Aredia for i.v. infusion (Pamidronate Disodium Hydrate)アレディア点滴静注用15mg/アレディア点滴静注用30mg
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作成又は改訂年月
** 2014年5月改訂(第17版)
* 2012年8月改訂
日本標準商品分類番号
873999
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
2005年6月
効能又は効果追加承認年月(最新)
**2014年5月
薬効分類名
骨吸収抑制剤
承認等
販売名
アレディア点滴静注用15mg
販売名コード
3999418D1058
承認・許可番号
承認番号
22000AMX01614000
商標名
Aredia for i.v. infusion
薬価基準収載年月
2008年12月
販売開始年月
1994年9月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
劇薬
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
成分・含量
1バイアル中パミドロン酸二ナトリウム無水物として15mg
添加物
D-マンニトール:235mg
リン酸:適量
性状
性状
白色の塊でにおいはない。(凍結乾燥品)
5mL注射用水で溶解したときのpH
6.0~7.0
5mL注射用水で溶解したときの浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1
販売名
アレディア点滴静注用30mg
販売名コード
3999418D2054
承認・許可番号
承認番号
22000AMX01615000
商標名
Aredia for i.v. infusion
薬価基準収載年月
2008年12月
販売開始年月
1994年9月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
劇薬
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
成分・含量
1バイアル中パミドロン酸二ナトリウム無水物として30mg
添加物
D-マンニトール:470mg
リン酸:適量
性状
性状
白色の塊でにおいはない。(凍結乾燥品)
5mL注射用水で溶解したときのpH
6.0~7.0
5mL注射用水で溶解したときの浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約2
一般的名称
注射用パミドロン酸二ナトリウム
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分又は他のビスホスホン酸塩に対し、過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
1.
悪性腫瘍による高カルシウム血症
2.
乳癌の溶骨性骨転移(化学療法、内分泌療法、あるいは放射線療法と併用すること)
3.
**骨形成不全症
効能又は効果に関連する使用上の注意
**骨形成不全症に対しては、診療ガイドライン等の最新の情報を参考に本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること。
用法及び用量
1. 悪性腫瘍による高カルシウム血症
通常、成人にはパミドロン酸二ナトリウム(無水物)として30~45mgを4時間以上かけて、単回点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔を置くこと。
2. 乳癌の溶骨性骨転移
通常、成人にはパミドロン酸二ナトリウム(無水物)として90mgを4時間以上かけて、4週間間隔で点滴静脈内投与する。
3. **骨形成不全症
通常、パミドロン酸二ナトリウム(無水物)として下記の用量を1日1回4時間以上かけて3日間連続点滴静脈内投与し、下記の投与間隔にて投与を繰り返す。ただし、1日の用量は60mgを超えないこと。
年齢:2歳未満
1回投与量:0.5mg/kg
投与間隔:2ヵ月
年齢:2歳以上3歳未満
1回投与量:0.75mg/kg
投与間隔:3ヵ月
年齢:3歳以上
1回投与量:1.0mg/kg
投与間隔:4ヵ月
**<点滴液の調製法>
悪性腫瘍による高カルシウム血症及び乳癌の溶骨性骨転移の場合
1バイアルに日局「注射用水」、日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」5mLを加えて溶解後、総量として500mL以上の日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」に希釈する。
骨形成不全症の場合
1バイアルに日局「注射用水」、日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」5mLを加えて溶解後、0.1mg/mL以下の濃度となるよう日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」に希釈する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1. **乳癌の溶骨性骨転移
本剤の用量は90mgを超えないこと。〔腎機能が悪化するおそれがある。〕
2. **骨形成不全症
呼吸機能が低下している患者や2歳未満の患者等では初回投与時は半量とすることを考慮し、投与後は呼吸状態等を注意深く観察すること。〔投与後の急性期反応により呼吸状態が悪化するおそれがある。〕
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
重篤な腎障害のある患者〔腎機能が悪化するおそれがある。〕
2.
全身状態が極めて不良である患者〔急激な血圧低下をきたした症例が報告されている。〕
3.
