M eptin Swinghaler 10μg 100 puffs (Procaterol Hydrochloride Hydrate)盐酸丙卡特罗水合物,メプチンスイングヘラー10μg吸入100回
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作成又は改訂年月
※2014年6月改訂(下線部分、第2版)
2014年2月作成(第1版)
日本標準商品分類番号
872259
薬効分類名
ドライパウダー吸入式気管支拡張剤
承認等
販売名
メプチンスイングヘラー10μg吸入100回
販売名コード
2259704Y1020
承認・許可番号
承認番号
22600AMX00261
商標名
Meptin Swinghaler 10μg 100 puffs
薬価基準収載年月
2014年6月
販売開始年月
2014年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
製造後3年(外箱等に表示)
保管等については〔取扱い上の注意〕の項参照。
規制区分
※処方箋医薬品
※注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分
1容器中 プロカテロール塩酸塩水和物1.0mg
1吸入中 プロカテロール塩酸塩水和物10μg
添加物
乳糖水和物
1容器の吸入数
100吸入
性状
剤形
吸入粉末剤
性状
本品は防湿キャップが半透明及び青色で、本体が白色、プッシュボタンが青色のカウンターを有するプラスチック製の粉末吸入器に充填された吸入粉末剤である。その内容物は白色の粉末である。
一般的名称
プロカテロール塩酸塩水和物
Procaterol Hydrochloride Hydrate
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫
効能又は効果に関連する使用上の注意
本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。
用法及び用量
プロカテロール塩酸塩水和物として、通常成人1回20μg(2吸入)、小児1回10μg(1吸入)を吸入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。(「過量投与」の項参照)
成人1回2吸入、小児1回1吸入の用法・用量を守り、1日4回(原則として成人8吸入、小児4吸入)までとすること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
甲状腺機能亢進症[甲状腺機能亢進症が増悪することがある。]
2.
高血圧[血圧が上昇することがある。]
3.
心疾患[動悸、不整脈、症状の増悪等があらわれることがある。]
4.
糖尿病[糖尿病が増悪することがある。]
5.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。
2.
過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので十分に注意すること。
3.
投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。
4.
発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう注意を与えること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
カテコールアミン製剤
アドレナリン
イソプレナリン等
臨床症状・措置方法
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
機序・危険因子
アドレナリン、イソプレナリン等のカテコールアミン製剤の併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起こる。そのため不整脈を起こすことが考えられる。
2. 薬剤名等
キサンチン誘導体
テオフィリン
アミノフィリン水和物
ジプロフィリン等
臨床症状・措置方法
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下、心・血管症状等を増強することが考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
3. 薬剤名等
ステロイド剤
ベタメタゾン
プレドニゾロン
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム等
利尿剤
フロセミド等
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が低下し、低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。なお、プロカテロール塩酸塩水和物含有の吸入剤(メプチンエアー・キッドエアー・吸入液)で以下の副作用が報告されている。
調査症例6,655例中101例(1.52%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている[吸入剤:メプチンエアー・キッドエアー・吸入液(ユニットを除く)の承認時及び再審査終了時]。以下の副作用には別途市販後に報告された頻度の算出できない副作用を含む。
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明*)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
(頻度不明*)
重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。更に、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
その他の副作用
1. 循環器
0.1~5%未満
動悸、頻脈
2. 循環器
0.1%未満
心電図異常、血圧上昇、ほてり等
3. 循環器
頻度不明*
上室性期外収縮・上室性頻拍・心室性期外収縮等、顔面蒼白、血圧低下
4. 精神神経系
0.1~5%未満
振戦、頭痛・頭重感
5. 精神神経系
0.1%未満
筋痙直、手のしびれ感、めまい、冷汗、眠気等
6. 精神神経系
頻度不明*
神経過敏
7. 消化器
0.1~5%未満
嘔気・嘔吐等
8. 呼吸器
0.1%未満
気管・咽喉頭部異常感、鼻閉、呼吸困難等
9. 過敏症注)
0.1%未満
発疹、そう痒感等
10. その他
0.1%未満
全身倦怠感、脱力感、聴覚異常、血小板減少等
11. その他
頻度不明*
一過性(吸入後1~2時間)の血清カリウム値の低下
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
*:自発報告又は海外において認められた副作用のため頻度不明。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
1.
小児に対する投与は、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
2.
