阿仑膦酸钠 Bonalon Bag for I.V. Infusion (Alendronate Sodium Hydrate)ボナロン点滴静注バッグ900μg
ダウンロード
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作成又は改訂年月
2014年9月改訂 (第4版、処方箋医薬品表示変更に伴う改訂)
*2013年11月改訂
日本標準商品分類番号
873999
薬効分類名
骨粗鬆症治療剤
承認等
販売名
ボナロン点滴静注バッグ900μg
販売名コード
3999419G1024
承認・許可番号
承認番号
22400AMX00034000
欧文商標名
Bonalon Bag for I.V. Infusion 900μg
薬価基準収載年月
2012年4月
販売開始年月
2012年5月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存(取扱い上の注意参照)
使用期限
製造後3年 (外箱に表示)
規制区分
劇薬
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分 名称
アレンドロン酸ナトリウム水和物
有効成分 含量
1175μg(アレンドロン酸として 900μg)
添加物
塩化ナトリウム
クエン酸ナトリウム
クエン酸
性状
剤形
注射剤(バッグ)
容量
100mL
pH
5.5~6.5
浸透圧比
0.9~1.1
色調・性状
無色澄明、水性注射剤
一般的名称
アレンドロン酸ナトリウム水和物注射液
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
低カルシウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)
効能又は効果
骨粗鬆症
効能又は効果に関連する使用上の注意
*本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
用法及び用量
通常、成人には4週に1回アレンドロン酸として900μgを30分以上かけて点滴静脈内投与する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
重篤な腎機能障害のある患者[使用経験がなく安全性が確立していない。]
重要な基本的注意
1.
骨粗鬆症の発症にエストロゲン欠乏、加齢以外の要因が関与していることもあるので、治療に際してはこのような要因を考慮する必要がある。
2.
患者には、食事等から十分なカルシウムを摂取させること。
3.
低カルシウム血症のある患者は、本剤投与前に低カルシウム血症を治療すること。また、ビタミンD欠乏症又はビタミンD代謝異常のようなミネラル代謝障害がある場合には、あらかじめ治療を行うこと。
4.
本剤を含むビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
5.
ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
副作用
臨床試験(治験)
承認時の安全性評価対象331例中57例(17.2%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。内訳は自他覚的副作用が51例(15.4%)、臨床検査値異常が7例(2.1%)であった。主なものは背部痛8例(2.4%)、筋肉痛5例(1.5%)等であった。
(参考)
国内における35mg錠(35mg/週)と5mg錠(5mg/日)との52週間の二重盲検比較試験(治験)
本試験における35mg錠(35mg/週)の安全性評価対象168例中22例(13.1%)に28件の副作用が認められた。主な症状は消化管障害であり、24件〔上腹部痛4件(2.4%)、胃不快感4件(2.4%)、胃潰瘍3件(1.8%)、胃炎3件(1.8%)等〕であった。また、臨床検査値異常変動は168例中6例(3.6%)に10件認められた。主なものはγ-GTP上昇4件(2.4%)、AST(GOT)上昇2件(1.2%)、ALT(GPT)上昇2件(1.2%)であった。なお、5%を超える頻度の副作用は認められなかった。〔35mg錠(35mg/週)の承認時〕
35mg錠(35mg/週)特定使用成績調査
安全性評価対象3,162例中247例(7.8%)に300件(臨床検査値異常変動を含む)の副作用が認められた。副作用発現頻度は、安全性に関する調査(観察期間1年6ヵ月)7.7%(207例/2,702例)、有効性・安全性に関する調査(観察期間3年間)8.7%(40例/460例)であった。
安全性評価対象3,162例における主な副作用は腹部不快感34件(1.1%)、上腹部痛33件(1.0%)、悪心25件(0.8%)、消化不良16件(0.5%)、下痢16件(0.5%)であった。〔35mg錠(35mg/週)の再審査終了時〕
副作用の頻度は35mg錠(35mg/週)の臨床試験及び特定使用成績調査の合計より算出した。
重大な副作用
1. 肝機能障害、黄疸
(いずれも頻度不明)注1)
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 低カルシウム血症
(0.09%)
