Cyramza Injection(Ramucirumab(Genetical Recombination))雷莫芦单抗,サイラムザ点滴静注液100mg/サイラムザ点滴静注液500mg
ダウンロード
|
副作用関連情報(注意事項)
・本検索は「一般名(成分名)」での部分一致検索です。
・「販売名」による完全一致検索ではありませんのでご注意ください。 |
|
--------------------------------------------------------------------------------
作成又は改訂年月
* 2015年6月改訂(第2版)
2015年3月作成
日本標準商品分類番号
87 4291
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2014年4月
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤 ヒト型抗VEGFR-2注)モノクローナル抗体
注)VEGFR-2:Vascular Endothelial Growth Factor Receptor-2(血管内皮増殖因子受容体2)
承認等
販売名
サイラムザ点滴静注液100mg
販売名コード
4291429A1023
承認・許可番号
承認番号
22700AMX00664
商標名
Cyramza Injection
薬価基準収載年月
2015年5月
販売開始年月
2015年6月
貯法・使用期限等
貯 法:
遮光、2~8℃で保存
使用期限:
外箱等に表示
規制区分
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
容量(1バイアル):
10mL
成分・含量
(1バイアル中):
ラムシルマブ
(遺伝子組換え)注)
100mg
成分・含量
(1バイアル中)
添加物:
L-ヒスチジン 6.5mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物 12.2mg
グリシン 99.8mg
塩化ナトリウム 43.8mg
ポリソルベート80 1.0mg
注)本剤は、マウスミエローマ細胞を用いて製造される。製造工程の培地成分としてウシ血清由来成分(アルブミン)を使用している。
性状
性状・剤形:
澄明又はわずかに乳白光を呈する、無色~微黄色の液(注射剤)
pH:
5.7~6.3
浸透圧比
(生理食塩液に対する比):
約1
販売名
サイラムザ点滴静注液500mg
販売名コード
4291429A2020
承認・許可番号
承認番号
22700AMX00665
商標名
Cyramza Injection
薬価基準収載年月
2015年5月
販売開始年月
2015年6月
貯法・使用期限等
貯 法:
遮光、2~8℃で保存
使用期限:
外箱等に表示
規制区分
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
容量(1バイアル):
50mL
成分・含量
(1バイアル中):
ラムシルマブ
(遺伝子組換え)注)
500mg
成分・含量
(1バイアル中)
添加物:
L-ヒスチジン 32.5mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物 61.0mg
グリシン 499mg
塩化ナトリウム 219mg
ポリソルベート80 5.0mg
注)本剤は、マウスミエローマ細胞を用いて製造される。製造工程の培地成分としてウシ血清由来成分(アルブミン)を使用している。
性状
性状・剤形:
澄明又はわずかに乳白光を呈する、無色~微黄色の液(注射剤)
pH:
5.7~6.3
浸透圧比
(生理食塩液に対する比):
約1
一般的名称
ラムシルマブ(遺伝子組換え)注射液
警告
1.
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
2.
心筋梗塞、脳血管障害等の重篤な動脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。重度の動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]
3.
重度の消化管出血があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。重度の出血があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]
4.
消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。消化管穿孔があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照]
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
治癒切除不能な進行・再発の胃癌
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.
本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
2.
本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
3.
原発部位等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[「臨床成績」の項参照]
用法及び用量
通常、成人には2週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
本剤とパクリタキセル以外の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
2.
本剤投与時にあらわれるinfusion reactionを軽減させるため、本剤の投与前に抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等)の前投与を考慮すること。グレード注1)1又は2のinfusion reactionがあらわれた場合には、次回投与から必ず抗ヒスタミン剤を前投与し、その後もグレード注1)1又は2のinfusion reactionがあらわれる場合には、抗ヒスタミン剤に加え解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)及び副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン等)を前投与すること。[「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照]
3.
グレード注1)3又は4のinfusion reactionがあらわれた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、再投与しないこと。グレード注1)1又は2のinfusion reactionがあらわれた場合には、投与速度を50%減速し、その後の全ての投与においても減速した投与速度で投与すること。[「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照]
4.
