EXFORGE Combination OD Tablets (Valsartan)缬沙坦配合口腔崩解片,エックスフォージ配合OD錠
ダウンロード
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作成又は改訂年月
**2015年7月改訂(第3版)
*2015年3月改訂
日本標準商品分類番号
872149
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2006年12月
薬効分類名
選択的AT1受容体ブロッカー/持続性Ca拮抗薬合剤
承認等
販売名
エックスフォージ配合OD錠
販売名コード
2149114F2028
承認・許可番号
承認番号
22700AMX00452000
商標名
EXFORGE Combination OD Tablets
薬価基準収載年月
2015年6月
販売開始年月
2015年6月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存(【取扱い上の注意】の項参照)
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
劇薬
処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
成分・含量
1錠中バルサルタン(日局)80mg及びアムロジピンベシル酸塩(日局)6.93mg(アムロジピンとして5mg)を含有する。
添加物
ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース、クロスポビドン、サッカリンナトリウム、無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、乳糖、アスパルテーム、クエン酸、香料、プロピレングリコール
性状
性状
白色の素錠
外形



識別コード
NV 145
大きさ 直径
(約)10.0mm
大きさ 厚さ
(約)5.5mm
大きさ 質量
(約)0.35g
一般的名称
バルサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合口腔内崩壊錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2. ジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
3. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
4. アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)
〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。〕(「重要な基本的注意」4.の項参照)
効能又は効果
高血圧症
効能又は効果に関連する使用上の注意
過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
用法及び用量
成人には1日1回1錠(バルサルタンとして80mg及びアムロジピンとして5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
以下のバルサルタンとアムロジピンの用法・用量を踏まえ、患者毎に本剤の適応を考慮すること。
バルサルタン
通常、成人にはバルサルタンとして40~80mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、1日160mgまで増量できる。
アムロジピン
・高血圧症
通常、成人にはアムロジピンとして2.5~5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
2.
原則として、バルサルタン80mg及びアムロジピン5mgを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に、本剤への切り替えを検討すること。
3.
本剤は口腔内で崩壊するが、口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する製剤ではないため、唾液又は水で飲み込むこと。(「適用上の注意」2.の項参照)
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
(「重要な基本的注意」2.の項参照)
2. 高カリウム血症の患者
(「重要な基本的注意」3.の項参照)
3. 重篤な腎機能障害のある患者
〔腎機能障害を悪化させるおそれがあるため、血清クレアチニン値が3.0mg/dL1)以上の場合には、慎重に投与すること。〕
4. 肝障害のある患者、特に胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者
〔バルサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、これらの患者では血中濃度が上昇するおそれがある。外国において、軽度~中等度の肝障害患者でバルサルタンの血漿中濃度が、健康成人と比較して約2倍に上昇することが報告されている。また、アムロジピンは主に肝で代謝されるため、肝障害患者では、血中濃度半減期の延長及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。〕
5. 脳血管障害のある患者
〔過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。〕
6. 高齢者
(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤は、バルサルタン80mg及びアムロジピン5mgの配合剤であり、バルサルタンとアムロジピン双方の副作用が発現するおそれがあり、適切に本剤の使用を検討すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
2.
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。
3.
バルサルタンは高カリウム血症の患者において、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
4.
アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。(「相互作用」の項参照)
5.
本剤の投与によって、一過性の急激な血圧低下(失神及び意識消失等を伴う)を起こすおそれがあるので、そのような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に次の患者では患者の状態を十分に注意すること。
(1) 血液透析中の患者
(2) 利尿降圧剤投与中の患者
〔特に重度のナトリウムないし体液量の減少した患者(まれに症候性の低血圧が生じることがある)〕
(3) 厳重な減塩療法中の患者
6.
バルサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7.
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
8.
降圧作用に基づくめまい、ふらつき等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
9.
