ABILIFY prolonged release aqueous suspension for IM injection(Aripiprazole Hydrate)阿立哌注射唑缓释水悬浮液,エビリファイ持続性水懸筋注用300mgシリンジ/エビリファイ持続性水懸筋注用400mgシリンジ
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作成又は改訂年月
2015年3月作成(第1版)
日本標準商品分類番号
87 1179
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2002年7月
薬効分類名
持続性抗精神病薬
承認等
販売名
エビリファイ持続性水懸筋注用300mgシリンジ
販売名コード
1179410G1028
承認・許可番号
承認番号
22700AMX00646
商標名
ABILIFY prolonged release aqueous suspension for IM injection
薬価基準収載年月
2015年5月
販売開始年月
2015年5月
貯法・使用期限等
貯法
遮光・室温保存
使用期限
外箱等に表示
規制区分
劇薬
処方箋医薬品
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
本剤は凍結乾燥製剤と注射用水が一体となったプレフィルドシリンジ製剤であり、用時懸濁して用いる筋注用注射剤である。1シリンジ中にそれぞれ下記の成分・分量を含有する。
有効成分・含量*
アリピプラゾール水和物353.6mg(アリピプラゾールとして340mg)
*:懸濁した薬液の投与時の損失を考慮し、1シリンジからアリピプラゾール300mgを注射可能な量を確保するために過量充填されている。
添加物*
カルメロースナトリウム(14.144mg)、D-マンニトール(70.72mg)、リン酸二水素ナトリウム一水和物(1.258mg)、水酸化ナトリウム(pH調整剤)
*:懸濁した薬液の投与時の損失を考慮し、1シリンジからアリピプラゾール300mgを注射可能な量を確保するために過量充填されている。
懸濁用液
注射用水1.2mL
性状
凍結乾燥製剤:白色の塊
注射用水:無色澄明の液
凍結乾燥製剤を注射用水で懸濁するとき白色の懸濁液となる。
pH
6.5~7.5(注射用水で懸濁時)
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1(注射用水で懸濁時)
販売名
エビリファイ持続性水懸筋注用400mgシリンジ
販売名コード
1179410G2024
承認・許可番号
承認番号
22700AMX00647
商標名
ABILIFY prolonged release aqueous suspension for IM injection
薬価基準収載年月
2015年5月
販売開始年月
2015年5月
貯法・使用期限等
貯法
遮光・室温保存
使用期限
外箱等に表示
規制区分
劇薬
処方箋医薬品
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
本剤は凍結乾燥製剤と注射用水が一体となったプレフィルドシリンジ製剤であり、用時懸濁して用いる筋注用注射剤である。1シリンジ中にそれぞれ下記の成分・分量を含有する。
有効成分・含量*
アリピプラゾール水和物457.6mg(アリピプラゾールとして440mg)
*:懸濁した薬液の投与時の損失を考慮し、1シリンジからアリピプラゾール400mgを注射可能な量を確保するために過量充填されている。
添加物*
カルメロースナトリウム(18.304mg)、D-マンニトール(91.52mg)、リン酸二水素ナトリウム一水和物(1.628mg)、水酸化ナトリウム(pH調整剤)
*:懸濁した薬液の投与時の損失を考慮し、1シリンジからアリピプラゾール400mgを注射可能な量を確保するために過量充填されている。
懸濁用液
注射用水1.6mL
性状
凍結乾燥製剤:白色の塊
注射用水:無色澄明の液
凍結乾燥製剤を注射用水で懸濁するとき白色の懸濁液となる。
pH
6.5~7.5(注射用水で懸濁時)
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1(注射用水で懸濁時)
一般的名称
アリピプラゾール水和物
Aripiprazole Hydrate
警告
1.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は高血糖の徴候・症状に注意すること。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することとし、投与にあたっては、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。
2.
投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう指導すること。(「慎重投与4.」の項、「重要な基本的注意 4.、6.」の項及び「副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
2.
バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]
3.