心疾患のある患者(特に高齢者)〔生理食塩液の過量負荷により左室不全・うっ血性心不全を起こすおそれがある。また、本剤投与後通常1~2日にみられる発熱も心疾患の悪化に関与するおそれがある。〕(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
**[共通]
(1)
本剤投与後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。
(2)
**本剤投与後は、血清カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム等の電解質の変動に注意すること。
本剤投与により低カルシウム血症が投与後4~10日目頃に低用量においても出現することがあるので、血清カルシウムの変動については特に注意すること。
(3)
臨床症状(テタニー、手指のしびれ等)を伴う低カルシウム血症があらわれた場合にはカルシウム剤の点滴投与が有効である。
(4)
本剤投与後は、血小板減少等の末梢血球数の変動に注意すること。なお、貧血、白血球減少、血小板減少のある患者に本剤を投与する場合、投与開始後2週間は末梢血球数の変動に特に注意すること。
(5)
本剤を含むビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
(6)
ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
(7)
甲状腺手術を受けた患者では、副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症があらわれる場合があるので、血清カルシウムについては特に注意すること。
(8)
眠気、めまい、注意力の低下等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
**[悪性腫瘍による高カルシウム血症の場合]
(1)
緊急時に適正な対応が可能な医療施設において、癌治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ使用すること。
(2)
悪性腫瘍による高カルシウム血症の患者に投与する場合は、高カルシウム血症の再発に応じて再投与できるが、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔を置くこと。
(3)
悪性腫瘍以外の原因による高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進症等)治療における本剤の有用性は確立していない。
**[乳癌の溶骨性骨転移の場合]
(1)
緊急時に適正な対応が可能な医療施設において、癌治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ使用すること。
(2)
腎機能が悪化することがあるので、本剤投与前に腎機能障害のある患者では血清クレアチニン値が投与前値から1.0mg/dL以上、腎機能が正常な患者では血清クレアチニン値が投与前値から0.5mg/dL以上上昇した場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。1)
(3)
**必要に応じてカルシウム及びビタミンDの補給を検討すること。(「重要な基本的注意[共通](2)」の項参照)
**[骨形成不全症の場合]
(1)
**投与にあたっては、骨折の治癒が遷延するおそれがあるため、臨床症状及びX線検査等で未治癒の骨折がないことを確認し、未治癒の骨折が認められた場合には、投与中止を考慮すること。
(2)
**必要に応じてカルシウム及びビタミンDの補給を検討すること。(「重要な基本的注意[共通](2)」の項参照)
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
カルシトニン製剤
カルシトニン等
臨床症状・措置方法
血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。注)
機序・危険因子
相互に作用を増強する。
2. 薬剤名等
シナカルセト
臨床症状・措置方法
血清カルシウムが低下するおそれがある。注)
機序・危険因子
相互に作用を増強する。
注)「重要な基本的注意」の項参照
副作用
悪性腫瘍による高カルシウム血症
副作用調査対象例数728例中93例(12.8%)に227件の副作用が認められた。主な副作用は発熱21件(2.9%)、AST(GOT)上昇14件(1.9%)、ALT(GPT)上昇11件(1.5%)、貧血11件(1.5%)、LDH上昇10件(1.4%)、ALP上昇9件(1.2%)、BUN上昇9件(1.2%)等であった。
(承認時まで及び再審査終了時までの集計)
**乳癌の溶骨性骨転移及び骨形成不全症
乳癌の溶骨性骨転移及び骨形成不全症に対する国内臨床試験は実施していない。
重大な副作用
1. *ショック、アナフィラキシー様症状(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状(気管支痙攣、呼吸困難、喘鳴等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. *急性腎不全(1%未満)、ネフローゼ症候群(巣状分節性糸球体硬化症等による)、間質性腎炎(いずれも頻度不明)
急性腎不全、ネフローゼ症候群(巣状分節性糸球体硬化症等による)、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
3. *臨床症状を伴う低カルシウム血症(1%未満)
テタニー、手指のしびれ等を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
