Medet tab(Metformin Hydrochloride)盐酸二甲双胍,メデット錠250mg
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作成又は改訂年月
**2014年9月改訂(第17版 使用上の注意の改訂)
*2014年6月改訂
日本標準商品分類番号
873962
日本標準商品分類番号等
効能又は効果追加承認年月(最新)
2009年6月
薬効分類名
経口糖尿病用剤
承認等
販売名
メデット錠250mg
販売名コード
YJコード
3962002F1047
承認・許可番号
承認番号
21200AMZ00085
欧文商標名
Medet tab.250mg
薬価基準収載年月
2000年7月
販売開始年月
2000年9月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)
基準名
日本薬局方
メトホルミン塩酸塩錠
規制区分
劇薬、処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
成分・含量(1錠中)
日本薬局方 メトホルミン塩酸塩 250mg
添加物
ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン
性状
剤形・色調
割線を有する白色の円形のフィルムコート錠
識別コード
@731
外形
表
外形
裏

外形
側面

大きさ
直径 9.6mm 厚さ 4.2mm 重量 285mg
**警告
** 重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告されている。乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと。[「禁忌」の項参照]また、重篤な低血糖を起こすことがある。
用法・用量、使用上の注意に特に留意すること。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
次に示す状態の患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい。]
(1)
乳酸アシドーシスの既往
(2)
腎機能障害(軽度障害も含む)[腎臓における本剤の排泄が減少する。]
(3)
透析患者(腹膜透析を含む)[高い血中濃度が持続するおそれがある。]
(4)
肝機能障害[肝臓における乳酸の代謝能が低下する。]
(5)
ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系、肺機能に高度の障害のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態[乳酸産生が増加する。]
(6)
過度のアルコール摂取者[肝臓における乳酸の代謝能が低下する。]
(7)
脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者
(8)
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
2.
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須である。]
3.
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。また、乳酸アシドーシスを起こしやすい。]
4.
栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者[低血糖を起こすおそれがある。]
5.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
6.
本剤の成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)
食事療法・運動療法のみ
(2)
食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
用法・用量
通常、成人にはメトホルミン塩酸塩として1日量500mgより開始し、1日2~3回食後に分割経口投与する。
維持量は効果を観察しながら決めるが、1日最高投与量は750mgとする。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
次に掲げる状態の患者
1.
不規則な食事摂取、食事摂取量の不足[低血糖を起こすおそれがある。]
2.
激しい筋肉運動[低血糖を起こすおそれがある。]
3.
感染症[乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。]
4.
「相互作用」(1)に示す薬剤との併用[乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。]
5.
他の糖尿病用薬を投与中の患者[「相互作用」、「重大な副作用」の項参照]
重要な基本的注意
1.
まれに重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、以下の内容を患者及びその家族に十分指導すること。
(1)
過度のアルコール摂取を避けること。[「禁忌」の項参照]
(2)
発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良等により脱水状態が懸念される場合には、一旦服用を中止し、医師に相談すること。[「禁忌」の項参照]
(3)
乳酸アシドーシスの初期症状があらわれた場合には、直ちに受診すること。[「重大な副作用」の項参照]
2.
ヨード造影剤を用いて検査を行う患者においては、本剤の併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、検査前は本剤の投与を一時的に中止すること(ただし、緊急に検査を行う必要がある場合を除く)。ヨード造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しないこと。なお、投与再開時には、患者の状態に注意すること。[「相互作用」の項参照]
3.
*脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤等)との併用時には、特に脱水に注意すること。[「相互作用」の項参照]
4.
腎機能障害のある患者では腎臓における本剤の排泄が減少し、本剤の血中濃度が上昇する。投与開始前及び投与中は腎機能や患者の状態に十分注意して投与の適否を検討すること。腎機能は、eGFRや血清クレアチニン値等を参考に判断すること。
5.
低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。また、低血糖症状に関する注意について、患者及びその家族に十分指導すること。
6.
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
7.
適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
8.
**投与する場合には、少量より開始し、血糖値、尿糖等を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3~4ヶ月投与しても効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行うこと。
9.
