DAUNOMYCIN FOR INJECTION(Daunorubicin Hydrochloride)盐酸柔红霉素注射剂,ダウノマイシン静注用20mg
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作成又は改訂年月
** 2011年4月改訂(第3版)
* 2009年7月改訂(指定医薬品の規制区分の廃止)
日本標準商品分類番号
874235
薬効分類名
抗白血病・抗悪性腫瘍抗生物質製剤
承認等
販売名
ダウノマイシン静注用20mg
販売名コード
4235401D1035
承認・許可番号
承認番号
21900AMX00756000
欧文商標名
DAUNOMYCIN 20mg FOR INJECTION
薬価基準収載年月
2007年6月
販売開始年月
2007年8月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
バイアル及び外箱に最終年月表示
規制区分
劇薬
処方せん医薬品注1)
注1)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
ダウノマイシン静注用20mgは、1バイアル中に下記の成分を含有する。
有効成分
ダウノルビシン塩酸塩 20mg(力価)
添加物
D-マンニトール 100mg
性状
形状
結晶性粉末または粉末(凍結乾燥品)
色
赤色
pH
5.0~6.5 5mg(力価)/mL溶液
浸透圧比
約1 20mg(力価)/10mL(日局生理食塩液)
(浸透圧比:日局生理食塩液対比)
一般的名称
注射用ダウノルビシン塩酸塩
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれることがある。]
2.
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)
用法及び用量
通常、成人はダウノルビシン塩酸塩として1日量体重1kg当たり0.4~1.0mg(力価)を、小児はダウノルビシン塩酸塩として1日量体重1kg当たり1.0mg(力価)を連日あるいは隔日に3~5回静脈内又は点滴静注し、約1週間の観察期間をおき、投与を反復する。
用法及び用量に関する説明
使用に際しては、1バイアル20mg(力価)に10mLの日局生理食塩液を加え軽く振盪して完全に溶かしてから静脈内注射する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
2.
腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
3.
骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。]
4.
感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。]
5.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
6.
水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
2.
アントラサイクリン系薬剤未治療例で、本剤の総投与量が25mg/kgを超えると、重篤な心筋障害を起こすことが多くなるので十分に注意すること。
3.
感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
4.
小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
5.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射、アントラサイクリン系薬剤等潜在的に心毒性を有する他の抗悪性腫瘍剤[心筋障害が増強されるおそれがある。]
2. 他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。]
副作用
副作用等発現状況の概要
副作用調査された総症例302例で報告された副作用の種類は33種類、症状累計521件であった。
その主なものは、消化管障害97件32.12%、一般的全身症状(発熱、悪寒、倦怠感、胸内苦悶等)79件26.16%、皮膚障害(脱毛、発疹等)60件19.87%、心臓障害(心不全、頻脈)11件3.64%、血管障害(血管炎、血管痛等)13件4.30%、血液障害(白血球減少、赤血球減少、血小板減少等)212件70.20%、骨髄組織障害21件6.95%、肝障害16件5.30%、腎障害7件2.32%、その他5件1.66%であった。(ダウノマイシンの副作用頻度調査終了時)
重大な副作用
1.
心筋障害(0.1~5%未満)更に心不全(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。なお総投与量が25mg/kgを超えると重篤な心筋障害を起こすことが多いので注意すること。
特に他のアントラサイクリン系の抗悪性腫瘍剤投与後症例への本剤の投与には十分注意すること。
2.
貧血、顆粒球減少、血小板減少、出血傾向(5%以上)等の骨髄抑制があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。
3.
ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.
ネフローゼ症候群(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
心臓
5%以上又は頻度不明
心電図異常、頻脈等
過敏症
5%以上又は頻度不明
発熱、発疹等
肝臓注2)
5%以上又は頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P上昇、黄疸等
腎臓注2)
0.1~5%未満
BUN上昇、蛋白尿等
消化器
5%以上又は頻度不明
潰瘍性口内炎、食欲不振、悪心・嘔吐等
皮膚
5%以上又は頻度不明
脱毛等
精神神経系
5%以上又は頻度不明
倦怠感、頭痛、眩暈等
その他
5%以上又は頻度不明
悪寒、呼吸困難
注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(マウス)で催奇形性が報告されている。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
適用上の注意
1. 投与経路
静脈内注射にのみ使用すること。
2. 投与時
(1)
静脈内投与により血管痛、静脈炎、血栓を起こすおそれがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
(2)
静脈内投与に際し薬液が血管外に漏れると注射部位に硬結、壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与すること。
その他の注意
1.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
2.
