アラノンジー静注用250mg
作成又は改訂年月
** 2013年6月改訂(第4版)(下線:改訂箇所)
* 2012年8月改訂(第3版)
日本標準商品分類番号
874229
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2005年10月
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤
承認等
販売名
アラノンジー静注用250mg
販売名コード
4229402A1028
承認・許可番号
承認番号
21900AMX01755
商標名
ARRANON G Injection
薬価基準収載年月
2007年12月
販売開始年月
2007年12月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
包装に表示
規制区分
劇薬
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
成分・含量
1バイアル(50mL)中にネララビン250mgを含有
添加物
塩化ナトリウム、塩酸(pH調節剤)、水酸化ナトリウム(pH調節剤)
性状
無色澄明の液
pH:5.0~7.0
一般的名称
ネララビン
Nelarabine
警告
1.
本剤の投与は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
2.
本剤投与後に、傾眠あるいはより重度の意識レベルの変化、痙攣などの中枢神経障害、しびれ感、錯感覚、脱力及び麻痺などの末梢性ニューロパシー、脱髄、ギラン・バレー症候群に類似する上行性末梢性ニューロパシー等の重度の神経系障害が報告されている。
これらの症状は、本剤の投与を中止しても完全に回復しない場合がある。神経系障害に対しては特に注意深く観察し、神経系障害の徴候が認められた場合には重篤化するおそれがあるので、直ちに投与を中止するなど、適切な対応を行うこと(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「副作用」の項参照)。
なお、本剤使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
再発又は難治性の下記疾患
・T細胞急性リンパ性白血病
・T細胞リンパ芽球性リンパ腫
用法及び用量
通常、成人には、ネララビンとして1500mg/m2(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注する。これを1、3、5日目に投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。
通常、小児には、ネララビンとして650mg/m2(体表面積)を1日1回1時間以上かけて点滴静注する。これを5日間連日投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
神経毒性は本剤の用量規制因子である。本剤による治療を受けている患者においては神経系障害の徴候及び症状を注意深く観察すること。なお、Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)注)のグレード2以上に該当する神経系障害の徴候が認められた場合は、直ちに投与を中止すること(「警告」及び「副作用」の項参照)。
注) CTCAE1) ver.3.0に基づき評価する。ただし、「傾眠/意識レベルの低下」については、NCI-CTC ver.2.0の「意識レベル低下」に従う。
2.
本剤と他の抗悪性腫瘍薬との併用に関する有効性及び安全性は確立していない。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
髄腔内化学療法による治療歴のある患者又は現在治療中の患者[神経系障害のリスクが高まるおそれがある。]
2.
全脳・全脊髄照射の施行歴のある患者[神経系障害のリスクが高まるおそれがある。]
3.
腎機能障害のある患者[本剤及び本剤の活性代謝物である9-β-D-アラビノフラノシルグアニン(ara-G)は一部腎から排泄されるため、腎機能障害のある患者では血中濃度が上昇するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]
4.
肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、肝機能障害のある患者では血中濃度が上昇するおそれがある。]
5.
高齢者の患者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
2.
傾眠が発現することがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
3.
本剤を投与する際には、患者とそのパートナーに対して適切な避妊を行うよう指導すること(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)。
相互作用
本剤はアデノシンデアミナーゼによって活性代謝物であるara-Gに変換される。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
アデノシンデアミナーゼ阻害剤(ペントスタチン)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、本剤の作用が減弱するおそれがある。なお、併用した場合の安全性は確認されていない。本剤とアデノシンデアミナーゼ阻害剤との併用は避けることが望ましい。
機序・危険因子
In vitroにおいて併用によりネララビンからara-Gへの変換が阻害されることが示されている。
副作用
副作用等発現状況の概要
*難治性造血器悪性腫瘍†を対象とした成人及び小児における海外臨床試験において発現した臨床検査値異常を含む主な有害事象(本剤との関連性の有無にかかわらず発現した事象)は以下のとおりであった。
なお、「重大な副作用」及び「その他の副作用」の項における有害事象の発現頻度は成人の海外臨床試験結果に基づいた。
成人
難治性造血器悪性腫瘍†を対象とした海外臨床試験における103例に認められた臨床検査値異常を含む主な有害事象は、貧血102例(99%)、血小板減少症89例(86%)、好中球減少症83例(81%)、及び疲労51例(50%)であった。
小児
再発又は難治性のT細胞急性リンパ性白血病ならびにT細胞リンパ芽球性リンパ腫を対象とした海外臨床試験における84例(平均年齢11.9歳(範囲:2.5~21.7歳))に認められた臨床検査値異常を含む主な有害事象は、貧血80例(95%)、好中球減少症79例(94%)、血小板減少症74例(8