CLAROYCIN dry syrup 10%(Clarithromycin)克拉霉素小儿用10%颗粒,CLAROYCIN Tablets(Clarithromycin)克拉霉素小儿用口服片,クラロイシン錠50小児用/クラロイシンドライシロップ10%小児用
--------------------------------------------------------------------------------
作成又は改訂年月
**2015年12月改訂(第14版)
*2015年3月改訂
日本標準商品分類番号
876149
日本標準商品分類番号等
効能又は効果追加承認年月(最新)
2009年10月
薬効分類名
マクロライド系抗生物質製剤
承認等
販売名
クラロイシン錠50小児用
販売名コード
6149003F1147
承認・許可番号
承認番号
21800AMZ10248000
欧文商標名
CLAROYCIN
薬価基準収載年月
2006年7月
販売開始年月
2006年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外装に表示
基準名
日本薬局方
クラリスロマイシン錠
規制区分
処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
有効成分
1錠中に日本薬局方クラリスロマイシン50mg (力価) を含有する。
添加物
トウモロコシデンプン、無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン
性状
白色のフィルムコート錠である
外形 表面
外形 裏面
外形 側面
サイズ 直径
6.1mm
サイズ 厚さ
3.4mm
重量
84mg
識別コード
CY21
(錠剤表面)
CRY-50
(包装表示)
販売名
クラロイシンドライシロップ10%小児用
販売名コード
6149003R1178
承認・許可番号
承認番号
21900AMX00455000
欧文商標名
CLAROYCIN
薬価基準収載年月
2007年7月
販売開始年月
2007年7月
貯法・使用期限等
貯法
気密容器、遮光、室温保存
使用期限
外装に表示
規制区分
処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
有効成分
1g中に日本薬局方クラリスロマイシン100mg (力価) を含有する。
添加物
タルク、精製白糖、酸化マグネシウム、トウモロコシデンプン、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、サッカリンナトリウム水和物、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、香料、プロピレングリコール、その他2成分
性状
白色の粉末であり、においはなく、味は甘い
一般的名称
クラリスロマイシン製剤
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
2.
*ピモジド、エルゴタミン含有製剤、タダラフィル〔アドシルカ〕、アスナプレビル、バニプレビル、スボレキサントを投与中の患者
[「相互作用」の項参照]
3.
肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者
[「相互作用」の項参照]
効能又は効果
1. 一般感染症
〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ (ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、百日咳菌、カンピロバクター属、クラミジア属、マイコプラズマ属
〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱、百日咳
2. 後天性免疫不全症候群 (エイズ) に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症
〈適応菌種〉
本剤に感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC)
〈適応症〉
後天性免疫不全症候群 (エイズ) に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症
用法及び用量
1. 一般感染症
錠:
通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり10~15mg (力価) を2~3回に分けて経口投与する。
レジオネラ肺炎に対しては、1日体重1kgあたり15mg (力価) を2~3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ドライシロップ:
用時懸濁し、通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり10~15mg (力価) を2~3回に分けて経口投与する。
レジオネラ肺炎に対しては、1日体重1kgあたり15mg (力価) を2~3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
2. 後天性免疫不全症候群 (エイズ) に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症
錠:
通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg (力価) を2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ドライシロップ:
用時懸濁し、通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg (力価) を2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
2.
一般感染症において、小児の1日投与量は成人の標準用量 (1日400mg) を上限とすること。
3.
免疫不全など合併症を有さない軽症ないし中等症のレジオネラ肺炎に対し、1日400mg分2投与することにより、通常2~5日で症状は改善に向う。症状が軽快しても投与は2~3週間継続することが望ましい。また、レジオネラ肺炎は再発の頻度が高い感染症であるため、特に免疫低下の状態にある患者などでは、治療終了後、更に2~3週間投与を継続し症状を観察する必要がある。なお、投与期間中に症状が悪化した場合には、速やかにレジオネラに有効な注射剤 (キノロン系薬剤など) への変更が必要である。
4.
後天性免疫不全症候群 (エイズ) に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症の治療に用いる場合、国内外の最新のガイドライン1)等を参考に併用療法を行うこと。
5.
後天性免疫不全症候群 (エイズ) に伴う播種性MAC症の治療に用いる場合、臨床的又は細菌学的な改善が認められた後も継続投与すべきである。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
他のマクロライド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
2.
肝機能障害のある患者
[肝機能障害を悪化させることがある (「副作用」の項参照)]
3.
腎機能障害のある患者
[血中濃度が上昇するおそれがある (「相互作用」の項参照)]
4.