高血圧又は蛋白尿があらわれた場合には、以下の基準を参考に本剤を休薬、減量又は投与中止すること。[「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照]
高血圧
副作用:症候性のグレード注1)2、又はグレード注1)3以上
処置:降圧剤による治療を行い、血圧がコントロールできるようになるまで休薬する。
降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合には、投与を中止する。
蛋白尿
副作用:1日尿蛋白量2g以上注2)
処置:初回発現時:1日尿蛋白量2g未満注2)に低下するまで休薬し、再開する場合には6mg/kgに減量する。
蛋白尿
副作用:1日尿蛋白量2g以上注2)
処置:2回目以降の発現時:1日尿蛋白量2g未満注2)に低下するまで休薬し、再開する場合には5mg/kgに減量する。
蛋白尿
副作用:1日尿蛋白量3g以上注2)、又はネフローゼ症候群を発現
処置:投与を中止する。
注1)有害事象共通用語規準(ver. 4.0)
注2)24時間蓄尿を用いた全尿検査が望ましいが、実施困難な場合には尿中の蛋白/クレアチニン比を測定する。
5. 注射液の調製法
本剤の投与時には、本剤の必要量を計算し、必要量を注射筒で抜き取り、点滴静注用容器にて日局生理食塩液と混和して全量250mLとして用いる。輸液は十分に混和すること。[「適用上の注意」の項参照]
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
血栓塞栓症又はその既往歴のある患者[心筋梗塞、脳血管障害、肺塞栓症等があらわれるおそれがある。]
2.
高血圧症の患者[高血圧が悪化するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照)]
3.
消化管など腹腔内の炎症を合併している患者[消化管穿孔があらわれるおそれがある。]
4.
出血素因や凝固系異常のある患者又は抗凝固剤を投与している患者[出血があらわれるおそれがある。]
5.
消化管出血等の出血が認められている患者[出血が増強されるおそれがある。]
6.
大きな手術の術創が治癒していない患者[創傷治癒障害による合併症があらわれるおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
7.
重度の肝障害(重度の肝硬変、肝性脳症を伴う肝硬変、肝硬変による著明な腹水、肝腎症候群)を有する患者[肝機能が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
重要な基本的注意
1.
Infusion reactionがあらわれることがあり、2回目以降の本剤投与時にもあらわれることがある。本剤の投与は、重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。また、本剤投与中は、患者の状態を観察し、過敏症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重大な副作用」の項参照]
2.
高血圧があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定すること。高血圧があらわれた場合には、降圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「慎重投与」の項参照]
3.
蛋白尿があらわれることがあるので、本剤投与期間中は尿蛋白を定期的に検査すること。異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
4.
本剤は、創傷治癒に影響を及ぼす可能性がある。
(1)
手術を予定している場合には、手術の前に本剤の投与を中断すること。
(2)
手術後に本剤を投与する際には、創傷が治癒していることを十分に確認し、投与を開始することが望ましい。
(3)
創傷治癒による合併症があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.
重度の肝障害(重度の肝硬変(Child-Pugh分類B又はC)、肝性脳症を伴う肝硬変、肝硬変による著明な腹水、肝腎症候群)を有する患者において、本剤投与により肝機能が悪化したとの報告がある。重度の肝障害を有する患者に対する投与の可否は慎重に判断すること。投与する場合には、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
<単独投与での成績>
胃癌患者を対象とした本剤単独投与による外国第III相無作為化比較試験において、本剤が投与された236例中、主な副作用は腹痛(28.8%)、高血圧(16.1%)、下痢(14.4%)等であった。(承認時)
<パクリタキセル併用投与での成績>
胃癌患者を対象とした本剤とパクリタキセルの併用投与による国際共同第III相無作為化比較試験において、本剤が投与された327例中(日本人症例68例を含む)、主な副作用は疲労/無力症(56.9%)、好中球減少症(54.4%)、白血球減少症(33.9%)、下痢(32.4%)、鼻出血(30.6%)等であった。(承認時)
重大な副作用
1.
動脈血栓塞栓症(1.7%注1)、1.8%注2))、静脈血栓塞栓症(3.8%注1)、4.0%注2)):心筋梗塞(0.4%注1)、0.3%注2))、脳血管障害(0.8%注1)、0.9%注2))等の動脈血栓塞栓症、肺塞栓症(1.7%注1)、1.2%注2))等の静脈血栓塞栓症があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、重度の動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。
2.
Infusion reaction(0.4%注1)、5.8%注2)):悪寒、紅潮、低血圧、呼吸困難、気管支痙攣等のinfusion reactionがあらわれることがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し、グレード注3)3又は4のinfusion reactionが認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うとともに、以降、本剤を再投与しないこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照]
3.
