インフルエンザウイルスキット
チェックFlu A・B
作成・改訂年月
**平成21年8月4日改訂(第4版)
*平成19年10月10日改訂(第3版)
一般的注意事項
ご使用前に際しては、この添付文書をよくお読みください。
(記載なし)
重要な基本的注意
1.
インフルエンザウイルス感染の診断は、本製品による検査結果のみで行わず、他の検査結果及び臨床症状を考慮して総合的に判断してください。
2.
テストプレートは、開封後直ちに使用してください。吸湿しますと品質に影響を及ぼし、正確な結果が得られません。用法・用量及び注意事項にしたがって必ず操作してください。
3.
*咽頭ぬぐい液を検体とした場合、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液に比べ検出感度が低い傾向にあるので、検体の採取方法にご留意ください。
**鼻汁鼻かみ液を検体とした場合、検体量が少ない場合や適切な検体採取が行われていない場合には、正しい検査結果が得られない可能性がありますので、検体の量、採取方法には十分注意してください。
|
全般的な注意
1.本製品は、体外診断用医薬品であり、それ以外の目的に使用しないでください。
2.添付文書に記載された使用方法に従って使用してください。それ以外の使用方法で得られた結果につきましては保証いたしかねます。
4.
使用目的**
鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液及び鼻汁鼻かみ液中のインフルエンザA及びインフルエンザBウイルス抗原の検出
(インフルエンザウイルス感染の診断補助)
測定原理
**<測定原理>
本製品は、金コロイドクロマト免疫測定法により鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液及び鼻汁鼻かみ液中のインフルエンザA及びインフルエンザBウイルスを1つのプレートで検出するものです。

鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液及び鼻汁鼻かみ液中にインフルエンザAウイルス(又はインフルエンザBウイルス)が存在する場合、インフルエンザAウイルス(又はインフルエンザBウイルス)が毛細管現象により、テストプレートの金コロイド粒子に標識された抗インフルエンザAウイルス抗体(又は抗インフルエンザBウイルス抗体)と結合し、更にこの結合体がろ紙の判定部の部分でライン上に各々に固定化された抗インフルエンザAウイルス抗体(又は抗インフルエンザBウイルス抗体)に捕捉され、インフルエンザAウイルス(又はインフルエンザBウイルス)が2 つの抗体にはさまれた形の複合体を形成します。いわゆるサンドイッチ法として総称される測定原理です。
その結果、メンブレン上に金コロイド粒子が付着する形となり、判定部の抗インフルエンザAウイルス抗体固定化部位(又は抗インフルエンザBウイルス抗体固定化部位)に赤紫色のラインが現れます。また、インフルエンザAウイルスとインフルエンザBウイルスが同時に検出された場合には、判定部に赤紫色のラインが2 本現れることがあります。
一方、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液及び鼻汁鼻かみ液中にインフルエンザAウイルス又はインフルエンザBウイルスが存在しない場合は、判定部にはラインが現れません。
最後に、インフルエンザAウイルス又はインフルエンザBウイルスが存在するか否かにかかわらず、検体が毛細管現象によって移動することにより、確認部(C部)に確認ラインが認められます。これにより、検査が正常に行われたことを確認できます。

**<特徴>
1.
インフルエンザウイルスのA型、B型の型別判定が1つのテストプレートで検出可能です。
2.
インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルスの核タンパクを認識する特異性の高いモノクローナル抗体を使用しています。
3.
測定操作は、1ステップで簡便であり、迅速(5~15分)に結果が得られます。
4.
検体液を滴下し、目視で判定するだけの簡易キットですので、特別な測定機器を必要としません。
操作上の注意**
<測定試料採取時の注意事項>
1.
採取した検体は、保存せずできる限り早く下記の用法・用量に従い調製を行ってください。
2.
採取した検体は、夾雑物等の除去は感度を低下させるおそれがありますので、測定を行う前に遠心分離しないでください。
3.
咽頭ぬぐい液の採取時には、だ液に触れないように注意してください。
4.
鼻腔からの検体採取時、綿棒に鼻汁が粘性の高い塊として多量についた場合は、ガーゼ等で軽く塊を取り除いてください。
5.
判定プレート上で、ノズル(フィルター付き)より滴下できない場合、無理に力を加えますとノズル(フィルター付き)がはずれ、検体が飛び散る可能性もありますのでご注意ください。尚、滴下できない場合は別のノズル(フィルター付き)に取り換えるか、検体の粘性が強い場合では生理食塩水で2倍程度に薄めてから滴下してください。
6.
