LH-RH Injection(Gonadorelin Acetate)醋酸戈那瑞林注射剂,LH-RH注0.1mg「タナベ」
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作成又は改訂年月
**2009年10月改訂(第6版)D2
*2007年10月改訂
日本標準商品分類番号
877223
薬効分類名
LH分泌ホルモン剤
承認等
販売名
LH-RH注0.1mg「タナベ」
販売名コード
7223400A1037
承認・許可番号
承認番号
21800AMX1027
商標名
LH-RH Injection 0.1mg
薬価基準収載年月
2006年6月
販売開始年月
1975年10月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱、容器に使用期限を表示
規制区分
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
成分・含量 1管(1mL)中
*日局 ゴナドレリン酢酸塩 0.1mg
添加物
氷酢酸 0.06mg
酢酸ナトリウム水和物 0.04mg
D-ソルビトール 50.0mg
性状
製剤の外観
無色澄明の液
pH
4.0~5.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1
一般的名称
*ゴナドレリン酢酸塩製剤
効能又は効果
○下垂体LH分泌機能検査
正常反応は個々の施設によって設定されるべきであるが、通常、正常人では投与後30分で血中LH値がピークに達し、ラジオイムノアッセイによる血中のそれは30mIU/mL以上になる。しかし、投与後30分の血中LH値だけで十分な判定ができないと考えられる場合は、投与後経時的に測定し、判定することが望ましい。
なお、判定に当たっては、次の点を考慮することが望ましい。
(1)
皮下・筋肉内注射時の血中LH反応は、静脈内注射時のそれより低いと考えられる。
(2)
排卵期の女性は投与前血中レベル及び投与後の血中LH反応が高く、小児では低い。
用法及び用量
通常成人には、1回本剤1管を静脈内、皮下又は筋肉内に注射する。
静脈内注射の場合は、生理食塩液、ブドウ糖注射液あるいは、注射用水5~10mLに混じて、徐々に注射する。
使用上の注意
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例6,505例中、副作用が報告されたのは23例(0.35%)で、主な副作用のうち悪心14例(0.22%)、尿意7例(0.11%)及び熱感5例(0.08%)等はいずれもTRHとの併用時に認められたものである。
LH-RH単独投与時の副作用としては、月経早期発来3例(0.05%)等であった。(発売時~1978年10月迄の集計)
重大な副作用
1.
下垂体腺腫患者に投与した場合、まれに頭痛、視力・視野障害等を伴う下垂体卒中(0.1%未満)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には外科的治療等適切な処置を行うこと。
2.
ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い必要に応じ適切な処置を行うこと。
その他の副作用
子宮
0.1%未満
月経早期発来
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。〔動物実験で流産(マウス)若しくは分娩遅延(マウス、ラット、ウサギ)が認められている。〕
適用上の注意
1. 注射部位
皮下、筋肉内投与により、注射部位に疼痛を訴えることがある。
2. 投与時
皮下又は筋肉内に投与する場合には、神経及び血管を避けて慎重に投与すること。
なお、幼小児においては、特に注意すること。
3. アンプルカット時
本品は「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので、カット部をエタノール綿等で清拭した後、ヤスリを用いず、アンプル枝部のマークの反対方向に折り取ること。
薬物動態
健康成人4例(男2、女2)及び間脳下垂体疾患患者6例(男3、女3)にLH-RHを100μg静脈内投与した場合、血中第一半減期は5.3分、第二半減期は27.4分で健康群と患者群に差は認められない。静注後24時間までに投与量の1.6%(10例平均)が尿中へ排泄される。1)
臨床成績
LH-RH(100μg)負荷による血中LH反応パターンよりの障害部位鑑別は下表のとおりである。(表1参照)
症候論的試験とLH-RHテストにより下図の如く障害部位鑑別を行う。

(参考)
臨床成績の表
表1 24機関830例の臨床試験成績
\ |
LH-RH投与前
LH値(mIU/mL) |
LH-RH投与後(30分)
反応の有無 |
LH-RH投与後(30分)
LH値(mIU/mL) |
正常人 成人(男女)、小児 |
30未満 |
+ |
30以上 |
正常人 高齢者(50歳以上) |
40以上 |
+ |
40以上(高値) |
正常人 排卵期女子 |
60以上 |
+ |
200以上 |
性腺機能低下症
視床下部性 |
30未満(低値) |
±~+ |
30以上 |
性腺機能低下症
下垂体性 |
30未満(低値) |
- |
30未満(低値) |
性腺機能低下症
原発性 |
30以上 |
+ |
30以上(高値) |
下垂体前葉を刺激してLH(luteinizing hormone)及びFSH(follicle stimulating hormone)の分泌を促進する。2~9)
(1) LH分泌促進作用
健康成人男子に100μg静脈内投与したとき、血中LH値は10分後より上昇し、30分後に最大(80.3±18.5mIU/mL)に達し、以後漸減する。8)
(2) FSH分泌促進作用
健康成人男子に100μg静脈内投与したとき、血中FSH値は10分後より上昇し、30分後に最大(19.0±11.6mIU/mL)に達し、以後漸減する。8)
有効成分に関する理化学的知見
*○一般名
ゴナドレリン酢酸塩
(Gonadorelin Acetate)
○化学名
5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-glycyl-L-leucyl-L-arginyl-L-prolyl-glycinamide diacetate
○構造式
○分子式
C55H75N17O13・2CH3COOH
○分子量
1302.39
○性状
・白色~微黄色の粉末で、においはないか、又はわずかに酢酸臭がある。
・水、メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくい。
・吸湿性である。
・0.10gに水10mLを加えて溶かした液のpHは4.8~5.8である。
包装
LH-RH注0.1mg「タナベ」:1mL×5管

主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Jeffcoate, S. L. et al.:J. Endocrinol. 1974;60:305-314
2)
入江 実:ホルモンと臨床 1976;24:708-708
3)
鎮目和夫 他:ホルモンと臨床 1976;24:743-750
4)
林 基之 他:第18回日本不妊学会発表 1973(社内資料)
5)
磯島晋三 他:日本不妊学会雑誌 1974;19(3):237-242
6)
堀野正治 他:日本内分泌学会雑誌 1974;50(7):1077-1090
7)
余語郁夫 他:産婦人科の進歩 1973;26(3):291-297
8)
中野 裕 他:内科宝函 1973;20(2):45-54
9)
桧垣 鴻 他:田辺製薬研究報告 1978;118-121
文献請求先
**主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
*田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
**〒541-8505 大阪市中央区北浜2-6-18
電話 0120-753-280
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
*田辺三菱製薬株式会社
**大阪市中央区北浜2-6-18
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薬効薬理