投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
(1)
薬剤名等
ヨード造影剤
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により乳酸アシドーシスを起こすことがある。
ヨード造影剤を用いて検査を行う場合には、本剤の投与を一時的に中止すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
機序・危険因子
機序・危険因子
腎機能が低下し、本剤の排泄が低下することが考えられている。
2. 薬剤名等
薬剤名等
腎毒性の強い抗生物質:ゲンタマイシン等
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により乳酸アシドーシスを起こすことがある。併用する場合は本剤の投与を一時的に減量・中止する等適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
機序・危険因子
腎機能が低下し、本剤の排泄が低下することが考えられている。
3. 薬剤名等
薬剤名等
* 利尿作用を有する薬剤:利尿剤、SGLT2阻害剤等
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
* 脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
機序・危険因子
機序・危険因子
* 利尿作用を有する薬剤により、体液量が減少し脱水状態になることがある。
4. 薬剤名等
(2)血糖降下作用を増強する薬剤
薬剤名等
**,* 糖尿病用薬:インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により低血糖が起こることがある。
** スルホニルウレア剤併用時に低血糖のリスクが増加するおそれがある。
患者の状態を十分観察しながら投与する。低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用の場合にはブドウ糖を投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
併用による血糖降下作用の増強
5. 薬剤名等
薬剤名等
たん白同化ホルモン剤
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により低血糖症状が起こることがある。
患者の状態を十分観察しながら投与する。低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用の場合にはブドウ糖を投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
機序不明
6. 薬剤名等
薬剤名等
グアネチジン
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により低血糖症状が起こることがある。
患者の状態を十分観察しながら投与する。低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用の場合にはブドウ糖を投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
グアネチジンの継続投与によるノルアドレナリン枯渇により血糖が下降すると考えられている。
7. 薬剤名等
薬剤名等
サリチル酸剤:アスピリン等
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により低血糖症状が起こることがある。
患者の状態を十分観察しながら投与する。低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用の場合にはブドウ糖を投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
サリチル酸剤の血糖降下作用が考えられている。
8. 薬剤名等
薬剤名等
β-遮断剤:プロプラノロール等
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により低血糖症状が起こることがある。
患者の状態を十分観察しながら投与する。低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用の場合にはブドウ糖を投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
β-遮断作用によりアドレナリンを介した低血糖からの回復を遅らせることが考えられている。
9. 薬剤名等
薬剤名等
モノアミン酸化酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により低血糖症状が起こることがある。
患者の状態を十分観察しながら投与する。低血糖症状が認められた場合には、通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用の場合にはブドウ糖を投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
モノアミン酸化酵素阻害剤によるインスリン分泌促進、糖新生抑制が考えられている。
10. 薬剤名等
(3)血糖降下作用を減弱する薬剤
薬剤名等
アドレナリン
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
アドレナリンによる末梢での糖利用抑制、肝での糖新生促進、インスリン分泌抑制が考えられている。
11. 薬剤名等
薬剤名等
副腎皮質ホルモン
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
副腎皮質ホルモンによる肝での糖新生促進等が考えられている。
12. 薬剤名等
薬剤名等
甲状腺ホルモン
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
甲状腺ホルモンは糖代謝全般に作用し血糖値を変動させると考えられている。
13. 薬剤名等
薬剤名等
卵胞ホルモン
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
卵胞ホルモンには耐糖能を変化させ、血糖を上昇させる作用が認められている。
14. 薬剤名等
薬剤名等
利尿剤
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
利尿剤によるカリウム喪失によりインスリン分泌の低下が考えられている。
15. 薬剤名等
薬剤名等
ピラジナミド
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
機序不明
16. 薬剤名等
薬剤名等
イソニアジド
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
イソニアジドによる炭水化物代謝阻害が考えられている。
17. 薬剤名等
薬剤名等
ニコチン酸
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
ニコチン酸による血糖上昇作用が考えられている。
18. 薬剤名等
薬剤名等
フェノチアジン系薬剤
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により血糖降下作用が減弱することがある。患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
フェノチアジン系薬剤によるインスリン分泌抑制、副腎からのアドレナリン遊離が考えられている。
19. 薬剤名等
(4)
薬剤名等
有機カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤:シメチジン
臨床症状・措置方法