心疾患のある患者、低カリウム血症のある患者
[QT延長、心室頻拍 (Torsades de pointesを含む)、心室細動をおこすことがある (「副作用」の項参照)]
5.
高齢者
[「高齢者への投与」の項参照]
相互作用
本剤は、肝代謝酵素チトクロームP450 (CYP) 3A4阻害作用を有することから、CYP3A4で代謝される薬剤と併用したとき、併用薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤は、P-糖蛋白質に対する阻害作用を有することから、P-糖蛋白質を介して排出される薬剤と併用したとき、併用薬剤の排出が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。一方、本剤はCYP3A4によって代謝されることから、CYP3A4を阻害する薬剤と併用したとき、本剤の代謝が阻害され未変化体の血中濃度が上昇する可能性があり、また、CYP3A4を誘導する薬剤と併用したとき、本剤の代謝が促進され未変化体の血中濃度が低下する可能性がある。
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
ピモジド
〔オーラップ〕
臨床症状・措置方法
QT延長、心室性不整脈 (Torsades de pointesを含む) 等の心血管系副作用が報告されている。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
エルゴタミン (エルゴタミン酒石酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩) 含有製剤
〔クリアミン〕
〔ジヒデルゴット〕
臨床症状・措置方法
血管攣縮等の重篤な副作用をおこすおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
タダラフィル
〔アドシルカ〕
臨床症状・措置方法
上記薬剤のクリアランスが高度に減少し、その作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
*アスナプレビル
〔スンベプラ〕
臨床症状・措置方法
アスナプレビルの血中濃度が上昇し、肝臓に関連した副作用が発現、重症化するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
*バニプレビル
〔バニヘップ〕
臨床症状・措置方法
バニプレビルの血中濃度が上昇し、悪心、嘔吐、下痢の発現が増加するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
*スボレキサント
〔ベルソムラ〕
臨床症状・措置方法
スボレキサントの作用が著しく増強するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
嘔気、嘔吐、不整脈等が報告されているので、ジゴキシンの血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、投与量を調節する等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤の腸内細菌叢に対する影響により、ジゴキシンの不活化が抑制されるか、もしくはP-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、その血中濃度が上昇する。
薬剤名等
スルホニル尿素系血糖降下剤
グリベンクラミド等
臨床症状・措置方法
低血糖 (意識障害に至ることがある) が報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、ブドウ糖の投与等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
機序は明確ではないが、本剤との併用により、上記薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
*カルバマゼピン
テオフィリン
アミノフィリン水和物
シクロスポリン
タクロリムス水和物
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、上記薬剤の血中濃度の推移等に注意し、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。
薬剤名等
アトルバスタチンカルシウム水和物
シンバスタチン
ロバスタチン (国内未承認)
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う横紋筋融解症が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
腎機能障害のある患者には特に注意すること。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。
薬剤名等
コルヒチン
臨床症状・措置方法
コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状 (汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等) が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者には、本剤を併用しないこと。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。
薬剤名等
**,*ベンゾジアゼピン系薬剤
(CYP3A4で代謝される薬剤)
トリアゾラム
ミダゾラム等
非定型抗精神病薬
(CYP3A4で代謝される薬剤)
クエチアピンフマル酸塩等
ジソピラミド
エプレレノン
エレトリプタン臭化水素酸塩
カルシウム拮抗剤
(CYP3A4で代謝される薬剤)
ニフェジピン
ベラパミル塩酸塩等
ジエノゲスト
ホスホジエステラーゼ5阻害剤
シルデナフィルクエン酸塩
タダラフィル
〔シアリス、ザルティア〕等
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム等
オキシコドン塩酸塩水和物
フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。
薬剤名等
抗凝固剤
(CYP3A4で代謝され、P-糖蛋白質で排出される薬剤)
アピキサバン
リバーロキサバン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4及びP-糖蛋白質に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝及び排出が阻害される。
薬剤名等
*抗凝固剤
(P-糖蛋白質で排出される薬剤)
ダビガトランエテキシラート
エドキサバントシル酸塩水和物
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用により、上記薬剤の排出が阻害される。
薬剤名等
**イトラコナゾール
HIVプロテアーゼ阻害剤
サキナビルメシル酸塩
リトナビル等
臨床症状・措置方法
本剤の未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性がある。
また、イトラコナゾール、サキナビルメシル酸塩の併用においては、これら薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。
異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤と上記薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される。