綿棒を使用する場合、力を入れすぎたり強く押したりして、軸を折らないようにご注意ください。検体採取時に軸部分を回し過ぎて過度にねじれ負荷がかからないようにしてください。また事前に軸を折り曲げ、たわませたりして使用しないでください。
用法・用量(操作方法)
A)試薬の調製方法
試薬の調製は、不要です。但し、冷蔵庫などで保管されていた場合は、室温に戻してから使用してください。
B)必要な器具・器材・材料等
吸引トラップ、吸引ポンプなどの装置、生理食塩水(又は輸送培地)
C)測定(操作)法
1.
鼻腔吸引液
|
1)吸引トラップの一方のチューブを吸引ポンプに、他方のチューブを鼻腔最奥部にしっかり挿入します。吸引ポンプを使用して鼻腔液を吸引トラップに採取します。
2)鼻腔吸引液0. 5mLを生理食塩水(又は輸送培地)1mLに懸濁します。
※粘度が高い場合や検体量が少なく検体採取がうまく行えない場合は、生理食塩水1mL加えて採取してください。
3)検体抽出液を飛び散らせないように検体抽出容器のキャップを取り除いてください。
4)検体抽出容器に懸濁液0. 5mL(検体抽出容器の中ほどの目安線)を加え充分に混合したものを検体液とします。
5)調製した検体液の入った検体抽出容器にキット付属のノズル(フィルター付き)をしっかりと挿入してください。 |
2.鼻腔ぬぐい液
(A又はBの方法で行ってください。但し、Bの方法は、感度が少し低下する恐れがあります。)
|
A-1)キット付属の滅菌綿棒を鼻腔内にしっかり挿入し、鼻甲介を数回擦るようにして粘膜表皮を採取します。
A-2)検体抽出液を飛び散らせないように検体抽出容器のキャップを取り除いてください。
A-3)検体を採取した滅菌綿棒を検体抽出容器内の検体抽出液に浸します。検体抽出容器の外側から滅菌綿棒を指で数回つまんだり上下させて検体抽出液を滅菌綿棒に充分浸透させた後、しごく様に滅菌綿棒を引き抜きます。この液体を検体液とします。
A-4)調製した検体液の入った検体抽出容器にキット付属のノズル(フィルター付き)をしっかりと挿入してください。
B-1)キット付属の滅菌綿棒を鼻腔内にしっかり挿入し、鼻甲介を数回擦るようにして粘膜表皮を採取します。
B-2)別容器に一定量の輸送培地又は生理食塩水を加え、滅菌綿棒に充分浸透させた後、絞り出したものを試料とします。
B-3)検体抽出液を飛び散らせないように検体抽出容器のキャップを取り除いてください。
B-4)検体抽出容器に試料を約0. 5mL加えます。
B-5)調製した検体液の入った検体抽出容器にキット付属のノズル(フィルター付き)をしっかりと挿入してください。 |
3.*咽頭ぬぐい液
(A又はBの方法で行ってください。但し、Bの方法は、感度が少し低下する恐れがあります。)
|
A-1)滅菌綿棒を口腔から咽頭にしっかり挿入し、咽頭後壁、口蓋扁桃の発赤部位を中心に数回擦るようにして粘膜表皮を採取します。
A-2)検体抽出液を飛び散らせないように検体抽出容器のキャップを取り除いてください。
A-3)検体を採取した滅菌綿棒を検体抽出容器内の検体抽出液に浸します。検体抽出容器の外側から滅菌綿棒を指で数回つまんだり上下させて検体抽出液を滅菌綿棒に充分浸透させた後、しごく様に滅菌綿棒を引き抜きます。この液体を検体液とします。
A-4)調製した検体液の入った検体抽出容器にキット付属のノズル(フィルター付き)をしっかりと挿入してください。
B-1)滅菌綿棒を口腔から咽頭にしっかり挿入し、咽頭後壁、口蓋扁桃の発赤部位を中心に数回擦るようにして粘膜表皮を採取します。
B-2)別容器に一定量の輸送培地又は生理食塩水を加え、滅菌綿棒に充分浸透させた後、絞り出したものを試料とします。
B-3)検体抽出液を飛び散らせないように検体抽出容器のキャップを取り除いてください。
B-4)検体抽出容器に試料を約0. 5mL加えます。
B-5)調製した検体液の入った検体抽出容器にキット付属のノズル(フィルター付き)をしっかりと挿入してください。 |
4.**鼻汁鼻かみ液検体
問診により鼻汁(鼻水)の採取が可能と判断された患者に対して、検体採取用紙(非浸潤性で100cm2程度のもの)を手渡し、それに患者自身で鼻をかんでもらいます。得られた鼻汁鼻かみ液の一部を滅菌綿棒で十分量拭い取ります。以下は、2.鼻腔ぬぐい液のA-2)~A-4)を参照ください。
