LUTINUSR Vaginal Tablet(Progesterone) ルティナス腟錠100mg
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作成又は改訂年月
2014年9月作成(第1版)
日本標準商品分類番号
872477
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2002年7月
薬効分類名
黄体ホルモン剤
承認等
販売名
ルティナス腟錠100mg
販売名コード
247770AH1025
承認・許可番号
承認番号
22600AMX01310
商標名
LUTINUSR Vaginal Tablet 100mg
薬価基準収載年月
未収載
販売開始年月
2014年12月
貯法・使用期限等
貯法
室温(1~30℃)
使用期限
外箱に表示(3年)
規制区分
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量
日局 プロゲステロン100mg
添加物
軽質無水ケイ酸、乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、ポビドン、アジピン酸、炭酸水素ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム
性状
性状・剤形
白色の腟錠
外形

大きさ
長径:約22mm、短径:約13mm、厚さ:約5mm、質量:約1.25g
識別コード
FPI、100
アプリケータ
1錠につきポリエチレン製アプリケータ1本を添付
一般的名称
プロゲステロン腟錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
診断未確定の性器出血のある患者[病因を見のがすおそれがある。]
3.
稽留流産又は子宮外妊娠の患者[妊娠維持作用により死亡している胎児の排出が困難になるおそれがある。]
4.
重度の肝機能障害のある患者[作用が増強されるおそれがある。]
5.
乳癌又は生殖器癌の既往歴又は疑いがある患者[症状が悪化するおそれがある。]
6.
動脈又は静脈の血栓塞栓症あるいは重度の血栓性静脈炎の患者又は既往歴のある患者[血栓症を起こすおそれがある。]
7.
ポルフィリン症の患者[症状が悪化するおそれがある。]
効能又は効果
生殖補助医療における黄体補充
用法及び用量
プロゲステロンとして1回100mgを1日2回又は3回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
中等度以下の肝機能障害のある患者[作用が増強されるおそれがある。]
2.
てんかん、うつ病又はその既往歴のある患者[副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。]
3.
片頭痛、喘息又はその既往歴のある患者[病態に影響を及ぼすおそれがある。]
4.
心機能障害又は腎機能障害のある患者[体液貯留を引き起こすおそれがある。]
5.
糖尿病の患者[糖尿病が悪化するおそれがある。]
6.
35歳以上の喫煙者で、アテローム性動脈硬化症の危険因子を有する患者[網膜血管障害の危険性が増加するおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
うつ病又はその既往歴のある患者は注意深く観察し、症状の悪化を認めた場合は投与を中止するなど注意すること。
2.
投与の中止により、不安、気分変化、発作感受性の増大を引き起こす可能性があるので、投与中止の際には注意するよう患者に十分説明すること。
3.
傾眠状態や浮動性めまいを引き起こすことがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
他の腟剤(抗真菌剤など)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある。
機序・危険因子
本剤からのプロゲステロン放出及び吸収を変化させる可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内で実施された臨床試験において、12件の副作用及び臨床検査値異常が、108症例中9症例(発現率8.3%)で発現した。主な副作用は頭痛、傾眠、性器出血各2例(1.9%)であった。
重大な副作用
血栓症
(頻度不明)
本剤成分の投与で、心筋梗塞、脳血管障害、動脈又は静脈の血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症又は肺塞栓症)、血栓性静脈炎、網膜血栓症があらわれたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状又は初期症状があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
その他の副作用
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
1. 神経系障害
1~5%未満
頭痛、傾眠
2. 神経系障害
頻度不明*
浮動性めまい、不眠、疲労
3. 胃腸障害
1%未満
腹部膨満、下痢、便秘
4. 胃腸障害
頻度不明*
腹痛、悪心、嘔吐
5. 皮膚および皮下組織障害
頻度不明*
蕁麻疹、発疹、過敏症反応
6. 生殖系および乳房障害
1~5%未満
性器出血
7. 生殖系および乳房障害
頻度不明*
子宮痙攣、外陰腟障害、腟真菌症、乳房障害、陰部そう痒症
8. その他
1%未満
肝機能検査異常
9. その他
頻度不明*
末梢性浮腫
その他の副作用の注意
*:海外で認められている副作用のため頻度不明
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
授乳婦
ヒト母乳中へ移行することがあるので、授乳中の婦人には投与しないこと。
過量投与
傾眠状態があらわれることがあるので、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を講ずること。
適用上の注意
1.
本剤は腟に適用する製剤のため、内服させないこと。
2.
本剤を投与するときは、以下の手順にて、添付されている専用のアプリケータを用いて腟内に直接挿入すること。
(1)
アプリケータを包装から取り出す。
(2)
アプリケータの先端の装着部に錠剤を確実にはめ込み、落下しないように注意する。
(3)
立位、座位又は仰向けになり、膝を曲げた状態で錠剤とともに、アプリケータをゆっくりと腟内に挿入する。
(4)
アプリケータの押し出し棒を押し、錠剤を放出する。
その他の注意
1.
海外の臨床試験において、本剤の曝露を受けた新生児426例中14例に胎児性形成異常が報告されている。(1日2回投与群:新生児203例中7例(3.4%)に口蓋裂、二分脊椎/脊髄髄膜瘤、大動脈弁狭窄、臍ヘルニア、胃腸形成異常、心臓弁膜疾患、先天性心臓欠陥症がみられた。1日3回投与群:新生児223例中7例(3.1%)に食道瘻、発育不全耳/尿道下裂、大動脈弁逆流症/鼻中隔弯曲、手指奇形、口唇裂、水頭症、全前脳胞症/象鼻奇形/多指症がみられた。)
2.
海外の臨床試験において自然流産が4.3%、子宮外妊娠が0.6%の患者で報告されている。
薬物動態
1. 吸収1),2)
閉経前の健康な外国人女性(白人、ヒスパニック)12例に本剤1錠を1日2回又は1日3回単日投与及び5日間連日投与した。単日投与では、1日2回及び1日3回投与時のCmaxはそれぞれ17.0ng/mL並びに19.8ng/mLであった。連日投与では、本剤投与開始後約1日で定常状態に達し、いずれの投与方法でも投与5日目の血清中プロゲステロン濃度は10ng/mL以上であった。

