Meditranstape(Nitroglycerin)硝酸甘油透皮贴剂,メディトランステープ27mg
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作成又は改訂年月
** 2014年8月改訂(薬事法改正に伴う改訂及び下線部分)<第11版>
* 2009年7月改訂(薬事法改正に伴う「指定医薬品」の規制区分の廃止)
日本標準商品分類番号
872171
薬効分類名
経皮吸収型・心疾患治療剤
承認等
販売名
メディトランステープ27mg
販売名コード
2171701S7063
承認・許可番号
承認番号
21800AMX10433
商標名
Meditranstape 27mg
薬価基準収載年月
2006年12月
販売開始年月
2007年1月
注)メディトランスニトロとして1999年7月に販売開始
メディトランステープとして2001年10月に販売開始
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
3年(アルミ袋包装及び外箱に表示の使用期限内に使用すること。)
規制区分
劇薬
**処方箋医薬品※
**※注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分・含量
ニトログリセリン 27mg
添加物
日局セタノール、アクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸2-エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、酢酸エチル
性状
本剤は、白色のテープ剤(14cm2)で、においはない。支持体には、不織布とポリエチレンフィルムを積層した白色のシートを使用し、粘着面は透明なフィルムで保護している。なお、白色のシート(不織布)の表面には、薄い桃色の識別マークが表示されている。
本品はアルミ袋包装品である。
外形(製剤サイズ)
識別コード等
包装材料

KH212
(識別コード)
識別コード等
テープ本体

(識別マーク)
一般的名称
ニトログリセリンテープ
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させ症状を悪化させるおそれがある。]
2.
閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
3.
頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
4.
高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]
5.
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
6.
**ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照]
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
狭心症
効能又は効果に関連する使用上の注意
本剤は狭心症の発作緩解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
用法及び用量
通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
低血圧の患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。]
2.
原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下し、ショックを起こすおそれがある。]
3.
肥大型閉塞性心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切り替えること。
2.
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。
3.
過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を除去し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
4.
起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
5.
本剤投与開始時には他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
6.
**本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
7.
本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがあるので、このような場合には貼付部位を変更し、非ステロイド性抗炎症剤軟膏又はステロイド軟膏等を投与するか、本剤を投与中止するなどの適切な処置を行うこと。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
**ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ、レバチオ)、バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)、タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア))
臨床症状・措置方法
併用により、降圧作用を増強することがある。
機序・危険因子
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
2.
薬剤名等
**グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト(アデムパス))
臨床症状・措置方法
併用により、降圧作用を増強することがある。
機序・危険因子
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
降圧作用及び血管拡張作用を有する薬剤(Ca拮抗剤、ACE阻害剤、β遮断剤、利尿剤、降圧剤、三環系抗うつ剤、メジャートランキライザー)
臨床症状・措置方法
血圧低下を増強するおそれがある。
機序・危険因子
血圧低下作用を相加的に増強する。
2. 薬剤名等
他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
臨床症状・措置方法
頭痛、血圧低下等の副作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
血管拡張作用を増強する。
3. 薬剤名等
非ステロイド性抗炎症剤(アスピリン等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
プロスタグランジンI2等の合成が阻害され、血管拡張作用を減弱する可能性がある。
4. 薬剤名等
アルコール性飲料
臨床症状・措置方法
血圧低下作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
血圧低下作用を相加的に増強する。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。剤形サイズ変更前製剤(メディトランスニトロ)承認時における副作用の概要は以下のとおりである。
総症例363例中、副作用が報告されたものは、95例(26.17%)であった。主な症状は貼付部位の発赤49件(13.50%)、貼付部位のそう痒感31件(8.54%)、貼付部位の発疹10件(2.75%)、頭痛39件(10.74%)等であった。
その他の副作用
1. 循環器
0.1~5%未満
血圧低下、めまい
2. 循環器
頻度不明
心拍出量低下、顔面潮紅、熱感、動悸
3. 精神神経系
5%以上
頭痛
4. 精神神経系
0.1~5%未満
頭重
5. 消化器
0.1~5%未満
嘔気
6. 消化器
頻度不明
嘔吐
7. 皮膚(貼付部位)
5%以上
発赤、そう痒感
8. 皮膚(貼付部位)
0.1~5%未満
発疹
高齢者への投与
本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般的に肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続し、頭痛、頭重、血圧低下等が発現するおそれがあるので、注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]1)
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
貼付部位
(1)
皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。
(2)
貼付部位に、発汗、湿潤、汚染等がみられるときには清潔なタオル等でよくふき取ってから本剤を貼付すること。
(3)
皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えることが望ましい。
(4)
自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。
その他の注意
1.
本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し耐薬性を生じ、作用が減弱するおそれがある。なお、労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。
2.
肺疾患、虚血性心疾患、脳虚血の患者で低酸素血症がある場合には、本剤の投与により低酸素状態が悪化するおそれがある。
3.
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
薬物動態
吸収、代謝2)
健常成人男子20名の胸部に本剤1枚を24時間貼付した場合、ニトログリセリンの最高血漿中濃度(Cmax)は0.441ng/mL、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は3.6時間であった。24時間後の血漿中濃度は0.163ng/mLであり、はく離30分後(24.5時間後)には測定限界(0.05ng/mL)以下であった。
●薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL) |
Tmax(hr) |
AUC0→24(ng・hr/mL) |
0.441±0.253 |
3.6±0.8 |
5.220±2.524 |
Mean±S.D.
臨床成績
臨床効果3)~9)
本剤の狭心症患者160例を対象とした臨床試験における有効率は63.1%(101例/160例)であり、発作回数、速効性硝酸薬消費量、自覚的運動能力、心電図所見等に改善が認められた。
また、運動耐容能を指標とした試験において、本剤による運動耐容時間の延長及び心電図ST偏位の改善が認められた。
更に二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められた。
[剤形サイズ変更前製剤(メディトランスニトロ)承認時]
薬効薬理
1. GTN(ニトログリセリン)の心臓、血管系に対する作用10)
健常成人男子で、GTNの心臓、血管系に対する作用を、Mモード心エコー図及び下大静脈内腔の変化を超音波断層法により検討した。静脈還流量を示す下大静脈Indexは、静脈のコンプライアンスの増大による血液の末梢への再配分が示され、下大静脈内腔は縮小を示した。
また、左房径、左室拡張終期径等が縮小し、前負荷軽減作用が認められた。これら血行動態諸指標は血漿中GTN濃度とよく相関した。
2. 脈圧低下作用11)
剤形サイズ変更前製剤2、4及び8枚/イヌ経皮投与(GTNとして54、108及び216mg/イヌ経皮投与)により、用量依存的な脈圧低下作用が認められた。脈圧低下作用は投与後1~24時間持続し、プラセボ投与群に比較し有意な低下であった。同時に測定した血漿中GTN濃度も24時間持続した。投与24時間後に本剤をはく離すると血中からGTNは速やかに消失し、また、脈圧低下作用はプラセボ投与群とほぼ同程度まで回復した。
3. 心循環機能に対する作用12)
麻酔開胸犬にGTNとして5、10及び20mg/kgを経皮投与することにより、肺動脈楔入圧、左心内圧及び大動脈圧を低下させ、心臓に対する後負荷をも軽減し、心機能の改善作用が認められた。
4. 虚血心における心筋内血流分布に対する作用13)
麻酔開胸犬の左冠状動脈前下行枝起始部に狭窄を加えることにより作成した実験的虚血心に対し、GTNの5mg/kgの経皮投与では、虚血の著しい心筋内層側の血流に対し増加作用を示し、心筋内血流分布を改善した。
5. 実験的に誘発したST・T偏位に対する作用14)15)
イヌにおける冠動脈結紮、高コレステロール食飼育ウサギにおける心臓ぺーシング負荷、ラットにおけるバソプレシン若しくはアドレナリン投与等により惹起された心電図上のST・T偏位に対し、GTNは著明な抑制を示し、心筋における酸素需要バランスの改善作用を示した。また、2週間の連用によっても効果には変化はみられなかった。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ニトログリセリン Nitroglycerin
化学名
Glyceryl trinitrate又は1,2,3-Propanetriol trinitrate
分子式
C3H5N3O9
分子量
227.09
化学構造式