低出生体重児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していない。
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤はアレルゲンによる皮膚反応に抑制的に作用するので、皮膚テストを実施する場合には、12時間前より本剤の投与を中止することが望ましい。
過量投与
本剤の過度の使用により心室性不整脈(心室頻拍、心室細動等)、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があるので、使用にあたっては用法・用量に注意すること(《用法・用量に関連する使用上の注意》及び「重要な基本的注意」の項参照)。
適用上の注意
本剤の効果を十分にあらわすためには正しい使い方をすることが大切である。患者には使用説明書(メプチンスイングヘラー10μg吸入100回を正しくお使いいただくために)を渡し、使用方法を指導すること。
その他の注意
1.
プロカテロール塩酸塩水和物の経口投与毒性試験(ラット、イヌ)において、他のβ刺激薬と同様に心筋障害が認められた。
2.
ラットを用いた104週間混餌投与試験において、薬物投与により、卵巣間膜腫が出現した。この腫瘍はラットに特異的なものであると考えられており、また、各種β刺激薬を長期間反復投与することにより発現することが報告されている1)。
薬物動態
本剤での薬物動態試験は実施していないのでプロカテロール塩酸塩水和物含有の吸入剤(メプチンエアー)の成績を以下に示す。
<参考>
(1) 血漿中濃度2)
健康成人男子6例にメプチンエアーを4吸入(プロカテロール塩酸塩水和物として40μg)注)投与した場合、投与後15分で128pg/mLの血漿中濃度を示し、その後減衰した。
(2) 尿中排泄2)
メプチンエアーを4吸入(プロカテロール塩酸塩水和物として40μg)注)投与した際の投与後24時間までの累積尿中プロカテロール排泄率は投与量の14.36%であった。
(3) 代謝酵素3)
デスイソプロピルプロカテロールの生成には、主としてCYP3A4分子種が関与する(in vitro)。
注)メプチンエアーの承認された成人の用量は1回20μgである。
臨床成績
本剤での臨床試験は実施していないのでプロカテロール塩酸塩水和物含有の吸入剤(メプチンエアー)の成績を以下に示す。
<参考>
国内延べ181施設で総計807例について実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験成績の概要は次のとおりである4~9)。気管支喘息に対する有効率は53.1%(390/735例)、慢性気管支炎に対する有効率は26.2%(11/42例)、肺気腫に対する有効率は23.3%(7/30例)であった。また、二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
薬効薬理
1. 気管支拡張作用10~17)
(1)
イヌ、ネコ及びモルモットでのヒスタミン等による気道抵抗増大に対する抑制効果でみると、プロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用はイソプレナリンと同等かそれ以上の強さで、サルブタモール硫酸塩及びオルシプレナリン硫酸塩より強いことが確認されている。
(2)
無麻酔モルモットや麻酔イヌにおけるプロカテロール塩酸塩水和物吸入時の気管支拡張効果の発現は、吸入後1~5分で、経口投与に比べて速やかであった。
(3)
プロカテロール塩酸塩水和物吸入により、小児気管支喘息患者の中枢気道のみならず末梢気道も拡張させることが確認されている。
2. 気管支拡張作用持続時間10~12, 16)
(1)
イヌ、ネコ及びモルモットで検討したプロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用持続時間は、イソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より長いことが確認されている。
(2)
麻酔イヌでのプロカテロール塩酸塩水和物10μg吸入によるヒスタミン気道抵抗増大に対する抑制効果は、サルブタモール硫酸塩200μgの吸入と同程度の抑制効果を示し、作用持続時間は長かった。
3. β2受容体への選択性10~13)
心循環器系のβ受容体と気道系のβ受容体への臓器選択性をイヌ、ネコ及びモルモットで検討したところ、プロカテロール塩酸塩水和物はイソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩よりも優れた臓器選択性を示した。
4. 抗アレルギー作用18~23)
モルモットあるいはラットでのレアギン性の気道抵抗増大、PCA反応及び肺からのヒスタミン遊離、成人気管支喘息患者での皮膚反応及びアレルゲン吸入誘発に対する抑制を指標としたプロカテロール塩酸塩水和物の抗アレルギー作用はイソプレナリン、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より強いことが確認されている。
5. 気道分泌系に対する作用24)
プロカテロール塩酸塩水和物はハトの気道繊毛運動を亢進する。
6. 実験的誘発喘息発作抑制作用25~27)
プロカテロール塩酸塩水和物はトレッドミル又はエルゴメーター運動負荷やメサコリン吸入により誘発された気管支喘息患者の喘息発作を抑制する。
7. その他28)