アドレナリン、クロザピンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
4.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
統合失調症
用法及び用量
通常、成人にはアリピプラゾールとして1回400mgを4週に1回臀部筋肉内に投与する。なお、症状、忍容性に応じて1回量300mgに減量すること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
本剤は、臀部筋肉内のみに投与すること。静脈内には絶対に投与しないこと。
2.
本剤は、初回投与後徐々に血漿中薬物濃度が上昇することから、初回投与後は2週間を目処に、以下の投与量を参考に経口アリピプラゾール製剤の併用を継続するなどの適切な治療を行うこと。
3.
本剤投与の際には、22G(黒)、11/2インチ(38mm)の注射針を用いること。[適切な血漿中濃度が得られないおそれがある。]
4.
本剤とCYP2D6阻害剤(キニジン、パロキセチン等)及び/又はCYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)を併用する場合には、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、以下の表を参考に減量等を考慮すること。なお、本剤はプレフィルドシリンジ製剤であり、300mgを下回る用量は投与できないことから、300mg未満に減量する必要がある場合は、バイアル製剤を用いること。
5.
本剤は持続性製剤であることから、投与中止後も患者の症状を慎重に観察し、副作用等の発現に十分に注意すること。(〔薬物動態〕の項参照)
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
2.
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。]
3.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
4.
糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](〔警告〕の項、「重要な基本的注意 4.、6.」の項及び「副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
5.
自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者[症状を悪化させるおそれがある。]
6.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤は持続性製剤であり、精神症状の再発及び再燃の予防を目的とする製剤であることから、急性期の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には用いないこと。また、本剤投与にあたっては以下の点に留意すること。
(1)
一度投与すると直ちに薬物を体外に排除する方法がないため、予め本剤投与の必要性について十分に検討し、副作用の予防、副作用発現時の処置、過量投与等について十分留意すること。(《用法・用量に関連する使用上の注意》の項、「副作用」の項及び「過量投与」の項参照)
(2)
過去にアリピプラゾールによる治療の経験がない場合には、まず経口アリピプラゾール製剤を投与し、忍容性を確認した後、本剤を投与すること。
(3)
過去にアリピプラゾールによる治療の経験がある場合であっても、現在、経口アリピプラゾール製剤以外の抗精神病薬を使用している患者では、原則として、経口アリピプラゾール製剤に切り替え、症状が安定した後に本剤を投与すること。
2.
興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
3.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
4.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(〔警告〕の項、「慎重投与 4.」の項及び「副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
5.
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「副作用 重大な副作用 7.低血糖」の項参照)
6.
本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう、指導すること。(〔警告〕の項、「慎重投与 4.」の項及び「副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、7.低血糖」の項参照)
7.
本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
8.
他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。
9.
嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。
10.
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「副作用 重大な副作用 10.肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)
相互作用
相互作用の概略
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2D6で代謝される。(〔薬物動態〕の項参照)
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
アドレナリン
ボスミン
臨床症状・措置方法
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすおそれがある。
機序・危険因子
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。
2.