消化管穿孔(0.8%注1)、1.2%注2)):消化管穿孔があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。消化管穿孔が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、消化管穿孔があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。
4.
出血(12.7%注1)、41.9%注2)):消化管出血(6.4%注1)、10.1%注2))等の出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、重度の出血が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、重度の出血があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。
5.
好中球減少症(4.7%注1)、54.4%注2))、白血球減少症(0.4%注1)、33.9%注2)):好中球減少症、白血球減少症及び発熱性好中球減少症(0.4%注1)、3.1%注2))があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
6.
うっ血性心不全(0.4%注1)、2.4%注2)):うっ血性心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7.
創傷治癒障害(頻度不明注4)):創傷治癒に影響を及ぼす可能性があり、創傷治癒障害による合併症があらわれることがある。創傷治癒障害による合併症があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.
瘻孔(0.4%注1)):瘻孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9.
可逆性後白質脳症症候群(頻度不明注4)):可逆性後白質脳症症候群があらわれることがあるので、痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等の適切な処置を行うこと。
注1)本剤の単独投与による外国臨床試験における発現頻度
注2)本剤とパクリタキセル併用投与による国際共同試験(日本人症例68例を含む)における発現頻度
注3)有害事象共通用語規準(ver. 4.0)
注4)本剤の単独投与による外国臨床試験及び本剤とパクリタキセル併用投与による国際共同試験以外における報告は、頻度不明とした。
その他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には、症状に合わせて適切な処置を行うこと。
1. 単独投与時
血液:
5%未満
血小板減少症
消化器:
20%以上
腹痛
消化器:
5~20%未満
下痢
消化器:
5%未満
腸閉塞
循環器:
5~20%未満
高血圧
代謝:
5~20%未満
低カリウム血症、低ナトリウム血症
腎臓:
5%未満
蛋白尿
皮膚:
5%未満
発疹、皮膚乾燥
その他:
5~20%未満
頭痛
その他:
5%未満
粘膜の炎症
2. パクリタキセルとの併用投与時
血液:
5~20%未満
血小板減少症
消化器:
20%以上
下痢、腹痛
消化器:
5~20%未満
口内炎
肝臓:
5~20%未満
AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加
循環器:
20%以上
高血圧
循環器:
5%未満
心電図QT延長
呼吸器:
5~20%未満
呼吸困難
代謝:
5~20%未満
低アルブミン血症、低ナトリウム血症
腎臓:
5~20%未満
蛋白尿
腎臓:
5%未満
血中クレアチニン増加
感染症:
5%未満
敗血症
皮膚:
5~20%未満
発疹、皮膚乾燥
皮膚:
5%未満
潮紅、ざ瘡様皮膚炎
その他:
20%以上
疲労/無力症、末梢性浮腫
その他:
5~20%未満
頭痛、発熱
その他:
5%未満
眼瞼浮腫、顔面浮腫
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、本剤を投与しないこと。妊娠可能な婦人には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[本剤の胚・胎児発生毒性試験は実施されていない。また、VEGF及びVEGFR阻害により、動物において胚死亡、流産、催奇形性等が起こることが報告されており1)、本剤の作用機序から、本剤が胚・胎児発生及び出生後の発生に影響を及ぼす可能性がある。]
2.
授乳中の患者に投与する場合は、授乳を中止させること。[ヒトIgGはヒト乳汁中に移行するため、本剤は乳児に影響を及ぼす可能性がある。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
1. 調製時
(1)
本剤は、無菌的に希釈調製を行うこと。
(2)
本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
(3)
調製前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。不溶性異物又は変色が認められる場合は使用しないこと。
(4)
本剤の調製には日局生理食塩液のみを使用すること。ブドウ糖溶液との配合を避けること。
(5)
本剤及び調製した注射液を凍結又は振とうさせないこと。
(6)
*調製後は、速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合、室温保存(30℃以下)では4時間以内、冷蔵保存(2~8℃)では24時間以内に投与を開始すること。
2. 投与時
(1)
投与前、調製した注射液に不溶性異物がないことを目視により確認すること。不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。
(2)
本剤は点滴静注用としてのみ用い、急速静注は行わないこと。[「用法・用量」の項参照]
(3)
本剤の投与速度は25mg/分を超えないこと。
(4)
*本剤の投与にあたっては、蛋白質透過型のフィルター(0.2又は0.22ミクロン)を使用し、他の薬剤と同じラインを使用しないこと。なお、本剤投与終了後は、使用したラインを日局生理食塩液にてフラッシュすること。
その他の注意
1.