臨床症状・措置方法
併用により本剤又は相手薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。観察を十分に行い、必要に応じて本剤又は相手薬剤を減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
機序・危険因子
尿細管輸送系をめぐる競合的な阻害作用による本剤又は相手薬剤の血中濃度上昇が考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. 乳酸アシドーシス(頻度不明):
乳酸アシドーシス(血中乳酸値の上昇、乳酸/ピルビン酸比の上昇、血液pHの低下等を示す)は予後不良のことが多い。一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果などを待つことなく適切な処置を行うこと。
2. **低血糖(頻度不明):
低血糖があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察しながら投与する。低血糖症状(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)が認められた場合には通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
3. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ‐GTP、ビリルビンの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 横紋筋融解症(頻度不明):
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
1. 消化器注2)
頻度不明注1)
食欲不振、悪心、下痢、消化不良、便秘、腹痛、胃炎、腹部膨満感、嘔吐、胃腸障害、放屁増加
2. 血液
頻度不明注1)
貧血、白血球増加、血小板減少、白血球減少、好酸球増加
3. 過敏症注3)
頻度不明注1)
発疹、そう痒
4. 肝臓
頻度不明注1)
肝機能異常
5. 腎臓
頻度不明注1)
BUN上昇、クレアチニン上昇
6. 代謝異常
頻度不明注1)
乳酸上昇、CK(CPK)上昇、ケトーシス、血中カリウム上昇、血中尿酸増加
7. その他
頻度不明注1)
全身倦怠感注2)、筋肉痛注2)、ビタミンB12減少注4)、眠気、めまい・ふらつき、発汗、脱力感、味覚異常、頭重、浮腫、動悸、頭痛、空腹感
注1)自発報告又は同一有効成分含有の製剤において認められている副作用報告のため頻度不明
注2)乳酸アシドーシスの初期症状であることもあるので注意すること。
注3)投与を中止すること。
注4)長期使用によりビタミンB12の吸収不良があらわれることがある。
高齢者への投与
一般に高齢者では腎・肝機能等が低下している。腎機能低下による本剤の排泄の減少、肝機能低下による乳酸の代謝能の低下が乳酸アシドーシスをあらわれやすくすることがあるので、高齢者には投与しないこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット、ウサギ)で胎児への移行が認められており、一部の動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている。また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすい。]
2.
授乳中の婦人への投与を避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
過量投与
症状:乳酸アシドーシスが起こることがある。[「副作用」の乳酸アシドーシスの項参照]
処置:アシドーシスの補正(炭酸水素ナトリウム静注等)、輸液(強制利尿)、血液透析等の適切な処置を行う。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
薬物動態
1. 生物学的同等性試験
メデット錠250mgと標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(メトホルミン塩酸塩として250mg)健康成人男子に食後経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。1)
健康成人男子に本剤1錠を食後経口投与したときの血漿中メトホルミン濃度推移(平均値±S.D. n=19)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2. 溶出挙動
本剤は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められた塩酸メトホルミン錠溶出試験b規格に適合していることが確認されている。2)
薬物動態の表
AUC0~∞
(ng・hr/mL) |
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(hr) |
T1/2
(hr) |
3673.6±708.3 |
482.19±97.27 |
4.3±0.7 |
4.3±0.6 |
(平均値±S.D. n=19)
薬効薬理
メトホルミン塩酸塩は主として、肝臓におけるグルコース産生を抑制し、筋肉や脂肪におけるインスリンの作用を増大させることによって血糖値を減少させる。
分子レベルでは、これらの反応の一部はメトホルミン塩酸塩による細胞内AMP活性化プロテインキナーゼの活性化に関与していることが示唆されている。3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:メトホルミン塩酸塩(Metformin Hydrochloride)
化学名:1,1-Dimethylbiguanide monohydrochloride
分子式:C4H11N5・HCl
分子量:165.62
融点:約221℃(分解)
構造式:
性状:メトホルミン塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
取扱い上の注意
1. 安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、60%RH、3年)の結果、メデット錠250mgは通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。4)
2. 配合変化
本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。[一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。]
包装
メデット錠250mg 100錠(PTP) 500錠(バラ) 1,000錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
トーアエイヨー社内資料:生物学的同等性試験
2)
トーアエイヨー社内資料:溶出試験
3)
高折修二ほか監訳:グッドマン ・ ギルマン薬理書〔下〕薬物治療の基礎と臨床,第11版 廣川書店,2007,P.2097
4)
トーアエイヨー社内資料:長期保存試験
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
主要文献に記載の社内資料につきましても、下記にご請求ください。
トーアエイヨー株式会社 信頼性保証部
〒330-0834 さいたま市大宮区天沼町2-300
*電話 0120-387-999 048-648-1070
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
トーアエイヨー株式会社
福島県福島市飯坂町湯野字田中1番地
販売
アステラス製薬株式会社
*東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号