代謝が阻害され、ニルバジピンの血中濃度も上昇する可能性がある。
※※併用によりフェニトインの血中濃度が上昇したとの報告がある(機序不明)。
副作用
副作用等発現状況の概要
副作用等発現状況の概要の表
表1 主な副作用(移植領域)
項目 |
発現率(%):肝移植 |
発現率(%):骨髄移植 |
発現率(%):腎移植 |
程度:高度 |
程度:中等度 |
程度:軽度 |
程度:不明 |
処置(タクロリムス):中止 |
処置(タクロリムス):休薬 |
処置(タクロリムス):減量 |
処置(タクロリムス):経路変更 |
処置(タクロリムス):継続 |
処置(タクロリムス):その他 |
処置(タクロリムス):不明 |
振戦 |
8/39(20.5) |
18/190(9.5) |
38/328(11.6) |
2 |
12 |
50 |
0 |
2 |
2 |
14 |
1 |
43 |
2 |
0 |
胸痛 |
0/39 |
11/190(5.8) |
34/328(10.4) |
5 |
11 |
29 |
0 |
10 |
2 |
7 |
1 |
24 |
1 |
0 |
ほてり |
1/39(2.6) |
18/190(9.5) |
18/328(5.5) |
1 |
4 |
32 |
0 |
2 |
0 |
4 |
1 |
27 |
3 |
0 |
腹部膨満感 |
0/39 |
8/190(4.2) |
22/328(6.7) |
1 |
9 |
20 |
0 |
1 |
0 |
6 |
0 |
23 |
0 |
0 |
頭痛 |
0/39 |
22/190(11.6) |
13/328(4.0) |
2 |
13 |
20 |
0 |
2 |
1 |
13 |
0 |
18 |
1 |
0 |
嘔吐 |
2/39(5.1) |
31/190(16.3) |
9/328(2.7) |
2 |
19 |
21 |
0 |
1 |
2 |
15 |
1 |
18 |
5 |
0 |
腎障害 |
-※ |
-※ |
77/309(24.9) |
5 |
17 |
22 |
33 |
16 |
1 |
37 |
0 |
5 |
0 |
18 |
高血糖 |
-※ |
-※ |
79/309(25.6) |
4 |
11 |
3 |
61 |
10 |
0 |
17 |
0 |
50 |
0 |
2 |
表2 主な臨床検査値の異常(移植領域)
項目 |
発現率(%):肝移植 |
発現率(%):骨髄移植 |
発現率(%):腎移植 |
悪化の程度〔中央値(min~max)〕 |
処置(タクロリムス):中止 |
処置(タクロリムス):休薬 |
処置(タクロリムス):減量 |
処置(タクロリムス):継続 |
処置(タクロリムス):不明 |
クレアチニンクリアランス低下 |
1/1 |
25/40(62.5) |
-※ |
33.5mL/分(6.0~56.1) |
4 |
3 |
3 |
9 |
7 |
BUN上昇 |
8/39(20.5) |
93/190(48.9) |
0/19※※ |
41mg/dL(22~248) |
24 |
13 |
22 |
27 |
15 |
クレアチニン上昇 |
3/39(7.7) |
96/190(50.5) |
0/19※※ |
1.8mg/dL(0.9~5.5) |
26 |
19 |
20 |
22 |
12 |
高血糖 |
2/37(5.4) |
49/173(28.3) |
0/18※※ |
285mg/dL(115~670) |
5 |
0 |
2 |
25 |
19 |
高カリウム血症 |
7/39(17.9) |
58/188(30.9) |
66/327(20.2) |
5.8mEq/L(4.4~7.4) |
4 |
7 |
28 |
80 |
12 |
高尿酸血症 |
5/37(13.5) |
22/143(15.4) |
43/325(13.2) |
9.9mg/dL(7.0~26.0) |
1 |
1 |
7 |
50 |
11 |
表3 腎機能検査異常値出現時期(移植領域)
項目 |
測定例数 |
異常値出現例数 |
出現時期:~7日 |
出現時期:~14日 |
出現時期:~28日 |
出現時期:~90日 |
出現時期:~180日 |
出現時期:181日~ |
異常値出現時期(日)〔中央値(min~max)〕 |
最悪値出現時期(日)〔中央値(min~max)〕 |
クレアチニン上昇 |
221 |
98 |
19 |
17 |
24 |
29 |
4 |
5 |
24(2~409) |
38(2~409) |
BUN上昇 |
221 |
100 |
30 |
17 |
20 |
22 |
8 |
3 |
18(1~409) |
33(1~409) |
クレアチニンクリアランス低下 |
41 |
26 |
0 |
7 |
7 |
12 |
0 |
0 |
28(8~86) |
48(8~86) |
-
承認時までの臨床試験及び市販後の調査において、本剤(カプセル・顆粒・注射液)を投与した肝移植症例808例、骨髄移植における移植片対宿主病の治療症例236例、骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の予防症例482例及び腎移植症例1,978例での主な副作用・臨床検査値異常は、感染症、腎障害、高血糖、肝機能異常、高尿酸血症、高カリウム血症であった。
なお、承認時までの移植領域における臨床試験において、本剤の投与を中止するに至った主な副作用・臨床検査値異常は、腎障害、高血糖及び胸痛であった