気管支喘息患者16例に、本剤又はメプチンクリックヘラー10μgを二重盲検クロスオーバー法により、各2吸入(プロカテロール塩酸塩水和物として20μg)投与した薬力学的試験において、肺機能(FEV1.0)を指標としたAUC/hr及び最大値はあらかじめ設定した同等性の許容域(±0.15L)の範囲内であり、気管支拡張作用は同等であった。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
プロカテロール塩酸塩水和物
〔Procaterol Hydrochloride Hydrate(JAN)〕
化学名
8-Hydroxy-5-{(1RS, 2SR)-1-hydroxy-2-[(1-methylethyl)amino]butyl}quinolin-2(1H)-one monohydrochloride hemihydrate
構造式
分子式
C16H22N2O3・HCl・1/2H2O
分子量
335.83
性 状
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、ギ酸又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは4.0~5.0である。光によって徐々に着色する。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
融点
約195℃(分解)
取扱い上の注意
1. 患者への説明
・患者に本剤を交付する際には、使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。特に初めて本剤を投与する患者には、吸入方法をよく説明し、確実に吸入することができるよう指導すること。
・本剤は防湿のためにアルミピロー包装をしているので、使用開始直前にアルミピローを開封するよう指導すること。
2. 保管及び手入れ
・患者に本剤を交付する際には、使用説明書を渡し、保管及び手入れ方法を指導すること。
・使用後は必ずキャップを閉めて保管するように指導すること。
・強い衝撃を与えたり、本体を分解しないように指導すること。
・小児の手の届かないところに保管するように注意すること。
包装
メプチンスイングヘラー10μg吸入100回:5個


主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Jack, D. et al.:Toxicology, 27, 315-320, 1983
2)
田代信也ほか:薬理と治療, 26(2), 185-195, 1998
3)
社内資料(P-450発現系ミクロゾームによるin vitro代謝試験)
4)
可部順三郎ほか:現代医療, 17(8), 1645-1660, 1985
5)
宮本昭正ほか:呼吸, 4(9), 1141-1151, 1985
6)
露口泉夫ほか:現代医療, 18(3), 633-643, 1986
7)
飯倉洋治ほか:小児科臨床, 39(2), 449-458, 1986
8)
Mitsuhashi, M. et al.:J. Asthma, 22(4), 203-207, 1985
9)
滝沢敬夫ほか:臨床と研究, 63(5), 1641-1652, 1986
10)
Yabuuchi, Y. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 202(2), 326-336, 1977
11)
Himori, N. et al.:Br. J. Pharmac., 61(1), 9-17, 1977
12)
Yamashita, S. et al.:J. Pharm. Pharmac., 30(5), 273-279, 1978
13)
Yabuuchi, Y.:Br. J. Pharmac., 61(4), 513-521, 1977
14)
河村公太郎ほか:社内資料(イヌにおける気道抵抗増大抑制効果), 1979
15)
Tei, S. et al.:Pharmacometrics, 17(3), 335-343, 1979
16)
河村公太郎ほか:薬理と治療, 14(10), 6095-6100, 1986
17)
飯倉洋治ほか:小児科, 27(9), 1219-1224, 1986
18)
江田昭英ほか:アレルギー, 28(5), 417-422, 1979
19)
伊藤和彦ほか:新薬と臨床, 27(12), 2127-2133, 1978
20)
中沢次夫ほか:現代の診療, 21(1), 35-38, 1979
21)
伊藤和彦:基礎と臨床, 14(11), 3549-3555, 1980
22)
信太隆夫ほか:社内資料(即時型皮内反応に対する抑制効果), 1979
23)
富田有祐ほか:現代医療, 12(12), 1771-1778, 1980
24)
加瀬佳年ほか:応用薬理, 15(4), 705-720, 1978
25)
赤坂 徹ほか:小児科診療, 44(2), 239-247, 1981
26)
西間三馨ほか:小児科診療, 48(9), 1664-1670, 1985
27)
Adachi, M. et al.:Current Therapeutic Research, 40(3), 624-633, 1986
28)
社内資料(メプチンスイングヘラーの薬力学的試験)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840
FAX 03-6717-1414
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9