CEPHARANTHIN INJ(Cepharanthine/Cycleanine/Berbamine 千金藤素注射剂) セファランチン注10mg
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作成又は改訂年月
**2014年11月改訂 (第8版)
*2012年5月改訂
日本標準商品分類番号
87290
薬効分類名
その他の個々の器官系用医薬品
承認等
販売名
セファランチン注10mg
販売名コード
2900400A2034
承認・許可番号
承認番号
21300AMZ00648000
欧文商標名
Cepharanthin
薬価基準収載年月
2001年9月
販売開始年月
2001年11月
貯法・使用期限等
貯法:
室温・遮光保存
使用期限:
アンプル及び外箱等に表示
規制区分
劇薬
処方箋医薬品注)
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
セファランチン注10mgは、次の成分をそれぞれ含有する。
有効成分 (1アンプル 2mL 中)
セファランチン (タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド) 10mg
添加物 (1アンプル 2mL 中)
ベンジルアルコール 40mg
塩化ナトリウム 20mg
塩酸 適量
性状
セファランチン注10mgは、微黄色澄明な水性注射液である。
pH
2.5~3.5
浸透圧比
約2 (浸透圧比: 生理食塩液に対する比)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
1.
放射線による白血球減少症
通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回5~10mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2.
円形脱毛症・粃糠性脱毛症
通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回10mgを1週間に2回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
3.
滲出性中耳カタル
通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回2~5mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
4.
まむし咬傷
通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回1~10mgを1日1回静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈注〉 重症化が予想される場合には、まむし抗毒素血清を使用することが望ましい。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
薬物過敏症又はその既往歴のある患者
重要な基本的注意
ショックの報告があるので問診を十分に行い、投与後は観察を十分に行うこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
**本剤は、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
**ショック、アナフィラキシー
(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーをおこすことがあるので、観察を十分に行い、顔面潮紅、じんま疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
**過敏症注1)
頻度不明
発疹、皮疹
**消化器注2)
頻度不明
悪心、食欲不振
**その他注2)
頻度不明
注射部位の疼痛・血管痛、発熱、頭痛、硬結
注1) このような症状が発現した場合には、投与を中止すること。
注2) このような症状が発現した場合には、減量又は休薬すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。
[動物実験で乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
1.
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していないので投与しないことが望ましい (使用経験が少ない)。
2.
小児に投与する場合には、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
適用上の注意
1.
静脈内注射時に熱感、血管痛を伴うことがあるので、注入はできるだけ緩徐に行うこと。必要に応じ生理食塩液、糖液等で希釈して注入すること。
2.
アルカリ性製剤ないしアルカロイドを沈殿させる他の製剤 (サリチル酸製剤、抗生物質製剤等) により沈殿を起こすことがあるので、それらとの混注の場合は注意すること。
薬物動態
1. 血中濃度1)
健康成人男子にセファランチン (タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド) として25~100mgを静脈内単回投与したときの血中濃度の推移は、半減期が31.8±0.8から36.9±3.6時間 (mean±標準誤差) と比較的長く、なだらかに低下した。

(表1参照)
2. 排泄1)
排泄率: 健康成人男子におけるセファランチン (タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド) の尿中排泄を検討した。
投与後、48時間までに5.1±0.6~6.0±0.3%が尿中に検出された。