アムロジピンは血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
相互作用
相互作用の概略
アムロジピンの代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
アリスキレン
臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
機序・危険因子
併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
2. 薬剤名等
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
機序・危険因子
併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
3. 薬剤名等
カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)
カリウム補給製剤(塩化カリウム)
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム濃度に注意する。
機序・危険因子
バルサルタンのアルドステロン分泌抑制によりカリウム貯留作用が増強する可能性がある。
危険因子:腎機能障害
4. 薬剤名等
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム濃度に注意する。
機序・危険因子
バルサルタンによる血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる。
危険因子:腎障害患者、血清カリウム値の高い患者
5. 薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム濃度に注意する。
機序・危険因子
高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
6. 薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤(インドメタシン等)
臨床症状・措置方法
バルサルタンの降圧作用が減弱することがある。
機序・危険因子
NSAIDs・COX-2選択的阻害剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、バルサルタンの降圧作用が減弱することがある。
7. 薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤(インドメタシン等)
臨床症状・措置方法
腎機能を悪化させるおそれがあるので、併用する場合には腎機能を十分に観察すること。
機序・危険因子
NSAIDs・COX-2選択的阻害剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
危険因子:高齢者
8. 薬剤名等
ビキサロマー
臨床症状・措置方法
併用により、バルサルタンの血中濃度が約30~40%に低下したとの報告がある。バルサルタンの作用が減弱するおそれがあるので、併用する場合には十分に観察すること。
機序・危険因子
リン酸結合性ポリマーにより、同時に服用した場合、バルサルタンの吸収を遅延あるいは減少させる可能性がある。
9. 薬剤名等
リチウム
臨床症状・措置方法
血中リチウム濃度が上昇し、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。
機序・危険因子
バルサルタンのナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。
10. 薬剤名等
CYP3A4阻害剤(エリスロマイシン、ジルチアゼム、リトナビル、イトラコナゾール等)
臨床症状・措置方法
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
アムロジピンの代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。
11. 薬剤名等
CYP3A4誘導剤(リファンピシン等)
臨床症状・措置方法
アムロジピンの血中濃度が低下するおそれがある。
機序・危険因子
アムロジピンの代謝が促進される可能性が考えられる。
12. 薬剤名等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
アムロジピンの降圧作用が増強されるおそれがある。同時服用をしないように注意すること。
機序・危険因子
グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる。
13. 薬剤名等
降圧作用を有する他の薬剤
臨床症状・措置方法
降圧作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
共に降圧作用を有するため。
14. 薬剤名等
シンバスタチン
臨床症状・措置方法
シンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)とアムロジピンの併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
機序不明
15. 薬剤名等
**タクロリムス
臨床症状・措置方法
タクロリムスとアムロジピンとの併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。
機序・危険因子
アムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内で実施された臨床試験において、バルサルタンとアムロジピンの配合剤が投与された患者で副作用が報告されたのは848例中112例(13.2%)であり、そのうち自他覚的副作用は81例(9.6%)、臨床検査値異常は40例(4.7%)であった。主な自他覚的副作用は、めまい9例(1.1%)、高脂血症5例(0.6%)、高尿酸血症4例(0.5%)、発疹4例(0.5%)であった。また、主な臨床検査値異常は、γ-GTP増加11例(1.3%)、CK(CPK)増加7例(0.8%)、ALT(GPT)増加6例(0.7%)であった。
(エックスフォージ配合錠(普通錠)の承認時までの集計)
重大な副作用
1. 血管浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 腎不全(頻度不明)
腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 高カリウム血症(頻度不明)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
5. ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では患者の状態を十分に観察すること。
6. 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
7. 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8. 低血糖(頻度不明)
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9. 房室ブロック(頻度不明)
房室ブロック(初期症状:徐脈、めまい等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12. 天疱瘡、類天疱瘡(いずれも頻度不明)
天疱瘡、類天疱瘡があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
皮膚障害
(頻度不明)
紅斑、脱毛症、多汗症、皮膚変色、光線過敏症
皮膚障害
(0.5%以上)
発疹
皮膚障害
(0.5%未満)
そう痒症、蕁麻疹
**精神神経系障害
(頻度不明)
しびれ、味覚異常、異常感覚、気分動揺、不安、振戦、錐体外路症状
精神神経系障害
(0.5%以上)
めまい
精神神経系障害
(0.5%未満)
頭痛、頭重、傾眠、不眠症、錯感覚、末梢神経障害
血液及びリンパ系障害
(頻度不明)
紫斑
血液及びリンパ系障害
(0.5%未満)
貧血、好酸球数増加、白血球数増加
心臓障害
(頻度不明)
頻脈、徐脈、洞房ブロック、洞停止
心臓障害
(0.5%未満)
期外収縮、心房細動、動悸
血管障害
(頻度不明)
起立性低血圧、血管炎
血管障害
(0.5%未満)
低血圧、ほてり
胃腸障害
(頻度不明)
嘔気、嘔吐、膵炎、口内乾燥、排便回数増加
胃腸障害
(0.5%未満)
便秘、下痢、腹痛、口内炎、消化不良、腹部膨満、胃腸炎
肝胆道系障害
(頻度不明)
腹水、ALP増加、LDH増加
肝胆道系障害
(0.5%以上)
γ-GTP増加、ALT(GPT)増加
肝胆道系障害
(0.5%未満)
AST(GOT)増加、血中ビリルビン増加
呼吸器障害
(頻度不明)
咳嗽、咽喉頭疼痛、呼吸困難、鼻出血
呼吸器障害
(0.5%未満)
鼻咽頭炎
腎及び尿路障害
(頻度不明)
排尿障害、多尿、BUN増加、尿管結石
腎及び尿路障害
(0.5%以上)
尿中血陽性
腎及び尿路障害
(0.5%未満)
頻尿、血中クレアチニン増加、尿中蛋白陽性
代謝及び栄養障害
(頻度不明)
食欲不振、高血糖、総蛋白減少、尿中ブドウ糖陽性、血中カリウム減少、低ナトリウム血症
代謝及び栄養障害
(0.5%以上)
高脂血症、高尿酸血症、糖尿病
筋骨格系障害
(頻度不明)
筋肉痛、関節痛、関節腫脹、筋緊張亢進、四肢重感
筋骨格系障害
(0.5%未満)
腰背部痛、筋痙縮
その他
(頻度不明)
胸痛、疲労、口渇、体重増加、体重減少、疼痛、発熱、視力異常、視覚障害、歯肉肥厚、女性化乳房、勃起障害、インフルエンザ、過敏症
その他
(0.5%以上)
CK(CPK)増加
その他
(0.5%未満)
浮腫、耳鳴、無力症(脱力感等)、けん怠感
上記のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発現頻度はエックスフォージ配合錠(普通錠)の承認時までの臨床試験の結果に基づき記載した。
高齢者への投与
1.
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
2.
バルサルタン単独投与による高齢者での薬物動態試験で、バルサルタンの血漿中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められている。また、アムロジピン単独投与による高齢者での薬物動態試験で、血漿中濃度が高く、血中濃度半減期が長くなる傾向が認められている。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。〔バルサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児・新生児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれたとの報告がある。1,2)また、海外で実施されたアンジオテンシン変換酵素阻害剤におけるレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。3)また、アムロジピンにおける動物実験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている。〕