薬剤名等
リファブチン
エトラビリン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。
また、本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇し、本剤の作用が減弱する可能性がある。
異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。
また、上記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
薬剤名等
リファンピシン
エファビレンツ
ネビラピン
臨床症状・措置方法
本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤の作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
上記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー
(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー (呼吸困難、痙攣、発赤等) をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. QT延長、心室頻拍 (Torsades de pointesを含む)、心室細動
(頻度不明)
QT延長、心室頻拍 (Torsades de pointesを含む)、心室細動があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者、低カリウム血症のある患者においては特に注意すること[「慎重投与」の項参照]。
3. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全
(頻度不明)
劇症肝炎、AST (GOT)、ALT (GPT)、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少、無顆粒球症
(頻度不明)
血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少、無顆粒球症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、多形紅斑
(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6. PIE症候群・間質性肺炎
(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴うPIE症候群・間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
7. 偽膜性大腸炎、出血性大腸炎
(頻度不明)
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 横紋筋融解症
(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK (CPK) 上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うとともに、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
9. 痙攣
(頻度不明)
痙攣 (強直間代性、ミオクロヌス、意識消失発作等) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. 急性腎不全、尿細管間質性腎炎
(頻度不明)
急性腎不全、尿細管間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. アレルギー性紫斑病
(頻度不明)
アレルギー性紫斑病があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12. 薬剤性過敏症症候群2)
(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
その他の副作用
下記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて、適切な処置を行うこと。
過敏症
(頻度不明)
発疹注)、そう痒感
精神神経系
(頻度不明)
めまい、頭痛、不眠、幻覚注)、失見当識注)、意識障害注)、せん妄注)、躁病注)、眠気、振戦注)、しびれ (感)注)、錯感覚
感覚器
(頻度不明)
味覚異常 (にがみ等)、耳鳴注)、聴力低下注)、嗅覚異常注)
消化器
(頻度不明)
悪心、嘔吐、胃部不快感、腹部膨満感、腹痛、下痢、食欲不振、軟便、口内炎、舌炎、舌変色、口腔内びらん注)、胸やけ、口渇、歯牙変色注)
血液
(頻度不明)
好酸球増多
肝臓
(頻度不明)
AST (GOT) 上昇、ALT (GPT) 上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、Al-P上昇
筋・骨格
(頻度不明)
筋肉痛注)
その他
(頻度不明)
倦怠感、浮腫、カンジダ症注)、動悸注)、発熱、CK (CPK) 上昇注)、脱毛、頻尿、低血糖注)
後天性免疫不全症候群 (エイズ) に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症を対象とした試験で認められた副作用
精神神経系
(頻度不明)
不眠症、頭痛、めまい、激越、神経過敏症、感覚異常、痙攣、妄想、幻覚、運動過多、躁病反応、偏執反応、末梢神経炎、精神病
感覚器
(頻度不明)
味覚減退、味覚倒錯、難聴、耳鳴、味覚喪失、結膜炎
皮膚
(頻度不明)
発疹、そう痒感、斑状丘疹状皮疹、ざ瘡、帯状疱疹、紫斑皮疹、光線過敏性反応、発汗
消化器
(頻度不明)
下痢、悪心、食欲不振、腹痛、嘔吐、逆流性食道炎、鼓腸放屁、消化不良、便秘、おくび、口渇、舌炎、舌変色
血液
(頻度不明)
白血球減少、貧血、再生不良性貧血、好中球減少、骨髄機能不全
肝臓
(頻度不明)
肝機能異常、γ-GTP上昇、Al-P上昇、AST (GOT) 上昇、ALT (GPT) 上昇、胆汁うっ滞性黄疸、肝炎、ビリルビン上昇
腎臓
(頻度不明)
急性腎不全、腎機能障害、BUN上昇、クレアチニン上昇
生殖器
(頻度不明)
子宮頸部上皮異形成、膣カンジダ症
筋・骨格
(頻度不明)
筋肉痛、関節痛
その他
(頻度不明)
高脂血症、トリグリセリド上昇、高尿酸血症、低カリウム血症、徐脈、無力症、アミラーゼ上昇、カンジダ症、疼痛、しゃっくり、発熱、胸痛、さむけ、酵素上昇
注) あらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では、生理機能が低下しており、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
動物実験で、母動物に毒性があらわれる高用量において、胎児毒性 (心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等) が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
なお、国外における試験で次のような報告がある。SD系ラット (15~150mg/kg/日) 及びCD-1系マウス (15~1,000mg/kg/日) において、それぞれ母動物に毒性があらわれる最高用量でラット胎児に心血管系異常並びにマウス胎児に口蓋裂が認められた。また、サル (35~70mg/kg/日) において、母動物に毒性があらわれる70mg/kg/日で9例中1例に低体重の胎児がみられたが、外表、内臓、骨格には異常は認められなかった。
2.
