Hydrocortone(Hydrocortisone Sodium Phosphate)氢化可的松磷酸钠注射液,水溶性ハイドロコートン注射液100mg/水溶性ハイドロコートン注射液500mg
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作成又は改訂年月
*2009年6月改訂
日本標準商品分類番号
872452
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1989年3月
薬効分類名
副腎皮質ホルモン製剤
承認等
販売名
水溶性ハイドロコートン注射液100mg
販売名コード
2452402A2040
承認・許可番号
承認番号
21600AMY00030000
商標名
Hydrocortone
薬価基準収載年月
2004年7月
販売開始年月
2008年4月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存,遮光保存,凍結を避ける
使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること
*規制区分
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
水溶性ハイドロコートン注射液100mg
1バイアル(2mL)中ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウムをヒドロコルチゾンとして100mg含有する。
添加物として亜硫酸水素ナトリウム6.4mg,クレアチニン16mg,プロピルパラベン0.4mg,メチルパラベン3mg,クエン酸ナトリウム,水酸化ナトリウムを含有する。
製剤の性状
性状 |
無色~淡黄色澄明の水性注射剤 |
pH |
7.5~8.5 |
浸透圧比 |
約2(生理食塩液に対する比) |
販売名
水溶性ハイドロコートン注射液500mg
販売名コード
2452402A5090
承認・許可番号
承認番号
21600AMY00014000
商標名
Hydrocortone
薬価基準収載年月
2004年7月
販売開始年月
2008年4月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存,遮光保存,凍結を避ける
使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること
*規制区分
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
水溶性ハイドロコートン注射液500mg
1バイアル(10mL)中ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウムをヒドロコルチゾンとして500mg含有する。
添加物として亜硫酸水素ナトリウム32mg,クレアチニン80mg,プロピルパラベン2mg,メチルパラベン15mg,クエン酸ナトリウム,水酸化ナトリウムを含有する。
製剤の性状
性状 |
無色~淡黄色澄明の水性注射剤 |
pH |
7.5~8.5 |
浸透圧比 |
約2(生理食塩液に対する比) |
一般的名称
ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム注射液
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
原則禁忌
(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
1.
有効な抗菌剤の存在しない感染症,全身の真菌症の患者[免疫抑制作用により,感染症が増悪するおそれがある。]
2.
急性心筋梗塞を起こした患者[心破裂を起こしたとの報告がある。]
効能又は効果
外科的ショックおよびショック様状態における救急,または術中・術後のショック
用法及び用量
症状,症例により異なるが,1日1回または数回,1回2~20mL(ヒドロコルチゾンとして100~1,000mg)を静注または点滴静注する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
消化性潰瘍の患者[粘膜防御能の低下等により,消化性潰瘍が増悪するおそれがある。]
2.
糖尿病の患者[糖新生促進作用(血糖値上昇)等により,糖尿病が増悪するおそれがある。]
3.
感染症の患者[免疫抑制作用により,感染症が増悪するおそれがある。]
4.
結核性疾患の患者[免疫抑制作用により,結核性疾患が増悪するおそれがある。]
5.
単純疱疹性角膜炎の患者[免疫抑制作用により,単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある。]
6.
骨粗鬆症の患者[骨形成抑制作用及びカルシウム代謝の障害を起こすことにより,骨粗鬆症が増悪するおそれがある。]
7.
精神病の患者[中枢神経系に影響し,精神病が増悪するおそれがある。]
8.
後嚢白内障の患者[水晶体線維に影響し,後嚢白内障が増悪するおそれがある。]
9.
緑内障の患者[眼圧が上昇し,緑内障が増悪するおそれがある。]
10.
腎不全の患者[症状が増悪するおそれがある。]
11.
高血圧症の患者[ナトリウム・水貯留作用等により,高血圧症が増悪するおそれがある。]
12.
電解質異常のある患者[ナトリウム・水貯留作用により,電解質異常が増悪するおそれがある。]
13.
うっ血性心不全の患者[ナトリウム・水貯留作用等により,うっ血性心不全が増悪するおそれがある。]
14.
甲状腺機能低下のある患者[血中半減期の延長がみられ,副作用が起こりやすい。]
15.
肝硬変の患者[慢性肝疾患患者では,血中半減期の延長がみられ,副作用が起こりやすい。]
16.
脂肪肝の患者[脂質代謝に影響し,脂肪肝が増悪するおそれがある。]
17.
脂肪塞栓症の患者[脂質代謝に影響し,脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。]
18.
重症筋無力症の患者[使用当初,一時症状が増悪することがある。]
19.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤の投与により,誘発感染症,続発性副腎皮質機能不全,消化性潰瘍,糖尿病,精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので,本剤の投与にあたっては,次の注意が必要である。
(1)
本剤の高用量投与は通常48~72時間以内とし,ショックの改善が認められれば直ちに投与を中止すること。
(2)
連用後,投与を急に中止すると,ときに発熱,頭痛,食欲不振,脱力感,筋肉痛,関節痛,ショック等の離脱症状があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には,直ちに再投与又は増量すること。
2.
**副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において,B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど,B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には,本剤の減量を考慮し,抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお,投与開始前にHBs抗原陰性の患者において,B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
3.
本剤の長期あるいは大量投与中の患者,又は投与中止後6ヵ月以内の患者では,免疫機能が低下していることがあり,生ワクチンの接種により,ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので,これらの患者には生ワクチンを接種しないこと。
4.