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合にはカルシウム剤の点滴投与等を考慮すること。
3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(いずれも頻度不明)注1)
中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤な皮膚症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 顎骨壊死・顎骨骨髄炎
(0.03%)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5. 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
(頻度不明)注1)
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
注1)自発報告、海外(経口剤)で認められている副作用、5mg錠(5mg/日)の臨床試験又は特定使用成績調査のみで認められた副作用については頻度不明とした。
その他の副作用
消化器
頻度不明注1)
鼓腸放屁、口内乾燥、嚥下困難、歯肉腫脹
消化器
1~5%未満
胃痛・心窩部痛、胃不快感・胃重感・腹部不快感
消化器
1%未満
腹痛、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、口内炎、胃酸逆流、咽喉頭痛、咽喉頭不快感、おくび、嘔気、便秘、下痢、胃炎、消化不良
皮膚・皮膚付属器
頻度不明注1)
紅斑、湿疹
皮膚・皮膚付属器
1%未満
発疹、かゆみ、脱毛、蕁麻疹
血液
頻度不明注1)
貧血(赤血球数減少、ヘモグロビン低下等)、白血球数減少、血小板数減少
肝臓
1%未満
肝機能異常〔AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇等〕
腎臓
頻度不明注1)
頻尿、排尿困難
腎臓
1%未満
BUN上昇
中枢・末梢神経系
頻度不明注1)
回転性めまい、知覚減退
中枢・末梢神経系
1%未満
浮動性めまい、頭痛
筋・骨格系
1%未満
関節痛注2)、背(部)痛注2)、筋肉痛注2)、骨痛注2)、筋痙攣
精神・神経系
頻度不明注1)
不眠(症)
電解質代謝
頻度不明注1)
血清リン低下、血清カリウム上昇
眼
頻度不明注1)
ぶどう膜炎、上強膜炎
眼
1%未満
眼症状(かすみ、異和感等)、強膜炎
その他
頻度不明注1)
血管浮腫、LDH上昇、総コレステロール値上昇、血清アルブミン低下、下肢痛
その他
1%未満
胸痛、倦怠(感)、味覚倒錯、末梢性浮腫、顔面浮腫、動悸、脱力(感)、発熱、気分不良、ほてり(顔面紅潮、熱感等)、CK(CPK)上昇、血圧上昇
以上のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1)自発報告、海外(経口剤)で認められている副作用、5mg錠(5mg/日)の臨床試験又は特定使用成績調査のみで認められた副作用については頻度不明とした。
注2)投与初日から数ヵ月後に、まれに、日常生活に支障を来たすような激しい痛みを生じることが報告されている。なお、ほとんどが投与中止により軽快している。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[使用経験がない。]
2.
ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、妊娠する可能性のある婦人へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。]
3.
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)でアレンドロン酸が乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
投与方法:
(1)
本剤は点滴静脈内投与にのみ使用し、30分以上かけてゆっくり投与すること。
(2)
カルシウム又はマグネシウムイオンと結合して不溶性沈殿物を形成することがあるので、カルシウム又はマグネシウムを含有する点滴溶液とは混和しないこと。
その他の注意
*男性患者に対する使用経験は少ない。(「臨床成績」の項参照)
薬物動態
1. 血清中濃度
(1)
閉経後の女性にアレンドロン酸として100、200、400、800、1,600及び2,000μgを含有する注射剤を30分間かけて単回持続点滴静脈内投与したとき、tmaxは持続投与終了時である投与開始後0.5時間であった。Cmax、AUCt、血中消失半減期の幾何平均値(CV%)は、以下のとおりであった1)。
(表1参照)
(2)
閉経後の女性に2パネル2期クロスオーバー法によるオープン試験にて、アレンドロン酸として200μgの単回点滴静脈内投与(n=23)及びアレンドロン酸として35mgの単回経口投与(n=24)を行ったとき、Cmaxの幾何平均値(CV%)はそれぞれ17.28(16.6)及び10.25(142.4)ng/mLであった。AUCtの幾何平均値(CV%)はそれぞれ16.35(15.8)及び16.29(149.7)ng・h/mLであり、AUCinfの幾何平均値(CV%)はそれぞれ18.59(14.6)及び26.59(126.1)ng・h/mLであった2)。