2.
授乳中の婦人への投与を避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。〔バルサルタンにおける動物実験(ラットの授乳期経口投与)の3mg/kg/日で、乳汁中へ移行するとの報告があり、また、アムロジピンも動物実験で乳汁中へ移行することが認められている。更に、バルサルタンにおける動物実験(ラットの周産期及び授乳期経口投与)の600mg/kg/日で出生児の低体重及び生存率の低下が認められており、200mg/kg/日以上で外表分化の遅延が認められている。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状
バルサルタンの過量投与により、著しい血圧低下が生じ、意識レベルの低下、循環虚脱に至るおそれがある。また、アムロジピンの過量投与により、過度の末梢血管拡張が起こり、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。
処置
通常、次のような処置を行う。
(1)
催吐及び活性炭投与〔アムロジピン服用直後に活性炭を投与した場合、アムロジピンのAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、アムロジピン過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であるとの報告がある。〕
(2)
心・呼吸機能のモニターを行い、頻回に血圧を測定する。著しい血圧低下が認められた場合は、四肢の挙上、輸液の投与等、心血管系に対する処置を行う。症状が改善しない場合は、循環血液量及び排尿量に注意しながら昇圧剤の投与を考慮する。
注意
バルサルタン及びアムロジピンの血漿蛋白結合率はそれぞれ93~96%、98%であり、血液透析によって除去できない。
適用上の注意
1. 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
2. 服用時
(1)
本剤は吸湿性を有するため、服用直前にPTPシートから取り出すこと。
(2)
本剤はPTPシートから取り出す際、縁が欠ける又は割れる可能性があるが、品質に問題はない。欠けや割れが生じた場合は全量服用すること。PTPシートからの取り出しは、爪を立てずにゆっくりと押し出すことが望ましい。
(3)
本剤は舌の上にのせ唾液を湿潤させ舌で軽くつぶし、崩壊後唾液のみで服用可能である。また、水で服用することもできる。ただし、寝たままの状態では水なしで服用しないこと。
その他の注意
因果関係は明らかでないが、アムロジピンによる治療中に心筋梗塞や不整脈(心室性頻拍を含む)がみられたとの報告がある。
薬物動態
1. 血中濃度
(1)
健康成人男子にエックスフォージ配合錠を空腹時に単回経口投与したとき、血漿中のバルサルタン及びアムロジピンは、それぞれ投与後3及び6時間で最高濃度に到達し、消失半減期はそれぞれ8.5及び38.2時間であった。
エックスフォージ配合錠投与時におけるバルサルタンのCmaxは、バルサルタン80mg及びアムロジピン5mgの併用投与時と比較して若干低かったものの、他のパラメータ及び血漿中濃度推移は同様であった。4)
健康成人男子にエックスフォージ配合錠及びバルサルタン/アムロジピン併用を単回経口投与した時のバルサルタン及びアムロジピンの血漿中濃度推移

◆エックスフォージ配合錠投与時、◇バルサルタン80mg及びアムロジピン5mgの併用投与時
平均値±標準偏差(n=64)
(「薬物動態の表1」の項参照)
(2)
健康成人男子にエックスフォージ配合OD錠及びエックスフォージ配合錠、各1錠(バルサルタンとして80mg及びアムロジピンとして5mg)を空腹時単回経口投与したときの薬物動態をクロスオーバー法により比較した。エックスフォージ配合錠投与時に対するエックスフォージ配合OD錠投与時の、バルサルタン及びアムロジピンのCmax及びAUC0-lastの対数値の平均値の差の90%信頼区間は、エックスフォージ配合OD錠を水なし又は水ありで服用した場合のいずれにおいてもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内でありエックスフォージ配合錠と生物学的に同等であった。5)
健康成人男子にエックスフォージ配合OD錠及びエックスフォージ配合錠を単回経口投与した時のバルサルタン及びアムロジピンの血漿中濃度推移

△エックスフォージ配合OD錠(水なし)投与時、○エックスフォージ配合OD錠(水あり)投与時、◇エックスフォージ配合錠投与時
平均値±標準偏差
(「薬物動態の表2」の項参照)
(「薬物動態の表3」の項参照)
2. 食事の影響
健康成人男子にエックスフォージ配合錠を単回経口投与したとき、バルサルタンのCmax及びAUCは空腹時投与に比べて食後投与でそれぞれ9%及び16%低下し、アムロジピンは食事の影響を受けなかった。6)
3. 蛋白結合
バルサルタン及びアムロジピンの血漿蛋白結合率はそれぞれ93~96%及び98%であった。7,8)
4. 代謝
健康成人男子に14Cバルサルタン80mgを空腹時単回経口投与8時間後の血漿中には、主として未変化体が存在し、そのほかに代謝物として4-ヒドロキシ体が認められ9)、in vitroの試験において主としてCYP2C9の関与が示唆されている。10)(外国人のデータ)