薬剤名等
クロザピン
クロザリル
臨床症状・措置方法
クロザピンは原則単剤で使用し、他の抗精神病薬とは併用しないこととされている。本剤は半減期が長いため、本剤が体内から消失するまでクロザピンを投与しないこと。
機序・危険因子
本剤が血中から消失するまでに時間を要する。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体、麻酔剤等
臨床症状・措置方法
中枢神経抑制作用があるので、減量するなど注意すること。
機序・危険因子
ともに中枢神経抑制作用を有する。
2. 薬剤名等
降圧剤
臨床症状・措置方法
相互に降圧作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
ともに降圧作用を有する。
3. 薬剤名等
抗コリン作用を有する薬剤
臨床症状・措置方法
抗コリン作用を増強させることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
ともに抗コリン作用を有する。
4. 薬剤名等
ドパミン作動薬
レボドパ製剤
臨床症状・措置方法
ドパミン作動作用を減弱するおそれがあるので、投与量を調整するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
本剤はドパミン受容体遮断作用を有する。
5. 薬剤名等
アルコール
(飲酒)
臨床症状・措置方法
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。
機序・危険因子
ともに中枢神経抑制作用を有する。
6. 薬剤名等
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
キニジン、パロキセチン等
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること。
(《用法・用量に関連する使用上の注意》の項参照)
機序・危険因子
本剤の主要代謝酵素であるCYP2D6を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
(〔薬物動態〕の項参照)
7. 薬剤名等
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
イトラコナゾール、クラリスロマイシン等
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること。
(《用法・用量に関連する使用上の注意》の項参照)
機序・危険因子
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
(〔薬物動態〕の項参照)
8. 薬剤名等
肝代謝酵素(特にCYP3A4)誘導作用を有する薬剤
カルバマゼピン、リファンピシン等
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
(〔薬物動態〕の項参照)
副作用
副作用等発現状況の概要
国際共同実薬対照二重盲検試験において、本剤を投与された228例中(国内症例118例を含む)、副作用が130例(国内症例79例を含む)(57.0%)に認められた。主な副作用は、注射部位疼痛(27.2%)、注射部位紅斑(14.5%)、注射部位硬結(11.0%)、注射部位腫脹(6.6%)、体重増加(6.6%)、アカシジア(6.6%)であった。
重大な副作用
1. 悪性症候群(頻度不明*)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡することがある。
2. 遅発性ジスキネジア(頻度不明*)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。
3. 麻痺性イレウス(頻度不明*)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。
4. アナフィラキシー(頻度不明*)
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. 横紋筋融解症(頻度不明*)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。
6. 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明*)
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、本剤投与中は口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、インスリン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意 4.、6.」の項参照)
7. 低血糖(0.4%)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意 5.、6.」の項参照)