外国人女性における1日2回単日及び5日間連日投与後の血清中プロゲステロン濃度推移

外国人女性における1日3回単日及び5日間連日投与後の血清中プロゲステロン濃度推移
体外受精・胚移植又は卵細胞質内精子注入法を受ける日本人女性108例に、採卵日翌日から本剤1錠を1日2回又は1日3回腟内に最大10週間投与した。その結果、評価可能な94例における本剤投与5日目の血清中プロゲステロン濃度(平均値±標準偏差)は74.1±48.9ng/mLであった。
2. 分布3)
プロゲステロンは血中で主にアルブミン又はコルチコステロイド結合グロブリン(CBG)に結合しており、ヒト血清タンパク結合率は95~98%である。
3. 代謝3)
プロゲステロンは50%が肝臓でプレグナンジオールあるいはプレグナノロンに代謝され、グルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体として血液中に存在する。胆汁中へ排泄されたプロゲステロン代謝物の一部は胆汁中で脱抱合を、消化管では還元、脱水酸化、エピマー化を受ける。
4. 排泄4),5)
プロゲステロン代謝物の約50~60%は腎を経由して排泄され、10%は胆汁を経由して排泄される。胆汁中に排泄されたプロゲステロン代謝物の一部は腸肝循環し、一部はそのまま糞中に排泄される。
臨床成績
体外受精・胚移植又は卵細胞質内精子注入法を受ける日本人女性108例を対象に、採卵日翌日から本剤1錠を1日2回又は1日3回腟内に最大10週間投与した。本剤投与により黄体ホルモンは適切に補充され、胚移植例あたりの継続妊娠率は22.2%(20/90例、1日2回投与時:14.0%(6/43例)、1日3回投与時:29.8%(14/47例))であることが確認された。2)
薬効薬理
1. 子宮腺発達作用6)
ウサギに、エストラジオール5μg/日を7日間皮下投与後、5日間プロゲステロン50~1000μg/動物/日を投与したところ、プロゲステロンは子宮腺を発達させ、子宮内膜に授精卵が着床しやすい状態にした。
2. 妊娠継続作用6)
妊娠8日目のラットの卵巣を切除し、妊娠21日目まで、卵胞ホルモン補充を目的としたエストロン1.0μg/日とともにプロゲステロン0、0.3、1.0、3.0及び5.0mg/日を連日投与した結果、妊娠継続率はそれぞれ0、0、40、60及び100%であったことから、プロゲステロンの妊娠継続作用が示された。
3. 子宮収縮抑制作用7)
妊娠37~41週で帝王切開したヒトの子宮を用い、in vitroでプロゲステロンの子宮筋の自動収縮に対する作用を検討したところ、プロゲステロンは濃度依存的に自動収縮力を抑制し100μMでは82%抑制した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
プロゲステロン(Progesterone)
分子式
C21H30O2
分子量
314.46
構造式
化学名
Pregn-4-ene-3,20-dione
性 状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
包装
21錠(3錠×7:ブリスター、専用アプリケータ21本添付)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料(外国人女性を対象とした薬物動態試験)〔2005-08〕
2)
社内資料(日本人女性を対象とした第III相試験)〔000072〕
3)
Pfeifer SM, Strauss JF III. Progestins. In: Adashi EY, Rock JA, Rosenwaks Z (eds). Reproductive Endocrinology, Surgery and Technology. Philadelphia: Lippincott-Raven; 1996:493-504.
4)
Progesterone. Drug information provided by Gold Standard, Inc. 2006. http://cp.gsm.com
5)
Goodman and Gilman's Pharmacology, Chapter 57, Estrogens and Progestins. Progestins. McGraw-Hill's Access Medicine. http://www.accessmedicine.com
6)
Kumar, N., Koide, S.S., Tsong, Y., Sundaram, K. Nestorone: a progestin with a unique pharmacological profile. Steroids. 2000;65:629-636.
7)
Anderson, L., Martin, W., Higgins, C., Nelson, S.M., Norman, J.E. The effect of progesterone on myometrial contractility, potassium channels, and tokolytic efficacy. Reprod Sci. 2009;16:1052-1061.
文献請求先
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