若齢カニクイザルでは、本剤の反復投与(5~50mg/kg、週1回投与)により、骨端成長板において肥厚及び骨端軟骨異形成、並びに糸球体腎炎が認められた。当該試験において、骨及び腎毒性所見の回復性は検討されておらず、当該所見の回復性は不明である2)。
2.
免疫原性:国内外の臨床試験において、本剤投与による中和抗体の発現率は1.0%(9/884例)であった。有害事象発現との相関は不明である。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与時
日本人胃癌患者6例にラムシルマブ8mg/kgをおよそ60分かけて点滴静注したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。ラムシルマブ平均半減期は、約8日(範囲:6~10日)であった3)。
図1)ラムシルマブ8mg/kg単回投与後の血清中濃度(N=6、平均及び標準偏差)
表1)ラムシルマブ8mg/kg単回投与後の薬物動態パラメータ(N=6、幾何平均値及び変動係数%)参照
(2) 反復投与時
日本人胃癌患者6例にパクリタキセル併用下でラムシルマブ8mg/kgを2週間に1回およそ60分かけて点滴静注で反復投与したとき、1回目及び3回目投与後の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。3回目投与後のAUCは単回投与後の1.52~1.53倍であった4)。
図2)ラムシルマブ8mg/kg単回及び反復投与後(パクリタキセル併用)の血清中濃度(単回投与:N=6、反復投与:N=4(264及び336時間後のみN=2、平均及び標準偏差)
表2)ラムシルマブ8mg/kg単回及び反復投与後(パクリタキセル併用)の薬物動態パラメータ(幾何平均値及び変動係数%)参照
プラチナ製剤又はフッ化ピリミジン系薬剤を含む化学療法が無効の進行胃腺癌又は胃食道接合部腺癌患者に、パクリタキセル併用下でラムシルマブ8mg/kgを2週間に1回反復投与したとき、3回目及び6回目投与後のトラフ血清中濃度の幾何平均値は、それぞれ、45.0μg/mL(範囲:12.4~177.0μg/mL)及び62.8μg/mL(範囲:14.5~164.5μg/mL)、1回目、4回目、7回目投与後1時間の血清中濃度の幾何平均値は、それぞれ、146μg/mL(範囲:66.0~274.0μg/mL)、193μg/mL(範囲:58.0~492.0μg/mL)及び216μg/mL(範囲:84.0~382.0μg/mL)であった。(日本人及び外国人における成績)5)
(3) 相互作用(外国人における成績)
ラムシルマブとパクリタキセルとの相互作用試験の結果、両者の間に薬物動態学的相互作用は認められなかった6)。
薬物動態の表
表1)ラムシルマブ8mg/kg単回投与後の薬物動態パラメータ(N=6、幾何平均値及び変動係数%)
Cmax
(μg/mL) |
tmax注1)
(h) |
AUC0-∞注2)
(μg・h/mL) |
CL注2)
(L/h) |
t1/2注3)
(h) |
Vss注2)
(L) |
161
(16) |
2.05
(1.07-2.12) |
25600
(34) |
0.0150
(20) |
183
(138-228) |
3.29
(27) |
注1)中央値及び範囲
注2)N=3
注3)幾何平均値及び範囲
表2)ラムシルマブ8mg/kg単回及び反復投与後(パクリタキセル併用)の薬物動態パラメータ(幾何平均値及び変動係数%)
|
Cmax
(μg/mL) |
tmax注1)
(h) |
AUC(0-τ)
(μg・h/mL) |
CL
(L/h) |
t1/2
(h) |
1回目
(N=6) |
171
(26) |
4.00
(1.02-9.05) |
18300
(35) |
0.0166注2) |
181
(138-225)注3) |
3回目
(N=4) |
282
(15) |
1.82
(1.03-2.15) |
41300,
42600注4) |
0.0133,
0.0138注4) |
218注2) |
注1)中央値及び範囲
注2)各被験者の値、N=1
注3)N=4、幾何平均値及び範囲
注4)各被験者の値、N=2
τ:投与間隔
臨床成績
1. 外国第III相無作為化比較試験(REGARD試験)7)
プラチナ製剤又はフッ化ピリミジン系薬剤を含む化学療法が無効の進行胃腺癌又は胃食道接合部腺癌患者355例を対象に、best supportive care(BSC)との併用において本剤とプラセボとを比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験を実施した。本剤8mg/kg又はプラセボを2週間に1回投与し、病態の悪化等が認められるまで継続した。主要評価項目である全生存期間において有意な延長を認めた。
表1)外国臨床試験(REGARD試験)における成績参照
図1)全生存期間のKaplan-Meier曲線(REGARD試験)
2. 第III相無作為化比較試験(国際共同試験:RAINBOW試験)8)