(3)
閉経後女性の腎機能正常者(n=7)及び軽度(n=8)・中等度(n=7)・高度(n=4)の腎機能低下患者にアレンドロン酸として900μgを含有する注射剤を単回投与したとき、各群の腎機能正常者に対するCmaxの幾何平均値の比率は、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ1.1、1.1、1.0であった。AUCtの幾何平均値の比率は、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ1.1、1.2、1.3であった。また、血中消失半減期の幾何平均値(CV%)は、腎機能正常者群、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ1.224(5.3)、1.381(7.2)、1.342(13.5)、1.692(6.8)hであった3)。
(注)本剤の承認された用法・用量は4週に1回アレンドロン酸として900μg点滴静脈内投与である。
2. 吸収・代謝・排泄
アレンドロン酸ナトリウム水和物投与により、動物又はヒトで代謝物は認められていない。
(1)
閉経後の女性にアレンドロン酸として100、200、400、800、1,600及び2,000μgを含有する注射剤を、30分間かけて単回持続点滴静脈内投与したとき、投与開始から48時間まで(2,000μg群は投与開始から36時間まで)のアレンドロン酸の累積尿中排泄量の幾何平均値(CV%)は、以下のとおりであった。
(表2参照)
以上より累積尿中排泄量は、用量に依存して増加した。そのほとんどは投与後8時間までに排泄された1)。
(2)
閉経後の女性に2パネル2期クロスオーバー法によるオープン試験にて、朝食30分前にアレンドロン酸として200μgの単回点滴静脈内投与(n=23)及びアレンドロン酸として35mgの単回経口投与(n=24)を行ったとき、投与開始時から48時間までの累積尿中排泄量の幾何平均値(CV%)はそれぞれ98.55(12.5)μg及び103.59(124.3)μgであった。累積尿中排泄率及び生物学的利用率は下記の結果が得られた2)。
(表3参照)
(3)
閉経後女性の腎機能正常者(n=7)及び軽度(n=8)・中等度(n=7)・高度(n=4)の腎機能低下患者にアレンドロン酸として900μg含有する注射剤を単回投与したとき、投与開始から48時間までのアレンドロン酸の累積尿中排泄量の幾何平均値(CV%)は、正常者群、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ423.69(18.5)、445.73(17.2)、298.02(29.2)、154.47(25.8)μgであった。また投与後48時間までの累積尿中排泄率の幾何平均値(CV%)は、正常者群、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ47.08(18.5)、49.53(17.2)、33.11(29.2)、17.15(25.9)%であった3)。
(注)本剤の承認された用法・用量は4週に1回アレンドロン酸として900μg点滴静脈内投与である。
表1
投与量
(μg) |
Cmax#
(ng/mL) |
AUCt#
(ng・h/mL) |
血中消失半減期#
(h) |
100
(n=7) |
8.89
(8.3) |
8.53
(8.9) |
0.650
(3.6) |
200
(n=7) |
16.28
(7.0) |
16.04
(6.4) |
0.649
(9.5) |
400
(n=7) |
35.32
(13.4) |
34.62
(12.4) |
0.632
(5.9) |
800
(n=7) |
70.32
(10.3) |
68.28
(10.3) |
0.642
(9.0) |
1,600
(n=7) |
141.18
(8.0) |
137.69
(6.0) |
0.645
(5.6) |
2,000
(n=8) |
170.86
(11.9) |
163.64
(12.0) |
0.626
(4.7) |
#:幾何平均(CV%)
表2
投与量(μg) |
累積尿中排泄量#(μg) |
100
(n=8) |
46.19
(17.6) |
200
(n=7) |
106.27
(6.0) |
400
(n=8) |
186.27
(17.5) |
800
(n=8) |
384.21
(10.6) |
1,600
(n=8) |
855.10
(7.6) |
2,000
(n=8) |
962.27
(7.3) |
#:幾何平均(CV%)
表3
対象 |
尿中排泄率#(%)
静脈内投与 |
尿中排泄率#(%)
経口投与 |
生物学的利用率#(%) |
閉経後女性 |
49.28
(12.5) |
0.30
(124.3) |
0.60
(122.1) |
#:幾何平均(CV%);n=23
臨床成績
1. 骨密度試験
(1) *国内における臨床成績
