Lectisol(Diaphenylsulfone TABLETS)氨苯砜片,レクチゾール錠25mg
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作成又は改訂年月
** 2015年4月改訂(第10版)D21
* 2009年10月改訂
日本標準商品分類番号
872699
876231
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1998年3月
効能又は効果追加承認年月(最新)
1996年4月
承認等
販売名
レクチゾール錠25mg
販売名コード
2699003F1024
承認・許可番号
承認番号
20300AMZ00600
商標名
Lectisol TABLETS 25mg
薬価基準収載年月
1991年8月
販売開始年月
1991年10月
貯法・使用期限等
貯法
遮光保存,室温保存
使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分(1錠中)
ジアフェニルスルホン 25mg
添加物
乳糖水和物,トウモロコシデンプン,タルク,ステアリン酸マグネシウム
性状
性状・剤形
白色・素錠(割線入り)
外形
規格:直径(mm)
6.5
規格:厚さ(mm)
2.4
規格:重量(mg)
100
識別コード
Y-LC
一般的名称
ジアフェニルスルホン錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤及び類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
1.
持久性隆起性紅斑,ジューリング疱疹状皮膚炎,天疱瘡,類天疱瘡,色素性痒疹
ジアフェニルスルホンとして,通常,成人1日50~100mgを2~3回に分けて経口投与する.
2.
ハンセン病
<適応菌種>
本剤に感性のらい菌
<適応症>
ハンセン病
ジアフェニルスルホンとして,通常,成人1日75~100mgを経口投与する.原則として,他剤と併用して使用すること.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肝障害のある患者〔副作用として肝障害が報告されており,悪化させることがある.〕
2.
腎障害のある患者〔溶血を起こすおそれがある.〕
3.
血液障害のある患者〔血液障害を悪化させるおそれがある.〕
4.
グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症のある患者〔溶血を起こすおそれがある.〕
5.
小児(「小児等への投与」の項参照)
6.
糖尿病性ケトーシスの患者〔溶血を起こすおそれがある.〕
重要な基本的注意
1.
本剤の投与によりD.D.S.症候群,溶血性貧血等の重篤な副作用があらわれることがあり,これらの副作用は投与量が増加すると発生頻度が高まることが報告されているので,使用にあたっては用法及び用量,使用上の注意に十分注意すること.また,症状の改善がみられない場合は投与を中止すること.
2.
本剤投与中は定期的に血液及び尿検査を行うこと.
3.
長期にわたり副腎皮質ホルモン剤が投与されている患者(天疱瘡,類天疱瘡等の患者)で,本剤を併用することにより副腎皮質ホルモン剤の減量を図る場合には,離脱症状があらわれることがあるので十分な管理の下で徐々に行うこと.
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある.
機序・危険因子
リファンピシンが肝の薬物代謝酵素を誘導し,本剤の代謝を促進して血中濃度を低下させると考えられている.
2. 薬剤名等
プロベネシド
臨床症状・措置方法
本剤の尿中排泄が阻害されることがある.
機序・危険因子
プロベネシドによる本剤の尿細管排泄阻害が考えられる.
3. 薬剤名等
メトトレキサート
臨床症状・措置方法
血液障害があらわれることがある.
機序・危険因子
両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる.
4. 薬剤名等
スルファドキシン・ピリメタミン配合剤
臨床症状・措置方法
血液障害があらわれることがある.
機序・危険因子
両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる.
5. 薬剤名等
スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤(ST合剤)
臨床症状・措置方法
血液障害があらわれることがある.
機序・危険因子
両剤ともに葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられる.
なお,トリメトプリムとの併用において両剤の血中濃度が上昇するとの報告がある.
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例数1,134例中157例(13.84%)204件の副作用が報告されている.主な副作用は貧血を主とした赤血球障害83件(7.32%),AST(GOT),ALT(GPT)上昇等の肝機能障害31件(2.73%)等であった.(再審査終了時)
重大な副作用
(まれに:0.1%未満,ときに:0.1~5%未満,副詞なし:5%以上又は頻度不明)
(1) D.D.S.症候群
ときにD.D.S.症候群(発熱,皮疹,リンパ節腫脹,単核細胞症,肝炎等の症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること.
(2) 血液障害
ときに無顆粒球症,溶血性貧血,白血球減少症,血小板減少,また,まれに再生不良性貧血,汎血球減少症,メトヘモグロビン血症,巨赤芽球性貧血があらわれることがあるので,定期的に血液検査を行い,異常が認められた場合には投与を中止すること.
(3) SLE様症状
まれにSLE様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること.