8. 痙攣(頻度不明*)
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9. 無顆粒球症、白血球減少(頻度不明*)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
10. 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明*)
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意 10.」の項参照)
11. 肝機能障害(1.3%)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
*:国際共同実薬対照二重盲検試験以外の国内外臨床試験又は経口アリピプラゾール製剤において認められた副作用は頻度不明とした。
その他の副作用
1. 精神神経系
1~5%未満
不眠、めまい、傾眠、頭痛、不安
2. 精神神経系
1%未満
睡眠障害、うつ病、異常思考、躁病反応、神経過敏、錯乱、夢遊症、知覚減退、妄想、注意力障害、自殺企図、幻覚
3. 精神神経系
頻度不明*
精神症状、悪夢、双極性障害、リビドー亢進、リビドー減退、昏迷、錯感覚、鎮静、攻撃的反応、拒食、独語、もやもや感、感情不安定、激越(不安、焦燥、興奮)、末梢神経障害、失神、神経症、譫妄、認知症、健忘、記憶障害、舌麻痺、片頭痛、顔面痙攣、勃起不全、持続勃起、射精障害、嗜眠、気力低下、パニック反応、びくびく感
4. 錐体外路症状
5%以上
アカシジア
5. 錐体外路症状
1~5%未満
ジスキネジア、ジストニア(筋緊張異常)、振戦、寡動、筋強剛、歩行異常、流涎
6. 錐体外路症状
1%未満
眼球回転発作、眼球挙上、パーキンソン症候群
7. 錐体外路症状
頻度不明*
錐体外路障害、構音障害、反射亢進、嚥下障害、からだのこわばり、筋緊張、口のもつれ、眼瞼下垂
8. 循環器
1%未満
高血圧
9. 循環器
頻度不明*
低血圧、心電図異常(期外収縮、QT延長等)、頻脈、心悸亢進、起立血圧異常、起立性低血圧、狭心症、徐脈
10. 消化器
1~5%未満
悪心、下痢
11. 消化器
1%未満
便秘、嘔吐、食欲不振
12. 消化器
頻度不明*
腹痛、食欲亢進、胃炎、口内炎、歯肉痛、舌障害、口唇炎、消化不良、びらん性胃炎、胃腸炎、腸炎、十二指腸炎、口唇腫脹、歯周病、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、膵炎
13. 血液
1%未満
血小板減少、白血球増多
14. 血液
頻度不明*
ヘモグロビン低下、ヘモグロビン上昇、好中球減少、好中球増多、赤血球減少、赤血球増多、リンパ球減少、リンパ球増多、ヘマトクリット値低下、ヘマトクリット値上昇、単球減少、単球増多、好酸球減少、好酸球増多、好塩基球減少、好塩基球増多、血小板増多、貧血、白血球減少
15. 内分泌
1~5%未満
血中甲状腺刺激ホルモン増加
16. 内分泌
1%未満
卵巣障害
17. 内分泌
頻度不明*
プロラクチン低下、プロラクチン上昇、月経異常
18. 肝臓
1%未満
ALT(GPT)上昇
19. 肝臓
頻度不明*
AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、LDH低下、Al-P上昇、Al-P低下、総ビリルビン上昇、総ビリルビン低下、脂肪肝、肝炎、黄疸
20. 腎臓
1%未満
ケトン尿、尿糖
21. 腎臓
頻度不明*
蛋白尿、尿沈渣異常、BUN上昇、BUN低下、クレアチニン上昇、尿比重上昇、尿比重低下、尿ウロビリノーゲン上昇、尿ビリルビン上昇、尿中NAG上昇、血中尿素減少、血中尿酸減少、尿量減少
22. 泌尿器
頻度不明*
尿潜血、排尿障害、頻尿、膀胱炎、血尿、多尿、尿閉、尿失禁
23. 過敏症
1%未満
発疹
24. 過敏症
頻度不明*
湿疹、そう痒症、薬物過敏症、紅斑、光線過敏性反応、酒さ、血管浮腫、蕁麻疹
25. 皮膚
1%未満
皮膚炎
26. 皮膚
頻度不明*
真菌感染、皮膚乾燥、ざ瘡、皮膚剥脱、乾皮症、色素沈着障害
27. 代謝異常
1~5%未満
血中インスリン増加、高血糖
28. 代謝異常
1%未満
高尿酸血症、脂質代謝障害、コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、CK(CPK)上昇、HDL-コレステロール低下
29. 代謝異常
頻度不明*
口渇、コレステロール低下、HDL-コレステロール上昇、高脂血症、リン脂質低下、多飲症、CK(CPK)低下、水中毒、トリグリセライド低下、血中ブドウ糖変動
30. 呼吸器
頻度不明*
鼻炎、気管支痙攣、気管支炎、咽喉頭症状、咽頭炎、しゃっくり、鼻乾燥、嚥下性肺炎
31. 眼
頻度不明*
霧視、視力障害、調節障害、羞明、眼乾燥、眼の異常感、眼痛、眼のチカチカ
32. 注射部位
5%以上
注射部位疼痛、注射部位紅斑、注射部位硬結、注射部位腫脹
33. 注射部位
1%未満
注射部位そう痒感、注射部位不快感
34. その他