プラチナ製剤とフッ化ピリミジン系薬剤の併用療法が無効の進行胃腺癌又は胃食道接合部腺癌患者665例(日本人症例140例を含む)を対象に、本剤+パクリタキセルとプラセボ+パクリタキセルとを比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験を実施した。本剤8mg/kg又はプラセボ(2週間に1回)とパクリタキセル80mg/m2(週1回投与を3週連続し、4週目を休薬)とを4週間を1サイクルとして、病態の悪化等が認められるまで投与を継続した(投与の際は、本剤の投与後にパクリタキセルを投与)。主要評価項目である全生存期間において有意な延長を認めた。
表2)国際共同試験(RAINBOW試験)における成績参照
図2)全生存期間のKaplan-Meier曲線(RAINBOW試験)
臨床成績の表
表1)外国臨床試験(REGARD試験)における成績
本剤投与群 |
プラセボ投与群 |
症例数 |
238 |
117 |
イベント発現例数 |
179 |
99 |
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) |
5.2
(4.4-5.7) |
3.8
(2.8-4.7) |
ハザード比
(95%信頼区間) |
0.776(0.603-0.998)
P=0.0473 |
0.776(0.603-0.998)
P=0.0473 |
表2)国際共同試験(RAINBOW試験)における成績
|
本剤+パクリタキセル
投与群 |
プラセボ+パクリタキセル
投与群 |
症例数 |
330 |
335 |
イベント発現例数 |
256 |
260 |
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) |
9.6
(8.5-10.8) |
7.4
(6.3-8.4) |
ハザード比
(95%信頼区間) |
0.807(0.678-0.962)
P=0.0169 |
0.807(0.678-0.962)
P=0.0169 |
薬効薬理
1. 作用機序
ラムシルマブはヒトVEGFR-2に対する抗体であり、VEGF-A、VEGF-C及びVEGF-DのVEGFR-2への結合を阻害することにより、VEGFR-2の活性化を阻害する9)。ラムシルマブは、VEGFR-2の活性化阻害により、内皮細胞の増殖、遊走及び生存を阻害し、腫瘍血管新生を阻害すると考えられる10)。
2. 抗腫瘍効果11)
胃癌患者由来の癌組織片及びヒト胃癌由来MKN-45細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、DC101(マウスVEGFR-2に対する抗体)は腫瘍増殖抑制作用を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
ラムシルマブ(遺伝子組換え)(JAN)
Ramucirumab(Genetical Recombination)
本 質:
ラムシルマブは、ヒト血管内皮増殖因子受容体2の細胞外領域に対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体である。ラムシルマブは、マウスミエローマ細胞(NS0)により産生される。ラムシルマブは、446個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約147,000)である。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
注射剤100mg:1バイアル(10mL)
注射剤500mg:1バイアル(50mL)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:ラムシルマブの生殖発生毒性に関する科学的評価
2)
社内資料:ラムシルマブの反復投与毒性試験
3)
社内資料:日本人胃癌患者におけるラムシルマブ単回投与後の薬物動態(第II相)
4)
社内資料:日本人胃癌患者におけるラムシルマブ反復投与(パクリタキセル併用)後の薬物動態(第Ib相)
5)
社内資料:胃癌患者におけるラムシルマブ反復投与(パクリタキセル併用)後の薬物動態(第III相)
6)
社内資料:ラムシルマブとパクリタキセルの相互作用試験
7)
Fuchs, C. S. et al.:The Lancet, 383(9911), 31(2014)
8)
Wilke, H. et al.:The Lancet Oncol., 15(11), 1224(2014)
9)
社内資料:VEGFリガンドのVEGFR-2への結合に対するラムシルマブの作用
10)
社内資料:ラムシルマブの細胞機能に対する作用
11)
社内資料:ヒト胃癌のマウス異種移植モデルにおけるDC101の抗腫瘍効果
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
日本イーライリリー株式会社
〒651-0086 神戸市中央区磯上通7丁目1番5号
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
日本イーライリリー株式会社
神戸市中央区磯上通7丁目1番5号