METOPIRON CAPSULES(Metyrapone)逍遥丸 メトピロンカプセル250mg
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作成又は改訂年月
2015年5月改訂(第7版,処方箋・医薬品表示変更に伴う改訂)
* 2013年10月改訂
日本標準商品分類番号
8772231
872499
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1983年4月
効能又は効果追加承認年月(最新)
2011年11月
薬効分類名
下垂体ACTH分泌機能検査用薬
副腎皮質ホルモン合成阻害剤
承認等
販売名
メトピロンカプセル250mg
販売名コード
7223001M1035
承認・許可番号
承認番号
21900AMX00702000
商標名
METOPIRON CAPSULES 250mg
薬価基準収載年月
2007年6月
販売開始年月
1965年9月
貯法・使用期限等
貯法:
防湿,室温保存
使用期限:
外箱等に表示
規制区分
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量
1カプセル中メチラポン(日局)250mg
添加物
グリセリン,マクロゴール4000,マクロゴール400
カプセル本体:ゼラチン,パラオキシ安息香酸エチル,パラオキシ安息香酸プロピル,グリセリン,酸化チタン,香料,エチルバニリン含有
性状
剤形
微帯黄白色~淡黄色の軟カプセル剤
外形
外形(長径)
18.3mm
外形(短径)
7.6mm
外形(質量)
770mg
識別コード
CG 501
一般的名称
メチラポンカプセル
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
副腎皮質機能不全の患者[急性副腎不全をきたすことがある.]
効能又は効果
下垂体ACTH分泌予備能の測定
クッシング症候群
用法及び用量
下垂体ACTH分泌予備能の測定
通常,成人には,メチラポンとして1回500~750mgを1日6回4時間毎に経口投与する.
小児には,1回15mg/kgに相当する量を1日6回4時間毎に経口投与するが,1回の最小量は,メチラポンとして250mgが望ましい.
クッシング症候群
通常,成人及び小児には,メチラポンとして1回250mg~1gを1日1~4回経口投与する.なお,患者の状態により適宜増減する.
用法及び用量に関連する使用上の注意
1. 「下垂体ACTH分泌予備能の測定」に本剤を使用する場合
(1)
メトピロン・テストを行う前に全ての副腎皮質ステロイド療法を中止すること.
(2)
尿中ステロイドの測定に影響を与える薬剤があるので,メトピロン・テスト実施期間中は,他の薬剤は投与しないことが望ましい.特に,本テストに影響の可能性がある薬剤として次のものが報告されている.
フェニトイン,蛋白同化ステロイド,エストロゲン,クロルプロマジン,バルビツール酸誘導体,アミトリプチリン,抗甲状腺ホルモン剤,アルプラゾラム,シプロヘプタジン
[試験法]
第1日目:
対照期-24時間尿を集め,17-ヒドロキシコルチコステロイド(17-OHCS)あるいは,17-ケトジェニックステロイド(17-KGS)を測定する.
第2日目:
ACTH負荷試験(副腎皮質機能検査)を実施する.
第3日目及び第4日目:
休薬する.
第5日目:
本剤を投与する.
第6日目:
本剤投与後の期間-24時間尿のステロイドを測定する.本剤投与に対する最大の反応は,この日にみられる.
(反応の判定)
ACTH及び本剤投与に対する反応の判定は,対照期にみられるステロイド分泌と比較して,これらの薬剤に反応して生じる尿中の17-OHCSあるいは,17-KGSの増加に基づいて行われる.
本剤の反応は,内分泌性ACTHに対する副腎の反応性に基づいているので,メトピロン・テストを行う前に投与したACTHに対して副腎の反応が弱ければ,下垂体の予備能を検査するメトピロン・テストを行っても無意味である.
本剤に対する反応は徐々に起こるので,尿中に排泄されるステロイドが最高値に達するのは,通常本剤の投与が終った後になる.即ち,24時間にわたって,経口的に本剤を投与すると,ステロイド排泄が頂点に達するのは,本剤投与終了に引続く24時間の採尿期間中である.
(1) 正常反応:
下垂体機能が正常な場合には,本剤投与によって,17-OHCS排泄が2~4倍に,又は17-KGS排泄が2倍に増加する.