5%以上
体重増加
35. その他
1~5%未満
疲労、体重減少
36. その他
1%未満
筋痙縮、末梢性浮腫、カリウム低下、顎痛、性器出血、乳頭痛、熱感、死亡、転倒、関節脱臼、歯牙破折
37. その他
頻度不明*
倦怠感、発熱、脱力感、胸痛、悪寒、気分不良、薬剤離脱症候群、顔面浮腫、低体温、疼痛、多汗、寝汗、脱毛、肩こり、四肢痛、筋痛、筋攣縮、四肢不快感、背部痛、関節痛、頚部痛、ほてり、末梢冷感、乳腺炎、膿瘍、外陰膣乾燥、流産、味覚異常、灼熱感、睡眠時驚愕、歯ぎしり、無オルガズム症、耳鳴、鼻出血、挫傷、総蛋白上昇、総蛋白減少、グロブリン分画異常、ナトリウム上昇、ナトリウム低下、クロール上昇、クロール低下、A/G上昇、A/G低下、アルブミン上昇、アルブミン低下、カリウム上昇、握力低下
*:国際共同実薬対照二重盲検試験以外の国内外臨床試験又は経口アリピプラゾール製剤において認められた副作用は頻度不明とした。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、経口アリピプラゾール製剤の臨床試験において流産の報告がある。]
2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[経口アリピプラゾール製剤においてヒトで乳汁移行が認められている1)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
過量投与
徴候、症状:
経口アリピプラゾール製剤の外国の臨床試験及び市販後自発報告において、最高1,260mgまで偶発的又は企図的に急性過量投与された成人において嗜眠、傾眠、血圧上昇、頻脈、嘔吐等の症状が報告されている。また最高195mgまで偶発的に服用した小児において、一過性の意識消失、傾眠等の症状が発現した。本剤の外国の臨床試験において投与間隔内に2倍量(800mg)まで成人に本剤を過量投与された報告があるが、経口剤と比較して特記すべき症状は報告されていない。
処置:
特異的解毒剤は知られていない。本剤を過量に投与した場合は、補助療法、気道確保、酸素吸入、換気及び症状管理に集中すること。直ちに心機能のモニターを開始し、心電図で不整脈の発現を継続的にモニターしながら患者が回復するまで十分に観察すること。血液透析は有用でないと考えられる。なお、他剤服用の可能性が考えられる場合はその影響にも留意すること。
適用上の注意
1. 調製時
(1)
本剤の使用にあたっては、〔取扱い方法〕を熟読すること。
(2)
用時調製し、懸濁液が均質になるように20秒間激しく振とうし、懸濁させること。
(3)
調製後直ちに投与すること。やむを得ず直ちに投与できない場合は、室温で保存し、2時間以内に投与すること。ただし、その場合は投与前に20秒間激しく振とうし、再懸濁させること。
2. 投与時
(1)
注射針は22G(黒)、11/2インチ(38mm)を用いること。
(2)
筋肉内注射にあたっては、下記の点に注意すること。
1)
注射部位は、臀部の左右外側上部とし、三角筋等の他の筋には投与しないこと。
2)
注射部位は毎回左右交互とし、同一部位への反復注射は行わないこと。
3)
懸濁後の薬剤は、1回で全量を投与すること。
4)
注射部位に 疼痛、硬結等をみることがある。
5)
注射部位をもまないように患者に指示すること。
その他の注意
1.
本剤による治療中原因不明の突然死が報告されている。
2.
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、経口アリピプラゾール製剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して、死亡率が1.6~1.7倍高かったとの報告がある。死因は様々であったが、心血管系(心不全、突然死等)又は感染症(肺炎等)による死亡が多かった。なお、経口アリピプラゾール製剤の3試験(計938例、平均年齢82.4歳;56~99歳)では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現率がプラセボと比較して高かった。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。
3.
げっ歯類(マウス、ラット)の経口投与によるがん原性試験において、乳腺腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上、雌ラット10mg/kg/日)及び下垂体腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上)の発生頻度の上昇が報告されている。これらの腫瘍はげっ歯類では血中プロラクチンの上昇と関連した変化としてよく知られている。ラットのがん原性試験において、60mg/kg/日(経口アリピプラゾール製剤の最高臨床推奨用量の100倍に相当)雌の投与群で副腎皮質腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。
4.