**(注)本剤の承認された用法・用量
白血球減少症:1回5~10mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。
脱毛症:1回10mgを1週間に2回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。
滲出性中耳カタル:1回2~5mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。
まむし咬傷:1回1~10mgを1日1回静脈内に注射する。
いずれも年齢、症状により適宜増減する。
表1 **血中濃度パラメータ
投与量
(mg) |
Cmax
(ng/mL) |
t1/2
(hr) |
AUC0~∞
(ng・hr/mL) |
25
(n=5) |
187±14 |
35.8±3.2 |
158.8±15.8 |
50
(n=5) |
433±25 |
36.9±3.6 |
377.8±22.7 |
100
(n=5) |
1,464±364 |
31.8±0.8 |
962.5±101.6 |
(mean±SE)
臨床成績
1. **放射線による白血球減少症に対する効果2)
放射線による白血球減少症162例に対する有効率は、「有効」以上で55.6% (90/162)、「やや有効」以上で82.1% (133/162)であった。
2. **円形脱毛症・粃糠性脱毛症に対する効果2)
円形脱毛症・粃糠性脱毛症40例に対する有効率は、「有効」以上で50.0% (20/40)、「やや有効」以上で65.0% (26/40)であった。
3. **滲出性中耳カタルに対する効果2)
滲出性中耳カタル465例に対する有効率は、「有効」以上で62.4% (290/465)、「やや有効」以上で77.2% (359/465)であった。
4. **まむし咬傷に対する効果2)
まむし咬傷101例に対する有効率は、「有効」以上で78.2% (79/101)、「やや有効」以上で93.1% (94/101)であった。
薬効薬理
1. 生体膜安定化作用 (in vitro ) 3),4)
本剤はコラーゲン、ADP、まむし毒などの種々の要因により生じる膜のホスホリパーゼA2の活性化並びにアラキドン酸の遊離を抑え、血小板凝集、K+の遊出を抑制することから、生体膜の安定化作用が認められた。
2. **マムシ毒による致死の抑制作用 (マウス) 5)
本剤はマムシ毒による致死作用を用量依存的に抑制することが認められた。
3. **血液幹細胞増加作用 (マウス)6),7)
本剤は放射線による造血機能障害に対し、血液幹細胞に働き、造血機能の回復を促進することが認められた。
4. 抗アレルギー作用 (in vitro )8)
本剤は抗原抗体反応による肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制することが認められた。
5. 副腎皮質ホルモン産生増強作用 (ラット)9)
本剤は下垂体を介し、血中のACTHを上昇させることにより、副腎および血中のコルチコステロンの産生を高めることが認められた。
6. 末梢循環改善作用 (ウサギ)10)
本剤は末梢循環独自の周期的血管運動を損なうことなく、末梢血管の拡張並びに血流を促進し、末梢循環障害を改善することが認められた。
有効成分に関する理化学的知見
タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドは、主として下記の4成分からなる。
(1) セファランチン
一般名:
Cepharanthine
化学名:
6',12'-Dimethoxy-2,2'-dimethyl- 6,7-[methylenebis(oxy)]oxyacanthan
分子式:
C37H38N2O6
分子量:
606.71
構造式:
(2) イソテトランドリン
一般名:
Isotetrandrine
化学名:
6,6',7,12-Tetramethoxy-2,2'-dimethyl- berbaman
分子式:
C38H42N2O6
分子量:
622.75
構造式:

(3) シクレアニン
一般名:
Cycleanine
化学名:
7,7'-O ,O - Dimethylisochondodendrine
分子式:
C38H42N2O6
分子量:
622.75
構造式:

(4) ベルバミン
一般名:
Berbamine
化学名:
6,6',7-Trimethoxy-2,2'-dimethyl- berbaman-12-ol
分子式:
C37H40N2O6
分子量:
608.72
構造式:

*性状:
本品は淡黄色粉末で、メタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
包装
セファランチン注10mg
10管
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
安田耕太郎 他:臨床薬理,20 (4),741,1989
2)
**1995年再評価時資料
3)
森本保子 他:医学のあゆみ,117 (13),1083,1981
4)
宮原正信 他:岡山医学会雑誌,89 (7,8),749,1977
5)
**阿部 岳 他:日本薬理学雑誌,98 (5),327,1991
6)
栄 康行 他:最新医学,33 (7),1495,1978
7)
**小野 稔 他:新薬と臨牀,50 (9),924,2001
8)
杉山勝三 他:アレルギー,25 (9),685,1976
9)
吉川典孝 他:日本薬理学雑誌,87 (2),99,1986
10)
Asano M, et al.:Biochem. Exp. Biol.,16 (4),341,1980
文献請求先
化研生薬株式会社 医薬情報室
〒165-0034 東京都中野区大和町1丁目11-12
**TEL: 0120-391-623
FAX: 03-5356-0265
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
化研生薬株式会社
大阪市旭区赤川2丁目7-4