注意)検体採取用紙に採取した鼻汁の量が、滅菌綿棒の先端スワブ部分の表面全体に付着させるだけの量に満たない場合は検体量が不十分と考えられますので、検査に使用せず、他の方法で、採取した検体を用いて検査を行ってください。
**操作方法
1.使用直前にテストプレートをアルミピローから取り出します。
2.テストプレートを平らなところに置き、検体抽出容器の中ほどをつまみ、滴下部(テストプレートの検体表示部)に、検体液3 滴を滴下します。
3.5~15分後にテストプレートの判定部の発色を観察して、判定を行ってください。
**D)検体取り扱い上の注意
1.鼻汁鼻かみ液検体は自分で鼻のかめない乳幼児や鼻腔内が乾燥している患者には使用できません。また採取できた場合でも、検体の量や状態により、検査結果に影響を及ぼす可能性がありますので、検体使用時には十分注意してください。
2.鼻汁鼻かみ液の採取及び取り扱いにおいて、鼻汁の飛散による二次感染の危険性に十分注意してください。
測定結果の判定法
陽 性:インフルエンザAウイルス陽性
判定部のAの部分に赤紫色のラインが認められ、かつ確認部(C部)の発色も認められた場合
インフルエンザBウイルス陽性
判定部のBの部分に赤紫色のラインが認められ、かつ確認部の発色も認められた場合
インフルエンザAウイルス及びインフルエンザBウイルス陽性
判定部のA及びBの部分に赤紫色のラインが認められ、かつ確認部の発色も認められた場合
陰 性:判定部には、ラインが認められず、確認部の発色のみ認められた場合再検査:確認部に赤紫色の確認ラインが認められない場合
測定操作の問題やあるいは試薬の品質上の問題が考えられます。別のテストプレートで試験をやり直してください。
判定部/確認部 |
判 定 |
|
インフルエンザAウイルス抗原
陽性 |
|
インフルエンザBウイルス抗原
陽性 |
|
インフルエンザAウイルス抗原
及び
インフルエンザBウイルス抗原
陽性 |
|
陰性 |
|
再試験 |
**◆判定結果に係る注意
1.試料を滴下してから15分経過しても判定部[A]又は[B]にラインが認められない場合には陰性と判定してください。
2.確認部に赤紫色の確認ラインが認められない場合は、測定操作が不適当であるか、試薬が劣化している可能性が考えられますので、別のテストプレートで再試験を行ってください。
3.判定は30分までに行い、判定時間を過ぎたテストプレートについては乾燥などにより結果が変化する場合があるので判定に使用しないでください。
4.判定部に、未使用の状態で紫色のライン様のものが見えることがありますが、判定への影響はありません。
性能
性能
相関性試験成績
*鼻腔吸引液
|
対照品 |
A陽性 |
B陽性 |
陰性 |
計 |
本製品 |
A陽性 |
10 |
0 |
0 |
10 |
B陽性 |
0 |
26 |
0 |
26 |
陰性 |
0 |
0 |
29 |
29 |
計 |
10 |
26 |
29 |
65 |
A陽性一致率:100.0%(10/10) B陽性一致率:100.0%(26/26)
陰 性一致率:100.0%(29/29) 全 体一致率:100.0%(65/65)
*鼻腔ぬぐい液
|
対照品 |
A陽性 |
B陽性 |
陰性 |
計 |
本製品 |
A陽性 |
23 |
0 |
0 |
23 |
B陽性 |
0 |
19 |
0 |
19 |
陰性 |
0 |
0 |
37 |
37 |
計 |
23 |
19 |
37 |
79 |
A陽性一致率:100.0%(23/23) B陽性一致率:100.0%(19/19)
陰 性一致率:100.0%(37/37) 全 体一致率:100.0%(79/79)
*咽頭ぬぐい液
|
対照品 |
A陽性 |
B陽性 |
陰性 |
計 |
本製品 |
A陽性 |
84 |
0 |
0 |
84 |
B陽性 |
0 |
56 |
2 |
58 |
陰性 |
12 |
1 |
67 |
80 |
計 |
96 |
57 |
69 |
222 |
A陽性一致率:87.5%(84/96) B陽性一致率:98.2%(56/57)
陰 性一致率:97.1%(67/69) 全 体一致率:93.2%(207/222)
**鼻汁鼻かみ液
A型インフルエンザ |
|
B型インフルエンザ |
|
既承認医薬品1 |
|
既承認医薬品1 |
陽性 |
陰性 |
計 |
陽性 |
陰性 |
計 |
本品 |