サルの反復経口投与試験において胆のう内の沈渣(泥状、胆砂、胆石)が4週間~52週間試験の25mg/kg/日以上の用量で、肝臓に限局性の肝結石症様病理組織所見が39週間試験の50mg/kg/日以上の用量で報告されている。沈渣はアリピプラゾール由来の複数の代謝物がサル胆汁中で溶解度を超える濃度となり沈殿したものと考えられた。なお、これら代謝物のヒト胆汁中における濃度(1日目15mg/日投与、その後6日間30mg/日反復経口投与時)はサル胆汁中における濃度の5.6%以下であり、また、ヒト胆汁中における溶解度の5.4%以下であった。
薬物動態
1. 血漿中濃度
(1) 単回投与
統合失調症患者11例に本剤300mg(5例)及び400mg(6例)を臀部筋肉内に単回投与したときの血漿中濃度及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す2)。
(2) 反復投与
統合失調症患者28例に本剤300mg(12例)及び400mg(16例)を臀部筋肉内に反復投与したときの血漿中アリピプラゾール濃度は、本剤4回目投与前[初回投与後12週(84日)]までにほぼ定常状態に達した。本剤300mg及び400mg投与後の血漿中アリピプラゾールトラフ濃度の中央値は、初回投与以降、アリピプラゾール錠剤6mg/日投与時の定常状態におけるアリピプラゾールトラフ濃度の中央値(42.980ng/mL)からアリピプラゾール錠剤24mg/日投与時の定常状態におけるアリピプラゾールCmaxの中央値(310.160ng/mL)までの範囲内を推移した3)(図2、表2)。

2. 分布
統合失調症患者における本剤400mg反復投与時の分布容積(Vz/F/BW)の中央値は114L/kgであった。外国の健康成人におけるアリピプラゾール2mg静脈内投与時の分布容積(Vss/BW)の平均値は4.94L/kgであった。アリピプラゾール錠において未変化体の血清蛋白結合率は99%以上で、主としてアルブミンと結合し、蛋白結合においてワルファリンとの結合置換は生じない。また、主代謝物であるOPC-14857の血清蛋白結合率は未変化体と同様である。
3. 代謝
本薬は主としてCYP3A4とCYP2D6によって脱水素化と水酸化を受け、またCYP3A4によってN-脱アルキル化を受ける。脱水素体(OPC-14857)が血漿中における主代謝物である。OPC-14857はアリピプラゾール(未変化体)と同様の代謝酵素及び代謝経路によって代謝される。本剤400mg及び300mgの5回目投与後のアリピプラゾールに対するOPC-14857のAUC672hの割合の中央値はそれぞれ約34及び33%であった。
4. 排泄(外国人による成績)
アリピプラゾール錠の成績を以下に示す。
健康成人に14C標識アリピプラゾール20mgを経口投与したとき、投与放射能の約27%及び60%がそれぞれ尿中及び糞便中に排泄された。未変化体は糞中に約18%排泄され、尿中には検出されなかった。
5. 相互作用
アリピプラゾール錠の成績を以下に示す。
(1) キニジン(外国人による成績)
健康成人において、CYP2D6の阻害作用を有するキニジン166mgとアリピプラゾール10mgの併用により、アリピプラゾールのAUCは107%増加した4)。
(2) パロキセチン
健康成人において、CYP2D6の阻害作用を有するパロキセチン20mgとアリピプラゾール3mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ39%及び140%増加した5)。
(3) イトラコナゾール
健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するイトラコナゾール100mgとアリピプラゾール3mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ19%及び48%増加した6)。
(4) ケトコナゾール(外国人による成績)
健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール200mgとアリピプラゾール15mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ37%及び63%増加した7)。
(5) カルバマゼピン(外国人による成績)
統合失調症又は統合失調感情障害患者において、CYP3A4の誘導作用を有するカルバマゼピン400mgとアリピプラゾール30mgの併用投与により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ68%及び73%低下した8)。
6. その他(外国人における成績)
アリピプラゾール錠の成績を以下に示す。
腎障害:
高度の腎機能低下被験者6例(クレアチニンクリアランス<30mL/min)における試験では、腎機能の低下による血中薬物動態への影響は少なかった9)。
肝障害:
肝機能低下被験者19例(Child-PughA~C)における試験では、肝機能低下によるクリアランスへの影響は少なかった10)。
高齢者:
健康高齢者(65歳以上)におけるクリアランスは、非高齢者(18~64歳)よりも約20%低かった11)。