(4) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)が発現したとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
(5) 好酸球性肺炎
好酸球性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し,速やかに胸部X線検査,血液検査等を実施し,適切な処置を行うこと.
(6) 腎臓
まれにネフローゼ症候群,腎乳頭壊死があらわれることがある.
その他の副作用
1. 肝臓注)
0.1~5%未満
黄疸,AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP,LDHの上昇等の肝障害
2. 過敏症注)
0.1~5%未満
発疹
3. 精神神経系
0.1~5%未満
頭痛
4. 精神神経系
0.1%未満
めまい
5. 精神神経系
頻度不明
うつ状態
6. 眼
0.1%未満
視神経萎縮,霧視
7. 消化器
0.1~5%未満
悪心・嘔吐,腹痛
8. 消化器
0.1%未満
食欲不振
9. その他
0.1~5%未満
発熱,末梢神経障害
10. その他
頻度不明
頻脈,耳鳴,リンパ節腫脹,血尿,低アルブミン血症,好酸球増多
その他の副作用の注意
注)異常が認められた場合には,投与を中止すること.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること.〔妊娠中及び授乳中の投与に関する安全性は確立していない.〕
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない.(使用経験が少ない.)
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.〔PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕
その他の注意
ジアフェニルスルホンをラットに長期間経口投与(臨床用量の約9~18倍,20ヵ月間)したところ,雄に脾腫瘍及び腹膜腫瘍の発生増加が認められたとの報告がある.
薬物動態
1. 吸収・血漿中濃度 <参考>外国人のデータ
健康成人5人にジアフェニルスルホン100mgを経口投与した結果,投与後2~3時間後に最高血中濃度に達し,t1/2は21.7±5.7時間であった.バイオアベイラビリティは93.4±7.1%であり,良好であった(表1)1).
2. 組織中濃度 <参考>外国人のデータ
ジューリング疱疹状皮膚炎の患者15人にジアフェニルスルホン150mgを単回経口投与した結果,4時間後の炎症皮膚内濃度/血漿中濃度の比は1.09±0.11(平均値±SD)であった2).
3. 蛋白結合率
73.9%(in vitro 500~2000ng/mL濃度時)3)
薬物動態の表
表1 健康成人5人,100mg単回投与(平均値±SD)
tmax(h) Cmax
(μg/mL) t1/2(h) AUC0~∞
(μg・h/mL) バイオアベイラビリティ(%) Vd(L/kg)注)
2.5±0.5 1.63±0.47 21.7±5.7 50.0±22.3 93.4±7.1 0.98±0.12
注)50mg静注のデータより算出
薬効薬理
1. 試験管内での作用
(1)
正常人末梢血より分離した好中球を用い,オプソニン化zymosanで活性酸素の産生が促進された試験系において,H2O2,OH・,1O2の産生抑制作用を示す4).
(2)
各種in vitro試験において,ジアフェニルスルホンはマクロファージからのインターロイキン1α,β(IL-1α,IL-1β),腫瘍壊死因子α(TNFα)及びインターロイキン6(IL-6)の産生に対して抑制作用を示す5).
2. 動物での作用
マウスを用いた実験で,M.lepraeの増殖に対して阻止作用が認められている.
また,ジアフェニルスルホンのM.lepraeに対する作用は静菌的である6,7).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ジアフェニルスルホン,Diaphenylsulfone(JAN),Dapsone(INN)
化学名
4,4'-Diaminodiphenyl sulfone(DDS)
分子式
C12H12N2O2S
分子量
248.30
構造式
性状
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である.アセトニトリルに溶けやすく,メタノールにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない.光によって徐々に暗色となる.
融点
175~179℃
分配係数
8.1(pH7,オクタノール/水系)
包装
レクチゾール錠25mg:100錠(10錠×10)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
F. A. J. M. Pieters et al. : Int. J. clin. Pharm. Therap. & Toxicol. 1987 ; 25(7): 396-400
2)
Swain, A. F. et al. : Br. J. Dermatol. 1983 ; 108 : 91-98
3)
Ahmad, R. A. et al. : Eur. J. Pharmacol. 1980 ; 17 : 129-133
4)
丹羽靭負 他:アレルギー 1982 ; 31(10): 1048-1054
5)
田辺三菱製薬(株):ジアフェニルスルホン錠の薬効薬理に関わる資料(社内資料)
6)
Shepard, C. C. et al. : Am. J. Trop. Med. Hyg. 1968 ; 17(5): 769-775
7)
Gelber, R. et al. : Clin. Pharmacol. Ther. 1971 ; 12(2): 225-238
**,*文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください.
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**,*製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10