ヒト母乳中へ移行することが報告されているので、授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
なお、動物実験 (ラット) の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移した。
小児等への投与
低出生体重児及び新生児に対する安全性は確立していない (使用経験がない)。
適用上の注意
1.
レジオネラ肺炎の治療において単独で使用することが望ましいが、患者の症状に応じて併用が必要な場合には以下の報告を参考に併用する薬剤の特徴を考慮し選択すること。
(1)
中等症以上の患者にリファンピシンと併用し有効との報告がある。
(2)
in vitro 抗菌力の検討において、本剤とレボフロキサシン又はシプロフロキサシンとの併用効果 (相乗ないし相加作用) が認められたとの報告がある。
2. 投与時
健常人での薬物動態試験で天然ケイ酸アルミニウムと併用した場合、本剤の吸収が低下するとの報告がある。
3. 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
4. 調製方法 (ドライシロップ)
本剤は用時調製の製剤であるので、調製後の保存を避けること。やむを得ず保存する必要がある場合は冷蔵庫に保存し、できるかぎり速やかに使用すること。また、使用時、十分に振り混ぜること。
薬物動態
1. 生物学的同等性試験
(1) クラロイシン錠50小児用3)
クラロイシン錠50小児用と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠 (クラリスロマイシンとして100mg (力価)) 健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ (AUC、Cmax) について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25) の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2) クラロイシンドライシロップ10%小児用4)
クラロイシンドライシロップ10%小児用と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ0.5g (クラリスロマイシンとして50mg (力価)) 健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ (AUC、Cmax) について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25) の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2. 溶出挙動
(1)
クラロイシン錠50小児用は、日本薬局方医薬品各条に定められたクラリスロマイシン錠50mg (力価) の溶出規格に適合していることが確認されている5)。
(2)
クラロイシンドライシロップ10%小児用は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたクラリスロマイシン100mg (力価)/gドライシロップの溶出規格に適合していることが確認されている6)。
薬効薬理
細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し、蛋白合成を阻害する。7)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
クラリスロマイシン (Clarithromycin)
化学名:
(2R , 3S , 4S , 5R , 6R , 8R , 10R , 11R , 12S , 13R )-5-(3, 4, 6-Trideoxy-3-dimethylamino-β-D-xylo -hexopyranosyloxy)-3-(2, 6-dideoxy-3-C -methyl-3-O -methyl-α-L-ribo -hexopyranosyloxy)-11, 12-dihydroxy-6-methoxy-2, 4, 6, 8, 10, 12-hexamethyl-9-oxopentadecan-13-olide
分子式:
C38H69NO13
分子量:
747.95
性状:
クラリスロマイシンは白色の結晶性の粉末で、味は苦い。
アセトン又はクロロホルムにやや溶けやすく、メタノール、エタノール (95) 又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
構造式:
融点:
220~227℃
取扱い上の注意
安定性試験
クラロイシン錠50小児用8)
最終包装製品を用いた加速試験 (40℃、相対湿度75%、6ヵ月) の結果、クラロイシン錠50小児用は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
クラロイシンドライシロップ10%小児用9)
最終包装製品を用いた加速試験 (40℃、相対湿度75%、6ヵ月) の結果、クラロイシンドライシロップ10%小児用は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
包装
クラロイシン錠50小児用: PTP100錠、PTP500錠
クラロイシンドライシロップ10%小児用: バラ100g
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Griffith, D. E., et al. : Am. J. Respir. Crit. Care Med., 175, 367 (2007)
2)
厚生労働省: 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
3)
シオノケミカル (株): クラロイシン錠50小児用の生物学的同等性に関する資料 (社内資料)
4)
シオノケミカル (株): クラロイシンドライシロップ10%小児用の生物学的同等性に関する資料 (社内資料)
5)
シオノケミカル (株): クラロイシン錠50小児用の溶出試験に関する資料 (社内資料)
6)
シオノケミカル (株): クラロイシンドライシロップ10%小児用の溶出試験に関する資料 (社内資料)
7)
第16改正日本薬局方解説書 廣川書店 (2011)
8)
シオノケミカル (株): クラロイシン錠50小児用の安定性に関する資料 (社内資料)
9)
シオノケミカル (株): クラロイシンドライシロップ10%小児用の安定性に関する資料 (社内資料)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室
〒113-8650 東京都文京区本駒込2丁目28-8
電話 0120-519-874
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
発売元
科研製薬株式会社
東京都文京区本駒込2丁目28-8
製造販売元
シオノケミカル株式会社
東京都中央区八重洲2丁目10-10