4. *間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5. 顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
6. 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折(頻度不明)
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
その他の副作用
1. 循環器
(頻度不明)
血圧上昇
2. 循環器
(1%未満)
不整脈、血圧低下、輸液過量負荷によるうっ血性心不全(浮腫)・左室不全(呼吸困難、肺水腫)
3. 腎臓
(頻度不明)
血尿
4. 腎臓
(1%~5%未満)
BUN上昇
5. 腎臓
(1%未満)
クレアチニン上昇、蛋白尿
6. 血液
(1%~5%未満)
貧血、血小板減少
7. 血液
(1%未満)
白血球減少、リンパ球減少
8. 肝臓
(1%~5%未満)
AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、ALP、γ-GTP上昇
9. 肝臓
(1%未満)
ビリルビン上昇
10. 電解質代謝異常
(頻度不明)
低マグネシウム血症
11. 電解質代謝異常
(1%未満)
低リン血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症、高ナトリウム血症
12. *消化器
(頻度不明)
嘔吐、腹痛、便秘、下痢、消化不良、胃炎、食欲不振、嘔気、歯周病(歯肉炎、歯周炎等)
13. 精神・神経系
(頻度不明)
頭痛、めまい、激越、幻覚、錯乱、不眠、嗜眠、痙攣発作
14. 精神・神経系
(1%未満)
顔面のしびれ
15. 過敏症
(頻度不明)
発疹、そう痒感、血管神経性浮腫
16. 眼
(頻度不明)
ブドウ膜炎(虹彩炎・虹彩毛様体炎)、強膜炎、上強膜炎、黄視症、結膜炎、眼窩の炎症(眼窩浮腫、眼窩蜂巣炎等)
17. 眼
(1%未満)
結膜下出血
18. **筋・骨格系
(頻度不明)
全身痛注)、筋痙直、骨痛注)(一過性)、関節痛注)、筋痛注)
19. 局所反応
(頻度不明)
適用部位のとう痛、発赤、腫脹、硬結、静脈炎、血栓性静脈炎
20. **その他
(頻度不明)
風邪様症状注)(発熱、けん怠、疲労、悪寒、ほてりを伴う)、単純疱疹・帯状疱疹の再発
21. **その他
(1%~5%未満)
発熱注)
22. その他
(1%未満)
血糖上昇
**注)急性期反応(通常は本剤投与後3日以内に発現し、数日以内に回復する)に該当する副作用を含む。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、低用量を用いるなど慎重に投与すること。〔乳癌の溶骨性骨転移に対して減量して使用した場合の有効性は確立されていない。〕(「慎重投与」の項参照)
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、動物実験(ラット)で本剤を器官形成期又は器官形成期以降の母体に静脈内投与した場合、妊娠末期に血中カルシウム低下に起因すると考えられる母体の死亡が報告されている。〕
2.
ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、妊娠する可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。〔全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。〕
3.
本剤投与中は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。〕
小児等への投与
**骨形成不全症以外の場合
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。〔骨成長に影響を与える可能性がある。〕
過量投与
本剤の過量投与により著明な低カルシウム血症を起こす可能性がある。このような症状があらわれた場合には、カルシウム剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。
適用上の注意
1. 投与方法
本剤は点滴静注にのみ使用し、4時間以上かけてゆっくり投与すること。
2. 調製方法
(1) **悪性腫瘍による高カルシウム血症及び乳癌の溶骨性骨転移の場合
1バイアルに日局「注射用水」、日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」5mLを加えて溶解後、総量として500mL以上の日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」に希釈すること。
骨形成不全症の場合
1バイアルに日局「注射用水」、日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」5mLを加えて溶解後、0.1mg/mL以下の濃度となるよう日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液(5%)」に希釈すること。
(2)
カルシウム及びマグネシウムを含有する点滴用液と混合しないこと。
(3)
溶解後は24時間以内に使用すること。
薬物動態
1. 血清中濃度2)
(1)
悪性腫瘍による高カルシウム血症患者にパミドロン酸二ナトリウム45mgを500mLの生理食塩液で希釈し、4時間かけて点滴静脈内投与したとき、投与終了時の血清中濃度は0.96μg/mLを示し、その後速やかに消失し、投与後8時間では9例中4例で、24時間では全例で定量限界(0.20μg/mL)以下となる。

(2)
溶骨性骨転移を伴う乳癌患者を対象とした国内での薬物動態試験は実施されていないため、日本人におけるデータはない。
2. 排泄2)