性別・喫煙:
薬物動態に性差はみられなかった11)。また、統合失調症患者でのポピュレーションファーマコキネティクス解析で喫煙は薬物動態に影響を与えなかった12)。
薬物動態の表
表1 本剤単回投与時の薬物動態パラメータ
化合物 |
tmax
(hr) |
Cmax
(ng/mL) |
t1/2,z
(hr) |
AUC∞
(mg・hr/L) |
300mg(n=5):
未変化体 |
648
(96.3-816) |
136
(95.2-791) |
302
(187-660) |
201
(170-250) |
300mg(n=5):
主代謝物(OPC-14857*) |
984
(168.4-1273) |
25.8
(19.1-118) |
368
(222-702) |
39.1
(32.9-57.2) |
400mg(n=6):
未変化体 |
841
(120-1680) |
126
(38.8-168) |
781
(388-984) |
141
(107-267) |
400mg(n=6):
主代謝物(OPC-14857*) |
841
(120-1680) |
26.1
(12.8-35.1) |
605a
(432-760) |
45.0a
(24.4-59.6) |
中央値(最小-最大)、*:活性代謝物、a:n=5
表2 本剤5回目投与後の薬物動態パラメータ
化合物 |
tmax
(hr) |
Cmax
(ng/mL) |
t1/2,z
(hr) |
AUC28d
(mg・hr/L) |
300mg(n=11):
未変化体 |
120
(71.3-672) |
244
(105-409) |
-a
(505-808) |
126
(63.1-245) |
300mg(n=11):
主代謝物(OPC-14857*) |
263
(47.3-672) |
72.8
(53.7-107) |
1030b
(544-1720) |
40.6
(26.8-58.3) |
400mg(n=13):
未変化体 |
95.7
(48.0-669) |
217
(124-424) |
1030c
(759-3020) |
104
(71.7-251) |
400mg(n=13):
主代謝物(OPC-14857*) |
120
(8.00-673) |
68.0
(40.5-129) |
-d
(884-2440) |
35.9
(20.4-76.2) |
中央値(最小-最大)、*:活性代謝物、a:n=2、b:n=4、c:n=8、d:n=2、-:算出不可
臨床成績
アリピプラゾール錠で症状が安定した統合失調症患者(455例、国内症例237例を含む)を対象に実施したアリピプラゾール錠に対する国際共同実薬対照二重盲検試験13)において、本剤400mg(忍容性に応じて300mg)を4週間に1回、52週間臀部筋肉内に投与した。精神症状の非悪化/非再発率において本剤群の錠剤群に対する非劣性が検証された(表3)。また、精神症状の悪化/再発までの時間は図3のとおりであった。
臨床成績の表
表3 カプラン・マイヤー法による26週後の精神症状の非悪化/非再発率(二重盲検期)
投与群 |
対象
例数 |
26週後:
非悪化/非再発率(%)a |
26週後:
SEa |
26週後:
錠剤群に対する差 |
26週後:
95%信頼区間 |
本剤群 |
228 |
95.0 |
1.5 |
0.3 |
-3.9,4.5 |
錠剤群 |
227 |
94.7 |
1.6 |
0.3 |
-3.9,4.5 |
a:カプラン・マイヤー法による26週後(183日)の精神症状の非悪化/非再発率
薬効薬理
1. 薬理作用
(1) 受容体親和性
in vitro受容体結合試験で、組換え型ヒトドパミンD214)、ヒトドパミンD3、ヒトセロトニン5-HT1A15)及びヒトセロトニン5-HT2A受容体に対して高い親和性を示し、ヒトドパミンD4、ヒトセロトニン5-HT2C、ヒトセロトニン5-HT7、ラット大脳皮質α1-アドレナリン及びヒトヒスタミンH1受容体に中程度の親和性を示した。ウシ線条体ムスカリンM1、ラット心臓ムスカリンM2及びモルモット回腸ムスカリンM3受容体に対する親和性は低かった。
(2) ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用
in vitro試験においてドパミンD2受容体に対して部分アゴニストとして作用した14)。in vitro及びin vivo試験において、ドパミン作動性神経伝達が亢進した状態ではドパミンD2受容体に対してアンタゴニストとして作用し、ドパミン作動性神経伝達が低下した状態ではドパミンD2受容体に対してアゴニストとして作用した14, 16, 17)。
(3) ドパミンD3受容体部分アゴニスト作用
in vitro試験においてドパミンD3受容体に対して部分アゴニストとして作用した18)。
(4) セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用
in vitro試験においてセロトニン5-HT1A受容体に対して部分アゴニストとして作用した15)。マウス脳内のセロトニン代謝物5-ヒドロキシインドール酢酸含量を減少させ、ラット縫線核のセロトニンニューロン発火を抑制した。