本剤の尿中排泄により尿が赤色になることがある。
3.
ラットに静脈内投与した実験で、乳腺腫瘍、腎腫瘍が、マウスに皮下投与した実験で局所の腫瘍が発生したとの報告がある。
薬物動態
1. 血中濃度1)
白血病成人患者10例に本剤40mgを生理食塩液40mLに溶解し3分間で静注したときの血中濃度は、図1、2、表1のとおりであった。
図1 血漿中濃度

図2 赤血球中濃度

2. 代謝1)
ヒトでの主要代謝物はダウノルビシノールである。
3. 排泄1)
白血病成人患者10例に本剤40mgを投与したとき、24時間までの尿中総排泄率は、11.8±5.1%で、そのうちダウノルビシンは6.33±2.93%、ダウノルビシノールは5.30±2.48%であった。
表1 未変化体の薬物動態パラメータ
血漿中 |
赤血球中 |
投与5分後の血中濃度(ng/mL) |
228.00±204.00 |
237.00±111.00 |
T1/2α(hr) |
0.0351±0.0157 |
0.0738±0.0714 |
T1/2β(hr) |
1.82±2.01 |
2.86±2.86 |
T1/2γ(hr) |
15.8±8.4 |
97.3±210.8 |
(平均±SD,n=10)
臨床成績
急性白血病に対する成績は総症例数88例中寛解率46.6%(41/88例)であった。
投与群別では、本剤単独群37.0%(10/27例)、副腎皮質ホルモン併用群37.8%(14/37例)、他抗白血病・悪性腫瘍剤併用群70.8%(17/24例)であった。
薬効薬理
1. in vivo抗腫瘍作用
(1)
L1210白血病の担癌マウスに対し延命効果を示し、また、Methotrexate、6-Mercaptopurine及び5-Fluorouracil耐性株にも効果を示した。2)
(2)
吉田肉腫の担癌ラットに対し延命効果を示し、また、Cyclophosphamide、Nitromine、Thiotepa、6-Mercaptopurine、5-Fluorouracil、Mitomycin C及びChromomycin A3耐性株にも効果を示した。2,3)
2. 作用機序
細胞の核酸合成過程に作用し直接DNAと結合しその結合部位はpurine及びpyrimidine環上にあると考えられ、このためDNA合成とDNA依存RNA合成反応を阻害する。4~6)
有効成分に関する理化学的知見
性 状
ダウノルビシン塩酸塩は、赤色の粉末である。
本品は水又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
一般名
ダウノルビシン塩酸塩 Daunorubicin Hydrochloride
化学名
(2S,4S)-2-Acetyl-4-(3-amino-2,3,6-trideoxy-α-L-lyxo-hexopyranosyloxy)-2,5,12-trihydroxy-7-methoxy-1,2,3,4-tetrahydrotetracene-6,11-dione monohydrochloride
分子式
C27H29NO10・HCl
分子量
563.98
構造式
分配係数
(log101-オクタノール層/水層、20±5℃)
(下表参照)
pH2.0 |
pH4.0 |
pH6.0 |
pH8.0 |
-2.3 |
-1.8 |
-1.3 |
0.23 |
包装
1バイアル中 20mg(力価)含有 1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
小川浩司ほか:Chemotherapy,35(5):398,1987
2)
太田和雄ほか:薬物療法,2(9):1323,1969
3)
Di Marco,A.,et al.:Tumori,49:203,1963
4)
Rusconi,A.,et al.:Biochimica et Biophysica Acta,123:627,1966
5)
Di Marco,A.,et al.:J.Cell Biology,27(3):545,1965
6)
Calendi,E.,et al.:Biochimica et Biophysica Acta,103:25,1965
文献請求先
**Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室
〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16
〈製品情報問い合わせ先〉
**Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室
電話(03)3273-3539
FAX(03)3272-2438
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**製造販売元
Meiji Seika ファルマ株式会社
東京都中央区京橋2-4-16