悪性腫瘍による高カルシウム血症患者にパミドロン酸二ナトリウム45mgを500mLの生理食塩液で希釈し、4時間かけて点滴静脈内投与したとき、投与開始後24時間までに投与量の10.4%が未変化体として尿中に排泄されるが、その後排泄は低速度で持続し、投与開始72時間での累積排泄率は12.7%である。
臨床成績
1. 悪性腫瘍による高カルシウム血症
無作為割付による比較試験を含む臨床試験において、効果判定が行われた87例についての成績の概要は次のとおりである。
血清カルシウム濃度改善度
著効:87.4%(76/87)
血清カルシウム濃度改善度
有効以上:96.6%(84/87)
全般改善度
著明改善:51.7%(45/87)
全般改善度
中等度改善以上:85.1%(74/87)
なお、無作為割付による比較試験で悪性腫瘍による高カルシウム血症に対する本剤の有用性が確認されている。2~5)
2. 乳癌の溶骨性骨転移
海外において、直径が1cm以上の溶骨性骨転移を1つ以上有する化学療法施行中の乳癌骨転移患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、試験開始より最初の骨関連合併症(高カルシウム血症(アルブミン補正で12mg/dLを超える)、病的骨折、骨への放射線照射や外科的手術が必要、あるいは椎体の圧迫骨折による脊髄の圧迫)を発症するまでの中央値は、パミドロン酸群13.9ヵ月(n=185)、プラセボ群7.0ヵ月(n=195)であり、パミドロン酸群が有意に延長した(p<0.001)。6)
また、2個以上の溶骨性骨転移を有するホルモン療法施行中の乳癌骨転移患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、試験開始より最初の骨関連合併症を発症するまでの中央値は、パミドロン酸群10.4ヵ月(n=182)、プラセボ群6.9ヵ月(n=189)であり、パミドロン酸群が有意に延長した(p=0.049)。7)
薬効薬理
1. 血清カルシウム低下作用
(1)
悪性腫瘍による高カルシウム血症患者に対してパミドロン酸二ナトリウム30~45mgを単回点滴静脈内投与したとき、投与開始2日目から血清補正カルシウム濃度を低下させ、その効果は投与開始14日目にも認められている。2~5)
(2)
ラットを用いた腫瘍移植あるいは活性型ビタミンD3誘発高カルシウム血症モデルにパミドロン酸二ナトリウムを皮下投与したとき、用量依存的に血清カルシウム濃度を低下させる。8)
(3)
ラットを用いたコレカルシフェロール誘発高カルシウム血症モデルにおいて、パミドロン酸二ナトリウム0.8mg/kgを1回静脈内投与したとき長期持続性の血清カルシウム低下が認められている。9)
2. 破骨細胞に対する作用
パミドロン酸の作用機序は未だ十分に解明されていないが、以下の実験結果から次のような機序が考えられている。10)
ウシ大腿皮質骨から調製した骨スライスをパミドロン酸二ナトリウムを含む溶液中に前浸漬し、あらかじめ骨表面にパミドロン酸を吸着させた上で破骨細胞と培養した場合に破骨細胞による骨吸収が抑制される。一方、同じ実験系であらかじめ破骨細胞の活性を低下させておくとパミドロン酸の作用が認められなくなる。これらのことから、骨に吸着したパミドロン酸が破骨細胞の骨吸収により遊離し、破骨細胞が高濃度のパミドロン酸にさらされることにより骨吸収機能が抑制されることが示唆される。
有効成分に関する理化学的知見
構造式
一般名
パミドロン酸二ナトリウム水和物(Pamidronate Disodium Hydrate)
化学名
Disodium3-amino-1-hydroxypropylidene-1,1-bisphosphonate pentahydrate
分子式
C3H9NO7P2Na2・5H2O
分子量
369.11
性状
白色の結晶性の粉末で、においはない。水にやや溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
約210℃(分解)
包装
アレディア点滴静注用15mg 1バイアル
アレディア点滴静注用30mg 1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Hillner,B.E.et al.:J.Clin.Oncol.21(21),4042,2003 〔ARES00234〕
2)
Oiso,Y.et al.:Endocr.J.41(6),655,1994 〔AREJ00038〕
3)
藤田拓男ほか:臨床医薬 8(6),1455,1992 〔AREJ00004〕
4)
松本俊夫ほか:臨床医薬 8(3),605,1992 〔AREJ00003〕
5)
松本俊夫ほか:臨床医薬 8(3),587,1992 〔AREJ00002〕
6)
Hortobagyi,G.N.et al.:J.Clin.Oncol.16(6),2038,1998 〔AREM01229〕
7)
Theriault,R.L.et al.:J.Clin.Oncol.17(3),846,1999 〔AREM01386〕
8)
Marki,F.et al.:Unpublished Report of CIBA-GEIGY Ltd.1987 〔AREU00032〕
9)
Okada,M.et al.:Arzneim.-Forsch.Drug Res.42(4),543,1992 〔AREM00387〕
10)
Flanagan,A.M.et al.:Calcif.Tissue Int.49(6),407,1991 〔AREM00467〕
文献請求先
ノバルティス ファーマ株式会社 ノバルティス ダイレクト
〒106-8618 東京都港区西麻布4-17-30
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
ノバルティス ファーマ株式会社
東京都港区西麻布4-17-30