特に,本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると,致命的な経過をたどることがあるので,次の注意が必要である。
(1)
本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
(2)
水痘又は麻疹の既往のない患者においては,水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には,直ちに受診するよう指導し,適切な処置を講ずること。
(3)
水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても,本剤投与中は,水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等 |
臨床症状・措置方法 |
機序・危険因子 |
バルビツール酸誘導体:
フェノバルビタール
フェニトイン
リファンピシン |
本剤の作用が減弱することが報告されている。 |
これらの薬剤はチトクロームP450を誘導し,本剤の代謝が促進される。 |
サリチル酸誘導体:
アスピリン |
併用時に本剤を減量すると,血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し,サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。 |
本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し,血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。 |
抗凝血剤:
ワルファリンカリウム |
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている。 |
本剤は血液凝固促進作用がある。 |
経口糖尿病用剤:
アセトヘキサミド
インスリン製剤 |
これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。 |
本剤は肝臓での糖新生を促進し,末梢組織での糖利用を阻害する。 |
利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く):
トリクロルメチアジド,
フロセミド |
併用により,低カリウム血症があらわれることがある。 |
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。 |
シクロスポリン |
副腎皮質ホルモン剤の大量投与により,併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある。 |
シクロスポリンの代謝を阻害する。 |
マクロライド系抗生物質:
エリスロマイシン |
副腎皮質ホルモン剤の作用が増強されるとの報告がある。 |
本剤の代謝が阻害されるおそれがある。 |
エフェドリン |
副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進され,血中濃度が低下するとの報告がある。 |
機序不明 |
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない(再審査対象外)。
重大な副作用
次のような副作用があらわれることがあるので,症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
(1) **誘発感染症,感染症の増悪(頻度不明)
誘発感染症,感染症の増悪があらわれることがある。また,B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(2) 続発性副腎皮質機能不全,糖尿病(頻度不明)
(3) 消化性潰瘍(頻度不明)
(4) 精神変調,うつ状態(頻度不明)
(5) 骨粗鬆症,大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死,ミオパシー(頻度不明)
(6) 緑内障,後嚢白内障(頻度不明)
連用により眼圧亢進,緑内障,後嚢白内障を来すことがあるので,定期的に検査をすることが望ましい。
(7) ショック(頻度不明)
アナフィラキシー様反応があらわれることがある。
その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明 |
内分泌 |
月経異常 |
消化器 |
悪心・嘔吐 |
精神神経系 |
多幸症,不眠,頭痛 |
筋・骨格 |
筋肉痛,関節痛 |
脂質・蛋白質代謝 |
満月様顔貌,窒素負平衡 |
体液・電解質 |
浮腫,血圧上昇,低カリウム性アルカローシス |
眼 |
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害,眼球突出 |
血液 |
白血球増多 |
皮膚 |
創傷治癒障害,ざ瘡,そう痒,刺激感,脂肪織炎 |
その他 |
発熱,疲労感 |
高齢者への投与
高齢者に長期投与した場合,感染症の誘発,糖尿病,骨粗鬆症,高血圧症,後嚢白内障,緑内障等の副作用があらわれやすいので,慎重に投与すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験で催奇形作用が報告されており,また,新生児に副腎不全を起こすことがある。]
(参考)
マウス,ラット及びウサギを用いて催奇形性試験を行った。胎児の主要器官形成期にあるそれぞれの妊娠動物に,本剤の200~500mg/kg/日,100~250mg/kg/日を腹腔内に,25~300mg/kg/日を静脈内に注射し,妊娠末期胎児の異常の有無を調べた結果,口蓋裂及び椎骨系奇形の出現,化骨の遅延並びに胎児死亡率の上昇が認められた。
小児等への投与
1.
小児等の発育抑制があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと。
2.
長期投与した場合,頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
適用上の注意
1. 静脈内投与時
静脈内注射により,血管痛,静脈炎,不整脈又は循環性虚脱があらわれることがあるので,これを予防するため,注射部位,注射方法等について十分注意し,その注射速度はできるだけ遅くすること。
2.
本剤は眼科用に使用しないこと。
薬効薬理
副腎皮質ホルモン剤の高用量投与による抗ショック作用の作用機序としては,心拍出量の増加,末梢血管抵抗の減少,心筋収縮力の増強,微小循環の改善,リソゾーム膜の安定化等があげられている。
出血性ショックのイヌに対して本剤の高用量(ヒドロコルチゾンとして50mg/kg)静注により,心拍出量増加,血圧上昇等循環動態の著明な改善が認められている。1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム(Hydrocortisone Sodium Phosphate)
化学名
Disodium 11β, 17, 21-trihydroxypregn-4-ene-3, 20-dione 21-phosphate
分子式
C21H29Na2O8P

分子量
486.40
性状
白色~淡黄色の粉末で,においはない。
水に溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(95)に極めて溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
吸湿性である。
取扱い上の注意
1.
本製剤は,通常,淡黄色を帯びているが,これは原末(ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム)自体の呈色によるものである。
2.
バイアルの外面を滅菌することが必要な場合,高圧蒸気滅菌法等を用いないこと(高熱による変質を避けるため)。
包装
水溶性ハイドロコートン注射液100mg
2mL×10バイアル
水溶性ハイドロコートン注射液500mg
10mL×5バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
田辺堅三郎 他:応用薬理,7:501,1973
文献請求先
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