(2) 正常以下の反応:
ACTHに正常に反応する患者で,本剤に対する反応が正常以下の場合には,下垂体機能の低下を意味する.
(3) 過剰反応:
本剤投与後の17-OHCS又は17-KGSの正常範囲以上の過剰排泄は,副腎過形成を伴うクッシング症候群を考えさせる.この場合には,安静時にも尿中のステロイドの排泄が増加しており,ほとんど常に,ACTHや本剤に対して過剰の反応を示す.
2. 「クッシング症候群」に本剤を使用する場合
血中・尿中コルチゾール値あるいは臨床症状に応じて用量調節を行うこと.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
リウマチ性疾患のある患者
[症状の急性化をきたすことがある.]
重要な基本的注意
1.
本剤の投与により急性副腎不全が起こるおそれがある.このような場合には,副腎皮質ステロイド補充を行うこと.
2.
めまい,眠気等があらわれることがあるので,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること.
3. 「下垂体ACTH分泌予備能の測定」に本剤を使用する場合
副腎皮質機能が著しく低下している場合には,急性副腎不全を起こすおそれがあり,また,メトピロン・テストを行っても意味がない.
4. 「クッシング症候群」に本剤を投与する場合
(1)
原疾患に対する治療として手術等の根治療法を第一に考慮すること.
(2)
異所性クッシング症候群の患者では,ニューモシスティス肺炎等の日和見感染が発現する可能性があるので,観察を十分に行い,必要に応じて適切な処置を行うこと.
(3)
血中コルチコステロイド等の濃度をモニターすることが望ましい.
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
アセトアミノフェン
臨床症状・措置方法
アセトアミノフェンの酸化代謝物(N-アセチルパラベンゾキノニミン)による肝毒性が増強するおそれがある.
機序・危険因子
本剤がアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を阻害するとの報告がある.
副作用
下垂体ACTH分泌予備能の測定
本剤を下垂体ACTH分泌予備能の測定に使用した臨床試験の国内論文より副作用の調査を行ったところ,主な副作用は腹部不快感5.0%(19/379),めまい4.5%(17/379),悪心4.4%(12/271),嘔吐1.3%(5/379),頭痛1.3%(5/379)であった.
(下垂体ACTH分泌予備能の測定に関する再評価時のデータより)
クッシング症候群
クッシング症候群への投与に関しては,副作用の発現頻度が明確となる調査を実施していない.
重大な副作用
1. ショック:
0.1%~5%未満
血圧低下,冷汗,四肢冷却等を伴うショックがあらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
2. 副腎皮質機能不全:
頻度不明
副腎皮質機能不全があらわれることがあるので,検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
3. 骨髄抑制:
頻度不明注1)
汎血球減少,白血球減少,血小板減少,貧血等の骨髄抑制があらわれることがあるので,血液検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
その他の副作用
過敏症注2)
頻度不明注1)
発疹
循環器
頻度不明注1)
高血圧
循環器
0.1%~5%未満
低血圧
精神神経系
頻度不明注1)
鎮静
精神神経系
0.1%~5%未満
めまい,頭痛,眠気
消化器
頻度不明注1)
腹痛
消化器
5%以上
腹部不快感
消化器
0.1%~5%未満
悪心・嘔吐,食欲不振,下痢
内分泌
頻度不明注1)
男性型多毛症
その他
頻度不明注1)
脱毛症
注1)クッシング症候群の効能・効果追加承認時までに外国で認められた副作用.
注2)このような場合には投与を中止すること.
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,本剤による検査又は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.また,本剤は胎児胎盤系におけるステロイドの生合成を阻害する可能性がある.]
2.
授乳中の女性に投与することは避け,やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること.
小児等への投与
低出生体重児又は新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない).
過量投与
徴候,症状:
主な臨床像は消化器系症状と急性副腎不全の徴候である.
臨床検査所見:
低ナトリウム血症,低クロール血症,高カリウム血症
インスリン又は経口糖尿病用剤で治療中の患者は,本剤による急性中毒の徴候と症状が増悪又は変容することがある.