退行期骨粗鬆症患者(有効性評価対象325例、うち男性患者は、本剤(900μg/4週)7/162例、対照薬35mg錠(35mg/週)12/163例)における52週間の二重盲検試験において、腰椎(L2-L4)骨密度増加率の経時推移を図1に示した。投与52週後における腰椎(L2-L4)骨密度増加率の最小二乗平均値±標準誤差は、本剤(900μg/4週)投与6.1±0.3%、対照薬の35mg錠(35mg/週)投与5.5±0.3%であった。本剤(900μg/4週)投与と35mg錠(35mg/週)投与の腰椎(L2-L4)骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.60(-0.22~1.42)であり、本剤(900μg/4週)投与は35mg錠(35mg/週)投与に劣らないことが検証された。また、大腿骨骨密度増加率の経時推移を図2に示した。投与52週後における大腿骨骨密度増加率の最小二乗平均値±標準誤差は、それぞれ2.4±0.2%(900μg/4週)及び2.0±0.2%(35mg/週)であった。本剤(900μg/4週)投与と35mg錠(35mg/週)投与の大腿骨骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.48(-0.03~0.99)であり、同程度の骨密度増加効果を示した。
なお、安全性において、本剤(900μg/4週)投与の副作用発現率は、35mg錠(35mg/週)投与と同程度であった4)。

図1 腰椎(L2-L4)骨密度の経時推移(平均値±標準誤差)

図2 大腿骨骨密度の経時推移(平均値±標準誤差)
(2) 国内における臨床成績(参考)
退行期骨粗鬆症患者(有効性評価対象297例)における52週間の二重盲検試験において、腰椎(L1-L4)骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値±標準誤差は、35mg錠(35mg/週)投与6.3±0.4%、対照薬の5mg錠(5mg/日)投与5.8±0.4%であった。35mg錠投与と5mg錠投与の腰椎(L1-L4)骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.58(-0.31~1.48)であり、骨密度増加効果は同等であった。また、大腿骨骨密度(投与52週)においても、それぞれ3.0±0.4%(35mg/週)及び2.8±0.4%(5mg/日)であり、同程度の骨密度増加効果を示した。35mg錠投与と5mg錠投与の大腿骨骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.15(-0.65~0.95)であった。なお、安全性において、35mg錠(35mg/週)投与の副作用発現率は、5mg錠(5mg/日)投与と同程度であった5)。[「副作用」の項参照]
2. 骨折試験(参考)
(1) 国内における臨床成績
退行期骨粗鬆症患者365例における2年間の二重盲検比較試験(骨折発生頻度)において、胸腰椎の新規骨折発生率は5mg錠(5mg/日)投与で12.2%、対照薬(アルファカルシドール、1μg/日)で16.7%であり、対照薬に対する5mg錠(5mg/日)の非劣性が検証された。この試験において、投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、5mg錠(5mg/日)投与では対照薬に比して8.4%低く統計的に有意差を認めた(相対危険減少率66%)。また、2年間における胸腰椎での複数の新規骨折発生率は5mg錠(5mg/日)投与では対照薬に比して4.9%低かった(相対危険減少率67%)6)。さらに、延長試験として実施された3年間の成績においても投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、5mg錠(5mg/日)投与で7.8%、対照薬で18.8%であり、5mg錠(5mg/日)の有意な椎体骨折抑制効果が3年間に亘り確認された7)。
(2) 海外における臨床成績
閉経後骨粗鬆症患者2,027例における錠剤3年間のプラセボ対照二重盲検比較試験において、最初の2年間は5mg/日、3年目は10mg/日投与した結果は下表のとおりである8)。
(表4参照)
なお、5mg錠(5mg/日)投与後の平均腰椎骨密度増加率は、海外における10mg/日投与12ヵ月後の値と国内における5mg/日投与48週後の値に類似性が認められた9),10)。また、骨密度増加効果と骨折抑制効果は相関することが確認されている11)。
(注)国内における錠剤の承認された用法・用量はアレンドロン酸として週1回35mg、あるいは1日1回5mgである。
表4
骨折の種類 |
骨折抑制率(%) |
胸腰椎の新規骨折# |
47% |
2個以上の胸腰椎の新規骨折# |
90% |
新規大腿骨近位部骨折 |
51% |
#:X線像による判定
薬効薬理
1. 作用機序
アレンドロン酸は骨のハイドロキシアパタイトに強い親和性を持ち、ラットでは破骨細胞が存在する骨表面に選択的に分布した。アレンドロン酸は破骨細胞に取り込まれた後その活性を抑制することにより、骨吸収を減少させる12),13)。
2. 骨量減少に対する作用
(表5参照)
3. 骨石灰化に対する影響
アレンドロン酸ナトリウム水和物は、上記の骨量減少モデルにおいて1年以上の投与(ラット:1年、ヒヒ:2年)を行ったとき、骨量減少を抑制する投与量では骨石灰化障害を示唆する結果が得られていない16)。成長過程のラット(Schenk評価系)において、骨吸収を抑制する投与量は骨石灰化を障害する投与量の約1/6000であり、広い安全域が示されている。