アムロジピンは主にCYP3A4により代謝されると考えられる。11)
5. 排泄
健康成人男子に14Cバルサルタン80mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後168時間までに投与量の13%及び86%の放射能がそれぞれ尿中及び糞中に排泄され、そのうちほとんどが未変化体であった。9)(外国人のデータ)
健康成人男子に14Cアムロジピン15mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後12日までに投与量の59%及び23%の放射能がそれぞれ尿中及び糞中に排泄され、尿中放射能の9%が未変化体であった。12)(本剤の承認された1日用量は【用法及び用量】の項参照)(外国人のデータ)
6. 薬物相互作用
健康成人男子にバルサルタン160mg及びアムロジピン5mgを併用単回投与したときのバルサルタン及びアムロジピンの薬物動態は各単剤投与後と差はなく、バルサルタンとアムロジピンの間に薬物動態学的相互作用は認められなかった。13)(本剤の承認された1日用量は【用法及び用量】の項参照)(外国人のデータ)
薬物動態の表
表1 健康成人男子にエックスフォージ配合錠及びバルサルタン/アムロジピン併用を単回経口投与した時のバルサルタン及びアムロジピンの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ |
エックスフォージ配合錠投与時(n=64) |
エックスフォージ配合錠投与時(n=64) |
バルサルタン80mg及びアムロジピン5mgの併用投与時(n=64) |
バルサルタン80mg及びアムロジピン5mgの併用投与時(n=64) |
|
バルサルタン |
アムロジピン |
バルサルタン |
アムロジピン |
Cmax(ng/mL) |
3,260±1,330 |
2.63±0.462 |
3,630±1,200 |
2.75±0.584 |
Tmax(h) |
3.0(1.0~4.0) |
6.0(4.0~12.0) |
2.0(1.0~6.0) |
6.0(3.0~12.0) |
AUC0-inf(ng・h/mL) |
20,000±7,890 |
126±32.9 |
22,000±7,230 |
129±33.7 |
T1/2(h) |
8.5±2.2 |
38.2±7.2 |
8.4±2.4 |
38.1±6.6 |
平均値±標準偏差、Tmaxに関しては中央値(最小値~最大値)
表2 健康成人男子にエックスフォージ配合OD錠及びエックスフォージ配合錠を単回経口投与した時のバルサルタン及びアムロジピンの薬物動態パラメータ
・バルサルタン
|
Cmax
(ng/mL) |
AUC0-last
(ng・h/mL) |
Tmax
(h) |
T1/2※
(h) |
エックスフォージ配合OD錠(水なしで服用)
(n=57) |
3,080±1,150 |
18,500±6,540 |
3.00
(1.00~4.00) |
8.49±3.90 |
エックスフォージ配合OD錠(水ありで服用)
(n=57) |
3,160±809 |
19,200±4,740 |
3.00
(1.00~4.05) |
9.52±8.14 |
エックスフォージ配合錠
(n=58) |
3,110±1,160 |
18,800±6,070 |
3.00
(1.00~4.00) |
12.1±21.4 |
平均値±標準偏差、Tmaxに関しては中央値(最小値~最大値)
※:エックスフォージ配合OD錠(水なしで服用)(n=55)、エックスフォージ配合OD錠(水ありで服用)(n=56)、エックスフォージ配合錠(n=56)
表3
・アムロジピン
|
Cmax
(ng/mL) |
AUC0-last
(ng・h/mL) |
Tmax
(h) |
T1/2※
(h) |
エックスフォージ配合OD錠(水なしで服用)
(n=57) |
2.95±0.544 |
128±34.2 |
6.00
(4.00~10.0) |
40.4±6.71 |
エックスフォージ配合OD錠(水ありで服用)
(n=56) |
3.00±0.503 |
128±30.3 |
6.00
(6.00~8.00) |
41.9±8.77 |
エックスフォージ配合錠
(n=58) |
2.99±0.497 |
129±31.2 |
6.00
(3.00~8.00) |
41.6±7.34 |
平均値±標準偏差、Tmaxに関しては中央値(最小値~最大値)
※:エックスフォージ配合OD錠(水なしで服用)(n=56)、エックスフォージ配合錠(n=57)
臨床成績
1. 二重盲検比較試験
軽症から中等症の本態性高血圧症患者を対象に国内で実施した二重盲検比較試験(要因試験)において、エックスフォージ配合錠を1日1回8週間経口投与した時のレスポンダー率(最終評価時の拡張期血圧が90mmHg未満に低下した又はベースラインと比較して10mmHg以上低下した患者の割合)及び血圧の変化量は、次のとおりである。
(「臨床成績の表」の項参照)
本臨床試験成績より、エックスフォージ配合錠の優れた降圧効果が確認された。14)
2. 長期投与試験
二重盲検比較試験(要因試験)からの継続投与長期試験として、バルサルタン80mg又はアムロジピン5mgを2週間投与した後、収縮期血圧130mmHg以上又は拡張期血圧85mmHg以上の患者にエックスフォージ配合錠を52週間投与した。