(5) セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用
セロトニン5-HT2A受容体アゴニストにより誘発される行動変化を抑制した19)。また、in vitro試験で、セロトニンによるラットP11細胞内Ca2+濃度の増加を抑制した。
(6) 統合失調症諸症状に関連する動物モデルでの改善作用
陽性症状の指標と考えられているラット条件回避反応を抑制し、不安症状の指標であると考えられているラットコンフリクト反応を抑制した。
(7) カタレプシー惹起作用
マウス及びラットにおけるアポモルヒネ誘発常同行動抑制作用に対するカタレプシー惹起作用のED50値の用量比は、クロルプロマジン及びハロペリドールより大きかった16)。
(8) 血中プロラクチン濃度を調節する下垂体前葉ドパミンD2受容体に対する作用
in vitro試験においてラット下垂体前葉ドパミンD2受容体に対して部分アゴニストとして作用した17)。
2. 作用機序
アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用、ドパミンD3受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用及びセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用を併せ持つ薬剤である。明確な機序は不明であるが、これらの薬理作用が臨床における有用性に寄与しているものと考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
アリピプラゾール水和物[Aripiprazole Hydrate (JAN)]
化学名:
7-{4-[4-(2,3-Dichlorophenyl)piperazin-1-yl]butoxy}-3,4-dihydroquinolin-2(1H)-one monohydrate
構造式:
分子式:
C23H27Cl2N3O2・H2O
分子量:
466.40
性 状:
白色の結晶である。テトラヒドロフラン、酢酸(100)、ベンジルアルコールに溶けやすく、ジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、メタノールに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
エビリファイ持続性水懸筋注用300mgシリンジ:1シリンジ
エビリファイ持続性水懸筋注用400mgシリンジ:1シリンジ
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Schlotterbeck, P. et al.:Int. J. Neuropsychopharmacol., 10(3), 433, 2007
2)
社内資料(単回筋肉内投与試験)
3)
社内資料(反復筋肉内投与試験)
4)
社内資料(キニジンとの相互作用)
5)
Azuma, J. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol., 68(1), 29-37, 2012
6)
Kubo, M. et al.:Drug Metabol. Pharmacokin., 20(1), 55-64, 2005
7)
社内資料(ケトコナゾールとの相互作用)
8)
社内資料(カルバマゼピンとの相互作用)
9)
社内資料(腎障害患者における薬物動態)
10)
社内資料(肝障害患者における薬物動態)
11)
社内資料(年齢、性別による影響)
12)
社内資料(母集団薬物動態及び薬力学解析)
13)
社内資料(注射剤の統合失調症を対象とした臨床試験)
14)
Burris, K. D. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 302(1), 381-389, 2002
15)
Jordan, S. et al.:Eur. J. Pharmacol., 441(3), 137-140, 2002
16)
Kikuchi, T. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 274(1), 329-336, 1995
17)
Inoue, T. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 277(1), 137-143, 1996
18)
Tadori, Y. et al.:Eur. J. Pharmacol., 597(1-3), 27-33, 2008
19)
Hirose, T. et al.:J. Psychopharmacol., 18(3), 375-383, 2004
文献請求先
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〒108-8242 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
その他の説明(付属機器の取り扱い等)