性状
ニトログリセリンは常温では無色透明の粘稠性の液体で、味は甘く灼熱感がある。
取扱い上の注意
患者には本剤を内袋(アルミ袋包装)のまま渡し、本剤を使用するときに内袋から取り出すように指示すること。
包装
70枚(1枚×70)、140枚(1枚×140)、350枚(1枚×350)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
井上恒昭,他:応用薬理,28,(3),485(1984)013-174
2)
藤田雅巳,他:薬理と治療,29,(5),331(2001)014-385
3)
株式会社三和化学研究所 社内資料 ニトログリセリンテープ(SK-866)の狭心症に対する有効性および安全性の検討(前期第II相試験)
4)
廣澤弘七郎,他:基礎と臨床,25,(13),4105(1991)013-168
5)
廣澤弘七郎,他:基礎と臨床,25,(14),4417(1991)013-169
6)
山田和生,他:基礎と臨床,25,(13),4121(1991)013-170
7)
渡辺賢一,他:臨床成人病,21,(4),785(1991)013-171
8)
花島寛治,他:薬理と臨床,19,(2),633(1991)013-172
9)
関口守衛,他:基礎と臨床,25,(15),4833(1991)013-173
10)
岡島智志,他:基礎と臨床,18,(6),2489(1984)013-178
11)
株式会社三和化学研究所 社内資料 SK-866作用持続性の検討
12)
株式会社三和化学研究所 社内資料 Nitroglycerin軟膏(SK-106N)薬理学的検討(第4報)心循環機能に対する作用
13)
林 元英,他:基礎と臨床,15,(4),1935(1981)013-179
14)
林 元英,他:基礎と臨床,15,(4),1921(1981)013-180
15)
林 元英,他:基礎と臨床,15,(4),1947(1981)013-181
文献請求先
**<文献請求先・製品情報お問い合わせ先>
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販売元
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積水メディカル株式会社
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