陽性 |
65 |
41) |
69 |
陽性 |
19 |
93) |
28 |
陰性 |
52) |
80 |
85 |
陰性 |
12) |
125 |
126 |
計 |
70 |
84 |
154 |
計 |
20 |
134 |
154 |
A型:一致率:94.2% 感度:92. 9% 特異度:95. 2%
B型:一致率:93.5% 感度:95. 0% 特異度:93. 3%
1)全例分離培養結果陽性 2)全例分離培養結果陽性 3)全例分離培養結果陰性
A型インフルエンザ |
|
B型インフルエンザ |
|
既承認医薬品1 |
|
既承認医薬品1 |
陽性 |
陰性 |
計 |
陽性 |
陰性 |
計 |
本品 |
陽性 |
69 |
0 |
69 |
陽性 |
18 |
106) |
28 |
陰性 |
104) |
75 |
85 |
陰性 |
15) |
125 |
126 |
計 |
79 |
75 |
154 |
計 |
19 |
135 |
154 |
A型:一致率:93.5% 感度:87. 3% 特異度:100. 0%
B型:一致率:92.9% 感度:94. 7% 特異度:92. 6%
4)うち4例は分離培養結果陰性 5)分離培養結果陽性 6)全例分離培養結果陰性
**ウイルス分離培養法との比較(鼻汁鼻かみ液)(%)
|
陽性一致率 |
陰性一致率 |
全体一致率 |
検体数 |
鼻汁
鼻かみ液 |
A型 |
83.3
(65/78) |
94.7
(72/76) |
89.0
(137/154) |
154 |
B型 |
90.0
(18/20) |
92.5
(124/134) |
92.2
(142/154) |
154 |
使用上又は取扱い上の注意**
取り扱い上の注意
1.本製品は、鼻腔ぬぐい液・鼻腔吸引液・咽頭ぬぐい液・鼻汁鼻かみ液を検体として、迅速にインフルエンザAウイルス又はインフルエンザBウイルスを検出するための簡便法です。確定診断は、臨床症状やウイルスの分離培養の結果と合わせて総合的に判断してください。
2.添付文書に記載された操作方法に従って使用してください。
3.品質の低下を防ぐため、高温多湿及び直射日光を避け、2~30℃で保存してください。
4.使用期限を過ぎたキットは、使用しないでください。
5.テストプレートを使用する直前までピロー包装は開封しないでください。また、開封後はすぐにお使いください。
6.テストプレートの滴下部及び判定部は直接手などで触れないでください。
7.キット付属のノズル(フィルター付き)を必ず使用してください。
8.
検体抽出液にまれに沈殿が認められることがありますが、検査結果には影響を与えないことを確認しています。そのままご使用ください。
9.検査におきましては、感染の危険性があるものとして十分に注意を払って行ってください。
10.検体抽出液には、防腐剤としてアジ化ナトリウムが0. 09%含まれています。皮膚に付着したり、目に入った場合は、多量の水で洗い流してください。必要に応じて医師の手当などを受けてください。
11.他のロットとの混合使用は避けてください。
廃棄方法
1.測定に使用したテストプレートや綿棒、試料の残り等は、感染の可能性のあるものとして、必ずオートクレーブ処理(121℃ 20分)するか、0. 1%次亜塩素酸ナトリウムに1時間以上浸して処理してください。また、検体抽出容器は、ノズル(フィルター付き)をつけて廃棄することをお勧めします。使用後の試薬などは焼却処理するか、廃棄する場合には、廃棄物に関する規定に従い、医療用廃棄物又は産業廃棄物など区別して処理してください。
2.検体抽出液には、防腐剤としてアジ化ナトリウムが0. 09%含まれています。廃棄する際には、火気に注意し、酸や重金属に触れないように取り扱いに注意して、大量の水と共に流してください。
貯蔵方法、有効期間
貯蔵方法
直射日光を避けて2~30℃の範囲で保存してください。
有効期間
21ヶ月(使用期限は外箱に記載)
包装単位
10テスト
製造販売業者の氏名又は名称及び住所
氏名又は名称(製造販売業の種別)
ロート製薬株式会社
第二種医薬品製造販売業
住所等
大阪府大阪市生野区巽西1-8-1
電話番号
06-6758-1230
問い合わせ先
氏名又は名称
アルフレッサ ファーマ株式会社
住所等
大阪市中央区石町二丁目2番9号
電話番号
06-6941-0308