バルサルタン80mg又はアムロジピン5mgを2週間投与した後の収縮期血圧及び拡張期血圧(平均値)は138.6/89.1mmHgであり、エックスフォージ配合錠に切り替えた後2週間で129.4/81.7mmHgまで低下し、単剤からエックスフォージ配合錠に切り替えることにより更なる降圧が認められた。また、エックスフォージ配合錠52週間投与後の収縮期血圧及び拡張期血圧は126.7/79.3mmHgであり、長期にわたる安定した降圧効果が認められた。15)
臨床成績の表
二重盲検比較試験におけるレスポンダー率及び血圧の変化量
薬剤 |
レスポンダー率 |
最終評価時における収縮期血圧/拡張期
血圧のベースラインからの変化量(平均値) |
エックスフォージ配合錠 |
86.4%
(140/162) |
-23.6/-17.0mmHg |
プラセボ |
36.1%
(60/166) |
-4.7/-4.8mmHg |
薬効薬理
本剤は、バルサルタン及びアムロジピンの配合剤である。バルサルタンは、アンジオテンシンII受容体のサブタイプであるAT1受容体に結合し、昇圧系として作用するアンジオテンシンIIに対して拮抗することによって降圧効果を発揮する。アムロジピンは、電位依存性カルシウムチャネルに結合し、細胞内へのカルシウム流入を抑制することで末梢血管の平滑筋を弛緩させて降圧効果を発揮する。アムロジピンの降圧効果によって交感神経系が活性化されることで、血圧調節におけるレニン・アンジオテンシン系への依存度が増大するため、バルサルタンの降圧効果が増強されるものと考えられる。
高血圧自然発症ラットにバルサルタンとアムロジピンを併用して投与すると、それぞれの単独投与を上回る降圧効果が示された。16)
有効成分に関する理化学的知見
構造式

一般名
バルサルタン(Valsartan)
化学名
(2S)-3-Methyl-2-(N-{[2'-(1H-tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl}pentanamido)butanoic acid
分子式
C24H29N5O3
分子量
435.52
性状
白色の粉末である。メタノール、エタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。
構造式

一般名
アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)
化学名
3-Ethyl 5-methyl(4RS)-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate
分子式
C20H25ClN2O5・C6H6O3S
分子量
567.05
性状
白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
融点
約198℃(分解)
取扱い上の注意
本剤は吸湿性を有するため、PTPシートのまま保存すること。
包装
エックスフォージ配合OD錠 140錠(PTP) 500錠(PTP) 700錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
The Joint National Committee on Prevention,Detection,eva luation,and Treatment of High Blood Pressure:Arch.Intern.Med. 157(21),2413,1997〔DIOS00476〕
2)
Briggs,G.G.et al.:Ann.Pharmacother. 35(7-8),859,2001〔DIOS01486〕
3)
Cooper,W.O.et al.:N.Engl.J.Med. 354(23),2443,2006〔CIBS00362〕
4)
社内資料:配合剤投与時と併用投与時の生物学的同等性の検討〔EXFU00001〕
5)
社内資料:OD錠投与時と普通錠投与時の生物学的同等性の検討〔EXFU00012〕
6)
社内資料:薬物動態に及ぼす食事の影響の検討〔EXFU00002〕
7)
Colussi,D.M.et al.:J.Clin.Pharmacol. 37(3),214,1997〔DIOM00100〕
8)
Meredith,P.A.et al.:Clin.Pharmacokinet. 22(1),22,1992〔DIOS03701〕
9)
Waldmeier,F.et al.:Xenobiotica 27(1),59,1997〔DIOM00094〕
10)
Nakashima,A.et al.:Xenobiotica 35(6),589,2005〔DIOM01536〕
11)
Guengerich,F.P. et al.:J.Med.Chem. 34(6),1838,1991〔DIOS03700〕
12)
Beresford,A.P.et al.:Xenobiotica 18(2),245,1988〔DIOS03699〕
13)
社内資料:バルサルタンとアムロジピンの薬物間相互作用の検討〔EXFU00003〕
14)
荻原俊男ほか:血圧 17(4),314,2010〔EXFJ00001〕
15)
社内資料:本態性高血圧症に対する長期試験〔EXFU00005〕
16)
社内資料:高血圧自然発症ラットの血圧に対する作用(経口投与試験)〔EXFU00006〕
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
ノバルティスファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト
*〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
ノバルティス ファーマ株式会社
*東京都港区虎ノ門1-23-1