4. 骨強度、骨折治癒過程に対する影響
(表6参照)
表5
動物種 |
方法 |
結果 |
卵巣摘出ラット14) |
アレンドロン酸として0.04~5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から2ヵ月間経口投与 |
卵巣摘出による骨量減少をアレンドロン酸として1mg/kg/日以上の投与量で骨石灰化に障害を与えずに抑制した。 |
卵巣摘出ラット |
アレンドロン酸として0.1、0.5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から12ヵ月間経口投与 |
アレンドロン酸として0.5mg/kg/日の1年間の経口投与により、卵巣摘出による腰椎の骨量の減少を抑制し、卵巣非摘出ラットと同様の骨強度を維持した。 |
卵巣摘出ラット15) |
アレンドロン酸として0.224、1.12、5.6、28mg/kg/月(28日間)を、それぞれ週2回、週1回又は2週に1回の投与頻度で、卵巣摘出の翌日から3ヵ月間皮下投与 |
卵巣摘出による大腿骨及び脛骨の骨量の減少を投与頻度にかかわらず、同程度抑制した。
また、骨形態により骨吸収亢進も同程度抑制した。 |
卵巣摘出ヒヒ16) |
アレンドロン酸として0.04、0.19mg/kgを、卵巣摘出後2週に1回、2年間静脈内投与 |
アレンドロン酸として0.04mg/kg以上で骨代謝回転亢進が卵巣非摘出群レベルまで抑制されることが、生化学的マーカー及び骨形態により示された。
また、海綿骨量を骨石灰化を障害せずに増加させ、皮質骨の粗鬆性の亢進を防止した。
腰椎の海綿骨の強度はアレンドロン酸ナトリウム水和物投与により増加し、骨量と骨強度には正の相関が認められた。 |
表6
動物種 |
方法 |
結果 |
正常イヌ17),18) |
アレンドロン酸として0.25~1mg/kgを1日1回、3年間経口投与 |
正常イヌに臨床用量の約10倍量に相当するアレンドロン酸ナトリウム水和物を3年間経口投与したところ、骨強度に対する影響、微小骨折、骨軟化症を示す所見は認められなかった。 |
骨折イヌ19) |
アレンドロン酸として2mg/kgを1日1回、骨折前9週間、骨折後16週間経口投与 |
臨床用量の約20倍量に相当する投与によっても、骨折修復部位の骨強度に変化は認められず、骨折の治癒過程に対し影響を与えないことが示された。 |
有効成分に関する理化学的知見
一般名
アレンドロン酸ナトリウム水和物(Alendronate Sodium Hydrate)
化学名
Monosodium trihydrogen 4-amino-1-hydroxybutane-1,1-diyldiphosphonate trihydrate
化学構造式
分子式
C4H12NNaO7P2・3H2O
分子量
325.12
融点
約252℃(分解、ただし乾燥後)
性状
白色の結晶性の粉末である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。0.1mol/Lクエン酸三ナトリウム試液に溶ける。
取扱い上の注意
1.
製品の品質を保持するため、本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。また、開封後は速やかに使用すること。
2.
包装内に水滴が認められるものや内容液が着色又は混濁しているものは使用しないこと。
3.
容器の液目盛りは、およその目安として使用すること。
包装
100mL×1袋
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内報告:薬物動態(閉経後女性、単回), 2007
2)
社内報告:薬物動態(閉経後女性、単回), 2008
3)
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4)
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5)
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6)
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7)
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8)
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9)
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18)
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19)
Peter, C. P. et al.:J. Orthop. Res., 14(1)74, 1996
文献請求先
主要文献に記載の社内報告につきましても下記にご請求下さい。
帝人ファーマ株式会社 学術情報部
〒100-8585 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号
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