処置:
特異的な解毒剤はない.薬剤の排泄と吸収阻害のための一般的方法に加えて,大量のヒドロコルチゾンを生理食塩液及びブドウ糖注射液とともに直ちに投与する.血圧,体液及び電解質バランスを数日間モニターする.
その他の注意
1.
肝硬変の患者では本剤に対する反応が遅延することがある.
2.
甲状腺機能低下症の患者では尿中ステロイド値の上昇がみられないことがある.
3. 「下垂体ACTH分泌予備能の測定」に本剤を使用する場合
妊婦では正常以下の反応を呈することがある.
薬物動態
1. 血中濃度1)
ヒトに750mgをミルクとともに経口投与した時の血中濃度は1時間後に平均3.7μg/mLとピークに達し,4時間後には平均0.5μg/mLに低下する.また,ヒトに600mgを徐々に静注投与した時の血中半減期は20~26分であり,血中からの消失速度は非常に速い.(外国人のデータ)
2. 代謝2)
尿中に検出される代謝物は,主として遊離型メチラポンと還元型メチラポンのグロクロン酸抱合体である.(外国人のデータ)
3. 排泄2)
主として尿中に排泄され,ヒトに750mgを4時間ごと計4.5gを経口投与した時の投与後3日間までの尿中回収量は平均1.97±0.13gである.(外国人のデータ)
薬効薬理
メチラポンは,副腎皮質ステロイドの中の主要な三つ,即ちコルチゾール(ヒドロコルチゾン),コルチコステロン及びアルドステロンの生合成の過程において,11β-水酸化酵素を特異的かつ可逆的に阻害する.3~5)
下垂体ACTH分泌予備能の測定
下垂体前葉からのACTH分泌は,血中のコルチゾールの濃度に影響されるので,メチラポン投与によって,副腎皮質からのコルチゾール分泌が減少すると,下垂体前葉機能が正常であれば,ACTH分泌の増加が起こってくる.
ACTH分泌の増加によって,副腎皮質機能が刺激されるが,メチラポンの阻害作用のために副腎皮質におけるステロイド生合成は,11-デスオキシコルチゾール及び11-デスオキシコルチコステロンの段階で止まる.
この両者の生成は増量し,これらの物質又はその代謝産物は,血中及び尿中に出現し,代謝産物は,17-OHCS又は17-KGSとして定量的に測定される.
副腎皮質機能が正常で,しかも上記の11-デスオキシコルチゾール,11-デスオキシコルチコステロン又はその代謝産物の尿中排泄が,メチラポン投与に反応して増加しなかった場合には,下垂体前葉のACTH分泌機能不全を意味する.3~5)
クッシング症候群
クッシング症候群患者において,メチラポンはコルチゾール産生を抑制し高コルチゾール血症を改善する.この薬効は投与2時間後より認められた.なお,クッシング病患者において,本剤の効果は長期投与でも維持された.3~5)
有効成分に関する理化学的知見
構造式:
一般名:
メチラポン(Metyrapone)
化学名:
2-Methyl-1,2-di(pyridin-3-yl)propan-1-one
分子式:
C14H14N2O
分子量:
226.27
性状:
白色~微黄色の結晶性の粉末で,特異なにおいがあり,味は苦い.メタノール,エタノール(95),無水酢酸,クロロホルム,ジエチルエーテル又はニトロベンゼンに極めて溶けやすく,水にやや溶けにくい.0.5mol/L硫酸試液に溶ける.
包装
メトピロンカプセル250mg:18カプセル(バラ)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Sprunt, J. G. et al.:Cambridge Univ. Press. 17, 193, 1968
2)
Hannah, D. M. et al.:J. Pharm. Pharmacol. 21(12)877, 1969
3)
Liddle, G. W. et al.:J. Clin. Endocrinol. Mtab. 18(8), 906, 1958
4)
Schteingart, D. E.:Expert Opin. Emerg. Drugs 14(4), 661, 2009
5)
Verhelst, J. A. et al.:Clin. Endocrinol. 35(2), 169, 1991
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
*セオリアファーマ株式会社 メディカルインフォメーション室
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町三丁目3番1号
TEL 0120-72-1136
FAX 03-3243-1137
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*製造販売元
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